00:12
夕焼け、ひとりきり、始まりました。
昭和二桁生まれのパーソナリティ、ミッキーロンリーがご案内します。
昭和レトロ、今は懐かしい思い出、
明日の心配もせず駆け抜けた昭和の時代、
温かく、優しい、昭和の情景、
心の思うままにお話しできればと思っております。
どうぞお付き合いください。
昭和レトロのお話、ある富士山の大きな滑り台がある公園での物語。
男の子が5人ほど、女の子も5人ほど、
それぞれのグループで、キャッチボールしたり、ゴム飛びしたり、
運動の後、みんな広場に集まってきました。
秋和くんときおちゃんもいます。
覚えてますでしょうか。広場で体育座りして誰かを待っているようです。
私ミッキーが様子を伺って参りましょう。
どうぞお付き合いください。
時は昭和40年代、後半50年代、ある富士山公園。
みんな誰かを待っている様子。
あ、あの大きな黒い自転車、あれは大きな荷台に紙芝居が積んである、
Jおじさんだ。わーい。みんな喜んでる。
Jおじさん、みんなの前に紙芝居の準備を終えて幕を上げました。
気づかなかったことの幕、始まるよー。
パチパチパチパチパチ。
Jおじさん、始めます。
ある電車の中で、サラリーマンの男が、少しくたびれた様子で、
03:09
膝の上にバッグを抱えて、少し眠たそうに、
夕方帰り道、あ、今日も何にもいいことなかったな。
何にも楽しいことなかった。つまんなかったな。
そんな風に投げています。
投げています。
Jおじさん、紙芝居をめくります。
どうして仕事を普通にこなしてるけど、いいことが起きないのかな。困ったな。
そんな風に投げています。
そんな時に、煙が彼の前にブワッと立って、
おじさんである神様が現れました。
彼はびっくりします。
お主、何にもいいことなかったのか。
何にもしてもらったことがないって嘆いているのか。
どうじゃ。
彼は神様に言います。
そうなんです。それなりに自覚はあるのですけれども、
まんねり化しちゃって、何も僕にしてくれることもないし、
困ってるんです。神様は言います。
お主、今乗っている電車は誰が運転していると思う?
運転士じゃ。
そして、この列車を管理してくれている人もいる。
清掃してくれる人もいる。
お前が今着ている服も、誰かが汗水を流して作った服だ。
06:01
それを売っている人もいる。
食事もどうじゃ。
お米を取る人もいる。
おかずを工場で作っている人たちも、たくさんいろんな人がかかっている。
お前は気づかなかっただけじゃないのか。
ジェフさん、紙芝居をめくります。
と、サラリーマンの男は気がつきます。
そういえば、自分の服を見て、
今日昼ご飯を食べた時のことを思い出して、
自分は仕事も一日をこなして、
ひょっとしたら誰かの役に立つこともあるかもしれない。
自分が見えないところで、
自分にしてくれている人、
自分の仕事の向こうにいる人が、見えていなかった。
こんな僕の仕事でも、喜んでいる人もいるかもしれない。
責任を持って、改めなきゃ。
改めなきゃ、煙をあげて、神様は考えなさい。
そんな一言を言って消えました。
男は電車から車窓の窓に青空を眺めています。
彼は自分が気がつかなかった人たちへの感謝、
自分とは繋がりのある人たちへの、
自分の仕事の責任感、
そんなものへ思いを馳せていました。
心は晴れ晴れとしていました。
あの青空のように、
ジェフジさん紙芝居をめくります。
おしまい。幕を下ろしました。
09:01
パチパチパチ
富士山公園で秋和くん、
TOKIOちゃん、
お友達のみんな、
自分の服を握って、
見つめたり、空を眺めて、
気がつかなかったことに気がついた。
そんな表情をしています。
そしてみんな見つめ合って、
互いにうんうんって、
いい表情をしています。
富士山公園が夕焼けに染まってきました。
みんな立ち上がって、
それぞれの自転車に乗って、
軌道に着くようです。
みんな気をつけて帰るんだよ。
夕焼け一人きり。
今日は、
ジェイ・オジさんが紙芝居で、
人の周りには普段気がつかない、
人の縁があって、
自分を助けてくれる人がたくさんいる。
そんな人たちへの感謝。
そして、
自分も誰かの役に立っているかもしれない。
そんなことを気づかせてもらいました。
このお話、参考にしてみたいものですね。
夕焼け一人きり。
このあたりでお話し終わりたいと思います。
お付き合いしていただき、本当にありがとうございました。
次回の番組、お楽しみに。