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みなさん、おはようございます。
こんのゆるラジチュアプップへようこそ。
この放送は、子どもも大人もゆったり過ごせるよう、
絵本とともに朝のほんのひとときをお届けします。
はい、今日お届けするお話は、
落語絵本【まんじゅうこわい】です。
出版クレヨンハウスへ、川端誠
それでは、読んでいきますね。
【まんじゅうこわい】
今日は町内の若いもんの宴会なんですが、
どうせ暇だからてんで、早くから仲間が集まりまして、
みんなでワイワイやり始めました。
話題はと言いますと、それぞれに自分の嫌いな生き物を
言い合おうじゃないか、ということになりまして。
俺はなんといってもヘビが嫌いだね。
あんなにょろにょろした生き物がいるだけでゾッとするよ。
俺はタヌキだ。
なんでもおばけになって出てくるそうじゃないか。
まだおばけには会ってないけど、おばけはごめんだね。
俺はクモが嫌いだね。
あのベタベタした糸の気持ち悪さったらないね。
やっぱりコウモリだよ、コウモリ。
けもののくせにピラピラ飛びあがってひみが悪いや。
俺はケムシが嫌いだ。
葉っぱの裏なんかにまとまっているのを見たことあるかい?
ゾッとするぜ。
アリが嫌だね。
ゾロゾロゾロゾロハイズにまわりあがって見てるとムカムカするよ。
とまあみんなが疲労したんですが、最後に残ったマッツァンという人がいましてみんなが
マッツァンは何が嫌いなんだい?と聞きますと
俺は嫌いなもんなんかないよ。
第一、いい若いもんがアレが嫌いだ。
いや、これが怖いっておかしいじゃないか。
じゃあマッツァンはヘビやおばけは怖くないのかい?
当たり前だよ。と起きあがりまして。
ヘビなんてものは頭の痛いときに頭に巻けばいいんだよ。
ヘビのほうで勝手にしめてくれるから冷たくって気持ちがいいや。
マヌキがバケる?
バケて出てきたら飯を炊かせて洗濯や掃除をさせればいいじゃないか。
クマなんてものは糸を出させて納豆に混ぜれば粘りが出えな。
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コウモリなんか何匹か捕まえてまとめて傘にしちゃうね。
ケムシは箸に結びつけて歯ブラシだ。
アリなんぞはまとめといてゴマの代わりにご飯にまくよ。
まあゴマが動き回って食べづらいだろうけど。
と異性のいいことを言い続けたマッツァンですが
おっとまずいやと急に肩をすくみたものですから。
どうしたんだいマッツァン。
いやちょっと怖いものを思い出しちゃったんだよ。
なんだいそれは。
異性のいいマッツァンにも怖いものがあると知ってみんなは膝を乗り出しまして。
なんだよ怖いものは教えなよ。
マッツァンは震え出しまして。
いいかい一度しか言わないよ。
うんなんだよ怖いものは。
ま、まんじゅう。
は?
おいまんじゅうという名前の動物を知っているか。
いや。
おいマッツァンそれはどんな動物だい。
そうじゃないよお菓子屋で売っているやつだよ。
なんだってあんこの入っているあのまんじゅうかい。
ああそれを言うなよ思い出しただけで気分が悪くなってきた。
マッツァンの顔がだんだんと青くなってきまして。
ううもう気が遠くなりそうだ。
誰か隣の部屋に布団敷いてくれ。
そう言うと隣の部屋に引っ込んで布団かぶって寝てしまいました。
この様子を見たみんなは思わず顔を見合わせまして。
というのも普段からみんなはマッツァンのことを嫌なやつだと思っていたものですから。
そんなことなら枕元にまんじゅうを積み上げてマッツァンを震え上がらせてやろうという相談はすぐにまとまりました。
早速みんなは手分けしてお菓子屋を回りまんじゅうを買い集めてきました。
常用まんじゅう、とうまんじゅう、うすかわまんじゅう、さかまんじゅう、
温泉まんじゅう、そばまんじゅう、いなかまんじゅう、ふまんじゅう、
かるかんまんじゅう、くりまんじゅう、よもぎまんじゅう、あげまんじゅう、
あんまんじゅうに、にくまんじゅう、こうはくまんじゅう、そうしきまんじゅう。
これを大きなお盆に山盛りにしますと
そっと隣の部屋に運び込み、
これならまっちゃんもびっくり行天だ、
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てんで悪いやつらもいるもんです。
そろそろやろうか、ということで、
「おい、まっちゃん、こっちへ来なよ。食べ物が来たよ。」と言いますと、
そうかい、起きていくけど、あれのことはいい子なしだよ。
わかった、大丈夫、言わないから起きてきな。
それじゃあ、てんで、まっちゃん起きだしたようなんですが、
うわあ、まんじゅう、と悲鳴があがり、
さあ、こちらの部屋ではみんな大よろこみ。
こわいよ、なんてひどいことをしやがるんだ、まんじゅう、こわーい、
と、まっちゃんがわめけばわめくほど、みんなは笑いをこらえるのにひっしりして、
ところが、しばらく悲鳴が続いていたんですが、
さて、まっちゃんはと言いますと、
うわあ、とうまんじゅうだ、こわーい、いちばんこわーい、
これは、うすかわまんじゅう、こわーい、
さかまんじゅう、こわーい、
くりまんじゅうだ、かわがこわいね、あんこがこわい、
くりもこわい、
まんじゅうは、みんな、
じゃなくてこわーい、
なんだい、変だよ、なんだかうたってますよ、
確かに様子が変だね。 ちょっと中を覗いてごらんよ。
そこで隣の部屋を覗きますと、 マッツァンがまんじゅうを夢中になって頬張っているではありませんか。
あの野郎、まんじゅうが怖いなんて言いやがって騙しやがったな。 ってんでみんなで隣の部屋に乗り込んで、
こら!マッツ!お前が本当に怖いものは一体なんだ! と言いますと、マッツァンすかさず、
うーん、この辺でうまーいお茶が怖い! おしまい。
いかがでしたでしょうか。 まんじゅう子は夢のお話ですよね。 こんなことをね、子供が言い出したら、私どうなっちゃうかな。
面白いと思って、まんじゅうあげちゃうかもしれないですね。
はい、それでは今日もお聞きくださりありがとうございました。 コンでした。ではまた。
