無意識の影響
私たちは一見、自分の意志で行動している、と思い込んでいますが、実際のところ、その大半は無意識や習慣、周囲の環境からの影響に左右されています。
いわば脚本を読まされている映画のキャラクターのように、どんな言葉を発し、どんな行動をとるのか、そのほとんどをオートパイロットの状態で進めているんです。
心理学や脳科学の研究では、私たちの意識の約95%が無意識で動いているとも言われていますよね。
朝起きてから、出勤や通学の準備をし、同じ道を通って会社や学校へ行き、帰ってきたらスマホをいじりながらテレビを流し見し、いつもの時間に寝る。
これらの日々のルーティンは、自分が意図的に細かい選択を下しているようで、実はほとんどのところ、おなじみのパターンに沿っていることが多いんです。
さらに、例えば仕事や人間関係での悩み事も、実は習慣化された思考パターンから生じている場合があります。
自分自身では、今悩んでいるから真剣に考えているんだと思っていても、その思考の癖は昔からずっと変わっていないのかもしれません。
つまり、意識していないだけで、お決まりの脚本通りに脳が反応してしまっているんです。
まるで映画のキャラクターが、監督や脚本家の指示通りにセリフを喋ったり、決められた動きをするような状態。
これが無意識に映画にはまって生きているというイメージです。
もちろん私たちの場合は、誰か他の人間に脚本を押し付けられているわけではありません。
むしろ自分が過去に身に付けてしまった習慣や価値観、思い込みが脚本の役割を担っているとも言えます。
もし自分の人生をもう少し別のストーリーに変えてみたい、同じことで悩むのはもう嫌だと思うのであれば、
この無意識のまま映画に没頭している状態から脱出する必要があるんです。
脚本が書き換わると、映画の展開も当然に変わってきますよね。
ではどうすれば意識的にこの脚本を差し替えていけるのか。
次に解説する気づきの中心点やタフティーのメソッドが大きなヒントを与えてくれるはずです。
