調律で見つかる、直せる不具合
おはようございます。MORNING NOTEにようこそ。 平瀬楽器の平瀬トモキです。
今日は、直せるのに直さない理由というタイトルでお話をさせていただきます。 ピアノの調律にお伺いすると、調律、音程以外にも気になるところが結構見つかることがあります。
技術的には直せる。直せば今より良くなる。 だからといって、さっさと全部直すのが正解なんでしょうか?
今日はそんなお話をしてみたいなというふうに思います。 この番組は兵庫県三田市にあります平瀬楽器がお届けする毎回10分ぐらいの音楽トーク番組です。
ピアノのこと、音楽教室のこと、イベント作りや動画、ライブ配信の裏話まで、街と音楽と仕事に関する日々のあれこれをゆるっとお話ししております。
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10月19日月曜日の朝です。 もう10月の後半に差し掛かってまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
月曜日はですね、現場のお話ということで今日はピアノの調律のお話をしてみたいなというふうに思います。
僕ね普段お客様のお宅にお伺いしてピアノの調律をしています。 今日もこれから行くんですけれども、調律しているとですね色んなことに気づくわけなんですよね。
まあ調律っていうぐらいなんで音がずれているっていうのはもちろん気づいて直していくわけなんですけれども、それ以外にですね例えば
鍵盤の動きがちょっと悪かったりとかですね、弦を打つハンマーの状態がちょっと気になったりとかね
ああちょっとここも直したいなぁみたいなのが結構あったりします。 でねここで問題が一つあるんですよ。
調律・整調・整音の違い
気になるところを全部直していくとするならば、一体どこまでやればいいんでしょうか。今日はそんなお話なんですけれども
まあそもそもピアノのメンテナンス、いわゆるその調律と呼ばれているメンテナンス作業は、音を合わせる調律という作業だけではないんですよね。
調律っていうのは音を合わせる作業なんですよ。それだけです。 でもピアノってね
鍵盤を押します。鍵盤を押すとアクションが動いてアクションの先っぽに弦を打つハンマーがついています。
ハンマーが弦を叩いて音が出るという仕組みですね。 これなんか流れはわかると思います。
でもね、長年使っていると音程、そのドの音がドよりちょっと低いとか高いとか、それ以外にも結構いろんなところが変化してくるんですね。
例えば、 鍵盤の深さが微妙に違っているちょっと浅いぞ深いぞとかね
あと鍵盤の高さが変わってきているとかね、ハンマーの動きが悪くなっているとか、そういうのが直さないといけない場合があります。
ここをね調整していくのが成長という作業です。 調子を整えるって書いて成長ですね。
あとですね、音色を整える静音という作業もあります。 ピアノをいい状態にする仕事っていうのは調律音を合わせるだけではないということなんですよね。
なので僕は調律師というのはピアノを触らせてもらっているとですね、どうしても気になるところというのが出てきます。
ここの動きもうちょっと良かった方がいいなぁとかね、この音もうちょっと整えたいなぁとかね、この鍵盤ちょっと動き悪いなぁとかね、そんなことを思うわけなんです。
技術者としてはやっぱりできるだけ良い状態にしたい。これは当然の気持ちです。
でもお客様は必ずしもそこまで求めていらっしゃるわけではないんですよね。
技術的に直せても、直すべきとは限らない
例えばお子さんが普段楽しく練習しているピアノ。ちょっとした調整のズレはあっても演奏には大きな支障はない。
そこにですね、やっぱり僕ら技術者がそこを触るとなると、お金がどうしても発生するんですよね。
そこに何万円もかけて成長をする必要があるのかどうか、これね結構難しい判断なんですよね。
もちろんその音が出ないとか、鍵盤が戻らないとか、連打ができないとかね、明らかに不具合がある場合は修理をお勧めします。
でもそうじゃない部分というのは結構あるんですよ。
これ直しておいた方がいいなと思う。技術的には直せる。直したらきっと今より良くなるわけなんです。
でもそこにどれくらいの時間がかかって費用がかかるのか、その直すことでお客様にとってどれくらい意味があるのか、それはやっぱり考えないといけないと思うんですね。
極端な話、古いピアノでも時間とお金さえかければ課題の部分を修理できます。いい状態にはできます。
でもこの修理が何十万かかるってなったらちょっと話変わってきますよね。
直せますよっていうことと直した方がいいですよっていうのは根本的に違うんですよ。
例えば同じ状態のピアノが2台あったとします。
1台はこれから音題を目指す生徒さんが毎日何時間も何時間も練習するピアノ。
もう1台は大人の方が趣味で時々弾かれているようなピアノ。
当然これ求められている状態とは全然違ってくるんですよね。
もちろんどっちもいい状態であることはいいんですけども、これから音題を目指す人であれば鍵盤のタッチとか音の出方っていうのを細かく揃えておく方が絶対いいですし、
そうしようかないとやっぱり今後の演奏の技術の向上っていうところに事情が出てきます。
持ち主と考えるピアノの理想
一方で趣味で楽しめられている大人の方であれば、普通にいい状態で演奏できる状態であれば、それはそれでいいのかなというふうに思われる。
そこで満足されているかもしれないというふうに考える。
なので同じピアノの同じ状態でも我々超越師の提案というのはケースバイケースで変わってくるわけなんですよね。
もちろんその技術者としての理想というのはあります。
でもそこにお客様にとっての必要性というのが出てくるわけなんですよね。
この理想と必要性のこの2つをどう考えるかっていうのは結構大事かな。
難しいところでもあり、面白いところでもあるかなというふうに思います。
僕自身超越師の仕事っていうのはピアノの状態を良くする、ピアノを直すだけではないと思っているんですね。
今これが一体どういう状態にあるのか、どこをどう直した方がいいのか。
こっちのここはもうちょっと様子を見ても大丈夫なのか、それをお客様に分かるように説明することっていうのも大事な仕事だなというふうに思うわけなんです。
例えばここをここの部分を調整すると鍵盤の動きが良くなりますよ。
ただ今すぐ修理しないといけない状態ではないですよっていうのをやっぱりこういう説明をちゃんとしておかないといけないなと思いますし、
こういう説明があればお客様も判断しやすいと思うんですよね。
もちろん壊れてるんで調整できないですとかね、そういうのはもう必要だと思う修理は絶対お伝えしないといけないです。
遠慮して何も言わないとかね、勝手にやっちゃってお金求めないとかね、そういうのもやっぱり技術者としては違うと思うんですよね。
ただやっぱり最終的に決められるのはお客様なので、やっぱりお伝えするべき情報というのはお伝えしておかないといけないというふうに思うわけなんです。
結局ピアノをどこまで直すべきなのか、これはなかなか一つの答えというのが出てこないんです。
気持ちよく音楽を楽しめる状態へ
技術者として100点を目指すことはできます。
でもお客様が求めてらっしゃるのは必ずしも100点のピアノではないかもしれないんですよね。
気持ちよく練習できるとかね、家族で楽しく弾けることとかね、長く大切に使い続けられることとかね、それぞれにその人なりの目的があるわけなんですよね。
僕らちょっと間違ったらいけないのは、僕ら調節師の仕事っていうのは自分が納得するまでピアノを直すことではないと思うんです。
そのピアノを使う人が気持ちよく音楽を楽しめる状態にすることなんじゃないかというふうに思います。
もちろん技術者として妥協してはいけないところもあると思うんですよね。
でもどこまで手を入れていくかっていうのはお客様というかピアノの持ち主の方と一緒に考えていく、多分そんな仕事なんかなというふうに思います。
皆さんもですね、ピアノの調節をお願いして調節師が来た時にですね、調節師からここも直した方がいいですよっていうふうに言われるかもしれませんし、言われたことがあるかもしれません。
今後ね、それを言われた時に是非それ直したらどう変わるんですかとかね、今すぐ必要なんですかって聞いてもらったら、そのピアノのことっていうのがもう少しわかるかなというふうに思うわけなんです。
お客様の大切なピアノを預かるからこそそこはね、一位しておかないといけない。そんなふうに思うんですよね。
今日はそんなピアノは、調節師はピアノをどこまで直すべきなのかっていうお話をさせていただきました。
また皆さんの感想を聞かせていただいていると嬉しいです。
はい、というわけで今日も最後まで聞いていただきましてありがとうございました。
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それではまた明日の朝もモーニングノートでお待ちしております。
音楽でこの街の笑顔を増やします。平瀬楽器の平瀬智樹でした。