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2023-08-18 19:25

第1回「虹の断片」

近代競馬の黎明期を支えた三人のホースマンを描いた競馬歴史小説。

素晴らしき一冊。【小説】虹の断片について


BGM : MusMus

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みなさん、こんにちは。競馬研文録へようこそ。ダルマー競馬場です。
この番組では、競馬にまつわる様々な小説、エッセイ、詩を紹介して、競馬に関する知識を深めるだけでなく、文学への視野も広げていこうという番組です。
はい、競馬研文録、第1回目の放送をさせていただくんですけども、
簡単に自己紹介をさせていただこうと思います。 改めまして、ダルマー競馬場と申します。
あのー、初めて、
競馬と関わったのが、
まあ、よくあるダービースタ始まりの
競馬との関わりでしたね。
幼馴染がダービースタリオンやってて、 すごい面白いなぁ、競馬って面白いなぁと思って、あの実際の競馬を見始めたのが始まりだした。
で、一番最初に実際レース見に行ったのが、
97年の有馬記念ですね。グラスワンダー買った時なんですけども、 この時に初めて競馬場に競馬を見に行って、
観客の人の熱気と、あの馬の走る音に発動されて、もうそこからはもう
ズドンとハマっていった感じですね。
やっぱり結構、
なんていうんですかね、そこから競馬、馬券を買って儲けて楽しいっていうよりかは、
もうすごい見て楽しい、その裏にある
ドラマを見て感動したりとか、そういったハマり方をしていったので、 もちろん馬券は買ったことあるんですけど、
どちらかというと見る専門な感じでしたね、ずっと。 なので結構、
馬券下手くそっすね。 うまい人はすごい羨ましいんですけど、馬券下手くそなんですけど、
競馬を見始めてからすぐですね、もう本を、競馬にまつわる本を読み始めて、
当時はまだインターネットとか普及しなかったので、 その今走っている馬のお父さんとかお母さんの、言ってしまえば名品と言われる馬であっても、
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その、なんで名品とか名馬と呼ばれるのかっていうのを知らないわけですよね。
それを調べるために本屋さんに行って、 当時よくあったその名馬の物語ですか、名馬物語っていうような本を、
まあいろんなところの本を読んだりとかしていくうちに、競馬は本で学ぶものみたいな感じになっていって、
競馬の本を当時からすごい読み漁ってるみたいな感じの生活を送っていましたね。 なんでもう競馬は見たり読んだりするもんみたいな感じですね。
結構もういろんな方と会って、僕競馬好きなんですよって言うと、 だいたい勝ってるの?とか、儲けてるの?負けてないの?みたいな感じですごい言われることがあるんですけど、
そういうのは全くなくて、まああんまりやっぱ馬券うまくないんで負けはするんですけど、 まあ勝ち負けじゃないというか、そういったところで競馬にハマっていきましたね。
結構競馬って、ギャンブルのイメージが強いと思うんですけども、 その背景にある馬のドラマであったりとか、馬と人の絆であったりとか、
あとはその馬にまつわる人のドラマっていうのも結構いっぱいあったりするので、 まあそういったところをあの皆さんにお伝えしていって、
こういういいところがあるんだよっていうのをみんなで知っていけたらなというふうに思いますね。 なんで今後ともぜひよろしくお願いいたします。
それでは本の紹介に移りたいと思います。 第1回目の紹介作品はこちらです。
島田明弘著 虹のかけら
はい、もう第1回にふさわしい冊ですね。
近代競馬の霊名記を支えた3人のホースマン、騎手の方なんですけども、 その方々を描いた歴史小説になります。
実際、実在された方々のお話をもとに歴史小説になるので、 事実としてある部分だけではないんですけども、
こういうのがあったんだよというような形を想像できるような一冊となっております。
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本は結構、448ページと若干ページ数は多めですかね。
多めなんですけども、時代背景のことも詳しく書かれているんで、 当時こういう感じだったんだねっていうのを想像しやすくなっているので、
448ページあるんですけども、そんなに長くは感じないですね。
もうお話としては、時代としては昭和初期がメインになってきますので、 第二次世界大戦前になってきます。
なので、当時のことを知っている人とかがやっぱ少ないんですよね。 競馬関係者の中でも当時からいらっしゃる方っていうのはもうほとんどいらっしゃらないので、
そんな中、これだけのボリューム感で書いている本っていうのは、おそらく他にないんじゃないかなというふうに思っています。
この3人の機種の方々が、どうやって現代にその意思を繋いでいったかというようなお話がメインになってくるんですけども、
この3人の方っていうのが、競馬の歴史、機種の歴史ですかね、をたどっていくと必ず行き当たる3人、お3方というふうになっております。
その3人っていうのが、まず1人目、斉藤隅さんという方ですね。 ご存知の方も多いかと思うんですけども、世界で初めて機種免許を獲得した女性でございます。
この方が、当時競馬業界っていうのは、今とは違って結構男社会だったんですね。
その中に女性として入り込んでいくんですけども、当時はやっぱり女性の方がいらっしゃるとなると、
結構、男の中に入ってくるなよ、みたいな感じの思想が強くて、それがあったんですけども、どうしても馬乗りの仕事がしたい、機種の仕事がしたいというので、
男装ですね、男の格好をしてまでも
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競馬サークル内に入っていくという努力をなさった方でございます。 この方がいらっしゃったからこそ、今日の女性ジョッキーっていうのは多く存在してるんじゃないかなというふうに思う
お一方でございます。で、2人目。
2人目の方ですね。こちらの方も、日本競馬史にも散々と輝くスーパーレジェンドですね。
第1回日本ダービーの優勝ジョッキーでもあります。 函館孫作さんですね。
この人もですね、すごいんですよ。 函館孫作さん。
孫作さんなんと、師匠がいまして、その師匠の方がですね、日本の馬産の父と呼ばれる
函館大慶さん。 この方がいなかったら、今日の日本競馬、
馬産ですよね、はもうなかったんではないかと言われるぐらいのお人でございまして、非常に馬に乗るのが
上手かったという伝説が残っております。 一番代表的なのが、展覧競馬。
明治の終わりに展覧競馬があったみたいで、その明治天皇が見ている前で 外国人ジョッキーを
まかして、 あの人誰?っていうような感じで、もう明治天皇がなったそうなんですね。
お月の方が、彼は函館出身のものです。 っていうような話をされたところを、そうかそうか、じゃあお前
明日から函館っていう名前名乗れ、 言われるぐらい酷く感激されて、そのまんま函館という姓を受け継いだ方でございます。
で、孫作さんはこの大慶さんの
お弟子さんなんですけども、息子さんですよね。 息子さんに養子として入って函館の姓を受け継いでいくわけなんですけども、
この函館の一門、
今日の競馬界で最大のホースマンの競馬になります。
今もそうなんですけど、聴教師の方に新人機種がついて、指定関係が生まれるという
構図になっているんですけど、これを代々、代々、代々、たどっていくと、 ほとんどの人が函館大慶さんに
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たどり着きます。そのぐらいすごい方です。
で、この第1回に出場している機種たちがまたすごくて、
2着になった大方慶三さんなんですけども、後の大方陶吉さん。
ご存知の方もいるかもしれないんですが、大方と呼ばれるほどの日本競馬の騎士と呼ばれる、
この方が2着となっております。この方のお弟子さんで、元祖天才と呼ばれる前田聴吉さん。
こちらの方が3人目の主人公として登場するわけなんですけども、
2021年に日本ダービーに、Fオリアが出た時に起場していた横山武史ジョッキーが、
これ勝つと戦後最年少のダービージョッキーだっていうので、ちょっと盛り上がったことがあるんですけども、この時に前田聴吉さんの
名前が結構取り上げられていたんですけども、この時の横山ジョッキーの年齢が22歳と5ヶ月。
ちなみに前田聴吉さんが日本ダービーを勝った時の年齢が20歳と3ヶ月ですね。
今だいたい最年少でデビューしたとして、17歳とか18歳なので、
わずかその2年後に日本ダービーに勝てる馬に乗っちゃうっていう、まさかの。
今ではちょっと難しい、この記録を超えるのはかなり難しいと思いますね。
ちょうど今年で日本ダービー90回でしたけども、80年前に記録されたこの記録が未だに破られていないと、それほど難しいことですね。
この日本競馬界の父と呼ばれた師匠がですね、結構この方も
優秀な騎手を育てていまして、
往年の競馬ファンの方だったら名前は聞いたことあるかもしれないんですけども、安田孝吉さんですね。
日本で初めてモンキー乗りという、今の騎乗スタイルですね。
前かがみになって、空気抵抗を少なくするような乗り方。それを日本に持って帰って広めた人ですね。
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この方と後野平雄二さん、ミスター競馬と言われる野平雄二さんもこの方のお弟子さんで、
そのお二方と前田孝吉さんは肩を並べるほどの実力があったというふうに言われております。
しかし残念ながら前田孝吉さん、この日本ダービーを勝った翌年にですね、戦争、第二次世界大戦に徴兵されてしまいまして、シベリアの方に
行っております。シベリアで戦争終戦を迎えるわけなんですけども、そこで
捕虜となってしまって、日本に帰国されることなく、交流中に病気で
亡くなってしまったという方なんですけども、
この3人が、まあ本当うまいこと絡み合うんですよね。やっぱ時代が時代なんで、
必ずやりとりがあったかどうかっていうのは定かではないんですけども、この小説を見る限りでは
いやもう絶対このやりとりあったよねって言わざるを得ないというか、もう言いたいぐらいの
物語がここにはあるんですね。 その物語を
ぜひ競馬ファンならずとも
いろんな方に読んでいただきたい。 競馬って
競争場、馬が メインで走るので、馬に関するドラマっていうのはやっぱり結構あるんですけども
それに、その馬にまつわる また人間っていうのも何十人何百人何万人といて、その人たち一人一人に
ドラマっていうのは存在するので、こういう人間ドラマっていうのも競馬にはついてくるもんだと
いうふうに感じていただければと。この人間ドラマがまたあの切なくも儚かったり感動するんですよ本当に。
このタイトルにある通り虹のかけら、もう本当にね 虹がかかりましたね、僕流した涙で。
キラキラー言って、サーンとあれ虹だなぁ、みたいな感じで、結構
朝、読み終わったんですけど、朝一もうボロボロに泣いてましたね。
そのぐらい感動しました。
本当に 競馬ファンだけじゃなくて、いろんな方に手に取っていただきたいですし、この一冊読めば
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競馬への知識っていうのもついていきますし
本当競馬ファンだったら、こういう文学があるんだよっていうものを教えてもらえる一冊と なっておりますので
これを機会にぜひお手に取ってみてください。 とまぁこういう感じでお話しさせていただいたんですけども
こうやって競馬を知っている人たちはさらに競馬への知識が深まり、またそれを知ることによって
文学も知ることができるということはもう非常に良いことじゃないかなというふうに思いますので
今後もこういった発信をしていければなというふうに思っておりますので
よろしくお願いいたします。 それでは次回の競馬見聞録でお会いしましょう
さようなら
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