まずは、野球の一郎選手の引退会見のビデオです。
一郎選手、皆さんご存知ですよね。
野球の選手で、日本とアメリカのメジャーリーグで、28年間選手を続けてきたそうです。
その一郎選手が、今年の3月に引退をしました。
その引退の試合の日の夜に、記者会見を開きました。
記者会見というのは、テレビや新聞や雑誌などの記者が集まって、
インタビューをする、話をすることですね。
この記者会見のビデオは、とても長くて、1時間20分くらいの長さがあるんです。
なので、今日は、はじめに一郎選手が話をしているところと、
2つ目の質問までを、今日のレッスンで扱いたいと思います。
一郎選手の話し方は、とてもゆっくりでわかりやすいと思うので、
まずは、私がいろいろ説明するより、一郎選手の音声を聞いてみてください。
こんなにいるの?びっくりするわ。そうですか。
この遅い時間にお集まりいただいてありがとうございます。
今日のゲームを最後に、日本で9年、アメリカで19年目に突入したところだったんですけれども、
現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました。
最後にこのユニフォームを着て、この日を迎えられたこと、大変幸せに感じています。
この28年を振り返るには、あまりにも長い時間だったので、
ここで一つ一つ振り返ることが難しいということもあって、
ここでは、これまで応援していただいた方々への感謝の思い、
そして、球団関係者、チームメイトに感謝を申し上げて、
皆様からの質問があれば、できる限りお答えしたいと思っています。
一番初めに一郎選手が、こんなにいるの、びっくりしたと言いましたね。
これは、汽車がこんなにたくさんいるのという意味ですね。
夜遅い時間の汽車会見だったようです。夜中の0時を過ぎた時間だったみたいなんですけれども、
たくさんの汽車が来ていたので、こんなにいるの、びっくりしたというように汽車会見を始めました。
こういう話し方が、とても一郎選手らしいですね。
カジュアルな雰囲気を作るのが、とても上手な人なんだと思います。
そして、この始めのところで一郎選手は、
今日のゲームを最後に、現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました、というふうに話しました。
現役生活というのは、スポーツ選手が現役、現役というのは、
選手をしているとき、選手として活躍、活動をしているのが現役の間ですけれども、
現役の生活に終止符を打つ。
終止符というのは、ピリオドというようにカタカナで英語を使って日本語でも言うことがありますが、
日本語で言ったら、句頭点の丸、文章の終わりの丸、そして英語のピリオドですね、文章の最後に打つピリオド。
終止符というのは、ここで文が終わりますという記号のことを終止符と言いますが、
こういうスポーツの選手が引退をするときなどにも、こういう現役生活に終止符を打つ。
何かに終止符を打つというような言い方をします。何かを終わりにするというような意味です。
そして最後に、このユニフォームを着てこの日を迎えられたことを幸せに感じていますと言いました。
このユニフォームというのは、この日一郎選手はシアトルマリナーズのユニフォームを着ていました。
一郎選手はアメリカのメジャーリーグに行ったときに、初めに入った球団がシアトルマリナーズだったんですね。
なので、マリナーズの選手として引退するということがとても幸せだということを言っています。
そしてその後に、この28年は振り返るには、振り返るというのはそれを思い出すには、
一つ一つ振り返るには、一つ一つを思い出すのはあまりにも長い、とても長い期間だったので、
ここではファンの皆さんやいろいろな皆さんへの感謝の気持ちを表し、
そして記者の方々からの質問に答えるというように言いました。
では、初めの質問とその質問に対する一郎選手の答えを聞いてみましょう。
テレビ朝日の草薙と申します。お疲れ様でした。
まず、この現役としての選手生活に終止符を打つことを決めたタイミング、そしてその理由をお聞かせください。
タイミングはですね、キャンプ終盤ですね。
日本に戻ってくる何日前ですかね、何日前とはっきりとお伝えできないんですけれども、
終盤に入った時です。もともと日本でプレーする、今回東京ドームでプレーするところまでが契約上の予定でもあったということもあったんですけれども、
キャンプ終盤でも結果が出せずに、それを覆すことができなかったということですね。
今その決断に何か後悔だったりとか思い残したようなところというのはないでしょうか。
今日のあの球場での出来事、あんなものを見せられたら後悔などもあろうはずがありません。
もちろんもっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために自分なりに重ねてきたこと、人よりも頑張ったということはとても言えないですけれども、そんなことは全くないですけれども、
自分なりに頑張ってきたということははっきりと言えるので、これを重ねてきて、重ねることでしか後悔を生まないということはできないのではないかなというふうに思います。
ありがとうございました。
初めの質問は、初めの記者が引退を決めたタイミングとその理由を聞きました。
そして一郎が答えたのは、タイミングはキャンプの終盤です。
終盤というのは終わりの方ということです。
そして理由ですが、キャンプの終盤でも結果が出せず、それを覆すことができなかったと言いました。
キャンプの終盤になっても結果が出なかった、結果が出せなかった。
そうですね、プロの選手なので、やはり努力をしても結果が出ないと試合に出ることもできないし、プロは厳しい世界なので結果が全てというような言い方もしますよね。
なので一郎は自分で結果が出せない、そしてそれを覆すことができなかった。
覆すというのは、変えるというか反対にする、何かを大きく変えるという意味ですが、
結果が出ないというその状況を変えることができなかった、自分の悪い状態を良くすることができなかった、それが引退を決めた理由だというふうに話しました。
そしてその後同じ記者が追加の質問で、今その決断に何か後悔や思い残すことはありますかというふうに聞きました。
後悔というのは、何か自分の決断が間違っていたとか、ああいうふうにしなければよかったとか、後になってから違う考えを持つことが後悔ですけれども、それに対して一郎はこう答えました。
今日のあの球場での出来事、あんなものを見せられたら後悔などあろうはずがありません、と言いましたね。
この記者会見の中でこのシーンは一つとても印象的なシーンで、後悔などあろうはずがありません。
これ少し難しい表現ですが、これはつまり後悔はありませんと言っています。
後悔があるわけはありません、後悔があるはずがないと強く言っている言葉ですね。
この日、球場でファンが試合の後も残って、一郎選手に大きなとても長い拍手や声援を送ったそうなんです。
それが一郎選手は、そのことを指してあんなものを見せられたらというふうに言いました。
あんなものを見せられたら後悔などあろうはずがありません、というようにとても力強く言いました。
そしてこの後もまた大切なところですけれども、もちろんもっと出来たことはある。
結果を残すために自分なりに頑張ってきた。頑張りを、努力を重ねてきた。
重ねることでしか後悔を生まないことはできない、というように言いました。
一郎選手は本当に努力の人で、その努力を毎日毎日積み重ねてきた。
その頑張り、頑張りや努力を重ねることでしか後悔を生まないことはできない。
またここ少し難しい言い方ですけれども、つまり後悔を生まないためには努力を重ねるしかない、そういうことを言っています。