2023-02-19 03:03

ピカソの「大きな横たわる裸婦」の話

ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
2023年2月4日(土)– 2023年5月21日(日)
https://www.nmao.go.jp/events/event/20230204_berg/


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00:05
こんにちは、秋本くりこです。この番組は、アマチュアヴァイオリン弾きの私が、クラシック音楽や西洋絵画について愛好家目線で語る番組です。
早速ですが、今日は東京上野の国立西洋美術館で見たピカソの絵についてお話ししたいと思います。
先月まで国立西洋美術館では、ピカソとその時代、ベルリン国立ベルググリーン美術館展という企画展が開催されていまして、ピカソの絵が見られるということで行ってきました。
今はもう国立西洋美術館での展示は終わってしまったんですけれども、同じ展示が大阪中野島の国立国際美術館で2月4日から5月21日まで行われていますので、
お近くの方はぜひ行かれてみてください。展示の内容としては、ピカソが23歳頃の作品から89歳頃の晩年の作品まで幅広い年代の作品が展示されていたのと、
ピカソの友人でもありライバルでもあったと言われるアンリー・マティスというフランスの画家の絵だったり、パウル・クレイというスイスの画家の作品も数多く展示されていました。
その中で私が一番印象に残ったのが、ピカソの大きな横たわるラフという縦130cm×横195cmくらいの大きな絵です。
パッと見全体的に灰色っぽい色彩で、すごく無機質な感じなんですよね。
女性が描かれているはずなのに、その人の体温とか温かみっていうのは全然なくて、鉄のように冷たい印象を受けました。
実はこれは1942年の作品ということで、第二次世界大戦中にナチスの占領館にあったパリで描かれたそうなんですね。
それを聞くと納得というか、戦争ってこういうことなんだなって思いました。
女性の顔を見ても表情が読み取れないというか、見る人によって感じ方は違うと思うんですけれども、
悲しんでいるのか、諦めているのか、全く無表情で感情を失っているようにも見えるんですよね。
きっと戦時中って恐怖だったり、深い悲しみだったり、怒りだったり、いろいろな感情が湧いてくると思うんですけれども、
平時と違って自分でその状況をコントロールできないわけですよね。
周りも見てもみんな同じ状況で、逃げ場もないわけなので、その状態が長く続くと、
もはや何も感じなくなるというか、何も感じないように自分に言い聞かせて、感情に蓋をせざるを得なくなるんだろうなって思うんですね。
そのすごく感情に蓋を裂いた感じ、こうなってしまうのかというのが、このピカソの絵を見て圧倒させられました。
本当にピカソが伝えたかったことがそれなのかどうかはわからないですけれども、
私は専門家ではないので、あくまで私が感じたこととしてシェアさせていただきました。
もし興味を持たれた方は、大阪の中野島の国立国際美術館で5月21日まで展示されていますので、見に行かれてみてください。
それでは今日はこの辺で。さようなら。
03:03

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