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こんにちは、横浜で15年以上、犬の保育園の編集を行っているなおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんの友を愛で遊ぶおテーマに、
犬のそれぞれについて私たちに旅行の思い出などのお話もお届けします。
前回は、パパさんにいただいていたテーマ、
動物の好奇心について私なりのお話をしていました。
今回は、犬という側面から見た好奇心についてお話をしてみようと思います。
まだ前回の配信を聞いていないよという方は、概要欄にURLを貼り付けておきますので、
よろしかったら聞いてみてくださいね。
犬は紛れもなく動物であり、当たり前ですが人間ではありません。
ですが、人類最古の家畜として、友として、また仕事のパートナーとして、
すでに1万年から1万5千年の月日を共に歩んできた動物です。
そして特筆すべきことは、羊のように毛皮が求められたというわけではなく、
牛やヤギのようにその乳が求められたのでもなく、
犬という生き物自身の持つ習性や能力そのものが、
人間に利点を及ぼす存在として求められたという点です。
もちろん羊は食肉や毛皮用途で使われていたこともあります。
猫とも違うのは、猫の利点は、人の目や手の届かないところで、
ネズミや怪獣、小動物を狩るもの、つまり人との活動区域が異なるため、
その能力が重宝されてきたものなんですね。
犬は人に見える場所で、人の手の届く範囲で、
人の生活をサポートする動物として重宝され、尋聴されてきたのです。
ですから犬の好奇心については、他の多くの野生動物のみならず、
家畜動物と類似するもの、それも当然ありますが、
異なるものもたくさんあるんですね。
ノーベル生理学医学賞を受賞し、動物行動学の基礎を築いたと言われる
コンラート・ローレンズ博士の著作は、私も大好きで数多く読みましたが、
その中の人、犬に合う、は特に大好きな作品です。
ローレンズ博士は、その著作の中で犬の好奇心の得意性について触れています。
表現運動や音声を理解する上での動物の生来の能力は、
近縁の種のそれのみに及ぶものであり、無経験の犬は猫の身振りすら理解ができない。
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このことを考えると、犬が人間の感情の表現を理解する度合いは、
ほとんど奇跡と言っていいくらいである。と述べております。
つまり、本来動物同士がコミュニケーションを取る必要があるのは、近縁の種類の動物のみで良いはずなのに、
犬は経験がなくても、近縁ではない、人間という全く違う種類の動物の感情や表現を理解する能力に長けていて、
これは奇跡に近く驚くべきことだ、ということになります。
相手を理解するためには当然ですが、相手に好奇心を持たなくてはなりません。
動物の好奇心のところの冒頭でお話ししたように、好奇心の反対は、本来は無関心ですからね。
動物が好奇心を示すためには、条件とモチベーションが必要です。
また、高等哺乳類となると、暇や退屈が好奇心を動かすための原動力となることもあります。
多くの動物の好奇心に火をつけるものといえば、
飢え、生殖、安全が主なキーワードであり、それ以外に社会性を営む動物であれば、
社会を形成している群れがどんな行動をしているのか、という好奇心が働いていきます。
野生動物でも幼い個体は、親や兄弟を観察し、好奇心を持ってその行動を真似していきますよね。
これは将来的に自分がどう行動し、振る舞えばその社会の中で、環境でスムーズに生きていくことができるのか、
ということを学ぶために必要な好奇心でもあるんです。
犬が他の動物と異なる点。
それは同じ犬という種族同士のみではなく、人間という異種に対してもその好奇心が発揮されるという点です。
さらに言えば、同じ動物種である犬同士よりも強く、他の動物に対してよりも強く、
人に対してその好奇心を発揮することがあるということです。
犬は人のルーティンワークを悟ることが実に上手です。
それは犬が飼い主や家族に興味を持ってその行動を観察し、行動に対して反応を起こしているからです。
例えば、スーツを着たお父さんが帰宅したら自分の夕飯はもうすぐとか、
犬が人に示す好奇心は他の動物よりもずっと強く、
そのために犬たちはDNA的に我ら人類と近いと言われている類人猿の種類よりも人の行動を察知するし、
また人の行動、心の動きにも対応するように進化してきたとさえ言われています。
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好む好まざるを別として人の良きともである個体を残し続けてきた結果が、
動類よりも人により好奇心を持つ犬の習性を作り上げてきたことは確かだと思います。
一方で犬の祖先と言われる狼たちは、野生の状態では人に対し警戒心を持つものの、
好奇心を持つことはあまりないと言われています。
もちろん動物園のような囲われた空間にて生き繁殖され、
人の手が介入して飼育や繁殖を行われた場合には別です。
2万年ほど昔に狼と犬に別れた頃、
より警戒心が強く人に慣れない個体は狼としてその道の進化を続け、
より好奇心が強く人に慣れることで生き延びていった個体は犬として進化をしてきた、
というのは犬と狼がわたかれた定説の一つにあります。
犬が犬として種を存続してくる過程で、人の存在は欠かせないものでした。
だからこそ犬たちは自分たちの種の保存法の一つとして人と共に、
これは同じ家でというだけではなく人間の住む環境に住む、
夜県なども同じですが、人に対して好奇心を強く持つということを選んできたんです。
この説を裏付ける行動の一つがあります。
多くの野生動物は人と目を合わせたり手を伸ばすと逃げます。
ですが犬の多くは手を伸ばすと手の匂う影にやってくる答えが多いのです。
これは経験がたくさん積んでいる犬ではなくて子犬を見ると一目瞭然です。
もちろん中には絶対に初対面の人には近づいてこないという犬もいますが、
何万年何千世代と犬たちが人の手から食べ物をもらったり、
人の手から食べ物を投げてもらったりした結果、犬たちは人の手の動き、
そして目線の動き、さらにそこから心の動きを非常に敏感に察するようになり、
それは他の動物と比べても群を抜いていると言われているんです。
だからこそ犬は人の最良の友として、
時として人間同士では癒せない心の傷をも癒してくれるパートナーとなり得ていったのでしょう。
最後にローレンズ博士の意見からもう一度。
個人的には私は知性を示す他の技能で類人猿がいかに犬を凌ぐとしても、
人間の話すことを理解する上では犬の方が勝っていると信じている。
ある点では犬は最も利口な猿よりもはるかに人間的である。
ある意味で私が犬という生き物に魅力を感じるのはこの点かもしれません。
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こんなにも自分にそして人間に好奇心を持ってくれる対象にどうか皆さんが今以上の好奇心を持ってくださることを願ってやみません。
次回は経験則から見た好奇心の強い犬、警戒心の強い犬について少しお話をしようと思います。
本日も最後まで聞いていただきありがとうございました。