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私自身が映画を見ていく中で、見たいけど未公開だなという作品に、結構多くぶち当たっていたというか。
ぶち当たる?
ぶち当たるという言葉もあるけど、チョイスがおかしかったという言葉もある。
出会うってこと?
そうですね。
黒木瞳の映画ここだけバナシ
黒木瞳の映画ここだけバナシ、きょうも聞いていただきありがとうございます。
映画に携わる様々なジャンルの方々と、ここだけバナシしていきます。
今回のゲストは、前回に引き続きGucchi's Free School 主催の古矢 聡さんです。よろしくお願いいたします。
古矢です。よろしくお願いいたします。
なんかこの間ちょっとごめんなさい。私の感動な話になっちゃって。
いやいやいや。むちゃくちゃ面白い話で。
脱線してしまいましたけど、そのまま古矢さん主催するGucchi'sが、未公開映画にこだわる理由というのは何でしょう?
そうですね。僕自身がそもそも映画を見ていく中で、見たいけど未公開だなっていう作品に結構多くぶち当たっていたというか。
ぶち当たる?
ぶち当たるっていうこともある。チョイスがおかしかったですけど。
出会うってこと?
そうですね。これ見たいのに日本で公開しないんだっていう。
ありますね、そういうのね。
ありますよね。
きっとありますね。
そういう思いを結構していた人間で。でも見たいか調べるんですよね。
そうすると向こうの現地で見て面白かったとか紹介してる。
口コミとか?
口コミとかブログとか。それこそSNSとかいうようなものとか見てきたので。
そしたら僕もそれをもとに映画を見たいというか紹介したいなという気持ちがその人が紹介しているように
僕もそういう紹介の側に立てば、僕みたいに見たいけど見れない、どんな映画なんだろう知りたいみたいな人にも役に立つんじゃないかなと思って。
僕自身がそういう人たちの恩恵を受けていたので。
なので自分もそういう立場にできないかなと思って、未公開っていうものを紹介するっていうことを始めようとしたのが動機で。
始めは映画の配給ってことには別に断ってなくて。
今言ったようにDVDとかBlu-rayとかを買って、できる限りわかりやすくというか、こういうお話なんだよとかこういう風にすればここで買えますよとか。
そういうことを紹介するホームページみたいなのを作っていたんですけど。
きっかけがあって、それは東京芸術大学のプロデューサーコースという学校に行っている僕の後輩がいたんですけど。
その子がなんか上映会をしたいから、古谷さん映画好きだから一緒に何か考えてくれませんかみたいなちょっとお話を振ってくれたんですよ。
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その時に僕が紹介してた映画の中から、もしかしたら東京芸大さんという名前を使えば向こうの映画会社の方もちょっと信頼度が違うかなと思って話を聞いてくれるんじゃないかと思って。
じゃあいい機会だからちょっとチャレンジしてみようと。
未公開の映画を配給するってことを。
それが最初ですか。
そうなんです。
その作品がアメリカンスリープオーバー。
そうです。
ありがとうございます。
これは古谷さん的にはどこに一番惹かれました。
僕、アメリカンスリープオーバーって青春映画の一夜のお話。
中学生とか高校生とかの一夜の話なんですけど。
青春映画って結構僕好きで、日本でも普通に公開されてるやつとかも追って見てたりしたんですけど。
このアメリカンスリープオーバーを見た時に、今までの青春映画の伝統というか流れも組みつつ、見たこともない映画になってるなっていう風に。
不思議な世界観でしたね。
ですよね。
本当に一夜で、次の日になったら日常になって魔法が解けたみたいな。
それは良い表現ですね。
魔法が解けちゃうとか、ある一瞬のあれを切り取るみたいなものは青春映画だと思って。
またそれが映っていますし、それが今まであまりないような形というかに感じたんですよね、アメリカンスリープオーバーっていうのは。
これを紹介されて、東京現代という名のもとに上映会をされた。
そうです。
その後どうなったんですか。
そうしたら、東京現代、そうするとその時にやり方というか、海外の映画の権利を持っているところにどうやってアプローチするかとか、どういうメールを送ったら返事が返ってくるとか。
そういうことが一通り1回そこで経験したので、これはもしかしたら東京現代の名前がなくてもできるかもしれないなというふうに思ったんですよね。
というのも、その時に別にあなたたち何者なんですか、東京現代って何ですかとか、そういう話は全然向こうはしてこなかったので、
ただ、日本で上映したいと思っているんだ、ありがとうみたいな、じゃあこんな条件でどう?みたいな、結構普通にビジネスライフな感じで。
それはこのアメリカンスリープオーバーを作った会社、どこに連絡するんですか。
そうですね、それは制作会社に連絡する場合もありますし、セールスエージェントっていう、要するにそういう世界に配給を売るための会社があったりするので、
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アメリカンスリープオーバーはビジットフィルムっていう、そういうセールス会社、いろんな映画のセールスを担当している、まとめている会社があるんですけど、そこが取り扱っていたので、そこに連絡を。
それをまずでも調べなきゃいけないんですね。
そうです。
調べると出てくるものなんですか。
アメリカンスリープオーバーの場合は、アメリカンスリープオーバーって英語で調べて、ムービーとかなんか、リストリビュートとか調べていくと、
前回のお話もあったんですが、カンヌ映画祭に出品されていて、その時のページが出てきて、カンヌ映画祭でセールスはこちら、みたいな連絡先があったんですよね。
そこから調べていって、そこのアドレスに連絡をしようということで、連絡をしたという。
それで実現して。
そうです。案外そんなに難しいこともなく。
そんなに高いこともなく。
そうです。そんなに高いこともなく。
何日間くらい上映したんですか。
その時は3日間ですね。
皆さまはいかがでした。つまり古谷さんがいいと思ったものをお見せするわけでしょ。
はい。
皆さんの反応って気になりますよね。
むちゃくちゃ気になりますね。
いかがでしたか。
ありがたいことにすごい好評で、そこで100席くらいのところで3日間やったんですけど、前日満席になりまして、
そうしたらありがたいことに、まだ見たいという声が、今の時代はSNSとかで簡単に発信できるので、いろんな人が声を上げてくださったりして、
そしたら多分その噂を聞きつけて、いわゆる劇場さん、普通に興行としてやられている劇場さんから、
その映画をうちでもやりたいんですけど、できますか?みたいな、僕のところに連絡が来るようになって、
つまり向こうとしては、日本の配給元は僕であるっていう認識で、僕のところにその映画を配置させてくださいみたいな、劇場で掛けさせてくださいっていう。
その相手と、セールスはこちらって言った、なんとか。
ビジットフィルムさん。
ビジットフィルムさんにはどういう契約をしたんですか?1年間とか。
そうですね。
3日間とか。
まず、東京芸大でやるときは3日間、3回上映で、5万とか10万とか、それくらいの金額を確かお支払いしてやって、そこで僕の権利は切れるんですよね。
はい、そうですね。
その後に劇場さんからやりたいって来たので。
改めて取り直す。
そうです。そこで劇場さん的に、何回くらいできますかと。1週間かけてくれるんですか?それとも1日ですか?とか。
それとも、ヒットすれば1ヶ月も2ヶ月もできますみたいな、そういう感触をお聞きして。
それだったら、じゃあ10回上映でお願いしますってビジットフィルムさんに声をかけるか、もう3年で撮ってしまおうと。
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他の映画館さんにも僕からアプローチして全国的に展開できるように頑張ろうとか、そういう判断はあるんですけど、そういう形でやりましたね。
アメリカンスリー・ポンバーの時は3年だったかな。
結構長くないですか?3年って。
3年、結構長いですよね。
ただ、案外、これちょっとうかつなことは言えないんですけど、そんなことは違うよってプロの方から怒られるかもしれないんですけど、
そんなにその権利の期間が長くなっても、あんまりお金って変わらないっていう印象があって。
3年でも5年でもあんま変わらない。
1年でも3年でも変わらない。
あんまり変わらないっていうふうな印象があります。
でも3日と3年は違うでしょ。
3日と3年はちょっと違いますね。
ただ長期の権利だと。
いろんなところにアプローチできる。
できますし。
時間があるから。
そうですね。そうですし、お金の話でも言うと、利益があった分だけシェアしましょうと。権利元と。
っていう契約が多いので。
すごい具体的になっちゃうんですけど、多いので。
だからあんまり長くなれば長くなるほど高くなるというよりも、長くなれば長くなるほど利益が増えるから、そしたらセッパーになるので、向こうの取り分も増えるっていう考えを。
そういうことですね。
持ってるからあんまり直接お支払いするお金、最初のお支払いするお金っていうのはあんまり高くならないんじゃないかなっていう実感です。
なるほど。それはアメリカンスリープオーバーから始まって、そして現在ですけれども、ケリー・ライカード特集上映開催中ということなんですけれども、その説明をしていただけますか。
はい。ケリー・ライカード監督っていう知る人ぞ知るみたいな監督がいたんですけど、それを去年いつものグッキーズがやっているような形で、数回の1回2回とかの権利を買って、映画館さんで上映していただいたことがあったんですけど、それがありがたいことに好評で、もっともっともっと見たい人がいるっていう形に盛り上げてくださったので。
そしたら、京都の映画館のゼマティザさんっていう映画館さんがあって、そこからうちでもまた改めて大きな感じで上映できるんだけしたいと思うんですけど、どうかなみたいな話をいただいて、それと同時に東映ビデオさんというところからも、東映さんからもちょっとケリー・ライカードの作品に興味があるので、一緒にできないかみたいなお話をいただいていて。
3社というかグッキーズプラスゼマティザさんと東映さんで、そういうことであれば3社で一緒にグッキーズではできない規模で、もっと大きな展開ができるんじゃないかと思ったので、一緒にやりましょうってことになって、晴れて今はイメージフォーラムさんっていう渋谷でやってるので上映してるんですけど、
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そういう形で大きく展開することになったという。
いつまでやっているんですか?
これはどれくらいお客さんが入るかによって違ったり、あと今他の劇場さんでもいろいろかけてくれないかっていう形でお願いしているところなので、盛り上がれば盛り上がるほどいろんな劇場さんで長いことかけられるっていうことになっていると思います。
ちょっと本当に馴染みのないケリー・ライカーさんなので、リバー・オブ・グラスというのとオールド・ジョイ、それからウェンディ・アンド・ルーシー、ミックス・カットオフ、私はウェンディ・アンド・ルーシーとミックス・カットオフっていうのを拝見したんですけれども、
いかがでしたかね。
あの、不思議な世界観。ウェンディ・アンド・ルーシーを、とにかくルーシーっていう自分の飼い犬がいて、詳しくあれですけれども、その犬を探して、ラストにはああいうふうになるんですけれども、
なんかその、警備員さんとのなんとも言えない人と人との絆までいかないけれども、自動車工場のなんとも言えない、そういう人いるだろうなーみたいな、なんとも言えない。
で、その中で、なんかこう、ウェンディーがなんかね、いろいろあって、いろいろあるアラスカを目指している女の子なんですけれども、なんか、はあ、なんか思いながら。
説明というかなんか、しづらい映画ではありません。何も起きていないといえば何も起きていないけれども、みたいなことも言える。
そうなんですよ。でも、なんかこう、ものすごーくロングカットがあったりとか、最初はルーシー、ルーシーって言ってるだけだし、この監督の映画に対する思いみたいなものが、ファーストショットから見えてくるじゃないですか。
で、これはそのミックスカットオフもそうで、何なんだろうっていう。
ミックスカットオフがずーっと荒野をね。
そうなんです。
こう歩いて。
水を求めたりとか。
水を求めて。
何なんだろうとか思いながら、こう見て、あ、こんな世界もあるんだっていう。ただ、なんかこう、映画らしい映画みたいな。
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ものすごく希少点決があるわけでもなく。
そうですよね。はいはい。
でもなんか心に残る、なんか昔々で言うとなんかバクダットカフェみたいな。
はいはいはいはい。
あーなんかなんとも言えないこう、乾いた感じのような、そういう世界観なんだろうなーとか思いながら拝見しました。
ありがとうございます。そうですよね。
簡単にお話がこうで、だから面白いよねって言えない。
映画を見てもらって、そこで何かを感じてもらうみたいな、そういう映画ではあると思います。
そうです。そこで何かを感じる、その感じ方が人それぞれだと思いますけど、きっとみんな何かを感じると思うんですよね。
それが何か大切なものなのかな、このフレアさんが選んだこの映画っていうのはそうかなっていうふうに感じました。
でもそうですね。そしてそういう映画っていうのは、往々にしてね、そういう映画が好きだって、そういう映画を見て一生モノになるっていう人間もいる一方で、
やっぱり大勢にアプローチできるというか、100万人、200万人が見たいっていう映画ではないと思うので、やっぱり取りこぼされてしまう配給という世界では、
ということになっていると思うので、僕が配給するとか面白いなというか、わざわざ自分で紹介したいなって思うのは、やっぱりケリーさんの映画のような、そういうこぼれてしまうようなものが多く。
そういうことなんですね。私たちの知らない良作と言われている映画を発掘しているというフレアさんですね。
発掘というと聞き込みはいいんですけど、聞き込みは自分の好きな映画をやってるってだけなんですけど。
大変フレアさんの存在は貴重だと感じました。またこのいろいろ、どういうふうにして配給していけるかとかっていう、配給というかどうやって自分で買い付けて、どうやって世紀を立ててらっしゃるのか。
詳しいお話をね。
次回以降またお話伺いたいと思います。フレアさんでした。ありがとうございました。
ありがとうございました。