2024-05-25 55:33

第71回:「符牒」としての広告コピー。一行でパッとイメージが拡がる脳のスイッチの押し方

広告がコミュニケーションを果たす時、広告コピーは「符牒」の役割を果たしている。書いてある数文字ではなく、生活者の心の中から膨大な感情の源泉を引き出す暗号鍵。脳が能動的に思い描くことで、デザインよりも鮮烈に記憶に残るイメージを起爆させる様々なコトバを、新旧の具体例を交えて紹介します。

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関連記事:「符牒」としての広告コピー。一行でパッとイメージが拡がる脳のスイッチの押し方 - アトリエライフ通信 (hoi-poi.net)


サマリー

彼は「不調」としての広告コピーの重要性について考えています。良いコピーは、脳のスイッチを押し広がるイメージを与えます。例えば、資生堂の「一瞬でも一生」や村田製作所の「恋する部品製作所」などの効果的な広告コピーがあります。広告コピーは、多くの情報やブランドイメージを伝える重要な役割を果たしています。ビジュアルや語り口を使って、感情やイメージを表現することが広告コピーにおいて重要だと述べています。また、映画も感情や共有体験を呼び起こす大切なコミュニケーション手段であるとしています。

良いコピーの役割
みなさん、こんばんは。あした使える聴くネタ帳、マーケターの真夜中ラジオの時間です。
この番組は、アラフォーマーケター2人が最人気になるトピックを取り上げ、それぞれのマーケ間で掘り下げていきます。
最近話題の一人マーケターをはじめ、情報や知見が少ない中で内てを模索する、みなさんのヒントになる視点をお届けしていきます。
スタートアップの思いが伝わるマーケティングを実現する、株式会社エールコネクト代表の宮本です。よろしくお願いします。
淡路島でコピーライトをやってます。じんぼうです。よろしくお願いします。
お願いします。さて、今日のテーマは不調としての広告コピー、一行でパッとイメージが広がる脳のスイッチの押し方、です。
さあ、このテーマを取り上げた理由は何なんでしょう。
いいコピーって何ですかって言われた時に、いろんな答え方があると思うんですけど、その中の一つとして取り上げてみたいなというか、取り出してみたいと思ったんですね。
そもそもコピーっていうのは、短いフレーズの中にバシッと言い切って、その中に多くの意味を含ませて伝えていくものなんですよね。
で、よく一行でパッとイメージが広がるとかって言われるんですけど、じゃあそのコピーの役割って何なのっていう質問に対しての端的な回答の一つとして、
不調となる言葉なんだっていう説明が割とはまるのかなと思ったので、今回はそういう観点で、いいコピーとかいいタグラインについて考えてみたいなと思ったんですね。
なるほどね。この不調っていうのをラジオで伝えるのが難しいね。
不調ね、まず漢字を伝えるのが難しいね。
そうそうそう。これ何て言えばいいんだろうね。
音符の不だよね。これ音符の不だよね。
あ、なるほどね。
縦辺に作って作る音符の不と、調はこれ何て言うの。
調は何なんやろ。
片辺に世も末みたいな感じ。
そうね。
なんだろうね。
なんかでも不調。
不調だね。
何て言うのかな。こうね、印とか合言葉とかそういうのに使う。
そうだね。
だから、いわゆる合言葉とか音語みたいな意味ですよね。
はいはいはい。
だから、飲食店でゴキブリが出た時に、ゴキブリが出ましたって店長に報告したらあかんよとか。
ダメですね。
なのでなんかね、ジーですとか、ゴーダさん出ましたとかなんかいう感じで一応決めとくんじゃないですか。
そうだね。
お客さんに聞かせられないこととかは割と音語が飛び交うみたいな。
音語の裏には豊かな意味が。
ゴキブリが出ましたっていう大変豊かな意味が含まれているということ。
なるほどね。
昔の劇とかで言うと、山つったら川つって扉がバッと開くみたいな感じがありますね。
あれが不調ですよね。
他の人は分からないけどそれが通じると、そこの中で俺たち分かり合ってるよねみたいなそういうのあるもんね。
そうそうあるよね。仲間意識っていうの。
不調を使った具体例
仲間意識みたいな。やっぱこうね、居酒屋に行って、生中って言ったら生の中熟期出てくるじゃないですか。
あれは一つの不調だと思うんですよね。
確かにね。
生ビール中熟期でって言わなくても生中で分かるっていう。
そうだね。
僕はよく丸亀製麺に行くんですけど、あったかいぶっかけうどんだいっていうのを丸亀製麺でおんぶだいって言うんですよね。
おお、そうなんだ。知らなかった。
店の人同士がそういうやり取りをしてるんですよ。
僕があったかいぶっかけうどんだいでって言ったら、うどん作る人とだし入れる人いるじゃないですか。
うどん作る人がおんぶだいっていう風にだし入れる人に伝えて、それであったかいぶっかけうどんだい作ってるんですけど。
そういう意味で、丸亀製麺のプロは注文するときにおんぶだいって言う。
それであったかいぶっかけうどんだいをもらうっていうのが、もしかしたら渋谷店だけかもしれんけど。
いや、そんなことないな。丸亀製麺ではみんなおんぶだいって言ってる。
そうだね。じゃあ早速試していただいてね。
皆さんね。
不調ですね。
は?って言われたらいいよ。は?
言われたらあったかいぶっかけうどんだいって言った。それはちょっと恥ずかしいね。
でもあれだよね。常連感というか、分かってるでー感が出せるから、ゆでる手にもちょっと気合がこもるんじゃないですか。
この人にはおいしいうどん出さないとバカちゃうかもしれないって思ってくれるかもしれない。
思ってくれるかもしれないね。ほぼほぼゆでる作業は完了してるけどね。
あとは一瞬で終わりけどね。
あれだよね。マシマシとかもそうだよね。
そうね。確かに。分かる人はそこのお店の中でしか分からない言葉やもんね。
そうだよね。ギャル語とかもそうだと思うけど、それを使うことによってそこの一因感とか結束が生まれたりとか、
共感性が増したりとかするので、あえて使う意味が割とあるっていうのが合言葉不調となる言葉ですよね。
コピーとかももちろんそういう要素を含んでおけば良いでしょうっていうことですね。
なのでこういう、とはいえ事前に打ち合わせができないので、同じカルチャーの中で20年30年生きた人たちであれば、こう言えば通と言えばカーだよねみたいなところはいくつかはあるので、
それをうまく扱うっていうのがコピーライターのやるべき仕事なのかなと最近思ったんですよね。
本編は別ロリーしてますので宮本さんには収録で聞いていただいてますが、どんな点で明日使える低ネタになりそうですか?
そうですね。コピー作る時に自分の作ったコピーを1個振り返ってチェックする時に、これは不調になってるかなっていうのをチェック項目に入れるのは面白いかなと思いましたね。
ついつい作り手としてはそのままストレートに言いたくなる。この商品の魅力はこれとこれとこれだからこれを全部言いたくなるっていうのが思考で、
でもそうすると不調にはなってなくて、単純に伝えるべきことを普通に言ってるって状態になってるので、
それだとコピーとして成立しないから、不調にするにはどうしたらいいんだろうっていうことをもう一段階考えるとコピーを考える深さが変わってくるかなと。
今回本編の中ではいくつか事例で出てきているので、不調を使うと普通だと使わない言葉を使うというか、
例えばB2B企業が恋するって言葉を使ったりとか、意外な組み合わせだけど、だからこそ伝わるっていうのがあって、
その辺、いいコピーを作りやすくなるきっかけを作れるかなと思いましたね。
コピーの効果と注意点
なんか他人行儀な言葉、一般論の言葉を使っても、お客様とは友達になれんよっていうことですよね。
あとはあれなのかな、これターゲットの人がこの不調が通じるかとかはやっぱり確認した方がいいのかな。
そうだと思うね。
いって文化的背景とか、不調であるがゆえに男女で、例えば本編でも出てくる、お口の恋人っていう言葉を使ったときの、
男性と女性で恋人っていう言葉に対して受け取る印象ってちょっと違いとかあると思うんだよな。
それがターゲットにとってきれいに伝わるかどうかとかは大事なんだろうね。
不調としてやるがゆえにね。
ちょうど炎上してるじゃないですか、新しいiPadのCM知ってます?
炎上してるね。潰すやつでしょ?
そうそう。楽器とかをガンガン潰して。あれもコピーではないけれども、
これまであった楽器とかピアノとかあらゆるものがこの小さな薄いiPadの1個に吸い込まれてるんですっていうことを伝えたいと思うんだけど、
それを伝えるために楽器をすべてぐっちゃぐちゃにするっていうクリエイティブがいろんな人を傷つけるっていう。
やっぱこれは不調がうまく合わないんだなってことをいろんな人に見て気づいていればあんなことにならないと思うんだよな。
あれは海外の人もやっぱり不快感を覚えるのかね。
覚えるんじゃない?
まあそうだよね。
あんだけいろんなもの全部ぶっ壊されたらちょっとピアノ作ってる人とかもいるし、大事に使ってる人もいるし、むしろそういう人がターゲットだと思うのよね。
iPadとかでクリエイティブなことをする人って。楽器も好きだけどiPadもやってるっていう人だと思うから、
その人にピアノとかが全部ぐっちゃぐちゃになるのとかは、なんであれにしちゃったのかなと思うけどね。
なんか趣味悪いし、あとそもそもめっちゃ説明的だよね。
確かにね。そうだね。
それiPhoneの時も一緒じゃないですかみたいな。iPhone1が出た時にそれ言えるじゃんみたいなことで言うと、なんで今これなんすかねみたいな感じにはなるよね。
ここまで攻めてこれみたいな、ちゃんと相手に届くか含めて不調になっているコピーとは何かっていうのが本編でわかったらいいんじゃないかなと思いますね。
そうですね。だからそこの記号をやりとりするので、そこの記号に敏感になるっていうことが大事なんでしょうね。
そう思いますね。
そのためにドラマを見る、映画を見るとか、何でもね、テレビ見るでもYouTube見るでもいいけど、そういう観点で見るとなんかね、時間つぶしはない感じがしていいんじゃないかな。
全ては勉強ですからね。
そうですね。
それでは本編ぜひ聞いてみてください。本編は約34分あります。
途中で聞けなくなった時のためにもここでPodcastをフォローしておくと便利です。
それでは行ってみましょう。
さて、じんぼさんの今週のピックアップテーマはこちら。
不調としての広告コピー。一行であっとイメージが広がる脳のスイッチの押し方です。
さあ、どんな内容なんでしょう。
オープニングでも話した通り、今回は良いコピーとは何かなって言った時に、良いコピーっていうのは不調の役割を果たす言葉なんですっていうような観点でちょっと話していきたくて、
それの具体例っていうのを過去の定番、名作から最近の事例までいくつかご紹介をしたいなと思っている感じなんですね。
広告コピーっていうのは一瞬の接触でしかないですよね。通りすがりの人に0.何秒とかって言われてるけど、
その中であーだこーだって説明をしている暇はないので、でもパッと見た時にすごくイメージが膨らむような、ブランドイメージを喚起するようなこの合言葉みたいな感じの言葉なんですよね。
だからどっちかというと説明とか文章ではなくて暗号とかサインみたいなものなんですよね。
なるほどね。確かに暗号とかサインもそうですよね。もう事前に新高山登れだったら、これどっちだったかな。
それは新高山に登れっていう意味です。
そうそう。大平洋戦争じゃなくて、戦争を始めるとかそういうの事前に決めてるから、その暗号が来たらこうしようって事を事前に決めてるから、
もうその事を見た瞬間にいろんな深いメッセージを伝えられるってことやもんね。
そうね。
不調というものはね。なるほど。
真珠湾だっけそれは。
あーそうね。真珠湾か。
真珠湾な気がするな。
はいはいはいはい。
そんな感じですね。だからコピーで全部説明したがる人ってあるあるじゃないですか。
あーありますね。
コピーの役割とブランドイメージ
そうじゃないですってことなんですね。そもそもの役割としては、書いてあることそのものの意味それ自体ではなくて、新高山登れの裏に秘められているこのすり合わせられた、そこから引き出される膨大な意味があって、コピーだと膨大なブランドイメージがあって、それこそがコピーの実体価値なんですね。
だから5文字とか10文字でもものすごい多くの情報がその裏に潜んでいるってことなんですよね。
なのでそこが大事なんで、先生短いからって不安になる必要はないですっていうまずそこですね。
なるほどね。だから逆に言うとそういうふうに伝えないといけないってことですよね。
長い文章で説明的に作能でわかるように商品の特徴とか言っても誰も読んでくれないのでそんなものは。
誰も読んでくれないので。
パッと伝えると。
これでもやっぱり文化的背景もあるから海外のコピーとかってちょっと理解しづらかったりするのかな。
そうですよね。
文化とかないと無理よね。
海外のやつはよりユニバーサルに一般化されている不調を使っている感じがするよね。
なるほどね。
なんかね、平和とか大きいよねテーマが。
より大きくて、日本人って割ともうちょっとローカルなコンテクストを共有しているので、
割ともうちょっとハイコンテクストの中で割と高度な不調の飛ばし合い合戦を知る感じがある。
それはあれだよね。
例えばタレントさん一つとっても一人のタレントにはそのタレントさんが演じてきた様々な人格があって、
だからこの人が出てきたらだいたいこうだよねっていうのがなんとなく日本人の中にあるじゃないですか。
ありますね。
だからもうその説明はしょれるんだよね。
ポンと出てきて、もう一人の人が出てきたらそのタレントかけるタレントで意味がほぼほぼ確定するので。
確かに。
じゃあ15秒で、じゃあ言いたいことだとすごくぶん回しで言えるじゃんみたいな話になるっていうことですよね。
だから日本は割とハイコンテクストなのでそういうのが豊かで。
短いコピーとイメージの喚起
そうか、確かに。
海外はもうちょっと大きいんだよなテーマがな。
ヒーローとか世界平和とか、最近で言うとジェンダーダイバーシーとかそういう大きなところに対してかけていくから。
そうね、ユニバーサルで行くしかないもんね。
そうなんだよな。
でもさっきの役者のやつ、最近netflixでシティハンターの実写版、鈴木良平がやってるんですけど、
鈴木良平が出てくるともう僕はすぐ変態仮面の映画を見たりするので。
そうだね。
やっぱね、あるよね、この役者だからこそのこれっていうイメージの連動というか。
そこから裁判料は割とストレートに行くね。
そうそうそうなんだよね。
そういうことですよね。だから割と記号論のやり取りなんですけど、コピーっていうのはそういうことですよね。
だからある程度その同じ時代を同じハイコンテクストなカルチャーの中で生きている日本人に対して、
短い言葉だけど多くの人が分かるって思えるような暗号のやり取りみたいなところがありますよね。
という感じですね。だからね、いわゆる不調暗号で言うと事前のやり取りが必要、すり合わせが必要になりますけど、
広告もちろん事前の打ち合わせはできないので、だから文化ですよね、カルチャーのコンテクストがその代替になりますよね。
映画とか、あるいはみんなが必ず通ってきた学校、カルチャーとか、
そのあたりをうまく使うことで言いたいことの事前説明を大きく端折るっていうことが行われますよねっていうことですね。
だからこの意味で言うと、いいコピーとはっていうとは論で一番よく言われるものの一つが、
一行でパーッとイメージが広がるコピーであるっていうのがよく言われるんだけど、こういうことですよねってことで。
これはコピーが不調な役割を果たした時に、一行でパッとイメージが広がるという現象が起きるんですっていうことなんですよね。
で、これのいいところは、すごい凝ったCGでガーンってこうすごい圧倒的な絵を見せられる、動画を見せられる。
これはこれですごいことですけど、もはやどれ見てもあんまり驚かないじゃないですか。
ジュラシックパークでもお腹いっぱいぐらいの感じが。
もうね、CGで作っているんでしょって思っちゃうとね、そこまでインパクトは出ないよね。
もうちょっとクリストファー・ノーランに何をされてももういいかなって感じ。もうしんどいですみたいな感じになっている現代人がいる中では、
逆にその短い情報量を極限まで削いだ5文字とか10文字でパッとイメージを喚起されてしまうと、
脳みそが勝手に能動的に自分で絵を思い描くような状態になるので、
これはだから、絵を見せられるという受動的な状態ではなくて主体的な感じなので、
だから体験というのはいろんな体験があると思うんだけど、僕認識的体験というのもあると思っていて、
なんか自分がああそうかって、自分で気づいたような体験とか、気づいたようなこととかって、
これって割と体験レベルまで臨場感が高まっていると思うんですよ。
そういうのって認識的体験って僕は言うんですけど、それは確実にあると思っていて、
そういうところまで行くと確実に記憶に刻印はされるしっていうことですよね。
だからそういうことができるのは、実際に体験させるよりもできる可能性もあるし、
分かりやすくデザインするよりもできる可能性もあるしっていうところで、
なるほどね。
デザインとか動画よりも全然ビジュアルな言葉っていうのは存在するんだよって思ってるということですね。
確かに前回コッペパンの話しましたけど、
多分僕の中のコッペパンのイメージとジンボさんの中のコッペパンのイメージちょっと違うじゃないですか。
多分食べてるものが地域が違うから。
でもなんかこうそれぞれの中に明確にコッペパンの絵が出てきますもんね。
言葉を聞くだけで。
そうだね。
思い出も含めてね。
思い出も含めてね。
香川のコッペパンはね、いい小麦を使ってるだろう。
どうだろう。香川のうどんもオーストラリアから小麦は輸入してるから別に香川の小麦がいい小麦とは限らないと思うけど。
あといい小麦はうどんに持ってかれてるから、パンに使う小麦はどうかっていう話も。
そうそうそうそう。いい小麦はうどんだろうし。
ジンボさんさっきコッペパンは焼き色って言ってたじゃないですか。
焼き色超大事。
俺ね、焼き色の記憶はあんまないんだよな。
マジですか?
多分ね、そのコッペパン違うんだと思うな。
あーそうなんだ。
だからね、日によってちょっと焼きすぎてる時があって。
へー。
苦いんだよね、茶色いやつは。
そうなんだ。そんな感覚はあんまなかったな。
でもやっぱコッペパンはそれだけ思い出に残るものだから、一個の不調みたいなものですよね。
不調、すごい情報量の多い一つの不調ですよね。
これフランスパンにすげ替えると、あんまり一般的なフランスパンな感じで、わりとスカスカなイメージしか日本人は持ってないと思うんですよね。
ほどのフランスパン好きじゃない限りは。
確かに。
イメージは別にね、いろんな思い出とかは来ないね。
コッペパンはね、給食急いで食べなあかんくて、こう、頬張ってパサパサとかいろいろと思い出あるけど。
いろいろあるよね。お盆にさ、ちょっと水がついてて、コッペパンが半分ビショビショになって気持ち悪い感じとか。
あーそうそう、あったあった。
家でいろんな体験記憶が、やっぱり6年間食べますから。
そうねー。
それはありますよね。
揚げパンだった時すごい嬉しかったとかね。
そうそうそう。
あるねー。
こういう上手に記号を駆使して狙ったイメージをパッと引き出すっていうのが広告の技術であって、
いいコピーっていうのはそういう意味では不調の役割を果たしますっていうことですね。
で、不調としてのコピーで、今一番古典というか上手い、めちゃくちゃ短いけどめっちゃ定着してるよねっていうのは、
一つはですね、ロッテのお口の恋人っていう、これはブランドタグラインになるのかな?
うんうん。
これもうたった5文字なんですけど、もはやロッテのイメージをパッと喚起しますよね。
ここで言ってるのって、安い飴ちゃんとかガムなんですけど、
でもただ甘いだけじゃなくて、もうちょっと芳醇なというかね、
甘美な味覚体験っていうのを提供しますよっていうところと、
ブランドメッセージなんで大事なのは、いつでもどこでも誰にでも安価でっていうところですよね。
提供するんだよっていうブランドの約束を込めていて、
それを30年40年使うことによって約束をし続けているっていうことですよね。
それがブランドの信頼と、引いてはロッテに対する揺るがぬ期待と信頼ですよね。
っていうところまで高まってるってことですよね。
なんかリズムがいいよね、お口の恋人ってね。
これ、おがないと変やもんね。
おがないと…
口の恋人だと変やもんね。
なんか口寂しい感じするよね。
なんか変や、やっぱりお口の恋人っていうのが、
すごい絶妙なヒット感があるね。
そうね。
おがないと口の変人に見えるね、なんか。
なんとなくね。
確かに見えるね。
カルチャーだね。
このバランス感が大事ですよね。
僕らでいうと、これがブランドスローガンだって思ってないぐらい浸透してる感じの言葉ですよね。
でもやっぱり恋人っていいなと思うんですよね。
単なる飴とかそのものじゃなくて、相棒なんだよみたいなパートナー感を言ってるじゃないですか。
だから恋人も同じように、やっぱり仕事とかね、受験勉強とかのときにエネルギーをくれる存在じゃないですか。
だからそういう飴も、別に恋人にいるときもいないときも人にはありますけど、
でも飴はずっとそうなんだよっていうことをまず保証してますよね。
ただ甘いだけじゃなくて、やっぱり勇気をくれたりとか、そういう存在であり続けるよってロッテの側から約束をしてくれてるわけだと。
確かにね。
ガムもね、噛んでいったら味はなくなりますけど味気ないものではなくて、
単調な毎日をリズミカルに弾ませるみたいな、それも恋人ができたときと同じようなね、
そういうような感じもちょっと想像させるようなところもありみたいなところで、
いろんな側面で単なるものだけではなくて、やっぱり寄り添っていくパートナーなんだみたいなところを、
恋人っていう言葉にすることでうまく引き出してるっていう感じはありますよね。
そうですね。
5文字でこれだけのイメージが伝えられるっていうのはすごいなと思いましたね。
確かに。
で、もう一つ定番は、「資生堂の一瞬も一生も美しく」っていうタグラインですね。
三岡さんが作った、もう20年ぐらい経つのかな。
一行で9文字の中にパッと一生分のタイムトラベルに誘われてしまうような一行だなと思うんですよね。
資生堂の広告コピー
で、資生堂の何かわかんないけどすさまじさというか感じてしまう。
でも本当にそうだしっていう感じの一行ですね。
なんでこんなにこのイメージが喚起されるのかなって思うと、
これ割とレトリックすごい効いてるからっていうところもあるんですけど、
まずはあれですよね。
韻がめちゃくちゃ心地よく思いっきり計算して踏まれてるっていうところがありますね。
一瞬一生の一っていうところとか、あと瞬と生のSHっていう音とか、
あと一瞬も一生もの、もっていうものとか、もう完全に韻を踏み倒しとるわけですよね。
めちゃくちゃリズムが良い中に、一瞬っていうのは極章ですよね。
今この瞬間、一瞬は極大ですよね。
自分が認識できる全ての時間ですよね。
っていうのをこのリズムの良い韻の中に並べておいてる、
極章極大にコントラストをつけることで、
もう完全にこういきなりちっちゃいところから最大に行くと、
やっぱり想像力が爆発するっていうところがあると思うので、
レトリックは起爆装置みたいな感じで働いているのだなと思うわけですね。
なので、受けてそれぞれが自分の一生を考えると思うんですよね。
今今日もお化粧するだろうし、でも良いお化粧習慣を続ければ、
一生美しい自分でいられるようなみたいな。
ありたい自分っていうのをこのフレーズの中で、
今日一日の行動とリンクさせて考えられるのでいいですよね。
たしかにね。
あとなんかこう資生堂っていうものの、昔ながらの多分会社ですよね。
古き良き時代からずっとあった、その文化の継承みたいなところも、
一週も一生もって長い期間ずっと美しくというところを支援をしてきた会社だからこその、
そういうイメージもあるなぁ。
日本人の肌を知り尽くした会社っていうのは言えると思うし、
書いてもそう思っているような気がするので、そこを改めて喚起する言葉ですよね。
たしかにね。
村田製作所のスローガン
なのでこれが出た瞬間も割とそうだと思うんですけど、
今となってはこの言葉があれば、すごい分厚いブランドイメージが広がる言葉だなと思いますね。
有名なところで言うとこんな感じかなと思うんですけど、
あとはBtoBの企業でレジェンドだなと思ったのが、
村田製作所の恋する部品製作所っていうスローガン。
これは僕らが多分社会人になったぐらい、
2005年とか2006年とか2007年ぐらいにはかげてて、
僕はすごいなと思ったんですよね。
BtoBで割と情熱とかこだわりとか技術とか、
そういう直接的な言葉で語りがちじゃないですか。
でも村田製作所はお口の恋人じゃないですけど、
恋を持ってきたんですよね、このクールで無機質な精密部品に。
すごいだからヒューマンだし、熱いじゃないですか。
ホットな概念を無理やり精密部品に取り付けたような。
これはこれこそイノベーションだなって当時思ったですね。
精密機械的ないわゆるこうでしょっていう受け手の認識っていうのがあったとしたら、
割とそれを飾り口によってリフレッシュして、
新しい関係性、そのBtoBなんだけどその先の人々とか、
あるいは村田製作所で働いている家族とかに対して微笑みかけるような、
そういう手ぐらいになってるようなっていう気がするんですよね。
なるほどね。
これあれか、村田製作君みたいなロボットと一緒に出てたやつかな。
それはだからちょっと後かもね。
後なんだ。
これの次ぐらいの展開かもわからないけどね。
村田製作所は何を製作してるんだろうの時にロボットとか。
この時のメインのキャンペーンか何かの時は、
村田製作所は今日も小さいものを作ってますっていう感じだね。
割となんとかなんとかコンデンサーとかいろんなものに寄って、
そこにヒューマンなタッチの表現をするみたいな、
ラジオCMとかやってましたけどね。
素晴らしかったですね、この一連の。
それこそポッドキャストをやってましたよ、当時村田製作所。
そうなんだ。
最先端だね。
そうですね、めっちゃ聞いてましたね僕。
BtoBでもこういう普通の人の心にも割とふわっと刺さって、
イメージが広がるようなアプローチはできるんだよっていう。
BtoBの良いコピーは昔もあったけど、
でもこれが割と各社がいろいろ工夫をし始めた最初かなと思うんですよね。
この辺が個展かなと思うんですけど、
最近CMを見てていいなと思ったのが、
突破突販とマリンワールド海の中道の広告
同じく精密機械のミネ・ベア・ミツミという会社の、
大体テレ東を見てたらよく流れてますけど、
BtoBだからね、ビジネスマンが見てるからね。
世界をこっそりこっそり変えていくっていうタグラインですね。
これすごい秀逸だなと思って、
ベアリングとか有名なんですよね、ここね。
見えないんだけど、そういうベアリングみたいな精密機械が、
ものすごいダイナミックに私たちの生活を変えてるんだっていうことを、
分かってるけど分かってないっていう我々に対して、
ホラーって分からせるようなコピーで、
これもこっそりこっそりっていう因を踏みながら、
極小と極大の対比なんで、資生堂のレトリックとほぼ一緒ですよね。
聴かせながら、その想像力をパーンと引き出すような感じになってますね。
ちょっと変化がベアリングの会社っぽくないというかね、
馴染みやすい感じとかはするね、確かにこういう言われ方をすると。
うん、そうっすよね。
単純にだから因を踏んでるだけじゃなくて、
言うべきことをまずど真ん中押さえてるってことが大事ですよね。
世界をこっそりだけど、ごっそり変えてるっていうことを、
そういうことか。
言うときにちょうどいい因があったから使ってるってことですよね。
だから残るっていうことだと思うんですけど。
確かに。
これはね、世界をさりげなく変えてます。だと不運で流れになるんで。
そうだね、そうだね。こっそりこっそりっていう言葉によってちょっとこうなんだろうと思うね。
僕あれですね、この間浜松で見たB2Bの広告でよかったのは、
日東電気株式会社っていう会社のコピーで、
部品になるな、部品を作れっていう。
あーあったね、それね。
これもいいなと思った。
そうだよね、まあ多分ね部品メーカーなんだと思うけど、
その部品になるな、部品を作れっていうことによって、
すごいね、部品というものをポジティブに捉えてるもんね。
いい捉え直しだなと思ったね。
だからどういうふうに働いていきたいかみたいな、
従業員満足のところにも触れてるというか、約束してるよね。
そうね、これは新卒採用募集みたいな広告だった。
あーなるほどね。
まさにそっちなんだろうね。
B2Bの場合は半分ぐらいはリクルーティングと社員定着だよね。
家族も喜んでくれるみたいなところがあると思うんですよね。
あると思う。
そういうメッセージになるんでしょうね。
最近はこっち側でうまいなと思ったのが、
突販印刷の突破突販ってやつ。
突破突販めっちゃうまいなと思って。
印刷会社って難しいと思うんですよね。
イメージがめっちゃ印刷会社じゃないですか。
突販って言うてもおてるからね。
突販使ってる事業、今はそんなに突販はないんだと思うけど。
突販印刷に突販ないと思うけどね、ほとんど。
もうないよね、きっとね。さすがに。
大日本印刷もどうかと思うくらい古い印刷会社みたいなイメージがあるじゃないですか。
本当は全然そうじゃない。
新しい事をやってるよね。
さらに突販印刷は古い版、版社とか作んねーのに、
版そのものが名前だからより古く感じますよね。
感じるよね。
今はさすがにローマ字表記の突販って書いてるけど、
でもね、突販の突の字とか旧字のイメージというかね。
あんまり世の中で見ないもんね。
世の中で見ない。
逆にすごい印刷会社なんだっていうイメージがあるけど、
この突破突販はそれを逃げずにど真ん中で押し切ったところが偉いなと思って。
なるほどね。
ど真ん中で突破を突販したことによって、
新しい突販印刷は確かにね、
それ分かってますよこっちだってみたいな感じになるっていう。
上手いコミュニケーションだなと思ったね。
なんか知らなかったけど、
実は大日本印刷を当に超えてるんだよね、突販印刷って。
売上げで。
そうなんだ。
全然知らなかったんですけど。
それも含めて動いてるんだなって感じはしましたね。
だってね、電通を白報道が抜いたらニュースになるじゃないですか。
なるなるなる。
突販が大日本抜いてもあんまり誰も知らないよねみたいな。
まあね、裏方というか印刷ってイメージ。
まあでももう印刷じゃないんだろうけどね、きっとね、実際の事業としてはね。
印刷に付随していろいろやる会社で、
クライアントソースが多いから個別のソリューションに入ってると思うんですよね。
まああの辺は上手いなって。
なるほどね、はいはいはい。
あとは最近割とショーとかで撮りましたみたいなのよく見るのが、
マリンワールド海の中道っていう九州の向こうの会社で。
会社というか水族館だね。
水族館ね。
このコピーはズンズンペンギンヌンヌンアザラシっていうコピーで、
めっちゃいいなと思って。
もうなんかそれだけで歓喜されますよね。
ペンギンって胸張って偉そうに歩いてるから、
あーなるほど、それが近くで見れるからズンズンしてくるんだろうなって思うし。
アザラシもさ口元がヌンヌンしてるじゃないですか。
どうかな、ヌンヌンってどういう状態なの?
口元なの?アザラシの首振ってる感じがヌンヌンって感じなんじゃないの?
そうなのかな、僕なんか口元、鼻のあたりがヌンヌンしてるんだと思ったけどね。
そういうこと?
わかんない、それもあれだな、人の体験、もともと持ってる前提意識によって変わるね。
変わるね。
そういうところも上手いなと思ってペンギンとかアザラシの前提意識を上手く使うのと、
あとはオリジナルの基本語を取り出してくることによって、それだけで成立させてしまうというか、
もうズンズンされたいとかヌンヌンされたいっていう追体験欲求っていうのはあると思うんですけど、
そういうことを喚起してるなって感じがしますね。
なるほどね。
でも僕いいなと思ったのは、多分この水族館も他にもいろんなものいると思うんですよ。
みんな自分の飼育してる動物をメインにしたいじゃないですか、きっと。
たぶんイルカとかいるんやったらもっとイルカだしてほしいとか、たぶんいろいろ言うと思うんですけど、
あえてこれをペンギンとアザラシに前振りするっていうのが潔いというか。
潔いね。
広告コピーの重要性
だからこそ伝わると思うんだよな。
たしかにね。
このポスターのペンギンの顔見たらもう俺しかおらんやろうみたいな顔してますけど。
そうね、ペンギンはね。
やっぱりね、それ担当の飼育員にとってはおいおいっていうね。
うちはペンギンじゃねえだろうとか言う飼育員とかいると思うし、
結構それに対してイルカも頑張ってるけど、今回はペンギンで生かしてくださいみたいな言う担当もいたんじゃないかなと思って。
モチーフを絞るっていうところは大事ですね。
そうね、絞ってこの擬音語とかを使ってイメージを伝わるように作ってるのは確かにいいね。
それ以外ボディコピーは何もない。何も言ってないからね。
たしかに。
近くで動物たちと間近で見られますみたいなこと一切言ってないもんね。
言ってないね。
不安になっちゃいけないってことではズンズンペンギンで通じるんですよ。
そうね、これでわかってもらうんだっていう。確かにね、不安になりそう。ボディコピー入れたくなるな。
ちょっとズンズンじゃわからないかもしれないから説明入れたくなりそうやけど。
そこはもうね、ペンギンのドヤっていう顔に全てをかけたわけやな。
そうですね。
なるほど。
わかるだろうっていうことだろうね。
デザイン、ビジュアルはね、言葉で説明をしてないものの一番それを誤解なく伝えるように最大限努力をしてる感じがありますね。
うん、そうだね。
たしかに。
そんな感じですね。
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今回本編ではコピー、いいコピーっていうのは不調となる言葉なんですみたいな話だったんですけど、
それをコピーに限らずあらゆる多分記号的コミュニケーションには言えると思うので、
最近思ったのは映画もまたコミュニケーションの不調なんだよなと思ったんですよね。
映画ってやっぱり2時間とかの中に、僕はあれ感情のアトラクションだと思ってるんですけど、
いろんなこう揺さぶられていろんなね、リアルな人生だって絶対に体験したくない体験いっぱいするじゃないですか。
たしかにね。
もう踏んだり蹴ったりですよね。怪獣に踏みつぶされたりとかね。
たしかに戦争に行ってみたりとかね。どんなこともできちゃうもんね。映画に入るとね。
それ一本見るとやっぱりね、ちょっと変わりますよね。その後の人生で。
そういうこうなんだかしら仮想体験ですけど、体験記憶は残るのでみたいな。
で、いいのは他の人も割と見てるっていうところなので、だからあれっつってね、ジョーズだとかロッキーだっつったら、
なんとなくパッと共通体験を引き出せるというか、っていうのがあるので、話が早くなると思うんですよね。
なんかどんだけね、友達親友でも、親友の失恋とかってさ、追体験できないじゃないですか。そこまでリアルには。
たしかにね。現場にいるわけじゃないからね。片っぽの話しかだいたい聞けないからね。
本当にどうだったかわかんないよね。
でもね、花束みたいな恋をしたみたいな映画を見ておくと、ものすごく共有体験としてはわかりますよね。
そうかそうか、そうだね。
倦怠期のつらさはやっぱりこの、こうね、上手した時のやっぱりこの華やかな日々があるからそこのコントラストでよけつらいよみたいな。
たしかにそうね。映画はそういう風に作ってるもんね。
映画はね、そういう風に作ってますけど、それがわかりやすく、解釈、人によって解釈のブレがあるとはいえ、一定で共有できる。
真ん中の部分は多分そんなに変わらないので、そこの共有感覚をギュッと2時間に詰め込んだ感情のアトラクションだなと思うんですよね。
たしかにね。あと日常で感動することってそんなたくさんはないじゃないですか。
ないですね。
泣くて笑ったりとか、悲しくて泣いたりとかって感動するとかってあんまなくて、やっぱそれは映画みたいな2時間ずっと強制的にある物語を見る体験をすることで、だからこそ得られる部分はある気がするなぁ。
最近またね、感動もいいけど、例えば自分が加害者なんだとかさ、人を傷つけたなとか、そういうことって傷つけてる本人気付けないから、そういうことよく本当はあると思うんですけど、
映画とコミュニケーション
そういうことに気付かせてくれるような映画として、すごいなぁと思った怪物のような映画があってですね。
タイトル入れてもうたけど。
1年前にカンヌにかかって脚本賞を取った、これだ!イロカズ監督の怪物2ですよね。
もう私を告知を呼ばせながら収録の1週間前に見て、昨日2回目見て、みたいな感じなんですけどね。
ネタバレしたい一番いけない映画だと思うから、どうだこうだはあんまり言わないんですけど、
すごい気付かされることがありますよね。
確かにね、人間は残酷だとか、自分は残酷だとか、凡庸な悪とかって言いますけど、何気ない人の解釈とか、一番残酷なんだみたいなところとかってあると思うんですけど、
そういうのを説明的に描くんではなくて、語り口、シーン展開だけで追体験させてしまうみたいなものすごい映画。
だから脚本賞を取ったんだと思うんですけど。
はいはいはい。
これら監督もすごいんだけど、やっぱり脚本は坂本優里さんですよね。
ハラタバみたいな恋をしたとか、映画で言うとね、あとは東京ラフストーリーとか、ベタなやつもめっちゃ描ける人です。
そうなんだ、へー。
そう、マザーとか、僕好きなのはそれでも生きていくって、エイターのドラマとかも好きでとか、ものすごい、ちょっとね、セリフで説明しすぎっていう批判も一方ではありつつの人ではあるんですけど、
めちゃくちゃ、どれ見ても面白い人ですね。
これ監督のあれは、万引家族は見ましたね。
そう、それまだ僕見てない。
これも確かに面白かったな。なんていうのかな、その世界観に引き込まれるというか、全然自分とは境遇が違う人だけど、だんだんとその境遇に共感をしていって、みたいなのはあったな。
なるほどね、自分とは全然違う人生を追い体験できるみたいな。
そうそうそうそう。
お得ですね。
そうね、そういうのの描き方がリアルに描くから、上手いんだろうな、この監督はね。
映画ってやっぱり没入させるものなので、だから説明的にこうだこうだじゃなくて、見終わった後で、なんか、ああやっちゃったみたいな感じの体験価値がすごい大事だと思うんですよね。
そうじゃないと本当にね、人は学ばないじゃないですか。
なんかね、東洋哲学的に言うその大徳的な悟り的な、本当にわかったっていうのはね、理解じゃなくてね、やっぱりこう、もうちょっと得得的なさ、深いところがあるじゃないですか。
そうね、体感を含めて感じるものも含めてあるよね、きっとね。
そうそうそう、あると思う。
そういう意味ではね、実際にいろんな人生経験はできるわけじゃないけど、映画とかだと割とだから2時間の中にそういう仮想体験ではあるが、ちょっとパッケージされてることもあるっていうことですよね。
確かに。
だからこの映画の怪物っていうのって、なんかキャッチコピー怪物誰だっていうキャッチコピーでもあって、
なんか世の中、日常に潜むその狂気とかさ、残酷さとかって、どこにあるんだろうなっていうときに、それって何か一人の特定の怪物でもなくて、
なんとなくの偏見の連鎖みたいなところで、その連鎖がたまたま偶然悪いところに集中して流れていってしまったときに、
なんか嫌な事件とかね、アウトプットしてなっていくみたいなことだと思うんですよね。
それを僕らでいうと、誰かを判断するときに、ずっとその人のことを観察はできないので、多分印象的ないくつかの情報を組み合わせて、
自分の中で勝手にストーリーを組んで、この人はこういう人だとかって思いがちじゃないですか。
思いがちですね。
リアルもそうだし、映画とかそういう物語を見るときはよりそうですよね。
こいつってこういうことだねっていうのを記号をいくつか組み合わせることで勝手に判断をするんだけど、
それこそがやっぱり残酷で、一番危ないことなんだっていうことをやっちまったっていう体験として教えてくれるみたいなところがあれだなと僕は思いましたね。
人間の意識と自己認識
まあいろんな人によって解釈があるし、ラストとかも解釈の仕様は無限にある映画なんですけど、僕はそう思いましたね。
なるほど。ちょっと面白そうだなあ。
すごく面白かったですね。
明るい映画じゃないんですよね。明るい映画じゃないけど、決して憂鬱な映画でもなくて、
途中で自分が最初に思ってたことと、あれ?って思うんですよ。あれ?違うぞみたいな。
で、あ?ってなった後はめっちゃ面白いです。
へー、あーそうなんだ。
あーそうかそうかそうか。そうかそうじゃないかったんだねみたいな。
ごめんごめんごめんみたいな感じなんで。
まあね、後半はヤバいし、あと2回目はもっとヤバいみたいな。
あ、そう、また発見があるんだ。2回目見ると。
そう、そうなんですね。
へー。
なんかなんとなく聞こえていた音があるんですけど、その音がこう、すごい意味を持って聞こえてくるんですよ。
たぶん1回目は分かんないと思う。
へー、すごいね。
すごいねえられてますね。
あー面白そう。
なので1回目は気づかないからこそ、たぶんある登場人物の行動の本当の意味もちょっとあんまり明確には分からないと思うんですよね。
2回目見たらものすごく明確に分かるみたいな仕掛けになっていて、その後走り出すんだけど、その時の感情とかものすごく。
2回目見たらめっちゃ説明的じゃんって思うぐらい分かりやすく描かれてるんだけど、1回目は全然分からない。気づく人もいるのかも分からないけどみたいな。
それすごくいいね。
そうですね。
味わい深いねそれは。
3回目とか4回目とかね、たぶん見たらもっと気づくところがいっぱいあるんだろうなと思いますけどね。
でも結局分かんないこといっぱいあるんですよ。
だからたぶん説明しきってないし、どっちとも描いてないっていうのもあると思うんですけど、そこも含めてたぶん面白いし語りたくなる映画だなと思いましたね。
いいですね。ちょっと見てみたくなった。
でもここでメインの主題かどうか分からないけど、やっぱりまなざしの残酷さみたいなところは割と描かれてると思うんだけど、
でもさっきも言いましたけど、人のこういうやつだなって判断する時に、そんなに限られた情報でしか判断しないことってものすごく危ないなって思ったのと、
例えば100%分かったとして分かんないじゃんって思うんですよね。
自分の人生100%自分で認識をしているわけですけど、物心ついた以降は。
だけど自分のことって分かんないじゃないですか。
分かんないね。
自分と他人の認識
っていうことを考えた時に、100%認識してる自分自身のこともよく分からないのであれば、0.1%ぐらいしか見てない他人のことなんて分かるわけないって思ったんですよね。
そうだね。
そうですよね。そういうことも別に僕はリアルに傷つくこともなく、ただテレビの前で2回映画を見ただけで、いろいろ考えさせられちゃったっていう。
なるほどね。いいね。ついた意見ですね。他の人生のね。
ミヤマさん怪物をもし見てくれたらですね、怪物みたいだねっていう、怪物っていうキーワードだけでもう分かり合えるっていう。
不調ができるわけね、ここにね。
これが不調ですよね。
はいはいはい。確かに。
っていうことかなと思いました。
なるほど。
というわけで、映画、怪物、ぜひね。
もう1年経ってるけどね。公開されても映画館では見れないけどね。
そう、映画館では見れないね。DVDか各種類しか。
ストリームサービスで。
見ていただければと思いますね。
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ではまた来週の土曜日、ポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。
さよなら。
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