1. 黒木瞳の映画ここだけバナシ
  2. 1_マイナーだったホラー映画を..
2021-05-25 28:00

1_マイナーだったホラー映画を大ヒットさせた極意


今回のゲストは”リング”や”仄暗い水の底から”など
日本のホラー映画界を代表する中田 秀夫監督と佐伯竜一助監督です。
ホラー映画の変化や撮影でのマル秘トークなど、
ここだけバナシしていきます。

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リングのファイナルミックス作業は、朝3時半ぐらいまでやってました。
プロデューサーと大喧嘩しながら。
プロデューサーと大喧嘩しながら。
テレビ版のリングが先に放送されてたのかな、映画版より。
それ見て、ものすごい怖いと思う。
黒木瞳の映画ここだけバナシ。
こんにちは。
ヒマラヤで毎週配信始めます。
黒木瞳の映画ここだけバナシ。
テーマはですね、映画業界。
映画ではなく、映画業界です。
映画って芸術でもあり、エンターテイメントでもあり、ビジネスでもある、とても大きな制作物です。
だから、作る現場には大変大勢の方が関わりますし、そこにも多くのドラマやノウハウが日々生まれます。
番組では、映画の制作現場の第一線で活躍されるプロたちをお招きして、
そんな成功の極意をここだけバナシにしていただきます。
リスナーの方々、明日がちょっと良くなるヒントが見つかって、
映画を見たら何十倍も面白く感じてくれたらいいなと思います。
さあ、今日は第一回目。
私の大好きなお二人、プロフェッショナルな方をご紹介いたします。
ホラー映画のジャンルからいろんなジャンルの映画を撮ってらっしゃいます。
あのリングの中田英男監督と女監督の佐伯隆一さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ちょっとテンション低いですよ、監督。
こんにちは。中田英男です。
本当に異性を風靡したリングが、ホラー映画っていうものを、
なんていうの、確立させた。
中田監督じゃないですか、異様じゃないですか。
もちろんリング、リングって佐伯さんついてたの?
ついてました、ついてました。
シットするって思いました?
いやー、でもテレビ版のリングが先に放送されてたのかな、映画版より。
それ見てものすごい怖いと思いました。
2時間ドラマで、高橋範さんと、男二人の話です。原作ももちろん。
藤テレビの2時間ドラマで、飯田女優さん監督さん。
ものすごい怖かったです。
リングと螺旋と一緒になったような話です。
でも映画リングは、私も怖かったですね。
気持ちがいいぐらい怖かったですね。
そのホラーを一流にしたという、そのあたりの感覚はどういったんですか。
もちろん、Jホラーと呼ばれる、アメリカのスプラッター、
80年代のアメリカで、ゾンビものとか死霊の腹渡とかで、
血しぶきを飛びまくって残虐な方に思って触れた。
そこから、日本でリングに限らず、僕のその前の女幽霊とか、
あるいは他にオリジナルビデオの世界のほうで、
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幽霊ってそういうふうに見えないというか、
そういうふうに襲ってくるとか、やりすぎると怖くないんじゃないかということ。
いろんな実験というか、要するに幽霊の顔を見せない、
あるいは部屋の隅にポンと行ってもらって、ボケたままで、何も動かないとか。
そういうのは本当は、リアルというか幽霊が見える人に聞くと、
そういう感じに描いたほうがいいんじゃないかということで、
じわじわそれがJホラーのテイストじゃないかみたいなのが出てたんですけど、
確かにその全国公開の映画でやっていいのかなみたいな雰囲気があって、
映画館でしかもその単館系とかじゃなくて、
ドーンと公開していいのかということで、
実はリングラセンってもっとちっちゃい規模の公開で、
50巻50巻ぐらいでリングとラセンとやる劇場を分けて、
リングが面白かったらラセンにも行ってもらおうとかって、
かなり巧妙な仕掛けを、もっとちっちゃい規模の公開を考えてたんですけど、
ただ作品を見て、配給の東宝さんのほうが、
これはもう方角絵で150巻ぐらいの規模でドーンとやりましょうって。
しかも日本だって出てて。
ただしですね、黒木さんは毎日、これ決してオフステージではなくて、
近年アメリカや、日本はそうでもなかったけど、
イットってピエロが出てくるんですよ、スティーブン・キング。
あれイットももちろん両方ともプロデュースした、
韓国系のアメリカ人のプロデューサーがいるんですけど、
それはリングや炎ぐらい両方とも買い付けた人なんですね。
彼は炎ぐらいが出たらすぐ見て、リングのリメイクで大成功したから、
その時に彼が言ったのは、
俺はリングよりこのダークウォーター、炎ぐらいの水の底からのほうが好きだと。
好きだし、ある意味こっちのほうが怖く感じる。
そういう評価は実はヨーロッパでも公開されたりとか、
ヨーロッパの映画祭とかに行くとすごく評価が高くて、
それはなぜかというと、
リングは呪いのビデオという恐怖そのものに焦点があって、
そこに集中しきった映画ですけど、
炎ぐらいの水の底からのほうは、
黒木さん、ヒロインの苦悩というか、
夫とこういう離婚症を抱えつつ仕事を見つけなきゃいけない。
引っ越した家の店長はどんどん雨漏りしていく。
娘の保育園を迎えに行くぞ。こっちだって心配だ。
そういうのが、ヨーロッパ、欧米人からすると、
日本の女性もこんな社会に出て、
離婚問題、子供問題、仕事問題、
我々と同じ悩みを抱えてるんだという、
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社会派ってことじゃないけど、
そういう、すごく近しく思ってくれたらしいですね。
やっぱりどこかステレオタイプで、
日本の女性って家庭にこもっていい妻、いいお母さんでいるんでしょって。
それが20年前、今はないかもしれないですけど、
そのときは確実にまだあったみたいで。
それで、そういう意味でも評価はすごく高かったですね。
このぐらい水の底からで初めてご一緒したときに、
どうして私をキャスティングされたんですか?
あれですね、僕は女監督として、
黒木さんと小林香織さんが主演された、
妙途前哉、あれについてたんですね。
そうでした、そうでした。
あれについていて、
特にそこで黒木さんと親しくお話しさせていただいたっていうことではなくて、
ただすごいね、テレビとしてある正月スペシャルかなとかで、
すごい構えの大きい、
映画並みのすごいどでかいセット立ててやって、
まずそこで出会わせていただいて、
当然その後は僕が監督したわけだから、
今度は本当にあった怖い話というテレビ朝日のホラードラマを、
僕が初監督させてもらって、
そういう幽霊の住む旅館って、
まあ旅館に幽霊がいますよって。
そのもう一つが、黒木さんが学校の先生で、
教室で怖いことが起きる。
それをやられて、
僕が監督した一緒に放送するエピソード。
それで、その時も直接お話はもちろんないわけですけど、
一緒に編集したりしてたんで、
それを拝見して、それが約このぐらいの10年前。
その時に脳裏に焼き付いておりまして、
それでこのぐらいの話をプロデューサーと進めてた時に、
主演のお母さん役というか、
ヒロインは誰がいいだろうかという時に、
その10年ほど前の記憶がグイッと蘇って、
黒木さんが一番いいんではないかと言わせていただいて、
それはなぜかというと、
母親が娘を貸した少女の霊から守るという、
母親、あるいは女性としての強さ。
その意思の強さを見て、絶対守りきってやると。
私の肉体を渡しても娘は守る。
その意思の強さ。
および、でもホラーなんで、
お客さんを怖がってもらわないといけないから、
怖がる演技というよりも、やはり女性としての危うい感じというか、
か弱いというと、さっき言った精神的な強さとはちょっと違うけど、
でもフィジカルには、危ない、すぐ負けそうみたいな感じがあった方がいいと思う。
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エレベーターの中、怖かったですよね。
よくおっしゃってたのが、怖いものをワッと出すんじゃなくて、
いる、誰かいるの?っていう演出の仕方じゃないですか。
あれが怖いですよね。あれってやっぱ狙いの演出なんですか。
そうですね。やっぱりホラー映画って、
もちろんお手本で、ホラーの専門家、どっちかというとサスペンスの巨匠と言われるイギリスのヒチコックという監督、
アメリカで主に活躍した監督ですけど、
やっぱり彼の映画を見ていると、何も起きないとか、あるいは片透かしをさせる。
怖いことが起きるんだ、起きるんだと思ったらとりあえず何もないとか、
お客だけは気づいていて、主人公、ヒロインは何も気づいていないとか、
それをよく考えると、彼も言っていたアーク・オブ・アングザイアティって英語で言うんですけど、不安曲線。
不安曲線をどう描くかっていうことが、ホラーとかサスペンスでは重要で、
何も起きないときは曲線を動かした時間芸術だとして、映画が仮に静かな時間が流れていて、
急に怖さがグイグイ盛り上がっていくんだけど、
何か来るかなと思ったら一回落として、落として、安心させた後にドーンとやるとか、
そういう、やっぱり日本で言うところの静かな間合いとか、メリハリとかですね、
怖いときには思いっきり怖くすると。
だからしつこくさんなんかさんにしたりとかして、これでもかってやるけど、
やらないときは片透かしのようにやらないとか。
だから何もないときが怖いんですよね。
だから僕もそう、このぐらいのあのときですけど、
エレベーターの、自分の娘がエレベーター、一緒に逃げてエレベーターに連れてったと思ったら、
本当の娘が自分の遠いあの廊下の先の部屋から出てきた。
ありましたね、ありましたね。
あれ、あの瞬間怖いですね。
自分で怖いですねっておっしゃるんですが。
恐怖映画における怖さってやっぱりサプライズっていうか、
驚きっていうのもすごく重要だから、
あのお別れがありました、ドア閉まっちゃった。
それでエレベーター上に水ばーっと巻き散らしながら上がっていくから、
それで娘が必死に追いかけるじゃないですか。
それで、で、上の階まで、一番上の階まで行ったけど、
エレベーターも必死に開けようとしても開かない、
もう疲れてへたり込んじゃう。
で、あの後のこのぐらい汚れた水をぶわーっと吹き出してくるの。
あれ、CGなしで全部本物でやったんですけど。
あの時のサプライズっていうのは、
日本のお客さんもそうだし、欧米で見てくださった人たちも、
12:05
僕はとてもその時代でも、
欧米では当然あれCGでやるのが常識だったので、
あれを生で全部やったって言えなかったですからね。
しかもリオちゃん、水、恐怖症だったのに水かけたんですよ。
お風呂に顔つけることさえできなかった。
しかもママがいなくなって、泣いてるのに水かけ芝居をしてもらって。
だからもう本当に臨場感あるというか、ですよね。
これ今思い出しましたけど、
ホノグラミズのそこからって、フランスのジェラルメって、
ドイツとの国境に近いホラーファンタ系の映画祭で、
最優秀作品賞、監督賞、若い観客賞とか、
5つか6つぐらいそうなめにしたことがあって、
その時に、それこそエクソシスのウリアム・フリードキンさんが審査委員長だったんですけど、
彼からトロフィーとかもらったりして、
すごい褒められた時に、
とあるフランスの哲学者だったかな、
このぐらいのこの色味は一体何だと。
ちょっとグリーンがかってる、全体に。
そこはやっぱり林さんや、
首相名の富山さんの貢献だと思います。
僕がグリーンにしてくれとは一切言ってないんで。
だからあれはフィルムでしか出せない。
やっぱりちょっとシアンと言いますか、青緑とかに振ると、
ゾンビカラーと言うと直接的すぎるけど、
死の匂いがしてくるというか、
それでその人が言ってくれたのかなとは思うんですけど、
黒木さんに出ていただいて、
終わった人はジャンルが全然違うからですけど、
このぐらいと階段も、
ひょっとしたら日本のヨーパよりもヨーロッパ、
ヨーロッパ行ってフランスのおじいさんから階段のDVD持ってこられて、
ここにサインくれって。
これ素晴らしい映画だとかって。
やっぱり中田監督って一途じゃないですか、現場入られると。
だからみんなついていきたいって思うし、
しかも一番近いカメラのそばで芝居を見てくださるじゃないですか。
あれがやっぱり自分の目で見てるっていうところが芝居を、
あれがすごいなっていう印象でした。
それが好きですか。
好きですね。
最近ですね、ほらこのデジタル時代になってきて、
まず、ほら僕がずっとやってきたカメラマンの方は、
現場で映画で特にフィルムで撮ったときは、
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フィルムで撮ってるときにモニターっていうの出せたんだけど、
デジコンって呼ばれたら。
それずっと出さない人だったですね。
僕ももうカメラの脇で肉眼で見るっていうのは、
今もう全く不可能なわけじゃなくて、
僕終わった人の何日かの黒岸さんが最初勤めてる美容院、
あそこぐらいまでカメラのそばにいたんですよね。
だんだんなんとなく、
いやいや、監督邪魔なんだけど、
雰囲気にちょっと古いみたいなムードが。
テレビだともちろんのこと、
映画でも監督がカメラマンに座られると、
俺たち本当はこの機材持って行きたいのに行けないんじゃないかみたいな。
まあ言わないですよ。
言わないけどそういうムードがあって、
ここ3、4年ぐらい基本的に行ってないんですよ。
あともう一つは残念なことに、
まあ肉眼でよし、もうモニターちょっと無理だから、
でも近くに見ないとあれだからって言って、
カメラのそばで見たときに、
自分の肉眼が信じられないという悲しい、
もちろん眼鏡で補正はしてるんですけど、
モニターでこの遠距離のようなものですから、
金の方でモニターで見たほうが、
ちゃんと見られるようになってしまいましたね。
ただ今でも僕は理想的には、
あのスタイルのほうが良いのではないかっていう気はしなくはないというか、
俳優さんが監督が自分を見てるっていう、
なんかある種の安心感。
何か注意すべき点があったら言ってくれるはずだということで、
監督を視界の隅に置きながら演技したほうが、
パフォーマンスが良くなるんじゃないかと信じたいですけど。
そういうところはありますね、確かにね。
監督がオッケーって言ったらオッケーなんだっていう、
自分の中での消化不良みたいなときもあるじゃないですか。
それでもやっぱり中田監督とかがオッケーっておっしゃってくださるっていうのは、
やっぱ近くで見てくださってたから、なんか安心感がある。
そう言ってたけど。
僕がオッケーって言って、俳優さんがもう一回お願いしますって。
で、その理由は何かって聞いて、
あ、なるほど、これはもう一回いかないと、
彼、あるいは彼女が次に進むときに、
ずっとこう、あの時こうしたら良かったのにって思われると嫌だなって思う。
大概、俳優さんからもう一度やったときはやるんですけど、
次のテイクやっていいや、変わんねえな、前のほうが良かったのにって思うこともたまにありますよね。
いや、でもそのもう一回お願いしますっていうのってすごく勇気がいるわけですよ。
きっとそれ以上のことをパフォーマンスしなきゃいけないわけでしょ。
その自信がない限り、やっぱりもう一度お願いしますって言えないんですよね、役者側にとって。
そうですね。
だから、なかなかそれは言い出せないですね。
ああ、役者さん側からのもう一回っていうことですか。
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私の場合かもしれないけど。
黒木さんは結構もう一回やってくださいっていう、オッケーって声が聞こえたらこれで。
もうものすごくそれで監督を信じる派ですね。
アングルとか照明などとか何か秘訣があるんですか。
これはですね、僕がカメラマンや照明技師をホラー向きかどうかで選ぶっていうことではないんですけど、
彼らのセンスに、これはホラーと言いたいのに限らないんですけど、頼る傾向が強くて、
自分が絵を決めるというよりは、やっぱりその撮影照明技師のセンスで、
彼らが打ち合わせしていく中で、こういう映画を見ておいてくださいとか言って、
ここの東西自分がいい、今回の参考になると思える映画とかを見ておいてもらって、
それのそっくり、そのまま真似をできるわけではないけど、雰囲気はこんな感じっていうのを見ておいてもらって、
あとは、ホノグラインの時に行ったのは、
カメラマンやっぱり僕より一回り上の方にリングもホノグラインも同じ林さんの方でやってもらったんですけど、
やっぱり世代的に言ったら変だけど、映画ってあんまり広角レンズを使うと、
手前の人と奥の人とか、奥の背景がすごく小さくなっちゃうんで、
昔だと極端に言えば50ミリって、ちょっとなかなか説明しづらいけど、
普通に言うと望遠目のレンズなんだけど、映画で50ミリっていうのは標準レンズに近いというか、
そうすると手前と奥に人物が離れて立っててもそんなに大きさが変わらないので、
そういうレンズを使うことは日本映画はだいたい伝統的に多かったんですね。
なぜできたかっていうとセットがあったから。カメラが下がればいいと。
そうすると焦点も合いつつ、ちゃんとしたいい映画で芝居もちゃんと捉えられる映画。
林さんって方はリングのときは35ミリよりワイドなレンズをほとんど使わなかった。
だけどホノグラインのときに僕が唯一林さんに言ったのは、
照明とかのことは撮影と照明で話したと思えばいいと思ってたんで、
今回は25ミリ、広角の子供の見た目みたいな低い、要するに1メーターぐらいの高さのちょっと低めのカメラの高さで、
広角レンズ25ミリを標準として使ってみてもらえませんかってことは言いました。
ロマンポルの出身で、そこから映画の世界に入っていかれて、
それで女優霊でジャパニーズホラーっていうのを開拓していかれて、
リングでも本当に全国区になったっていうイメージなんですけども、
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リングでこだわったところとか。
リングはですね、先ほど申したようにテレビの本当にあった小話でホラーと出会いました。
女優霊っていうのはいろんな場でワウワウ制作の映画なんだけど、
ホラーのテレビドラマやってたから、同じ脚本家。
そのテレビと女優霊とリングと同じ高橋さんと脚本家と一緒に仕事したんですけども、
彼は本当にホラーのスペシャリストで、
僕の言わば少なくとも物語上というか脚本上の師匠と呼んでるんですけど、
ホラードラマをどう作るべきかとか、
そういうジェオホラーの競争的存在で高橋さんとか、
人たちは女優霊を全く評価しなかったんです。
全くっていうか要するに映画人のリアリズムみたいなもの、
リアリティ、撮影上の何気ない怖さとか出てるけど、
本当の意味で怖さっていうのはこんなもんじゃないだろって、
もっと全然怖くないよとかっていう批判をかなり強烈に浴びて、
仲間うちからね。
僕もすごく悔しさが募って、
リングはとにかく物語として完成度が高いかどうかっていうよりも、
一つ一つのホラー表現がとにかく充実させるっていう、
その思いは非常に強かったし、
例えば脚本を読んだジャーナリストの人たちも、
先にインタビューしなきゃいけないときに、
テレビからおばけが出てくるってどんな感じの演出を。
もうすでにちょっとニヤッと笑ってるわけですよ。
なんか変なこと、変テコなことなんじゃないのみたいな疑いというか。
それで完成品というか、音楽や効果音がついてないリングを見た、
廃棄話の東方の人たちも含めですが、
女優レイのほうが怖かったなと。
今度は逆に。
言わないですけど、そういう雰囲気になったんです。
それで僕は現場でもしっかりやったけど、
ホラーって半分命は音にあるんで。
音ですからね、音でこう。
だから現場でね、
佐賀子がどうボケているべきかとか、
佐賀子の目を序監督さんにお願いして、
まつ毛のない目でトライしたとか、
そういうほぼほぼ皆さん知ってるだろう。
でも知らないことはもう一回、
ここで補強するといいんだけど。
ただむしろ今の僕の感想で言うと、
あの時は多分音で挽回したことが大きかったかな。
音の最後のタビングとかはフィルムで撮って、
デジタル技術はもう導入されてたんだけれども、
最後仕上げするときはアナログなんですよね。
タクが。
だから15分なり20分、
24:03
僕がそこNGって言ったら、もう一回全部やらないといけない。
パンチンっていう技術はあったんだけど、
でもこれもう一回だとかって。
延々やっぱりリングのファイナルミックス作業は、
最後の方は朝3時半ぐらいまでやってました。
プロデューサーと大喧嘩しながら。
プロデューサーと大喧嘩しながら。
最近もよく言ってくれるんですけど、
あのときの僕は危機に迫るものがあった。
ここで世に出て、どこで出るみたいな、
そういう執念もあったし、
その仲持ちから怖くないって言われたものに対する反感というか、
ここで絶対怖いと言わせてやる。
その高橋さんと脚本家はリングを初号で見た後に、
みんなザワザワと関係者で、
ストーリーも知ってるんだけど、
視聴者見に来た人たちは見終わった後にザワザワ。
いいザワザワだったですね。
なかなか映画の関係者とかって、
だいたいもう内容知ってるから、
そんな内容でびっくりしたり怖がったりすることはあんまりないんですけど、
すごくいいザワザワがあったときに、
でも高橋さんは一人僕に、
これで素人の人は騙せたと思いますけど、
僕はホラーのクロートの薙ぎ倒したいので、
これじゃまだダメです。
なんかこう、スパルタ先生みたいなことがありましたね。
現場についてた佐伯さんどうでした?
仕上げは僕ついてなかった。
監督が仕上げの音の話してましたけど、
一個一個多分相当こだわってました。
例えばリングのビデオテープのラベル一つに対して、
ものすごいこだわってダメ出しするし、
リングの井戸の水の色とかぬめりとか、
何がその水の中に入ってるか、
何十年も経ってる水の色じゃないとか、
ものすごいこだわってました。
井戸から出てくる、もちろんテレビから出てくるのもドキッとしましたけど、
井戸から出てくる貞子も怖かったですね。
あれは逆回転。
逆に貞子がカメラの方から後ずさって井戸に入ってもらって、
それを暗黒武闘系の女優さんで、
実際はご自分の井戸さんと女優さんのまんまの髪はすごく長かったので、
それも使わせてもらって、
しかもそういう身体能力がすごく高い人だったので、
逆回転っていうのは筋肉の動きが逆に見えるから、
ちょっと気持ち悪いんじゃないかっていう。
その案も高橋さんがくれたんですけど、
それをやってみようといろんな実験を。
撮影前にこういうことがうまくいくかどうかっていうのは、
ホラーだけに限らないですけど、
ある程度、今はキャメロンテストでやることも多いですけど、
27:01
リングのときは我々演出部だけで8ミリビデオを持って、
これを撮ってみて逆に回転させたらこういうふうに見えるねとか、
研究してその蓄積を持って挑んだので、
それもこうしました。
もともと大学で理科系だったんですか、20歳ぐらいまで。
そういう実験みたいな、言葉が好きなのかもしれないけど、
実験やるぞ実験と言ってよくやってました。
今でもたまにやります。
まだまだちょっとお話したいことありますけれども、
一旦このあたりで来週の配信も引き続きお二人のお話です。
映画業界に入ってみたらの驚きの話から、
業界あるあるから現場の流儀、それからサバイバルの方法まで
たくさんまた伺いたいと思います。
ではまた次回の配信をお楽しみに。
またねー。
28:00

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