静かなるストライキの背景
こんにちは、おあです。第187回目の今日は、静かなるストライキ〜戦略的無行動な若者たち〜というテーマでお話ししていきます。先日ですね、あるネットニュースで、結婚はコスパが悪いと考える若者が7割、効率や正解を求める若者が陥る選択的無行動という記事を読みまして、
今の20代の74%が、結婚につながらない交際は無駄だと考えている。今の若者は以前に比べて情報量が多い分、選択肢も多い。選択肢が多いことは決して良いことばかりではなく、何も選べないという逆説を生む。失敗やリスクを避けたいと思えば思うほど、選択的無行動に陥るという記事があったんですよね。
つまりですね、失敗したくない、間違えたくない、正解が欲しいのであれば何も選ばない、動かないのが最も合理的というわけですよ。
株の投資に例えれば、恋愛は株の小額分散投資みたいな感じですかね。結婚するということは、一つの銘柄にフルベットみたいなね。当たれば安泰かもしれませんし、幸せかもしれません。でも、外れたら往生、不幸というわけですよ。
だったらそんな株式投資なんかやらない方がいいと。何も株を買ったり投資なんかやらない方がいい。なるほど、その通りですよね。
だってね、あの空海さんがね、人生の幸福度の半分以上は誰と結婚するかで決まるって言っていたらしいんですよ。
結婚相手を間違えると、仕事も心も人生も沈んでしまいますよと。逆に正しい相手と結ばれれば、なぜか運まで味方しますよっておっしゃってたそうで。
確かに大変なメンヘラ女性と結婚してしまったら、あと大変なDV男性と結婚してしまった女性。
まあね、本当間違えるとですよ。下手したら全財産奪われるぐらいならまだいい。命落としますからね。
だからね、若者の言う通りなんですよ。絶対に失敗したくないなら結婚もなんかしなければいい。絶対に傷つきたくないんだったら恋愛なんかしない方がいい。人生で赤点取りたくないなら誰とも関わらない方がいい。
もうじっとここからどこにも動かず何もしない。それこそが最も効率的かつ合理的な生き方で、現代社会における生存戦略、最強の防御になるわけですよ。
これは義務教育12年間通して未来のために、子どもたちの今を犠牲にして教育を投資の手段にしてきた結果なんですよ。
これこそ日本の学校教育大成功って話なんです。もう世界に誇れますよ。日本万歳!
皆さん、義務教育12年間で何を叩き込まれてきたか。間違えるな。はみ出すな。空気を読め。結果を出せ。役に立て。勝手なことはするな。
一言で言えば、他者からの評価に常に晒されて、自分がどう思うかよりも周りがどう思うかを一番に考えろということなんですよね。
それについて、ノートにも学校で行われている道徳の授業がやばすぎる件ということで書いてますので、ぜひそちらをお読みいただきたいんですけれども。
12年間通してこのような教育をしっかり与えた結果、見事に正解がわからないことはやらない。成功が保証されないことは選ばない。
責任が発生しそうなことは回避するという超絶優秀な完璧なタイパーコスパ人間。
効率重視の究極の無難人間。自らは何も動こうとしない人間が大量生産され、排出されているわけですね。
一人暮らしのコスト
話を戻しますけど、この記事を読んでね、でも私ね、いや、一人暮らしの方がコスパ悪くね?って思ったんですよ。
過去放送で私、第45回、第46回、あと94回、95回とかで私自身のことについてお話ししておりまして、結婚が大変だった話ですとかね。
あと、感性ワーキングプアで、もう実家からなかなか一人暮らしできなかったんですよ。あの当時は非正規雇用で経済的にも将来的にも本当に不安定で、もう一人暮らししたいけど実家出られないと。
やっと一人暮らしができるようになったのが、30歳ぐらいになるかならないかぐらいだったんですが、その時本当によく分かったんですね。
もう一人暮らしってめちゃめちゃお金かかるなって。全然経済的じゃないですよ、一人暮らしは。全く地球にとってもエコじゃない。
だって家族4人で生活してれば、4人で冷蔵庫1台、洗濯機1台、電子レンジ1台で住むのは、これが全員バラバラに一人暮らししたら、1人1台ずつ必要になるわけで、全部で4台買うってことになって。
あと水道代とか電気代とかガス代とかWi-Fiとかも最低料金っていうのがありますので、一人暮らしをするとどうしても割高になっちゃいますよね。
もう食事もそうです。一人分作るのも4人分作るのも手間暇はそんなに変わらないんですけど、大量に買った方が割安じゃないですか。
なんでね、一人暮らしはもう一番コスパ悪いなと思ったんです。逆に言えば4人から6人ぐらいの共同生活をするっていうのがおそらく最強にコスパいいんじゃないかなと思うんですね。
複数人で共同生活してれば、誰かが体調崩しちゃっても、誰かは元気でまだ動けるのでカバーできたり、あと誰かが失業しちゃったとしても、他の人の稼ぎでなんとか生活回すことができそうですし。
なのでこの記事でね、結婚がコスパ悪いって言ってるって言うんですけど、いや結婚がコスパ悪いわけじゃないよねと。何がコスパ悪いって言ったら、結局出産育児だと思うんですよ。
この現代日本においてね、出産育児ほど割に合わないコスパタイパー悪いものはないわけです。まず妊娠で体力消耗して、出産で命削られて、育児で時間もお金も体力も自由も全て失って。
そりゃ若い方々はね、子供産まないという選択するのは当然だと思いますよね。めちゃくちゃ合理的賢い正解だと思います。もっと言っちゃえばね、現実的に考えたら、今の日本で最もタイパーコスパがいいのはディンクスですよね。子供を持たずに共働き夫婦をするというのが一番コスパタイパーがいいはずです。
そうやって考えていったらね、私ね、ちょっと気づいてしまったことがありまして、あれ?もしかしてあの引きこもりってね、究極の選択的無行動なんじゃない?って思ったんです。
一切の無駄な努力はしない。失敗するくらいなら最初から動かない。恋愛しない、結婚しない、子供なんて産まない、最初から誰とも関わらない。引きこもりは最高にコスパのいい、時代の最先端を生きる、戦略的無行動のアナーキストなのかもしれないなと。
もうこの世の中ね、効率が正義、生産性が価値、無駄は排除、自立しろ、他人に頼るな、役に立て、できないのはお前の努力が足りないからだ。
そういう社会から体ごと降りた人たちなのかもしれないなと、この社会への静かなストライキみたいなね。
って考えていたところ、もうそもそもね、その話をしてる人が大昔に今いたということ。
思想界の巨人と言われている吉本隆明さんという方ご存知でしょうか。
この吉本隆明さんが2002年なので、もう20年以上前の本で引きこもれという本を出版されているんですけど、この方は1924年生まれなんで、戦争を体験されていて、その当時ですね、国家とか正義を信じて、結果的に裏切られたという体験をされている方だそうで。
世の中がね、社会性だとか社交性だとか集団参加みたいなのが大事だ、みたいなね、外に出さなきゃダメだ、社会復帰させなきゃダメだ、みたいに言っていた時代に、
群れるなと、正義に酔うな、一人で考えろ、引きこもることは人が本当の自分になるための大切な時間で自分の思想や尊厳を守る行為なんだって書いていらっしゃるんですよね。
学校に行かない子供たちも、大人が作る教室の偽の厳粛さを見抜いているだけなのだと。
自分がちょっとね、こうかもしれない、これはすごい、子童児とか子童婆っていうのは時代の最先端を言っている人たちなのかもしれないとかってね、思ったんですけど、
もう特の党にね、こういう大昔の巨僧たちがもうそういうことは言っているということで。
ただね、問題はここからだと思うんです。この先どうするんでしょうねと思ってて。
社会の変化と未来
だってね、効率とか生産性を追求したこの社会に最適化した子供たちを上手に育て上げた結果、
その子供たちが社会に出た時には、その子供たちの次の世代はもう生まれなくなっているわけです。
自分たちのこの社会を維持するためにせっせと子供たちを教育し、その教育が大成功したからこそ、その社会を引き継いでいく子孫っていうんですか、次の世代が生まれなくなっていなくなっているというわけですよね。
海外からの移民に頼るんですかね。頼りたくてももう日本になんか来てくれないんじゃないですか、どの国の人もね。
あとはもうじゃあ急いでAIロボットを大量生産して何とかするのか。
でもそもそもね、そのAIロボットを動かす国民自体がもういなくなるというわけですからね。
皮肉というかディストピアですね。
というわけで吉本隆さんの引きこもれという本ですとかね。
あと以前にもちょろっとご紹介したことあるんですけど、効率よく生きたいなら生まれてすぐ死ねばいいという衝撃のキャッチコピーでベストステラになった。
今日誰のために生きるという証言さんの本。
輪郭を貼っておきますのでぜひこの冬休みにでも手に取って読んでいただけたらいいと思います。
というか今日はね、甘いクリスマスイブなんですね。
そんなことをもうがんむしで、今日はコスパタイパーの究極形、戦略的無行動という生き方。
それについてちょっとお話をしてみました。
お聞きくださりありがとうございました。
それでは皆様良いクリスマスをお過ごしくださいませ。
メリークリスマス!
ありがとうございました。