セトカとその特徴
この放送は、農業の常識を超越する、メタグリをキーワードに活用する、
メタグリ研究所がお届けする、Metagri Voicesです。
みなさん、こんにちは。月曜担当の富山みかんです。
FarmersVoices🍊vol.69の放送になります。よろしくお願いします。
はい、2月もあっという間に終わりに近づいてきていますね。
先日、セトカを収穫しました。
昨年と違いまして、今年のセトカは、まあまあ出来がいいなと思います。
やっぱりですね、この見た目というか、そうですね。
枝、この枝になる果実は美味しいなっていうのが、やっぱりありまして。
そうですね、セトカは、
セトカはというか、柑橘全部かな?
蝶が優勢なんですよね。
蝶が優勢って、たぶん義務教育の時に、
理科か生物かなんかで習ったと思うんですけれど、
枝の先端が優勢で伸びていくのが蝶が優勢?
合ってるかな?
枝の先端で、理屈としては、枝の先端で大き芯が作られて、
それが重力に従って根っこの方に大き芯が流れていくんですけれど、
その蝶が先端を切ると、
サイトカイニングが分泌されて、
触手が伸びるみたいなのがあります。
セトカは、ミカンというか柑橘の中でも、
柑橘の中でもというか、品種によって違うんですけれどね、
セトカは蝶が優勢が強いんじゃないかなと僕は思っています。
なので、立ち枝というか真上に伸びている枝が結構どんどん大きくなっていって、
それに付く果実は美味しくないんですよ。
なので、そこら辺をうまく技術といいますか、うまく管理して、
蝶がに果実を付かないように、
即死に蝶が立ち枝から伸びる、横に伸びていく枝に果実を付けるような管理をしていかないと、
美味しい果実ができないんじゃないかなと思います。
今、家にあるセトカは3本しかなくて、もっとあったんですけどね、
枯れちゃって3本しかなくて、
1年間に3本の木だけしか管理していないので、傾向がはっきりとつかめないというか、
本気で農業をやり始めて、この数年で傾向がつかめてきたので、
この傾向を再現性のあるといいますか、
うまく癖をつかんで管理していかないといけないなと思っています。
品種によって管理方法が違うというか、癖が全然違いまして、
みかんでもワセとアオシマは違うし、
ワセの中でもさらに品種がいくつも、ミヤガオワセとかオキツワセとかタグチワセとかいろいろありますので、
癖に気をつけて管理していかないとおいしい果実ができないんだなということは日々痛感しております。
育種と交配の試み
それでは今回のテーマに入りたいと思います。
今回のテーマは育種にチャレンジというテーマでお送りしたいと思います。
昨年の配信でも何度か言っているんですけれど、
育種、新しい品種を作りたいなという思いがありまして、
実は昨年こっそり交配をしてみたんですけれど、
交配した果実が生理落下で落ちてしまって、全部。
なので、交配は成功しませんでした。
交配は成功しなかったんですけれど、たまみからいくつか新品種になる可能性があるなという趣旨をいくつか見つけたので、
それを発芽させて育種についてお話したいと思います。
柑橘の育種は基本的に枝変わりといって突然変異。
例えばワセミカンの枝が一本この枝だけちょっと他のミカンと違うミカンができたなと。
他のミカンよりかは全部一回り大きくて色付きも早いな、
これはもしかしたら突然変異かもしれないということで、その枝を調べると突然変異だったみたいなことがあったりするんですよね。
そうやって品種改良をされてきました。
というわけで、柑橘は他の果樹に比べて育種がすごい遅れていたんですよね。
なぜかというと、種で育種ができなかったんですよ。
柑橘の種は多肺という性質がありまして、
1個の種から20本くらい肺があるんですよ。
20本目が出る可能性がある。
普通は1個の種から1個ぴょんって目が出るじゃないですか。
そうじゃないんですよ。
それを主心肺未生と言うんですけれど、
主心肺未生というか多肺だとクローンが出てしまって、
後輩してもその中から後輩されたのは1本しか出てこなくて、
あとは全部クローンという性質があります。
なので後輩しても後輩したものが出てこないという性質があったので育種が遅れました。
品種改良が遅れていたんですよね。
そんな中、西浦雅夫さんというすごい方がいて、
その人が柑橘の品種改良の道を作ってくれました。
この西浦雅夫さんという方は何をしたかと言いますと、
オキツワセという品種を開発しまして、
日本で一番たくさん作られている品種はミヤガワワセで、
その次がオキツワセです。
この人はミヤガワワセにカラタチの花粉を付けて後輩して、
後輩して6千個の種を作って、
その中から突然変異のオキツワセという品種を開発しました。
6千個ですよ。
ただ6千個集めるだけじゃなくて、
その6千個を育てても果実が成るまで何年もかかるわけですから、
すごい根気のいる作業ですよね。
オキツワセという品種を開発しました。
それだけでなくキヨミという品種を開発して、
キヨミが今の柑橘の先祖と言いますか、
キヨミを開発したことによって品種改良が進みました。
先ほどミカンはタハイと言いましたけれど、
このキヨミはタンパイなんですよね。
一つのハイと書いてタンパイ。
キヨミとトロビタオレンジを後輩して、
キヨミじゃなかった、ミヤガオワセとトロビタオレンジを後輩してできた品種で、
このタンパイというのは、
種から一本のハイしかないということで、
先ほどのように一つの種からクローンがいくつも出てくるわけではなく、
後輩したものが出てくる。
芽が出てくるというような品種なんですよね。
これが本当に革命的で、
今、タンゴールという、
ミカンとオレンジを後輩した品種のことをタンゴールと言うんですけど、
本当にタンゴールがいっぱい、
毎年のように新品種が出てくるのはこのキヨミのおかげです。
先ほどタマミから新品種になりそうな種子が取れたという話をしたんですけれど、
西浦雅夫の影響
それはタマミはタンパイなんですよね。
タマミは後輩してなくても種ができるんですけれど、
何て言ったらいいのかな。
本当、
芽が出てきそうもないような、
後輩してなければ、
芽が出てきそうもないような種ができるんですけれど、
後輩というか、自然にどこかから花粉が飛んできて、
後輩された種だとしっかりした種になるので、
それがいくつか見つかったので育ててみようかなというところです。
なので、何を後輩したのかは分かりません。
結構何を後輩されてできたか分からない品種ってありまして、
例えばハルカという品種は何と何をかけたかというのは分かっていません。
と思いましたら、今調べたら遺伝解析で、
遺伝解析をしたところ、
ヒューガナッツが種子親、
ナツミカンが花粉親であることが判明したそうです。
もともとは分かってなかったんですよね。
何を後輩されたかっていうのが、
たまたま種を植えたらこういった果実ができたということで、
なので今回ちょっとそれを狙っています。
それでは今回の放送は以上になります。
今日もメタグリボイシーズを最後までお聞きいただきありがとうございました。
あなたと一緒に新しい農業の世界を創造する旅を続けていけることに感謝しています。
次回もお楽しみに。
みんな、ミカン食べてね。
牛乳飲んでね。
バイバーイ。