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これね、ちょっとね、要するにデパルマでしょ?異色っちゃ異色なんですよね。
正当派の映画じゃないとこは、ちょっと偽物じゃないんだけど、なんかそういう匂いがプンプンするのね。
で、これ公開当時はもうね、評判はすごく悪かったんですよ。映画としては、これダメだろ、この映画っていう。でも、そういうのは後に逆転するんですけどね。
黒木瞳の映画ここだけバナシ
こんにちは。今日も聞いていただきありがとうございます。映画に携わる様々なジャンルのプロフェッショナルをお招きする黒木瞳の映画ここだけバナシ。今週のゲストは、俳優の吉田鋼太郎さんです。
どうも。今日はよろしくお願いします。
今日はどんな感じで行きました?
いや、特に考えて、どんな感じで行こうかなと思ったけど、結局考えがまとまらずに普通に言った感じですね。
あ、そうですか。
はい。ちょっと可愛くやってみましたけど。
ちょっと可愛くね。
こんにちはっていう感じでしたね。
こんにちはっていう役もあります?
こんにちはって役、どういう役だろうね。
こんにちは。僕、今日遊びに行かない?僕とみたいな。
質問の意味が分からないんだけど、まぁまぁあるっちゃある。
あるっちゃある。本当に幅広い役柄を演じてらっしゃいますけれども、使い分けしてるんですか?いろんな。
使い分け。
自分の中の引き出しの使い分け。
それはしますよね。そこが頼りですからね。
普段、家ではどんな感じなんですか?
今みたいな感じ?それともこんにちはな感じ?それともこんにちはみたいな感じ?
ただいまは?ただいまはなんて言うの?
ただいまは割と暗いですね。
どんな感じですか?
ただいま。
暗いですね。
でしょ?
行ってきますは?
行ってきます。
じゃあ、いただきますは?
いただきます。全部、割と暗いね。
その日によっては絶対違うよ、それは。
なんかいいことがあったときは、「うわ、止めるわ!」って言うときもあるし、
奥さんとうまくいってるときはね、「行ってきます、行ってきます!」ってちょっとぐらいはしますけどね。
うまくいってないときは?
割と暗いです。
夫婦喧嘩とかするんですか?
割としますね。
割とします?
割とします。
どっちが折れるんですか?
いや、それは僕ですよ。やっぱり。
やっぱね、人間ができてますね。
できてますよ、もう。
ほんと素晴らしい。
もう長引かしたくないですからね、ああいうものはね。
そうですよね。
今日は大の映画好きという甲太郎さん、映画談義と言っていきたいと思います。
私と話をするのに、この映画を選ばれたんです。
え、どういうこと?
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何?なんで?
あれ?
怖い怖い。え、何の映画?
ディアハンター、マルホランドドライブ、明日に向かって打て、スカーフェイス、ドデスカで。
を選ばれた。私と映画談義をする。
いや、だから、それはさ、いろいろあるじゃない?
あからさまにね、黒木ひとみ監督のね、映画を持ってくるとか、そういう下品なことはできないじゃないですか。
あえてですよ。しかもほら、日本人の監督が黒沢さんしか入ってないでしょ。
で、これいろいろやっぱり忖度してることなんですよ。
いろいろあるじゃないですか、それは。
じゃあ、まずスカーフェイスからいきますけれども。
スカーフェイスからいきますか。
はい、スカーフェイス。これはあれですね、アルパチーノ。
はい。
1980年。
はい。
アルパチーノたくさん出てらっしゃいますけれども。
大好き、大好き、大好き。
すごいわかる。
大好き。
スカーフェイスの冒頭の、キューバからね、船に乗ってアメリカに着いて、
黒沢に着いて、マイアミかなに着いて、取り調べのときにすっごい長いゼリフをおっしゃるじゃないですか。
かっこいいですよ。
あの人も舞台の人だからね、もともとね。
舞台の人ですからね、あの人もね。
そうなんですか。
そうそう。やっぱりスターになる前は、下積みなのかな、舞台やってらっしゃった方なんですよ。
で、シェイクスピア大好きなあの人も。
そうなんですか。
そうなんですよ。
アルパチーノの中でスカーフェイス選ばれたっていうのは。
これね、ちょっとね、要するにデパルマでしょ。
あのね、異色っちゃ異色なんですよね。
はい。
正統派の映画じゃないとこがちょっと、なんていうんだろう、もうあの、
偽物じゃないんだけど、なんかそういう匂いがブンブンするのね。
で、これ公開当時はもうね、評判はすごく悪かったんです。
映画としてはこれダメだろう、この映画っていう。
でも、そういうのは後に逆転するんですけどね。
だから、なんかこのウサンクサさ、全体に漂う。
その人間としての欲深さみたいなね。
そうそうそうそう。
どんどん欲が膨らんでってっていう。
で、最後大中激戦になるわけですよ。
はいはい。
アルパチーノ対殺者たち、1対20みたいなね。
まああんなけれんみないですよね。
まあよくぞ、あそこまでやったなっていう。
でもアルパチーノが、だからこそ成立する映画なんじゃないかなっていう風にね、思うわけですね。
やっぱ選ばれた作品を見ると、やっぱり男のロマンっていうか、そういうのを感じるんですけれども、渡邉さんから。
ああそう。やっぱ男が男に憧れるっていうのがありますね、それはね。
でも何でしょうか、自分中心じゃないですか。
はい。
役に立たない人生じゃないですか、アルパチーノ人生。
それって人間としての道徳感もないじゃないですか。
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ないね。
そこを何に惹かれるんですか。
やっぱだからこそじゃないですか。
自分たちには、自分にはできない人生、歩めない人生。
憧れますよね、それはやっぱりね。
なるほどね。
アルパチーノだと、やっぱ戦闘ウーマンみたいな。
あれも素敵ね。
あれはもうなんていうの、爽やかというか。
タンゴ踊るとこなんか最高だもんね。
最高ですよ。
鳥肌するね、何回見てもね。
私は最後のアルパチーノが演説してるとき、低一の国とダブりましたもんね。
本当に?嬉しい。そんなこと言われたの初めて。嬉しい嬉しい。
俺もちょっと意識しながらやってないけどね。
それやってないんだけど。でも嬉しいなあ。
やっぱなんか、ダブりました。
本当に?それはとても嬉しいです。
やっぱり映画って情報の保護庫じゃないですか。
だからそのカストロ首相が、キューバ人を出国を認めて12万5千。
その中に2万人ぐらいの犯罪者がいたとかっていうような。
そういうことがあったんだっていうようなことを知らないことをね。
知るっていうことも映画の魅力の一つでもありますよね。
確かにそうですよね。知りませんもんね、キューバ人のことなんて僕らね、日本人はほとんどね。
ただ私、ガイズ&ドールズ舞台でやりましたときに、ニューヨークの話なんですけれども、
岡田救世主の私を昼ご飯に連れて行くっていうギャンブルしたんですよ、ギャンブル仲間たちと。
で、彼って大地真夫さんなんですけども、彼が昼飯に行こうって、どこ?って言ったら、キューバっていうのね。
それで私はキューバを知ったんですけど。
そうですか。
キューバって葉花っておっしゃるから、キューバの葉花まで行くの?って言ったら、キューバ人も飯は食うって言うんですよ。
そうですか。
それで、一度行ってみたいなーなんて、ずっとその頃から思ってたんですけど、でもそういう歴史があったっていうのは知らなかったですね。
知らなかったです、僕も。
2階から落ちてね、プールが血に染まっていくのね。
すごい演出ですよ。
すごい演出ですね。
よくやったなと思いますよね。
もう1本ぐらい行ってみます。
その日本映画でのドデスカ伝は、これはどうしてドデスカ伝?
本当に黒澤さん監督といえばね、七人の侍だとかね、幼神坊だとか赤い部屋とか、いわゆる名作、本当にお下をされる名作があるんですけど、
ドデスカ伝はね、意外とこれね、お客さんが入んなかったらしいんですよね。
あまり世間的に受け入れられなかった作品らしいんですけども、僕これが大好きなんですよね。
いわゆる大作ではないんだろうけども、いわゆる黒澤王道ではないんだろうけど、山本志郎さんの季節のない街っていう原作なんですよ。
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とにかく多彩な登場人物たち、しかも社会に受け入れられてない人たちがほとんどなんです。
その人たちの個性、生き様、可愛らしさ、それから悲惨さ、もうそれがこれでもかってくらいで、また芸出し者の方々の演技共演なんですよ。
それだけでももう何回見ても飽きない。
私初めて拝見したんですけど、黒澤監督の作品の中でカラーになって初めてなんですってね。
だから色使いがすごい面白いですよね。
国際色を使ってね。
そうなんです。
途中で夫婦が入れ替わったりするじゃないですか。
あんなエピソードが入ってくるわけですよね。
そして元に戻るんですよね。
当時の人たちはどう思ったんでしょうかね。面白がってたんでしょうか。
身に覚えのある人もいたから。
ご自分?
僕は違いますけど、そこまでは違いますけども。
ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな話じゃないですか。
そうですね。
あのドデスカデン電車のね、あれをドデスカデンって言ってたんですか?
そうそうそうそう。
知らなかったそれは。
いや、それはもう山本志郎さんとの造語でね。
あの汽車がガッタンガッタンガッタンガッタンガッタン。
シュポシュポ、シュポポみたいな。
ドデスカデンっていうふうに表現なさってるんでしょうけど。
私はあれを拝見して、ラブアクチュアリーみたいだなと思った。
え、何それ。
ラブアクチュアリーって、いろんな人たちがつながっていく。
なんかこうオムニバスみたいなんですけども、
なんかこう、あれも主演の彼がいて、ドデスカデンの子がいて、
そこにまつわる街のいろんな人たちの生き様じゃないですか。
ラブアクチュアリーね。いろいろ実はつながってる。
そうそうそうそう。
だから、日本版ラブアクチュアリーだなと思って。
そうだと思います。
それがもう本当に面白いんだよね。
本当にあの関係性が、みんなの関係が面白い。
あのバンジュンさんが僕好きなの。
いいでしょ。
いい。
泣けるんですよ、バンジュンさんが。
素晴らしい演技してらっしゃって。
それで、いわゆる悪才の奥さんをかばうじゃないですか。
君たちがうちの女房のこと知ってるのか。
まあ素敵ですよね。
そうですね。
まあみんな若いし、当たり前か。
まあね。
当然そうですよね。
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そこで感傷的にならなくていいね。
ほとんどの出演してらっしゃる方もいらっしゃいませんけどね。
いらっしゃらないからね。
懐かしかった。
田中邦さんとかね。
懐かしかった。
出始めの頃出らっしゃるんでしょうね。
年の頃から言うと。
そうだと思いますね。
浅草の喜劇陣だったり、それこそ芥川弘さんみたいに進撃界の大立物だったり、
いろんなジャンルの方々が集まってる。
それぞれの演技の違い。
みんなはそれぞれどこかにも共通点があるような。
それの本当に大演技合戦。
あれがすごい。
南信介さんも出てらっしゃいますね。
あの時代っていうことは全部アフレコですか?
いやアフレコじゃないんじゃない?そこは知らない。詳しいことはわからない。
いやアフレコならすごいなって思ったんですけど。
わかんないですか。
教えていただいてありがとうございます。
映画面白かったでしょ?
面白かった。
私も小太郎さんと一緒にどれしか伝に乗りたいなと思いました。
ちょっと言ってることがよく分からない。
また次回も映画談義を小太郎さんとやって参りたいと思います。
今日もありがとうございました。
ありがとうございました。