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こんにちは。横浜で犬の保育園N1クラブワンコの秘密基地を運営している、なおちゃん先生と申します。
動物好き少女がドッグトレーナーになるまで🐶秘密基地誕生物語④をお届けします。
改めましての壮大な自己紹介ともいえるこのシリーズは、音声配信スタンドFMだけでなく、
インスタグラム、ノート、そして公式LINEのオープンチャット、
リアルのお客様に向けても少しずつ分けてお届けしていこうと思っております。
前回は3回目、私が犬のお仕事を目指すと思いつつも、
実際に何になったらいいのかわからない。
そんな私が犬の訓練所に入所しなかった理由をお話しました。
犬の訓練師にならなかった理由、それをお話ししていきました。
今回はその続き、第4回目となります。
4回目、運命の出会い。
大学4年の夏休みが終わり、秋になりました。
友達がみんな進路を決めていく中、私は焦りました。
このまま卒業したら、私は4月からただのニートだったんです。
犬の仕事をしたいと言っても、何をしたいのかわからない。
とりあえず、ペットショップでアルバイトでもしようかな、
なんて考えていた矢先。
私は、あるペット事業者が始めた
ペットビジネスを総合的に学ぶというスクールを偶然見つけることとなりました。
それは当時、東京の双子玉川にあった犬と猫の施設が母体となった
初のペットビジネス総合スクールでした。
私は卒業間近とはいえ、まだ学生で、世界一周で借りた資金を返すためにバイトをかなりしていました。
そのため、通えるのか不安でしたが、幸い社会人コースという夜学のコースがあったんですね。
このスクールは今はもうないのですが、ペットビジネス総合スクールと言われるように
トリミング・美容関係、動物看護師・保健・健康関係、
ドッグトレーナー・行動学関係、
ドッグカフェ経営・飲食関係、ペットショップ経営・小売関係、
これらの分野を前期では浅く広く、後期ではこれらの中から自分の線香を絞って
一つの分野について深く学んでいくというものでした。
犬のことを仕事にしたいけれど、どんな仕事がいいのかわからないという私にとって、
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このスクールはまさにうってつけでした。
前期入学をして早速10月から通い始めました。
学校が終わって18時から21時、そのくらいまでの時間だったと思います。
幸い私の大学と同じ渋谷にあったのも幸いしました。
このスクールに入学して、犬に関わる仕事ってこんな風に種類が分かれているんだなぁと、
幅広い分野の仕事を知ることができてよかったと思っています。
そして様々な分野の中で私が一番興味を持ち、これは面白いと思ったのが行動学、トレーナー科でした。
この講師の先生との出会いもまた運命であったなぁと今は思っています。
この講師のドッグトレーナーの先生は、今まで見てきた訓練所出身の訓練師の先生たちとは明らかに違っていました。
犬の身体能力や行動学の理論から導き出されるトレーニング理論は面白くて、
幼い頃から疑問に思ってきた。どうして犬はこんな風に動くんだろうという問いがみるみる晴れていくような感覚。
私はすべての授業の中で、この先生のドッグトレーナー科、動物行動学の授業が一番好きでした。
ある時、このM先生が、今度自分が師匠として尊敬しているイギリス人ドッグトレーナーのF先生を日本に招いて、
イギリス式の家庭圏トレーニングを見せてもらうセミナーを、僕が講師をしている別の専門学校で開きます。
このスクールの生徒は、参加すれば単位が取れますので、ぜひドッグトレーニング先進国のトレーニングを間近で見て体験してほしいですと生徒に呼びかけました。
私はもちろん参加しようと決めていました。
その日が来るのを待ちわびていましたが、どんな内容なのか、講師のイギリス人トレーナーさんがどんな方なのか、全く分からない状態でした。
そのセミナーは、動物看護専門学校の行動で行われて、その専門学校に在籍する生徒さんを含め、約60名以上の人たちが集まっていたと思います。
そのセミナーに参加したことが、私の運命を大きく変えたことは、あちこちでお話ししていますので、ご存知の方も多いでしょうが、ぜひ聞いてやってください。
そのセミナーのメイン講師こそ、私の師匠、イギリス人ドッグトレーナーのエフさんでした。
彼女は未だに、ありがとう、こんにちは、くらいしか日本語は話せません。
通訳を介してそのセミナーは行われましたが、彼女と犬のデモンストレーションには言葉がありませんでした。
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彼女はその日、その会場で初めて出会ったデモ犬と見事に意思疎通をして見せたんです。一言も使わずに。
それはまるで私には魔法のように見えたんですよね。
一言も発しないトレーニングではありましたが、彼女はカチッと音が響く小さな道具を持っていました。
トレーニング用具であることを、その時私は初めて聞きました。
それと同時に、チョークチェーンを使った訓練を何度見ても湧き上がってこなかった一つの思いが、このセミナーを見ている間にもどんどん強まりました。
それは、私もこれを学びたい、これをやってみたい、あの人みたいに犬とコミュニケーションをしてみたい、という強い気持ちでした。
首を締めなくても、力を入れなくても、言葉を使わなくても、人と犬はこんなに意思疎通ができるんだ。
私はその時初めて犬が自分で考える姿を見ました。
このイギリス人は自分に何を望んでいるんだろう、と犬自身が考え、これかな、それともこっちかな、とあれこれ試して自分で動いている姿は、
私にとっては、出された指示の通りビシビシっと機械のように正確に、素早く機械のように動く犬たちよりも美しく、何よりも生き生きと楽しげに映ったんです。
私もこの人みたいに犬と向き合ってみたい、そう思った私に、そのイギリス人トレーナーはセミナーの最後に来場した全ての人に呼びかけました。
私のイギリスの家に住み込んで犬のことを学びながら、お手伝いや犬のお世話をしてくれる研修生を募集しています。
誰か興味のある人はいますか?
その言葉を通訳さんが会場に放った瞬間でした。
私は今でも私の気持ちをきっと、私の守護霊さんやご先祖さんたちが、
このままだとナオコは夢見がちなニートになってしまう、ときっと危惧したんだと思っています。
未だになぜかわからないんですが、はい、私、生きたいです。
そう言って、気がついたら手を挙げていたんですね。
これは絶対、私の意思以外の何かが手を挙げさせたんだと、今でも堅く信じています。
まあ私の中には、こんなに会場に犬の仕事を志す人間が集まっているんだから、
たくさんの人が手を挙げるに違いない、私が手を挙げたって当たるはずないしね、という思いがあったんですけどね。
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ところが、私のことをよくご存知の方は、もう結末がどうなったかご存知ですよね。
はい、誰もいなかったんです。
あの広い会場に、あのたくさん人がいた会場に、
イギリス人トレーナーの問いかけに手を挙げたのは、なんと私一人でした。
もちろん、彼女はすぐに私を見つけ、
OK、いつから来られるの?後で来なさい、話しましょう、と雛壇から私に呼びかけました。
さあ運命のハゲルマが、その回転が早くなった瞬間でした。
挙げたしまった手を引っ込めることはもはやできません。
セミナー終了後、私は通訳さんと、このセミナーの主催者、M先生に呼ばれて、
トレーナーFさんの司会室に向かったんです。
ということで今回はここまで。
次回は、そしてイギリスの知恵、第5回目をお届けしたいと思います。
今回も最後まで聞いていただいてありがとうございました。