会合での投影トラブル
今回のnoteのタイトルは、「機械に手も足も出なかった話」です。
先日、ある会合があったのですが、そこに運営メンバーとして参加しました。
リアルとオンラインのハイブリッド開催ではありましたが、大げさな演出などはなく、その会は粛々と進んでいくはずでした。
使い慣れたPC、使い慣れたプロジェクター、使い慣れたアダプター、接続方法も普段と変わりありません。
その会議自体も何度も使っているので、設備についても大体理解しています。
もちろん、事前に集合してPCの接続テスト、投影テスト、そして配信テスト実施、問題ないことを確認しました。
しかし、いざ会議が始まってみると投影がうまくいかない。
noteにも書きましたが、瞬間的に様々な原因が頭をよぎりました。
そして、その場でできるあらゆる手段を試してみました。
別のPCで投影してみたり、PCとプロジェクターをつなぐアダプターを取り替えてみたりもしました。
しかも接続の相性があるかと思い、3種類ぐらい試してみました。
他にもプロジェクターシステムを再起動してみたり。
こういったシステムは何か困ったことがあれば、再起動してみるとうまくいくというのが過去の体験にあったかもしれません。
また、うまく投影できない状況から見て、PCがスリープモードに入っているのかもと思い、PCがスリープモードに入らないようにトラックポットを触り続けるという機構もしてみました。
もちろん、その時はみんな真剣です。
しかし、結局1時間の会合の間には状況は改善されず、原因も突き止められませんでした。
なんとか会合自体は乗り切れたものの、日頃使い慣れている機械が使えないというのがこんなにも辛くストレスになってしまうのだなと思い知らせました。
機械の制約と人間の活動
ちなみに、原因はHDMIケーブルへの電源供給不足だそうです。
今回の経験で感じたのは2つ。
1つ目は、機械には何が起きているのかを伝える手段を持ってほしいということです。
ノートではこれをインターフェースという言葉で書きました。
インターフェースというと、単に接続部分のスペックや画面表示の仕方と捉えられるかもしれませんが、
今回はこのインターフェースという言葉を拡張して、機械が発する音や色、温度、振動などを含めた人間が感知できるものすべてとしてみました。
例えば、今回のようにうまく映らないときに電源低下というメッセージを表示するのは難しいかもしれませんが、
投影しているものが全体的に少し暗くなるというインターフェースだったら、もしかしたら気づけたかもしれません。
今回の経験で感じたこと2つ目は、機械の制約に人間の活動が制限されているのかもしれないということです。
PCやプロジェクター、スマホ、アプリ、電気自動車など、それらは確実に人間の生活を豊かにしてくれていますが、
同時に機械ができないことイコール人間ができないことという状況になっているなと思いました。
もちろん今後もPCやプロジェクターを手放すことはないと思いますが、
私たち人間が機械の制約によって活動を制限されているのではないでしょうか。
プロジェクターが動かなければ伝えることは諦めなければいけないのでしょうか。
パワポでできる範囲に私たちの思いを閉じ込めなければいけないのでしょうか。
これは機械が動かないときのリスクヘッジをするとか、脱機械で人間性を保つために自然に帰ろうという話ではありません。
機械を使わなければ人間生活が営めない現代社会において、
私たち人間は機械とどのように関わっていくべきなのかという問いなのだと思います。
これは最近私が読んでいるコンビビュアルテクノロジーという本で触れられており、
個人的にすごく興味を持っていた内容でした。
そんな中、たまたま今回の会合での経験が内容的にもタイミング的にもぴったりだったので今回のノートに書いてみました。
このコンビビュアルの話は、イワン・イリーチのコンビビュアリティのための道具という本で既に提唱されており、
人間の主体性を生かす道具として自転車が紹介されています。
それを読んで、人間の主体性を生かしたツールである筋トンをはじめとするノーコードツール、
まさにコンビビュアリティのための道具なのではなんて思っています。
ちなみにサムネイルの画像は、アルファロメオ・トナーレのセンターパネルの写真なんですが、
ジンバ一体で運転することが楽しいと言われるアルファロメオが、
このトナーレというプラグインハイブリッド車でも、
人間の主体性を発揮させコンビビュアルな車として存在しているのかが気になるところです。
というわけで、今回のスキマはここまでです。
ではまた。