ポッドキャストの紹介とゲストの紹介
tsukanomaです。この番組は、声の発信を文化にすることで、組織や社会の見えない壁を越えていくポッドキャストです。
声にまつわる研究と実践をもとに、声の力でつながる未来を、あなたと一緒に探究していきます。
今回はゲスト会です。話し合うテーマは、ディスタンス、距離についてです。
この世の中に存在する人や物との距離について、普段とは違うレンズを通して話していきたいと思います。
ゲストといいますか、私と同じ研究所の研究員をしている中村くんです。
中村 よろしくお願いします。同僚の中村です。
そして2人目、ポッドキャスト番組レクリエーションポートをやられています小宮美奈子さんです。
小宮 美奈子です。今日はお二人ともようこそお越しくださいました。ありがとうございます。
すごいですね、このギャラリーの中でマイクを持つっていう。
しかも大体こういうのって展示の1日だけトークショーやりますとかね。
公開収録みたいな感じの。
公開もされてなければ、誰もオーディエンスもいない。ただただ3人がこの場でマイクを。すごい光景ですね。
今日は写真家でもある小宮さんが、南青山にあるギャラリー晴れさんというところで個展ですかね。
小宮さんの個展をやられていて、ギャラリーの中で3人でマイクを持って、
ポッドキャストの収録をさせていただいているっていう、結構贅沢な感じで。
四方を写真に囲まれて。
ちょっと怖いですね、そう考えると。人の顔があまりないだけいいかもしれない。
どうなんでしょう、私もこれ初めてですけど、多分反響、今話しててもだいぶ響いてるけど、この空気が入ってるというですね、マイクにはね。
今日は本当にこの雰囲気と、あと目の前になんかシャンパンですか。
そうですね。さっきね、誰かが開けそうになって。
まだ大丈夫ですか。一応ね、開ける前の、ちゃんとコルクが閉まってますね。
ちょっとオーナーさんがね、ご好意でこれいただきましたので、今日しかないでしょ、開ける日はと思いまして。
ありがとうございます。
じゃあ僭越ながら。
中村さんに。
そこでマイク。
そうだね、マイク持ちながら開ける。
このね、緊張しますよね。聞こえるかな。
おお、いい音。
上手。
そして、すいません、継がせるという。
ありがとうございます。
こっちの音は取らなくて大丈夫ですか。
そうですね、レクリはここで武藤さんは泡の音を取りたがるという。
そうね。
はい。
はい。
継ぎました。
ありがとうございます。じゃあ乾杯しましょうか。
乾杯しましょう。乾杯。お疲れ様です。
お疲れ様です。おめでとうございます。
ありがとうございます。
うん、おいしい。
うん、おいしい。
飲みやすい。
いや、おいしい。
そうですね、シャンパンを飲みながら、今回のこの小宮さんが展示している写真展。
距離の中で息を潜める。インサイド・ザ・ディスタンスということで。
僕、その小宮さん、写真家であって、いろいろちょっとイベントで写真撮ってもらったりとかっていうね、こともあったんですけど。
そんなこともありましたね。
そんなにね、その小宮さんの写真家としての活動を触る程度しか知ってないし、まだ本当に今日初めて。
その写真家の小宮さんの話を聞きたいなと思って、この個展の中でちょっとご紹介いただきたいなと思ってます。
はい、ありがとうございます。タイトル、距離の中で息を潜める。
これ、2つあるんですけれども、そもそもこのタイトルの思いついたきっかけっていうのが、最近の私の考え方とか、人との関わり方みたいなところからまず来ておりまして、
レクリ聞いてる方はご存知かもしれないですけれど、私もともとその本業がソーシャルワーカーなんですね。
社会福祉士なんですけれども、それの傍らで写真を撮っていて、
ワーカーさんって、ちょっとわからない方も多いかと思うんですけど、要は対人援助、福祉の現場の介護とかではなくて、
相談支援をする側、いろんな課題がある人のご支援をするっていうところで、結構濃密に人と関わることが多いんですよね。
当然困ってない人を助けることではないので、何かしら、しかも他の立場の人が手を差し伸べられないような状況にあるところを専門職でもって介入するっていう立場なので、
非常にその人の恥ずかしいところだったり、すごく根っこの部分を垣間見ることが多いっていうので、
すごくそういう意味では、人と近い仕事を普段していたっていうのが前提としてあるんですね。
最近はその現場はもうやっていなくて、そういう仕事をしている人たちの相談に乗る側、アドバイスをする側っていうのを今仕事をやりながら、
レクリだったり写真を撮っている。そうすると結構この仕事をやっていると人が好きなんですねとか言われるんですけど、私自身は実は人が苦手で、
苦手というとちょっと難しいんですけれども、割と近い距離感になってくると苦手になってくるんですよね。
仲良くされると逆に引っ込んじゃうとか、程よい距離感っていうのが自分なりにあって、それを結構保とうとしているっていう性格で、
最近その気づいたのが、自分と相手っていうここの距離感はなんとなく今までも意識してきたんだけど、
自分の心とか目線がどこにあるだろうって思った時に、自分の中じゃなくて自分の外にあるなっていうのが最近思うようになった。
要は自分と相手の距離の間に自分が立っていて、両者を見ている。立っている自分がマネキンじゃないですけど、あくまでその人が見ている私であって、
私自身ではないみたいな虚像みたいな感じですけど、そんな感じで感覚を覚えることがあって。
そんな最近の私の思いとかをコンセプトにしようかなって思った時に、写真に置き換えて考えてみると、
割と平面で撮ろうとすることが多いんですよ。デザイン的じゃないですけど。ここに今ありますけど。
割とデザインチックじゃないですか。風景でありながら。
でも平面に撮らなきゃ撮らなきゃと思っても、結局影はあるし、奥行きはあるし、そこの中にも距離があるよねっていうところだったり、
あとはそっちの右側の一番最後の一枚ですけど、ポールと影っていうのを撮った時に、わざと後ろに人が何人か歩いているのが見えるんですけれど、
写真を見返してデータを見ている中で、そういう人の営みが見えたりとか、その中に人の気配があるなとか、
そうやって写真も自分は意識してなかったけど、その奥にぼんやりと見えるものがあるっていう、自分が撮った写真への気づきみたいなところで、
このタイトルを決めて撮りましたではなくて、ここ5年分ぐらいの私の写真を振り返った時に、そういうものが自分自身見えてきたよねって、
それに合わせて、ここに今26点が全部であるんですけど、ある写真の中でその距離に関して思いがある、見て感じる、自分自身が感じるものをセレクトして並べたっていうところです。
距離感と人間関係の考察
よく話すのが下手だと言われるんですけど、説明が難しいですね。
めちゃくちゃ話し上手ですけど。
本当ですか。そうなんですよ。いろんな距離があるなと思います。
今、人の人間関係の話をしたけど、実際ここに人ってあんまり写ってなくて、写ってたとしてもすごい遠い人の写真しかないんですよね。
だから、この中でいう距離っていうと割と真ん中にある物体、無機質なものだったり、植物、有機物だったりとか、
必ずしも人じゃなくて、レンズ越しの何かあるもの、もしくは写ってるもの同士の距離もあるかもしれないとか。
そこは人それぞれなので、このタイトルを見て、作品を見た人がそれぞれに自分の経験も踏まえて考えてくれたらいいなという。
これパッと見た時に、距離って言った時に、いわゆるミクロ的な話なのか、あそこだとお花のつぼみに結構フォーカス当てて、
被写界震度が浅めのピント。
すごい、カメラが好きな人の説明ですね。
みたいなやつと、あとは平面的っておっしゃってた、駅を俯瞰して撮っているみたいなマクロ的な部分っていうので、
ピントを合わせるポイントみたいなのが結構距離として現れているのかなって思ったんですけど。
そうですよね。基本的にはあんまりぼやっとした写真というよりは割と焦点距離、なるべくいろんなところにピンが合うように撮りますけど、
それでも近いものは結構ドアップで撮ったりしますし。
気化学的な無機質なところから有機的なものまで幅広くあるなっていうのはパッと見ちょっと思いましたね。
ありがとうございます。どっちも好きなんですよね。生きているものも好きだし。
さっき人が苦手っていうところもあって、ここの写真がそんなに人が写っていなかったりするのは意識的に普段からあんまり人を撮るってことはそんなにないってことですか?
実は総数で見たら人撮ることが多いんですけど、今回入れなかったのはやっぱり自分自身は人との距離感付き合い方が苦手と思っているので、
あえて使わずに揃えてみたっていうのもありますし、ここ最近コロナ以降ですけど、人と会うことに疲れてきてしまったみたいなのもあって、
最近では撮らなくなってきているかもしれないです。撮らないわけではないんですけど。難しいですよね。
被写体も、モデルとか撮る側からすると、これも人によりますけど、そこのお花を撮るっていうのと人を撮るってそんなに私感覚は変わらないつもりなんですよ。
有機物だけど、あくまで物を撮っているイメージでいつも人を写真に収めるので、とはいえ人を撮るってことはコミュニケーションが発生するので、
結構そこに疲れちゃったなとかありましたね。
人撮るのは難しいですよ。
撮りますか?人。
友達とかに頼まれて撮ったりはするんですけど、ポートレート、家族で出かけた時とか、どの距離で撮っていいんだみたいな。
その写ってる人の友達として撮る距離感と、それを俯瞰して家族の場をシーンとして切り取る距離感みたいなところがあって、そこのコミュニケーションの撮り方とか。
そうなんですよね。疲れてきちゃうのもまさにそれ。最初はいいんですよね。まだ他人だ。完全なる他人の位置は良くて。
でもこの人素敵、もっと撮りたいって思い出すと、今度どんどん距離が近くなるじゃないですか。心理的な。
そうすると向こうとの距離が近づいちゃうと、今度プライベートフォトになっていっちゃうんですよね。それが嫌なんだよなって思う。
そうなんですよね。
引きたいのに引けないっていう場面が、いろんな方撮る中で出てきてしまって。
仕事と一緒ですよね。支援者としてその人に関わる。私は仕事として関わってるけど、
孤独な場面にある人にとっては、私は唯一の話し相手だったりすると、どう考えてもこっちの求める距離感は保てないっていう。
距離感の考察
そういうのも人付き合いの難しさ、職場とかもあると思うんですよ。
いろんな距離感が。本当に言ったらきりがない距離感という言葉がありますよね。
人間同士の距離感っていうのがやっぱりね、こういう話も盛り上がっちゃいますよ。
このタイミングでこういう展示をしようと思ったきっかけというか、あるんですか?
きっかけは5円でしかなくて、ここのギャラリーハレさんが9月にリニューアルオープンしたばっかり。
ビル自体が。
綺麗ですもんね。
ピカピカでしょ。そうなんですよ。
オープンしたばっかりで予定がまだね、作家さんもこれからだと思うんですけど、
空いてるところに誰かということで、ギャラリーハレさんとお付き合いのある東星社さんって、
中野の老舗のギャラリーを持っている出版社さんなんですけれども、
そこが紹介という形で、お誘いというかお声掛けいただいて、
それでやらせてもらえることになりました。
やる場所が与えられたときに、自分が何を展示しようかって見返したときに、
距離っていうテーマ、キーワードが浮かび上がったっていう。
そうですね。もともと前の作品、メルトっていう作品があって、
これの続編をずっと取り溜めてはいたんですよ。
マイクも片手ですけど、一応これの延長線ではあって、
だから前と同じタイトルにしようと最初は思ってたんですよね。
多分ダサいからやらないけど、メルト2みたいな気持ちとしては、
それはないと思うんですけど、そんな感じで考えていて。
でもなんならこれをもう再構成しようと思う。
それは武藤さんの背中ですね、ちなみに。
これ武藤さんですか?って言おうと思ったら武藤さんなんですよ。
さっき言っちゃった。よく分かり、その髪型は大正解、武藤さんです。
って思ってて、ここが最初でいろいろ組み直そうとやっているうちに、
ちょっとこの2年前なんですけど、同じ写真があえて入ってたりして、
この時は多分自分が傍観者だっていうようなステートメントを書いていて、
そこに溶け込めない自分みたいな不謹慎なことを考えて、
人ごとのように周りを見ているみたいな、
その距離をむしろ引く方をずっと交尺たれているような感じだったんですけど、
これ組み直そうと思ったらだいぶ自分の考えが変わっているなって。
遠ざかる云々以前に、そもそも私そこにいなくて、
違うとこから私が見ているかもしれないな、みたいなのを考えているうちに、
このタイトルが出てきた。
距離にメルト2ではなく。
メルト2はやめて、だいぶいいタイトルになったかな。
距離っていう言葉もそうです。息を潜めるって、
まさに自分が最近、仕事もそうですけど、
ご隠居したいみたいなところがあって、隠れていたいみたいな、
本当に身を潜めたいという気持ちがあって、
そこに自分を模型のように置いて、
その距離の中で自分はこっそり隠れているみたいな、
そんなところから息を潜めるという言葉も出てきて、
それが私の足ですね。
この足いいですよね。この写真一番好きだなって思って。
嬉しい。ありがとうございます。
全体的に、さっきの息を潜めるとか、浮世離れ的な、
ちょっと彩度低めというか、今回と色味違うんだなって。
そうですね。こっち、メルトの時の、コロナの明けだったっていうのもあって、
ちょっと気持ちが暗かったのもあるし、
ちょっとシャニ構えてたりとか、
まだ尖ってたっていうんですかね。
人が嫌いなのは多分変わってないんだけど、
今回の作品はもうちょっと、
人は嫌いだけど一応調和は保ちたいなじゃないけど、
温かみを感じますよね。
そんな感じを、多分、本当にここ2年の私の気持ちの変化みたいなのはあるかもしれない。
コーナーの紹介
今日はですね、コーナーをちょっとこれからやりたいなと思ってるんですけど、
裏にね、ペリペリ貼られた線が何も書かれてないと思われるんですよね。
コーナー名もね、考えてこようと思ったんですけど、
ちょっと良いコーナー名が浮かばなかったんで、特にコーナー名。
タイトルを決めるのね、大変ですよね。
ワールド・イン・ザ・ワーズみたいな。
あってます?
ワールド・イン・ザ・ワーズ。
ワールド・イン・ザ・ワーズ。
レクリのね、辞書を引くコーナーですね。
辞書を引いて。
辞書を引くんですか?
50音のカードを引くんですよ。
その引いたカードで相手が辞書を好きな言葉を、その50音の。
で引いて、さあ意味を言ってごらんっていうコーナー。
面白い。
度胸試しのようなコーナーなんですけど。
そのうちぜひ一緒にやりましょう。
あれ、この前もどきとか話しました?
そう、もどき。前回はもどき。
何々もどきのもどきですか?
それを説明せよという。
いや、難しい。
難しいでしょ。
辞書に何て書かれてるかを。
改めて言われると難しいですね。
そう、そういう分かるけど分かんないみたいな。
お勉強コーナーを一応設けてる。
子供とやろう。
いいと思います、いいと思います。
ただね、勉強せよじゃなくて、あてっこするっていう。
意外にね、出題する方も勉強になるんで。
そうですよね。
その場で一緒に見るから。
前ね、レクリで学校教育に取り入れたいっていうのをやってたんで。
ぜひ第一人者になってくださいね。
神楽さん宅で。
ちょっと子さんを名乗らせてください。
ぜひ。
はい、というわけでコーナーなんですけど、
今回距離、ディスタンスっていうことで、
それぞれまるまるの距離っていうテーマを書いた紙があって、
そこからですね、サイコロを振って出たテーマで話をしていきたいなと思ってます。
じゃあちょっとサイコロ振ります。
はい。
あれ、反応が。
ちょっと待って。
あ、振れた。
5ですね。
1、2、3、4、5。
あれ、これですかね。
これ誰ですか?
はい。
いやー、僕だ。
記憶との距離。
記憶との距離ですね。
僕、写真撮ってる意味というか、何のために撮ってるかって今回考えたんですけど。
はい。