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皆さん、こんばんは。マスクマンZPMのアウトプットチャンネルの時間です。
今日は2回目の収録を望んでおります。
前回に引き続きですね、今回も朗読をまたしてみようかなと思います。
そして考えてました、スタンドFMの収録とTikTokのライブを同時にやってみようと思ってたんですが、
いろいろ考えながらやってますと、どうもですね、この前の1回目の朗読がそこそこできた割にはですね、
ちょっとうまくいかなかったところもあったりしたのでですね、どうしようかなと思いながら、
ちょっと悩んでおります。1回見切り発車でやってみるのもいいのかなと思ったんですが、
いかんせんですね、TikTokのほうは、どうしても不得で多数の人が聞いてくれるのでですね、
こちらも身構えてしまってですね、結構どうしようで止まっちゃうことが多いので、
なんならですね、スタンドFMのほうだけでこの本を朗読していくんですけど、8小節ぐらいあるんです。
段落が8個ぐらいあるんですよね。なので1小節分ずつ読んでいって、8回読めますので、
2,3,4ぐらいのときには多少何とも朗読が少しアップしてるんじゃなかろうかというような感じで読んで、
その後TikTokのほうにデビューしてみようかなという話に持っていこうかなと思うんです。
本当は最初は同時にもう見切り発車しちゃえと思ったんですが、意外とですね、うまくいきそうにないなというのがやりながらわかってきたのでですね、
それとどうしてもですね、この前はこのピンマイクを使わずに朗読をしてみました。
マイク自体がないのでiPhoneに話しかけてますから、当然台本をiPhoneより後ろに置いて読まないといけないので読みづらかったりしたんですよ。
意外と読み間違えるのは当然、噛んでしまうのも当然。
こういうふうに自分の喋るスキルという意味か編集能力というのを自分が持ってないのでですね、
ノー編集でやりますから噛みまくって方言言いまくってですね、あ、え、うを言いまくってますので。
なのでそこらへんは聞く人を割愛してもらいたいなと思いますけど、
スタンドFMの場合は不特定多数の人に聞かれていたとしても、聞きたくなかったら途中でやめてくれるのでいいんですけど、
TikTokの方はですね、自分が持っているフォロワーのところまで全く知らない人たちが全部聞いちゃいますので、
その人たちにとって果たして良いものなのか悪いものなのかってなかなか難しいところなんですよね。
なので、自分としてはそこに行くまでちょっと力をつけときたいなというのがあって、こういうふうなことをやって臨んでおります。
今日もまた朗読の方をちょっとやっていこうと思います。
今ピンマイクをですね、服に引っ付けたら意外とピンマイクが声を拾ってくれないと。
これは何ででしょうかというね、使い込みながらやっていかないと自分もわからないタイプなのでですね、
説明書はそんなにあんまり書いてるのは書いてるのか。
だからといって説明書を読んでわかるもんでもないのでですね、
まあまあいいでしょう。やっていけばわかるでしょうと。
使いこなせばわかるでしょうと。そういうぐらいの感じでやっていきたいと思います。
2回目の収録になります。
これはこの本は即読の文で使ってる本ですね。
即読ではこの本を読まない。内容は自分が何回か読んで覚えてるという話なんですけど、
即読では目のトレーニングみたいなことをして読まない。読まないけど読む。
何言ってるかわかんないですね。
いろんな即読の教室がいっぱいありますのでそちらの門を叩いてもらってですね、
自分の言ってることを確認できる人は確認してもらえると面白いのかなと思います。
即読やってて損はないような感じはします。
自分がやってるところの即読もですね、結構楽しくやれてますので、
ニュースとかでやってるような即読を見ると、え?なんだこれ、変なトレーニングやってないかとかね、
そんなことを言うような感じにもなりかねませんけども、
意外と即読やってみたら理屈がわかってくると楽しいと思いますので、
そういう意味で興味のある人は即読をやってみられてはいかがでしょうか。
おすすめはしますけど、絶対にやれとか何々すべきとかね、
SNSで何十歳はこれだけやっとけとかやらねばいかんとか何々するべきとかね、
そんなことは言いませんので、やりたい方がやってくれればいいかなと思います。
前置き穴これぐらいにしてですね、朗読を始めていこうと思います。
当然マイクを持ちながら片手で本を開くという動作をしますので、
ちょっと読み合わせするときに音が入ったりですね、
ちょっとうまく間が取れなかったりしますけど、そこらへん割愛してください。
魔法の手助け
ではこれ行きましょう。第5章、題目はこれ魔法の手助けとなっております。
それでは行きましょう。
日曜日の昼前、りなは宿題を済ませるといっちゃんの部屋へ行った。
いっちゃんはストーブの上へ鍋を乗せて、絵の長いシャ文字で鍋の中のドロドロしたものを一生懸命かき混ぜていた。
鼻の下にも額にも汗の玉が吹き出ていた。
うーん暑い。赤道直下って本当にこんなところじゃないのかしら。
りなは一番涼しい窓のところへ行くために、大きな瓶や本の山の障害物を乗り越えながら行った。
そうですかね、僕は慣れてしまったせいかそんなに感じないんですよ。
汗は出ますがね、ちょうどいいハンカチを探してください。
手が離せないもんだから、さっきから顔汗が流れっぱなしで、
いっちゃんの顔を見て、りなはそこいらをかき回しながら、
ねえ、ストーブを焚くのも仕事だって。いつか言ってたけど本当なの?と聞いた。
そうですよ。これが僕の下宿料なんだから。
マヌスにストーブを焚くことが?
りなはベンチとランプの間に落ちていたハンカチをいっちゃんに差し出しながら訪ねた。
りなはこのめちゃくちゃ通りに来て、いろんな季節の花が咲き乱れているのを変に思いませんでしたか?
思ったわ。りながうなずいた。
それが僕の仕業なんですよ。
4つの季節のために4つのストーブをたくんです。
これが春、そっちが夏。
いっちゃんは4つのだるま型ストーブを次々と指で示した。
そんなことで本当にいろんな季節の花が咲くの?
りなは疑わしそうな目で真っ赤になっているストーブを見回した。
いっちゃんは鍋をかき回していた手を始め止めると、りなの方を向いて怒ったように言った。
僕は発明家ですよ。それもひどく優秀だね。
咲かそうと思えば花を咲かすことぐらいできます。
りなはいっちゃんみたいな人を疑ったりして悪いことをしたと思った。
ごめんなさい。
いいんですよ。りなに信じろったってちょっと無理な話だし。
いっちゃんは寂しそうに微笑むとまた鍋をかき回し始めた。
僕は花は季節によって順番は守って咲くから好きなんですよ。
ところがピコット婆さんと来たら、岩の窓から猿すべりが見え、
自分の散歩する家の西側にはつづいが咲き、
裏庭には水仙が黄色の絨毯みたいに咲いていないと気が済まない。
そして家中の花瓶にバラを絶やしたことがないと来てるんですから。
働くってことはつらいですね。
季節の花の秘密
りなもナータのところにやっと慣れたところだったんでしょうね。
いっちゃんは鍋を見つめながら静かに言った。
その日の午後はジョンのところでサンドイッチの作り方を教わった。
いっちゃんの部屋にばかりいるとジョンの機嫌も悪いのだ。
どうですかね。いくら発明家でも、
俺みたいなサンドイッチの作り方までは教えられますね。
ジョンはりなの作ったサンドイッチの味を見ると満足そうに言った。
月曜日は雨が降っていたが、りなはピエロの傘をさすと、
鬱陶しさを吹き飛ばすように元気よくナータの隣の店へ入っていった。
おはようございます。ピコット屋敷のりなです。
出てきたのは年取った小柄な男の人だった。
質家です。今日は店に置いてある品物の埃を取ってください。
それが終わったら帰っていいですから。とだけ小さな声で言うと、
すーっとまた隣の部屋へ入ってしまった。
さっきまで元気の良かったりなも、はいと小さい声で言うと、
置いてあった付近で白物、品物を吹き始めた。
薄暗い店に壺や皿が行儀よく並べられている。
雨の音だけが聞こえて、あたりは死因としている。
なるべく手早くに仕事を片付けて、りなはピコット屋敷に帰った。
ああ、ここに帰ってほっとした。まるで幽霊みたいな人なんだもの。
お店は陰気だし。
りなはいっちゃんに不公平を言った。
おとなしい人だからりなをどう扱っていいのか、めんくらっているのでしょう。
とってもいい人ですよ。しりごみするなんていつものりならしくありませんね。
トーマスの時みたいにぶつかっていったらいいでしょう。
だってボソッと喋ってスーッと消えるんだもの。
ぶつかろうにもね。
私大声で呪ってもらった方がまだいいみたい。とりなは首をかしげた。
いっちゃんは笑い出してしまった。
その日、りなといっちゃんはストーブに石炭をしこたまくべた。
汗だくになると部屋の空いているところに二人はなんとかべったりと座り込んだ。
これでピコット婆さんも今日は小言を言えないだろうとお互いうなずき合った。
二人ともピコット婆さんに対しての意見は一致していた。
漆荷での成長
どうもピコット婆さんは小言を言っては喜んでいるような節がある。
そうよ、私に意地悪を言って後でニーと笑っているんじゃないかしら。
その楽しみを取り上げてしまいましょう、りな。
そうしよう、いっちゃん。
こんな会話の後に汗だくになって疲れはじた二人と真っ赤な四つのストーブが残った。
結局二人ともピコット婆さんを嫌っているってことだった。
漆荷の店の仕事に、りなが慣れるように漆荷もりなに慣れていった。
仕事に慣れると言っても壺や皿を磨くだけなので壊さないように気をつければいいだけだ。
しばらくするとみんなピカピカになってしまった。
それで漆荷の居間に座って通りを眺めている方が多くなった。
漆荷もポツリポツリではあるが、りなとおしゃべりを楽しんでいた。
その日も雨降りで、その雨の中を小さな傘をさしていろんな形のヒゲを生やした小人の大群がベチャベチャおしゃべりをしながら通りを通った。
窓越しにりなを見て、やーっと声をかけた小人がいた。
りなも、「こんにちは、どこへ行くの?」と声をかけた。
りなさんは驚かないんですが、お茶の道具を持ってきた漆荷がそれを見ていって尋ねた。
ピコット屋敷もナータのところも紅茶かコーヒーなのだが、漆荷の店は緑茶だった。
りなは緑茶が好きだし、瀬戸物を売っているお店らしく、急須も湯飲みも茶飲も清水焼きとか篠焼きとかいろいろあって、お茶の時間を楽しみにしていた。
えーまあ、今のところ驚かないわよ。
小人を見た時はしばらく口も聞けないほどだったけど、慣れてしまったっていうのかしら。
バカめに会った時でさえ腹を立ててる方が先で、オウムが人間みたいに話せることに驚くのは二の次だったの。
今はバカめのこと好きだし、この町の人はみんないい人だし。
ピコット婆さんを覗いてね、と続けようと思っていると漆荷が、私たちは魔法使いの子孫なんですよ、と言った。
ナータから聞いたわ。
りなは信じられますか?
信じるわ。
この町の人は本当に魔法使いの子孫に違いないと、りなは今では思っていた。
女の人の依頼
ここ以外のところでケンタウロスが走り去るのを見たら眼下に飛び込むだろうし、
自分は魔法使いの子孫だなんて言う人がいたら、頭がおかしいと思うことだろう。
でも今りなはここで色々なことが起こっても、なぜか不思議に思わなくなっていった。
この町は魔法使いの子孫たちにとてもぴったりしていた。
りなのにっこりした顔を見ると、漆荷は安心したように言った。
人間の女の子が来るって言うのでみんな首を長くして待ってたんですよ。
ずっと前にもね。
そこまで言って漆荷は急に口をつぎ、なんだろうと言うように耳を傍立てた。
遠くの方からもすごい地響きが聞こえてきた。
その音はだんだん大きくなり、漆荷の店は地震のようにガラガラ揺れ出した。
棚の上の瀬戸物も音を立ててぶつかり合った。
漆荷とりなは窓にしがみついて外を見た。
漆荷の店ほどある灰色の大きそうな転がるような勢いで森の方からかけてきて、
漆荷の店の前でキーッという音を立てんばかりにして止まった。
雨に濡れた象の背中から、
鼻にすがって女の人が飛び降り、漆荷の店へ転がり込んできた。
ああ、漆荷、私の息子を助けて、お願い助けて、
そう叫びながら涙を流して漆荷を揺さぶった。
漆荷は、まあ落ち着いて、落ち着いて、というのが精一杯だった。
りなは女の人にお茶を入れてあげた。
漆荷はその女の人の手を優しく振りほどくとゆったりした椅子に腰掛けさせ、
りなの入れたお茶を手渡した。
その人はブルブル震える両手で茶碗を抱えるとごくごく飲み干した。
頬を赤く蒸気して涙に濡れ、雨に濡れた髪が張り付いている。
白い上着とパジャマのようにたっぷりとしたズボンを履いている。
美しい人だった。
アラビアンナイトのお姫様みたいだとりなは思った。
お茶を飲んで落ち着いたらしく顔を上げると、
濡れた瞳で漆荷を見上げた。
一体どうしたんです?
峠の仙人がいけないんです。
あの人のおかげで息子は、私の息子は、
さあ心を落ち着けて女の人は何とか順序立てて話そうとしたが、
よほど興奮しているらしかった。
息子が瀬戸物に変えられてしまったんです。
その壺か皿があなたのところにあるらしいの。
教授に元に戻さないと一生壺か皿でいなければならないのよ。
どうしてそんなことになったんですか?
息子はわがままで乱暴がひどいので、
王が懲らしめのために峠の仙人に預けてしまったんです。
そろそろ懲らしめを解こうと思ったら、
峠の仙人がいないんです。
葉っぱを手を尽くして探してみたら、
仙人は高原に引っ越してました。
明画の好きな仙人で、
明画は高原の方が手に入りやすいと言ってね、
明画ばっかり食べているせいか、
物忘れがひどいんです。
私が迎えに行ったら、
あんたの息子なんて知りもしないし、
見たこともないって本当にそう言ったんだから。
女の人は今でも悔しそうな目をしていった。
それから、
しっかが静かにうなずいた。
それで何とか思い出してもらったら、
峠でもあまり乱暴がひどかったので、
壺か皿だったかに変えてしまったって言うじゃありませんか。
その上、引っ越しの時、
古道具屋に売ってしまったような気がするって言うでしょう。
探しに帰ろうとすると、
そろそろ半年近く経つので、
魔法が戻らないかもしれないし、
戻し方も忘れてしまったというのですよ。
城の占い師に占ってもらったら、
この方角で期限は今日の午後までですって。
もうあと2,3時間もないんだわ。
とまた泣き始めた。
それじゃあ私の店に問題の壺か皿がある
問題の壺か皿があるというのですね。
と釈迦が聞いた。
女の人は大きくなずいた。
占いではまだ壊れていないと出たんです。
ここにいるはずなんですわ。
もう半年も動くこともできない。
もう半年も動くこともできない。
埃まみれになって。
埃まみれになっていませんよ。
稲さんがピカピカに磨いてくれているんですから。
どうすればいいんです。
峠の仙人は高原で苗葉ばかり食べていて、
頼りにならないんです。
でも釈迦、あなたなら瀬戸物に関しては
そこいらの魔法使いよりずっと詳しいって
みんなが言うもんですから
あなたを頼りにしてきたんです。
お願いします。
魔法の力
私の息子を助けることのできるのは
あなただけなんです。
女の人は椅子の腕に顔をうずめて泣いていた。
釈迦は困ったような難しい顔をしていたが
分かりました。
なんとか一生懸命やってみましょう。
あなたは帰って、少し眠った方がいいようだ。
リナさん、この人を象のところまで
連れて行ってあげてください。
と決心したように言った。
リナは自分より大きな女の人を抱きかえるようにして
外へ出た。
大丈夫かしら。
私、息子の顔を見るまでは眠ることなんてできないわ。
もし5時までに元の姿に戻ることができなかったら。
女の人は涙をにじませて店の方へ頭をめぐらした。
心配いりませんわ。釈迦は頼りになる人だもの。
そうですね。これが釈迦のところで不幸中の幸いでした。
ご親切に。
ありがとう。
明日は隣の国の大臣がいらっしゃるので
夕方にしか来ることができないんです。
と女の人は肩を落としていた。
雨の中を象に乗ってともともと帰る女の人の後ろ姿を見て
リナは何とかしてあげたいと思った。
店へ戻ると釈迦は黒い大きな分厚い本から
紙に何か書き写していた。
あの本どこかで見たことがあるとリナは思った。
何の本だったかしら。
確か呪文なんとかだったはずだ。
あの方どういう方なんですか。
ある国の妃ですよ。
いつもは落ち着いた人なんですが
今日はだいぶ取り乱していましたね。
さあだいたいこれでいいでしょう。
リナさん私の言うものを揃えてください。
と釈迦は紙を読み上げた。
ろうそく3本。
戸棚の引き出しです。
黒い布。
これは私の膝掛けを使いましょう。
あとは粉。
その机の上に小さな瓶が並んでいるでしょう。
黒と紫の粉の入ったものを持ってきてください。
リナはゴマネズミのように飛び回って
それらの白物、品物をテーブルの上に用意した。
最後は人間が一人。
と言うと釈迦は困ったように部屋中を見ました。
どうしよう。
こんなことを頼める人間がいるはずないじゃない。
いるはずないじゃないか。
他の方法で間に合わせなくっちゃ。
釈迦はまた黒い本を開いた。
私じゃだめ。
リナが言った。
ああと釈迦は大声をあげてリナを見た。
そうでした。
リナさんがいたんでした。
あなたは僕たちと同じだと思っていました。
魔法使いの子孫だと?
ええ。
釈迦はにっこりして言った。
どうすればいいの?とリナは張り切った。
私の店には2種類の瀬戸物があります。
1つはさっきのキサキの話のように
仙人や魔法使いの力で人間が壺や皿の瀬戸物に変えられてしまったものです。
もう1つはそうだな。
リナさんは店にあるひまわりの模様のミルク入れを知ってますね。
あれが人間だとしたらどんなふうな人だと思いますか?
リナはしばらくそのミルク入れを頭に描いていたが
健康そうに日に焼けて黄色いスカートを履いた
乳搾りの女の子と言った。
釈迦は嬉しそうにうなずくと
ぴったりですよ。
リナさん、あのミルク入れはそんなふうな女の子になるんですよと言った。
え、瀬戸物が人間になっちゃうの?
そうですよ。その瀬戸物が古いもので愛情込めて使われてきた場合
その瀬戸物の感じがそのまま人間になるんですよ。
もっともそれには魔法の粉が1つまみいるんですけどね。
とにかく私の店にはそんなふうな2通りの瀬戸物が置いてあるんですよ。
リナさん、店へ行って話しかけたら返事が返ってきそうだなと思うものを3つだけ選んできてください。
ちょっと粉が足りないみたいだ。材料は一茶に頼めばなんとかなるんですが、1ヶ月とろ火で煮詰めなきゃいけない。
こればっかりはさすがの発明家でも歯が立たないみたいだから。
リナは大変なことになったと思った。
3つ選んだうちに問題の壺か皿だかがなかったらどうしたらいいんだろう。
漆箇とリナの魔法の実験
私にかかってるんだ。おきさき様が喜ぶのも悲しむのも私にはとても怖くてできそうもないと。
リナは漆箇を見た。漆箇はリナさんがいてくれて助かったと言いながら黒と紫の粉を混ぜ合わせている。
今さらとても言い出せなかった。
やってみるより他はなさそうだ。
たるんできた紙を2つに分けて持つとギュッと引っ張った。
こうすると気持ちもなんとなくピシッとなる。
リナは店の中を見回した。
どれも話しかければ答えるような気がしてくるが、
何度見ても真っ白い首の長い水差しと猫の絵についた皿と茶色のザラザラした下地に緑色の上薬が口のところから垂れている壺の3つが気になる。
リナはその3つをテーブルの上に注意して運ぶと漆箇は西側の壁にかかっているロウソク盾に3本のロウソクを灯した。
そしてリナにさっき混ぜ合わせた粉を渡して瀬戸物の1つ1つに振りかけるように言った。
それから自分は膝掛けを持つとロウソクの前に立った。
リナはまず水差しに粉を振りかけた。
パッと紫色の炎が立ってだんだん人の形を作っていく。
漆箇は、「あ、これは紫だ。水差しが人間の性格を作っているんだ。」と残念そうに言った。
炎は消えて人の形になっていった。
うっすらと青みがかった衣をまとった。
真っ白い肌で長い髪の女の人がずーんと澄まして漆箇とリナを見ていた。
漆箇はしばらく見とれていたが短くなった1本のロウソクがじりじりと音を立て始めたのであわてて膝掛けで火を消した。
次にリナはさらに粉を振りかけた。
パッと黒い煙が立った。
漆箇は、「今度は黒だ。」と緊張した声で言った。
黒い煙は人間の形にしてはやけに横に平べったかった。
リナと漆箇は息を呑んで見つめていた。
それが形をはっきり示すと2人ともあーっと驚きの声をあげた。
現れ出たのはなんと大きなトラだった。
ガオーと一声吠えるようなら頼もしいのだがそのトラは大きながら大きな体をちんまりと縮めて恥ずかしそうに舌を向いて座っていた。
お前もしかしてタマって生じゃないのか。
漆箇が尋ねるとそのトラはこくりとした。
こんなところに来ていたのか。
リナさん怖がらなくてもいいですよ。
このタマはあんまりおとなしくて恥ずかしい狩り屋でサーカスを追い出されてしまったというトラなんだから。
はっはー。
皿に変えられていたのか。
これも峠の仙人の仕業だな。
タマは首を横に振った。
サーカスの魔術師か。
タマは情けなさそうにうなずいた。
タマここにいて私と一緒に生活してみないかと漆箇が言うとタマは元気よく首を振って長いしっぽをパタパタさせた。
かわいそうにな。
おとなしいトラがいたって不思議はないんだ。
自分たちの都合で動物に押しつけても仕方ない。
リナさん後でタマに何か食べさせてやってください。
太いトラの首を抱いて頭を撫でながら漆箇は行った。
そして二本目のロウソクを吹き消した。
これでこの章が一応終わりました。
タマとの出会い
最初に読んだ時よりちょっとね間が空いてるんでねちょっと記憶が曖昧だったので
読む時に詰まったり
ちょっと集中できたようでできてなかったというところなんですよね。
読む体制としては一応台本を持って本当はiPhoneにしゃべりかければそんなに
ミスったり噛んだり読み間違えたりすることはないんじゃないかなと思うんですけど
要はですね片手で本を持ちですね
片手でめくりながらですね
マイクを片手で持ってますので
非常に読みづらく
一歩先を読もうとするっていう作業がちょっとなかなかやりにくかったんですよね。
それがちょっと今回一回目よりはちょっと間違いも多かったし噛んじゃったし
ちょっと読みにくかったなーっていうのがありますので
本当はですねこのピンマイクを
口よりもちょっと下のところにつければですね
うまく声を拾ってくれるはずなんですけども
なんせピンマイクを使い始めて2回目くらいなのでですね
またまた使い方がわかってないんですよね。
だからこうやって何も見なくてしゃべるには全然いいんですが
台本をいざ読む手にとって読もうとした時に
片手で読むというのはなかなかちょっと大変なんでですね
そういうところが困って
どうしてもちょっといい姿勢で読めなかったというのもありますね。
なので読む段落を追いながら次のところを見たりとかね
そういうのができなかったんでですね
ちょっとそこら辺が噛み噛みになっているというところで
あとまだ8段落あるんでですね
ちょっと残り6段落をうまく読めるようにしてみたいと思います。
では今日はこれで一旦終わりたいと思います。
では次の収録もたぶん朗読になると思いますがね
これでお会いしたいと思います。
では今日はこれでおやすみなさい。