00:04
リュースファイルの知的迷走ラジオ、今日の夜配信です。
大きく壊れて消えてしまうか、小さく壊して持続していくか、そのことについての話です。
生物学者で、青山学院大学教授に福岡真一先生という方がいらっしゃるんですが、
その方が書かれた、生物と無生物の間という文章を読みました。
そこにはですね、大きく変わらないようにするために、小さく変わり続けるという言葉があったんです。
これはですね、動的平衡といって、壊されないようにするために先回りして、自らを壊して新しく作り変えることだということです。
この自らを破壊して作り変えていくということが、持続できるための唯一の方法だというんですね。
生命が生命として維持できるのは、この動的平衡の仕組みを作ることができたからだということなんです。
世の中の物事って、放っておくと混沌の方向に進んでいくわけですね。
エントロピーの増大といって、必ず壊れて無秩序になっていくと。
生命もどんなに立派な仕組みがあっても、必ずエントロピー増大の法則によって壊れていきます。
それには逆らえない。
しかしここからがすごいんですが、先回りして自ら壊すという仕組みを得ることで、
世の中の全てが従うエントロピー増大の法則に唯一抗うことができたんだそうです。
これが生物と無生物との間の大きな隔たりだと。
ここですね、大きく壊れて消えてしまうのか、それとも小さく壊して持続していくか、そこが違うわけですね。
持続可能であるためには、可変的でならないといけないという言葉がありました。
歩く時のことを考えてみるとですね、前に進む時に体を一旦前に傾けますよね。
そして足が前に出ないと倒れてしまうという、まずそういう不安定さを作り出すじゃないですか。
この不安定さをあえて作る。
これまで並行していた秩序というのがありますよね。
これをあえて破ると。
これが前進していくという、そういうことなんですね。
僕たちは自らを壊して変化していかないと壊れてしまいますよと。
一つところに安住していては滅んでしまいますと。
滅ぶというような大きな変化に抗うためには小さく変わっていくことができた。
そういうものが生き残っていくんですよという。
この動的並行という考え方はとっても示唆的だなと、今日はですね、思った次第です。
はい、それでは今日はこの辺で。
リュータイルでした。