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こんにちは。2026年2月17日です。さて、今日の探究ですが、あなたが送ってくださった資料、えぇ、拝見しました。
これ非常に示唆に富む内容ですよね。テーマは、2026年以降、日本の中小企業が直面する課題。
いやぁ、多くの経営者が今本当に大きな岐路に立たされているなぁと。
これまでのやり方が通用しなくなる中で、衰退へと向かう古い道を選ぶのか、それとも未来へと続く全く新しい道を探すのか。
今回の私たちのミッションは、その新しい道の地図を読み解いていくことかなと。
資料の中心にあるのは、ライフアップデートの村尾政則氏が提唱する倫理経営、心理的安全性、そして存在承認。
この3つのキーワードですね。これらが何というか、単なる奇麗事じゃないのか。
それとも本当に企業の生存を左右するような羅針盤になり得るのか。その確信に迫っていきましょう。
ええ、まさにその羅針盤という言葉がすごくしっくりきますね。
そして重要なのは、その羅針盤をどうやって実際の公開、つまり日々の経営に生かしていくかなんですよね。
ああ、なるほど。
地図を眺めているだけじゃ目的地には着けませんから。
理念を具体的な行動とかサービスにどう落とし込むか。そこの実践的な視点が不可欠だと思います。
ぜひその辺りを今日はじっくりと。では早速ですが、この3つのキーワード。倫理経営、心理的安全性、存在承認。
最近確かによく聞く言葉ではあるんですけど、正直なところ少し抽象的というか、それぞれがバラバラに聞こえる部分もあるんですよね。
これらは中小企業の現場で具体的にどういう意味を持ってどう連携するんでしょうか。
良い出発点ですね。まさにその連携するという視点が肝なんです。
まず倫理経営ですけど、これはよくコンプライアンス、つまり法令遵守と混同されがちなんですよね。
でも本質はもっと深いところにありまして、法律を守るのって当たり前の最低ラインじゃないですか。
そうですね。
倫理経営が問うのは、その先にある社会的な正しさとか公平性、透明性を追求する姿勢そのものなんです。
姿勢ですか。なるほど。
法律の条文に書いてあるかどうではなくて、企業としての良心に従っているかみたいな。
その通りです。顧客や従業員を騙すようなグレーな商売は、たとえ違法じゃなくても倫理的ではないと。
そしてその倫理観という土台の上で初めて育つのが、次の心理的安全性なんです。
これは組織の中で従業員がこんなこと言ったらバカにされるかもとか、失敗したら評価が下がるかもとか。
ありますね、その恐怖感。
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そういった恐怖を感じることなく、安心して本音を言えたり、新しいことに挑戦できたりする状態、これを指すわけです。
ただ一方で、その心理的安全性ということだ。資料にも指摘がありましたけど、ぬるま湯と勘違いされる危険性もありませんか?
あー、はいはい。
厳しいフィードバックを避けるとか、なあなあで済ませる言い訳に使われてしまうっていう、その線引きはどこにあるんでしょう?
非常に重要なご指摘です。本当の心理的安全性はぬるま湯とは真逆なんですよ。
真逆ですか?
ええ、それは高い基準と高い安全性が両立している状態を指すんです。つまりお互いに高いレベルの仕事は要求する。
でもそこに至るプロセスでの失敗とか、より良くするための反対意見は罰せられるんじゃなくて歓迎される。
なるほど。
これこそが本物です。挑戦を奨励して失敗から学ぶ文化こそがイノベーションの源泉になるんですよね。
ああ、仲良しクラブを作ることではないと。むしろ健全な衝突を恐れない強さとも言えそうですね。
では三つ目の存在承認。これはさらに一歩踏み込んだより個人的な概念に聞こえますが。
教員を単なる労働力とか役割として見るんじゃなくて、一人の人間としてその価値を認め尊重することなんです。
ほう。
成果やスキルだけを評価する成果承認とは違う。その人の個性とか背景、価値観、時には弱さも含めて、あなたがあなたとしてこのチームにいてくれて嬉しいと、そういうメッセージを伝えることです。
それは言葉で言うのは簡単ですけど、実践するのはかなり難易度が高そうですね。
現場のマネージャーは例えば火曜日の朝に具体的に何をすれば部下の存在を承認したことになるんでしょうか。
ええ。例えばですね、1対1のミーティングで仕事の進捗の話だけじゃなくて、最近何か興味あることあるとか。
あれは、あの仕事大変だったと思うけど、君の粘り強さには感心したよみたいに、成果そのものじゃなくて、その人の姿勢とかプロセスに光を当てる一言をかける。
ああ、なるほど。
あとは会議で誰かが勇気を出して言った意見が採用されなくても、Aさん、あの視点は我々にはなかった。発言してくれてありがとうと伝えるとか。
こういう本当に小さな積み重ねが、自分は歯車じゃないんだと、一人の人間として見てもらえているんだという感覚を育むんです。
面白いですね。つまり倫理経営っていう社会に対する企業の顔があって。
ええ。
その誠実な顔を持つ会社だからこそ、心理的安全性っていう社員が自由に動ける空気が生まれる。
はいはい。
で、その安全な空気の中で初めて上司や同僚が一人一人の心に働きかける存在承認が意味を持つと。これ、どれか一つが欠けても成り立たない三一体の関係なんですね。
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いや、完璧な整理です。三人一体、まさにその通りで。倫理感のない会社で心理的安全性は育ちませんし、存在が承認されなければ従業員は安心していけんなんて言えませんから。
この三つが揃って初めて組織はこう生命力あふれる有機体として機能し始めるんです。
その有機体として機能するという点がすごく気になります。これら三つの要素が組み合わさることで、2026年以降、多くの中小企業が直面するであろう、人材不足とか予測不可能な市場の変化といった課題に対いて、どういう処方箋になるんでしょうか。
それはですね、非常に強力な自己名益システムを組織内に構築するようなものなんです。
自己名益システム。
ええ。まず、心理的安全性を感じて存在を承認されている従業員は、仕事へのエンゲージメント、つまり熱意とか貢献意欲が格段に高まります。
はい。
彼らはやらされ仕事じゃなくて、自分ごととして仕事に取り組んで、積極的にアイデアを出したり、自発的に行動するようになるんです。
支持待ちじゃなくて、自ら考えて動く自立型の人材が育つ土壌になると、これだけでも人手不足の時代にはもうものすごいアドバンテージですね。
まさしく。そして、そうした自立的な従業員が高いエンゲージメントを持つ組織は、トップダウンで締め付けなくても自然と倫理感が高まるんです。
ほう。それはなぜですか。
なぜなら、従業員一人一人が自分たちの会社っていう当事者意識を持つので、不正とか不誠実な行為に対して、内部からそれはおかしいっていう声が上がりやすくなる。
ああ、なるほど。
つまり、ボトムアップで組織の健全性が担保されるようになるんです。
組織の隅々にまで倫理感という名の抗体が行き渡るような、そんなイメージですね。
ええ、まさに。そして、この健全で自立的な組織が最終的に手に入れるものこそ、変化への対応力、つまりレジリエンス、回復力なんです。
レジリエンス。
地震が急変したり、予期せぬ危機が訪れたとき、トップの指示だけを待つ官僚的な組織は脆いですよね。
ええ。
でも、現場の従業員が自ら考えて連携して柔軟に対応できる組織はしなやかに危機を乗り越える。むしろそれを成長の機会に変えることさえできる。
この3つの要素は、未来の不確実性に対する最大の保険になると言えますね。
これだけ素晴らしい効果があるなら、全ての企業が取り入れるべきだと思うんですけど、資料では最大の課題は経営層の意識変革そのものと指摘されていますよね。
ええ。
なぜこれほど重要なことなのに、経営者は代わりにいいんでしょうか?
うーん、そこにはですね、過去の成功体験の受職というかなり根深い問題があるんです。
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ああ、成功体験。
はい。特に歴史の長い中小企業で、1代で会社を築き上げたような経営者ほど、これまでのやり方で成功してきたという自負が強いですから。
倫理経営とか心理的安全性といった、すぐには売上や利益という数字に現れない、目に見えない資産への投資はどうしても後回しにされがちなんですよ。
そんな悠長なことを言っている余裕はないとか、まずは目の前の利益だとか、そういう声が聞こえてきそうです。 ROI、投資対効果が見えにくいものにはなかなか踏み出せない。
その通りです。
短期的な利益を優先する文化から脱却して、従業員はコストじゃない、最も重要な資産なんだ、という考えに本気でシフトできるかどうか。
このマインドセットの転換が最も高くて、そして乗り越えなければならないハードルですね。
従業員を信じて権限を移譲するっていうのは、経営者にとってやっぱり大きな勇気がいる決断ですから。
そのハードルを超えられるかどうか、ここがまさに資料が提示する未来の分岐点ですね。
ではその未来図を具体的に見ていきたいと思います。
まず意識変革ができずに、旧来のやり方を続けた企業、これはどのような未来を迎えることになるんでしょうか。
一言で言えば、緩やかなしかし確実な衰退ですね。
まず人材確保が絶望的に困難になります。
これからの社会を担う若い世代は、給与とか待遇以上に、働きがいとか企業の倫理観、そして自分が尊重される環境を求めますから、
彼らにとって心理的安全性がなくて、子として扱われないトップダウンの組織は、選ぶ理由が何一つないんです。
人が集まらないだけじゃなくて、今いる優秀な人材から静かに去っていくっていう事態も起きそうですね。
おっしゃる通りです。
社内には不満を言わずに、ただ耐える人だけが残っていく。職場の空気がどんどん淀んでいくのが目に浮かびます。
まさしく、組織の活力が失われて、静かな退職、クワイエットクイッティングが蔓延します。
そして人が定着しなければ、技術やノウハウの継承も途絶える。さらに致命的なのは、イノベーションが完全に停止することです。
停止ですか?
ええ。誰も失敗を恐れて新しい挑戦をしなくなり、組織全体が現状維持に固執する。
市場が変化しているのに、自分たちだけが過去の地図を見続けているような状態ですね。
気づいた時には、もう顧客からも社会からも見放されている。これが変化を拒んだ企業の典型的な末路です。
その未来像はかなり厳しいですね。
では逆に、この意識変革という高いハードルを乗り越えて、3つの理念をうまく取り入れた企業、これは具体的にどんなアドバンテージを手にすることができるんでしょう?
その差は、5年後、10年後には、もはや追いつけないほどの決定的なものになるでしょうね。
ほう。
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まずそうした企業は、優秀な人材が自然と集まる、選ばれる会社になります。
求人広告に多額の費用をかけなくても、あの会社で働きたいと人々が思うようになる。
資料にあったある調査では、心理的安全性の高いチームは、そうでないチームに比べて生産性が50%高くて、離職率が27%も低かったというデータもありましたよね。
これは単なる良い会社っていう話じゃなくて、圧倒的な競争優位性です。
生産性が1.5倍で、離職率が約3割減。これは経営数字に直接インパクトを与えるとんでもない差ですね。
ええ。そして社内では、従業員がオーナーシップを持って自律的に動くので、組織全体がしなやかで強靭になります。
はい。
一部のスタープレイヤーに依存するんじゃなくて、チーム全体で問題を解決して新しい価値を創造していく文化が根付く。
当然顧客からの信頼も熱くなります。なぜなら、従業員が生き生きと誇りを持って働いている会社は、提供する商品やサービスの質も高いですし、顧客対応も誠実ですから。
従業員満足度が顧客満足度を引き上げて、さらに業績につながって、さらに従業員に還元される。まさに好循環ですね。
ええ。
短期的な利益を負う企業が衰退していく一方で、これらの理念を核に据えた企業は、持続的に成長し社会からも尊敬される存在になっていくと。
その通りです。この差こそが今回の議論の核心と言えるかもしれません。
理念の重要性とそれがもたらす未来の差は非常によく理解できました。では最後の、そして最も重要な問いに移りたいと思います。
この話を絵に描いた文字で終わらさないために、これらの理念をクライエントが抱える具体的な課題に対するサービスや解決策にどうやって落とし込んでいけばいいんでしょうか。
はい。ここがコンサルタントとしての腕の見せ所ですね。理念を具体的な仕組みと習慣に変えることが鍵です。
仕組みと習慣。
例えば倫理経営をサービスにするなら、単に倫理規定を作るだけでは不十分で、透明性の高い人事評価制度の公式コンサルティングが有効でしょうね。
評価基準を明確にしてフィードバックの場を設けることで、従業員はこの会社は公平だと実感できますから。
なるほど。ただ内部通報制度のようなものも考えられますけど、あれは通報したら報復されるんじゃないかっていう恐怖で、結構警戒化しやすいっていう問題もよく聞きます。
良い点ですね。だからこそ、内部通報制度の設計・運用支援では通報者の匿名性をどう守るか、聴者プロセスをどう透明化するか。
そして何より、経営トップが通報は会社を良くするための貴重な情報だっていうメッセージを本気で発信し続ける、この文化情勢までセットで支援する必要があります。
仕組みだけ作ってもダメなんです。
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文化情勢まで踏み込むと。では心理的安全性についてはどうでしょう。これはなんていうか、人の心の問題なのでサービス化が一番難しそうですが。
こちらはですね、特に管理職の行動変容に焦点を当てたサービスが中心になりますね。
管理職ですか?
はい。リーダー向けのコーチング研修は代表的ですけど、これも研修やって終わりでは意味がない。
研修後に参加者同士が職場で実践してみたけどうまくいかなかったみたいな失敗談を安心して共有できるフォローアップの場を設けることが重要です。
なるほど。
あと失敗を許容し学びにつなげるための会議ファシリテーションも具体的です。
会議の冒頭で今日は結論よりも多様な意見を出すことを目指しましょうっていうグランドルールを設計するだけでも発言のハードルはぐっと下がりますから。
管理職自身がまず自分の弱みを見せられるようになるということが大事なのかもしれませんね。
では最後の存在承認を促すためにはどんなサービスが考えられますか?
これはより個人に寄り添ったアプローチが必要ですね。
個人のキャリアプランと会社のビジョンをすり合わせるワンオンワンミーティングの導入支援、これが非常に効果的です。
ただこれも多くの企業が導入して失敗してるんです。
失敗ですか?どういうことでしょう?
ワンオンワンがいつの間にか上司から部下への進捗学議会議になっちゃってるんですよ。
あーありがちですね。
普段に制度を導入するだけじゃなくて、管理職に聞く力、つまり部下の話をしゃからずに深く傾聴するトレーニングを徹底的に行います。
そして成果だけでなくプロセスや挑戦を称賛する文化を醸成する社内制度設計も有効ですね。
例えばピアボーナス制度のように、従業員同士が感謝とか称賛をポイントとして送り合えるツールを導入して、その行動を評価に少しだけ反映させる。
こうすることで誰かが見てくれているという感覚が組織全体に広がっていくんです。
ありがとうございます。
つまり、理念を壁に掲げるだけじゃなくて、人事評価、会議、ワンオンワンといった日々の業務に組み込まれた仕組み、そしてそれを地肉化させるための習慣づくり、その両輪を回していくことが鍵だということですね。
ええ、まさにその通りです。理念は日々の実践を通じて初めて組織の文化となるのです。
いやー、今回は、2026年以降の日本の中小企業にとって倫理経営、心理的安全性、そして存在承認がいかに重要かを見てきました。
これは理想論とか奇麗事じゃなくて、企業の生き残りをかけた極めて現実的で戦略的な選択なんだということが、腹の底から理解できたように思います。
ええ、この変化を無視する企業が直面する緩やかで確実な衰退の未来と、変化を勇気を持って受け入れる企業が手にする持続的な成長の未来、その鮮やかなコントラストこそが、今回の議論であなたが最も掴むべきポイントだったと言えるでしょう。
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そして、あなたがこのテーマについて考える上で、最後に一つ、こんな問いを投げかけてみたいと思います。もし、企業にとって最も価値のある資産が人であるならば、その人々の安全、倫理観、そして存在そのものを認めない経営が支払うことになる本当のコストとは一体何なのでしょうか。
今回はですね、あなたが共有してくださったある経営者の方のスピーチ記録を深掘りしていきたいと思います。片桐工業株式会社の2代目社長、で、平方市の倫理法人会でも会長をされている片桐さんという方です。
このスピーチ、単なる成功した話っていうわけじゃないのが面白いんですよね。むしろその家族経営の会社で起きた深刻な確実とか、あとは彼自身を縛り付けてた、なんていうか脅迫観念みたいな考え方とどう向き合ったかっていうすごくパーソナルな記録なんですよね。
テーマが当たり前のことに感謝する、そしてやらされ感には限界がある。話のスタートが弟さんとの関係がもう修復できないくらいに悪化しちゃったっていうかなりヘビーなところからで、そこから自分の行動を支配していたしなければならないっていう考え方のルーツを幼少期まで遡って探していく。なんか自分自身を解剖していくようなそんな話なんですよね。
えー、では早速その核心から見ていきましょうか。
はい。
まず彼がその学びを始める直接のきっかけですね。
弟さんとの関係。
そうです。同じ職場で働いてるのに全く口も聞かない、メールのやり取りすらないっていう。
スピーチによると弟さんは生きるのが辛いとまで思い詰めていたそうです。
うーん。
これも単なる兄弟喧嘩とかそういうレベルの話じゃないですよね。
えー、家族経営の婚会に関わる本当に深刻な事態です。
ここで面白いのが片桐さんが最初この状況を何とかしようとして弟さんを倫理法人界に入会させようって考えた点なんですよ。
あー、そこがすごく重要なポイントですよね。
はい。
つまりはじめは問題は弟にある。だから変わるべきなのは弟だってそう考えていたわけです。
うーん、まあ多くの人が陥りがちな考え方ですよね。問題が起きた時って原因を自分以外の誰かに求めてしまいがちですから。
えー、その方が楽ですからね。
でも彼はそこで大きな転機を迎える。
はい。
主体変容という言葉に出会うんですね。過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来だけっていう。
あー、シンプルですけど強烈な教えですよね。
まさに。で、この言葉を聞いた瞬間にこう雷に打たれたみたいに、あー入るべきなのは変わるべきなのは自分だったんだって。
なるほど。問題は弟にあるって信じてたのに、その言葉が鏡みたいに自分を映し出したと。
そういうことです。
いやー、これは痛みを伴う気づきだったでしょうね。自分に問題があるって認めるわけですから。
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まさに。でもこの矢印を自分に向けるっていう行為こそが全ての変化のスタート地点だったんですね。
うん。
で、これはここから自分の内面、特にその性格の根っこにあったしなければならないっていう思考と向き合い始めることになります。
しなければならないっていう感覚わかります。誰かに言われたわけじゃないのに自分の中から聞こえてくるような。
ええ。
でも彼のその脅迫観念っていうのは一体どこから来たんでしょうね。
まさに彼のスピーチを紐解いていくとその根っこはやっぱりご両親との関係、特にお父さんからの強烈なプレッシャーにあったことがわかるんです。
ほう。
習い事は全部お母さんが決めて。で、お父さんからは始めたからには最後までやれ、やるなら一番になれと。
常に言われ続けてきた。
ええ。その結果彼は本当に輝かしい経歴を辿るわけです。空手で死を連覇したり、バスケでは国体選手、ハンドボールでは全国大会にまで出場して。
普通に考えたらものすごい自信になりそうですけど。
ですよね。でも彼の心の中は一番にならなければならないっていうその義務感でいっぱいだったと。成功が逆に彼を苦しめていた。
それはどういうことなんでしょうか。
それこそがやらなければならない思考の罠なんですね。
彼の目標設定って常に外から与えられたものだったんです。国体選手になれ、全国で優勝しろと。
なるほど。
だから目標を達成した瞬間にその先がなくなっちゃう。燃え尽きてしまうんです。自分の一側から湧き出るやりたいじゃなくて、達成しなきゃっていう義務感で動いてるから。
ゴールテープを切った瞬間に虚無感に襲われるみたいな感じですかね。
そうかもしれません。で、その価値観を決定的にしてしまう出来事が起きるわけです。
と言いますと?
国体選手に選ばれた、まさに夢の頂点に立ったその瞬間です。お父さんに報告したら、帰ってきたのが祝福の言葉じゃなかった。
え?
プロのバスケ選手になって、年収はいくら稼げるんだって言われたそうなんです。
そんなことで家族を食わせていけるわけがない。国体が終わったらバスケはやめて、仕事に繋がる道を真剣に考えろ。
それはあまりにもきついですね。積み上げてきた動力とか情熱の全てを頂点で否定されたような感覚でしょうね、これは。
この経験が彼の価値観を夢とか情熱じゃなくて、義務と責任っていう方に完全に固定してしまったんだと思います。
なるほど。
スピーチでも語ってましたが、家業を継いでからも利益を残さなければならないっていう義務感だけで、仕事に全然ワクワクしなかったと。
義務感だけで走り続けるって、まさに燃え尽きへの一歩道じゃないですか。
そうですね。
でも人間ってそんなに簡単には変われないですよね。そんなに固まった価値観を一体何が変えたんでしょう。
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それには本当にパーソナルで心を揺さぶるような出来事が必要だったんです。その一つがお母さんの癌でした。
彼は倫理指導で、お母さんのことを思って週2回お墓参りをしなさいってそういう助言をされるんですね。
でも当時の彼って形にあるものとか見えるものしか信じないっていう人だったんですよね。
そうなんです。だからお墓参りっていう目に見えない行いが現実に何をもたらすんだって。
まあ半信半疑だった。
いかにもロジカルな経営者らしい反応ですね。
そんな中ある日、彼の奥様が抗がん剤治療で全く食事が取れないお母様のためにオムライスを作って持っていくんです。
片桐さんは心の中で食べられるわけない、無駄なことだって思ってたそうです。完全に合理的な判断ですよね。
でも現実はその予測を超えていたと。
お母様はそのオムライスを一口食べた瞬間、おいしいって言って泣き出したそうなんです。
食べ物そのものだけじゃなくて、そこに込められた愛情とか思いやりがお母様の心に直接届いた瞬間だったんでしょうね。
その光景を見て彼は、ありがとうっていう感謝の本当の意味とか、目に見えない思いやりの価値を初めて肌で感じたと。
ああ、こういうことなんやなってそう語っていました。
彼のロジックが目の前の現実と愛情によって打ち砕かれた。
まさに見えない心持ちが現実の人間関係っていう見えるものを動かした。
この一見をきっかけに家族関係の氷が溶け始めたそうです。
なるほど。そして彼の価値観をさらに揺さぶるもう一つの象徴的なエピソードがクッキー事件ですね。
ああ、これすごくしさに飛んでて面白い話でした。
会長就任のお祝いにもらった伝説のチームって書かれた記念のクッキー。
ええ、これを彼はお見出の品として食べずに宝箱にしまったと。
普通ならまあそうするかもしれませんね。
ところが知人から、それ変じゃない?奥さんに聞いてみてって言われる。
彼は何が変なのか全然わからない。
ええ、で奥さんに聞いたら彼女はあっさりとこう言った。
腐るんじゃない?食べてパワーにするもんでしょう。
ああ、確かに。
たったこれだけの言葉なんですけど、この瞬間に彼は雷に打たれたような衝撃を受けたと。
このエピソードのどこにそんな大きな気づきがあったんでしょうか。
彼はこの時ある重大なことに気づくんです。
今まだ経営の重要な判断で何ヶ月も悩んで奥さんに意見を求めても心のどこかでどうせ素人にはまからないって彼女の直感を軽視してたと。
ああ、なるほど。
でも記憶を遡ってみると奥様が何となくそれは違うんじゃないって言った案件はほとんどが後々経営で失敗したことだったそうなんです。
なんと自分がデータとかロジックで出した結論より奥様の何となく変な気がするっていう直感の方が結果的に正しかったと。
そういうことなんです。
27:00
これ経営署にとっては根深い問題かもしれませんね。
データとか計画って自分の決定を正当化するためのある種の鎧になるじゃないですか。
なりますね。
でも奥様の直感にはそんな鎧はない。だからこそ純粋な本質をつくことがある。
片桐さんは自分が今までいかにその鎧に頼って一番身近な人の純粋な声を聞いていなかったか痛感させられたわけですね。
クッキーを記念品として保存するのがロジック。でも食べて力にするのが本質。
その対比に自分の経営姿勢そのものが映っていたと。
ええ。
これはプライドが打ち砕かれるようなでもすごく重要な体験だったでしょうね。
はい。このオムライス事件とクッキー事件が彼に論理とか計画だけで固めた思考のむろさと目に見えない思いやりや直感の重要性を身にもって教えてくれたんですね。
そしてこれらの経験を通じて彼は自分の人生の指針となるある言葉にたどり着くわけですね。
ええ。真に正しいこととはまず己が救われそれと一緒に人が救われることでなければならぬ。
深い言葉ですね。普通リーダーって人のため組織のためを優先しがてですけどこの言葉はまず己が救われって自分を第一に置いてる。
そうなんです。彼はこの言葉に出会ってハッとした。今までしなければならないで生きてきた自分にはこの己が救われるっていう視点が完全に抜けていたと。
ああ。
これでは心がすり減って長続きしないのも当選だったんだって気づいたんです。
まさに彼の燃え尽きの原因がそこにあったわけですね。自分を救うことを忘れて義務感だけで走り続けてた。
この気づきが彼をしなければならないから自分が何をしたいかどうありたいかっていう方に思考のOSを書き換えるきっかけになったんですね。
自分がどうなりたいかっていう人生の地図ビジョンが見えてきたことで会社の経営方針とか日々の行動が全部つながってきたと。
うんうん。
面白いのがまだ脳の半分はしなければならないが残ってるって正直に認めているところですよね。
まあ人間の価値観ってそんなすぐには変わりませんからね。
ええ。
でも大事なのは新しいOSがインストールされてそっちを意識的に使おうとしているっていうことだと思うんです。
はい。
そしてその変化は先進的なものだけじゃなくてすごく具体的な成果にも現れ始めてる。
と言いますと例えばどんなことですか?
彼がやりたいと思って始めた朝礼これを続けたら職場のコミュニケーションが良くなって怪我がピタッとなくなったそうです。
へえ。
さらに社員の定着率が上がってその評判が伝わってあの会社ならって新しい仕事の依頼が増えたりとか。
すごいですね。
会社の数字にも明確につながってるんです。
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己が救われるっていう心持ちの変化が社員を救い職場の安全や経営状態っていう具体的な見える結果を生み出している。
まさに。
いやースピーチのテーマを彼自身の人生が証明してるわけですね。見えないものが見える世界を確実に変えていると。
その通りです。彼の体験はそのプロセスを本当に有弁に物語っていますね。
片桐さんのスピーチをこうして深掘りしてくると弟さんとの角質っていう個人的な悩みから始まって自分の脅迫観念のルーツを探り当てて。
そして家族とか仲間との関わりの中で自分が本当にやりたいことを見つけていくっていう一人の人間の感動的な変容の物語でした。
へえ。
彼は最後にこう問いかけるんですよね。倫理をやっていなかったら自分は一体どこに行っていたんだろうと。
この話って片桐さん一人の特別な物語というわけではなくて、多くの人が抱える義務感と本当にやりたいことの間の葛藤を映し出してると思うんです。
そうですね。
特に、論理や計画で固めた彼の決断よりも、奥様の直感の方が結果的に正しかったっていうクッキー事件の教訓は誰にとっても資産に富んでるんじゃないかなと。
本当に、論理的であること、計画的であることが必ずしも正解とは限らないということですよね。
そこで最後に、あなたにも考えてみてほしいのですが、あなたの人生において、論理や効率あるいはこうあるべきだっていう常識を理由にして、自分やあるいは最も身近な人の何となく変な気がする、こっちの方がいい気がするっていう根拠のない直感を無視してしまっていることはありませんか。
もしその行為に一度真剣に耳を傾けてみたら、どんな新しい道が見えてくるでしょうか。