3Dプリント型枠で製作期間を短縮
どうも、しぶちょーです。 ものづくりnoシテンは、産業機械の現役エンジニアである私、しぶちょーが、ものづくりに関するトピックを独自の視点で解説する番組です。
最初に一つだけお伝えしておきたいんですけど、この番組は、AIが原稿を生成して、それを音声化してお届けしている AIポッドキャストなんですね。
普段のものづくりnoラジオとは別のラインで、最新のニュースをAIに整理してもらって、そこにしぶちょー視点を乗っけた台本を読み上げてもらっている、いわば実験的な番組です。
なので、内容にたまに事実と微妙に違うところとか、ニュアンスが本来とちょっとずれている箇所が混じる可能性があるっていうのは、ぜひ頭の片隅に置いておいてほしいのよね。
気になった情報は概要欄のリンクから一時ソースを確認してもらえると、より楽しめると思います。
さて今日は今週分のニュースから、引き算の裏には足し算があるっていう視点でつながる3本を揃えました。
1本目はアメリカの国立研究所が原子力施設のコンクリートを流し込む型枠を3Dプリンタで作って、6ヶ月かかった製作を2週間に縮めた話。
2本目は三菱電機が人の形をしたロボットと工作機械を普段の言葉の指示で連携させる仕組みを作った話。機械同士をつなぐ手間をどこまで減らせるのか。
そして3本目は普通はモーターが4個あるドローンをモーター1個とプロペラ1枚で飛ばしちゃった人の話です。
何かを減らした時、その分はどこへ行くのか。それでは早速いきましょう。
まずは作る期間を引き算した話から6ヶ月かかっていたものが2週間でできちゃったのよ。じゃあ減った5ヶ月半はどこへ行ったのか。
家の基礎工事で板で囲った枠を見たことがある人も多いと思うんだけど、あれは生のコンクリートを流し込んで固まるまで形を支えておく器なんですね。型枠って言います。
アメリカのオークリッジ国立研究所が原子力施設を建てる時に使う、あれのずっと大きくて頑丈な型枠を大型の3Dプリンタで作ったと発表しました。
これまでの鋼の型枠だと作るのに約6ヶ月かかっていたそうなんです。それが繊維で強くした樹脂を3Dプリンタで造形して設計から納品までおよそ2週間。いやー桁が一つ違うのよ。
でも3Dプリンタで作ったもので精度は大丈夫なの?って思うでしょ。それが作りっぱなしじゃないんです。大きく造形した後に削って仕上げていて大事な面の寸法の精度は約1.6ミリに収めてある。
全部同じ精度で作るんじゃなくて精度がいる面をきっちり抑える。これ機械の設計で言う基準になる面を決めてそこをきっちり加工する考え方と同じなのよね。
しかも型枠同士が噛み合う継ぎ目まで作り込んであって放射線を遮る壁のパネルを隙間をモルタルで埋めずに組み立てられるようにしてある。コンクリートの圧力に耐えて繰り返し使える設計だそうです。
実際の現場でも試しています。場所は原子炉を開発しているカイロスパワーという会社の試験用の原子炉を建てている敷地。
そこで縦横が約3メートルの型枠を3段積み上げて柱にしてその場でコンクリートを流し込んだ。これを原子炉の会社と建設会社が数日で終えたそうです。
両社はその施設の一部にも同じような型枠を使う計画だそうですよ。
ここからが大事なところで現場の建設会社が型枠を使いながら改良点を伝えて研究所はそれを設計の変更に反映していった。
使いながら直していく。これがこの話の一番の肝だと私は思っていて、6ヶ月かかる型枠だと現場で使ってみてここ使いにくいなって気づいても直したものが届くのは半年後実質一発勝負なんですよ。
でも2週間なら使って直してまた使える。計算の上では半年あれば10回以上は作り直せるのよ。期間を引き算したら試せる回数が足し算されたってことです。
これは記事の数字から私が読み取った見方だけど、ものづくりの現場の人ならこの差の大きさはピンとくるんじゃないかな一発勝負と何回も直せる勝負じゃ全然別物だよね。
ただ正直に言っておくとまだわからないことも多いです。線や樹脂の種類、使った3Dプリンタの機種、型枠を何回繰り返し使えるのかは公表されていません。
型枠が早くできても施設全体の工事の期間がどれだけ縮むのかもまだ示されていない。だから原子力施設がすぐに出来上がるって話ではないのよ。
それでも部品より先に型や地具の納期で日程が決まっちゃうことってあるあるじゃない。私も3Dプリンタ大好きな設計者として造形してから削って仕上げるっていうこの組み合わせはめちゃくちゃ刺さりました。
だからあなたも今仕事で一番待たされている型や地具を一つだけ思い浮かべてみてください。それがもし2週間で届いたら何回試せるかを数えてみる。
その回数が造形と削りを組み合わせたやり方で見積もりをとってみる価値そのものだからね。
言葉で連携するヒューマノイドと工作機械
さっきは期間を引き算したら試せる回数が足し算された。今度は機械同士を繋ぐ手間を引き算したら何が足されるのか。
例えば作業者が工作機械の前でこの部品を削っておいてって普段の言葉で頼む。
するとAIが作業の手順を組み立てて材料のセットや取り出しは人の形のロボットに削るのは工作機械に仕事を割り振ってくれる。
三菱電機がそんな加工の仕組みを開発したと発表ました。
人の形をしたロボットはいわゆるヒューマノイド。
工作機械はコンピューターが数値で動きを制御して金属を削ったり穴を開けたりするCNC工作機械っていうタイプです。
三菱電機の調べではヒューマノイドとの連携を前提にした工作機械の制御システムは業界で初めてだそうです。
これ何が嬉しいのかっていうと工作機械の周りって実は人の仕事がめちゃくちゃ多いのよ。
材料を機械にセットする段取りからできた部品の取り出し検査トラブルの対応まで人の体の動きを前提にした作業がずらっと並んでる。
これを普通の産業用ロボットに任せようとするとロボットに合わせてラインの設備を作り変えることになる。
ヒューマノイドならその手間を減らせる。ここまではよく聞く話ですよね。
三菱電機が目をつけたのはその先機械同士をつなぐところなんです。
私は産業機械のエンジニアを10年以上やってきたけどここが実は一番手間のかかるところなのよ。
今あっちが扉を開けていいのかこっちが材料を置いていいのかそういう合図を一つずつ決めてやり取りしないと機械はぶつかったり止まったりする。
ヒューマノイドを工作機械と組ませる時もこの合図や動く順番をロボットの機種ごとに作り込む必要があってそれが導入の壁の一つになっていたんです。
いやー機械って一台ずつ動かすよりつなぐ方がはるかに大変なんですよね。現場の人ならあるあるじゃない。
そこで今回のシステムは機械同士の連携を言葉でやり取りする形にしたんです。
作業者の言葉を読み取って計画を立てるAIがいてその計画を受け取る工作機械の方にも言葉で操作の情報をやり取りできるAIが乗っている。
ロボットの方は一般的な機種でいい。だからロボットの機種に関係なく連携できて導入までの期間を大幅に縮められるってことです。
ここは煽らずに言っておくとどれくらい縮むのかまだわかりません。
使ったヒューマノイドのメーカーや機種、作業にかかる時間みたいな性能の数字は公表されていなくて、実用化の目標は4年先の2030年。
まだ開発の段階なんです。その代わり10月26日から31日まで東京ビッグサイトで開かれる工作機械の展示会。ジム豆腐でこのシステムのデモを見せるそうです。
行ける人はぜひ自分の目で確かめてきてほしいな。
ただここは混同しないでほしいのよ。デモを見てもAIが何でも考えて新しい作業を生み出しているわけじゃない。
AIがやるのはあらかじめ登録してある作業の一覧から指示に合わせて必要な作業を選んで組み合わせることなんです。
つまり段取りはこうやる、掃除はこうやるっていう作業の中身は先に誰かが用意しておく必要がある。
繋ぐ手間は引き算できそうだけど、現場の手順を言葉にしておく仕事はむしろ足し算されると思うよね。
だからあなたも職場の機械の周りの作業を段取りから片付けまで普段の言葉で書き出してみてください。
誰が読んでも同じように動ける言葉で書けたら、それは人にもいつかロボットにも渡せる一番大事な設計図になるんですよ。
モーター1個で飛ぶドローンの制御
さあ最後の3本目はもっと思い切った引き算の話です。
ドローンのモーターを4個から1個にしちゃった人がいるんですよ。
普通のドローンってモーターが4個あってそれぞれの回る速さを変えて機体を傾けてるじゃない?
ラジコンのヘリコプターでもモーターが2個に羽の角度を変えるための小さなモーターがいくつもついてる。
そこをジョシュアバードさんという人がモーター1個とプロペラ1つだけで浮いて機体を傾けて進めるドローンを作って設計データをGitHubで公開したんです。
モーター1個ならドローンをもっと小さく作りやすくできるかもしれないという狙いだそうです。
じゃあ1個でどうやって傾けるのか。
鍵はプロペラの付け根にある蝶津貝です。羽は45度に傾けた軸で止めてあってモーターがグッと加速すると羽が回転に置いていかれて片方の羽の角度が上がりもう片方が下がる。
すると左右で揚力がずれるので1回点の中の決まった位置で加速してやれば機体を好きな方向に傾けられる仕組みなんですね。
理屈はシンプル。でもこれをやるには回転に合わせて加速と減速をめちゃくちゃ細かく繰り返さないといけない。
ここで普通のモーター制御器が根を上げました。毎秒50回を超える加減速になると回転との同期が取れなくなったんです。
そこで磁石のセンサーで回転の位置を直接測る制御器に変えて15センチくらいのプロペラを毎分約2万回転で回しながら毎秒300回の加減速ができるようにした。
さらに指令をやり取りする遅れまで聞いてくるので制御器のプログラムを書き換えて計算を中でやらせたそうです。
いやーモーターを1個にした分の難しさがまず制御に乗っかってきてるわけなのよ。
で私が思わず膝を打ったのがその次。試験飛行で160Hzの振動が出て墜落が続いたんです。
原因を見たくても毎分2万回転の羽は目では追えない。
そこで彼は高速度カメラの代わりにプロペラが決まった角度に来た瞬間だけカメラのフラッシュを光らせる仕掛けを作った。
すると回ってるはずの羽が止まって映る。
車好きならエンジンの点火の時期を見るタイミングライトと同じ発想って言うと伝わるかな。
止まって映った羽を見たら力を受けてしなってバタついていた。
硬い羽に変えたら振動は消えたそうです。
ただ回るのは羽だけじゃないのよ。
プロペラに釣られて機体も回ろうとするので胴体にヒレをつけて抑えたんだけどそれでも機体はゆっくり回り続けてどっちが前かわからなくなる。
モーターがすぐ近くにあるから包囲を測るセンサーも当てにならない。
そこで部屋の隅に赤外線の発信機を置いて機体のセンサーが光を捉える度に向きを測り直すようにした。
だから今はその発信機がある部屋でしか飛べません。
次はカメラで周りを読み取って自分で飛べるようにする計画だそうです。
ちなみにプロペラの付け根はバンブーラボの3Dプリンターで炭素繊維入りの樹脂を造形してるのよね。
私も同じメーカーのを使ってるから回転部品まで自分で作れちゃう時代なんだなってちょっと嬉しくなりました。
話を戻すとモーターを引き算したら難しさは消えずに制御と測る工夫に引っ越して足し算されたってことです。
部品を減らすのは設計の美徳だけどその分見えないものを測る工夫が必要になるのよね。
だからあなたも職場で早すぎて目で追えない動きがあったらスマホのスロー撮影で一度撮ってみてください。
あ、止めてみるだけで原因が映ってることがあるからね。
引き算の裏にある足し算
今日は3Dプリントの型枠で6ヶ月を2週間に縮めた話。
言葉の指示でヒューマノイドと工作機械をつなぐ話。
そしてモーター1個で飛ぶドローンの話。
この3本をお届けしました。
並べてみるとね全部引き算の話に見えてその裏にはちゃんと足し算があったのよ。
機関を引いたら現場で試せる回数が増えた。
つなぐ手間を引いたら手順を言葉にしておく仕事が残った。
モーターを引いたら制御と測る工夫が増えた。
減らした分は消えるんじゃなくてどこかに引っ越してるんですよね。
だからあなたも今週最近減らしたものややめたものを一つ思い出して
その分の仕事を今誰が引き受けているのかを確かめてみてください。
引っ越し先が見えている引き算なら次も安心して減らせるはずだからね。
というわけで今回はここまでとさせていただきます。
私は技術ブログ支部長技術研究所も運営していますのでそちらの方もぜひチェックしてください。
Xの方も毎日ものづくりに関する投稿してますのでよろしくお願いします。
ポッドキャストものづくりのラジオの方も毎週土曜日週一で配信中です。
お時間あればぜひ聞いてください。
というわけで今回はここまで。
以上支部長でした。ではでは。