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2022-12-17 08:28

第621回 映画「空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版」

今回は午前十時の映画祭で上映中の「空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版」についてお話ししました。

色鮮やかに甦ったラドン。

福岡市襲撃のシーンも素晴らしい出来です。

是非、劇場でご覧ください。

【午前十時の映画祭12】

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00:13
みなさんこんにちは。大葉です。
今回は映画「空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版」
こちらについてお話してみたいと思います。
ちょうど1年前、午前10時の映画祭で、
モスラ4Kデジタルリマスター版が上映され、
その高画質、色の発色の良さ、
そして復元された冒頭の序曲、
こういったところが映画ファンとか特撮マニアには非常に評価されたんですが、
今回午前10時の映画祭では、
1956年公開、東宝特撮怪獣映画としては3作目にあたる
「空の大怪獣ラドン」が4Kデジタルリマスター版で見事によみがえって劇場公開されました。
東宝の特撮怪獣映画といえば、
1954年のゴジラ、
翌1955年にゴジラの逆襲、
そして1956年に空の大怪獣ラドンと、
そういった形で毎年続いていくんですが、
ゴジラとゴジラの逆襲はモノクロ映画なんですが、
このラドンからようやくというか初めてのカラー映画となりました。
ただですね、今から66年前のカラー映画なので、
当然今とはもう全く環境も技術も違うわけですね。
当たり前ですけれども、デジタルとか全く存在せずフィルム撮影です。
しかもカラー映画としてはかなり初期の段階のフィルム撮影ですので、
これは他の映画でも同じなんですけれども、
フィルムは年々経年劣化で色が褪せていく、
情報が劣化していくという大問題があります。
このラドンも根がきちんと保存されているんですが、
どうしても経年劣化で、
特に色の三原色のうち青色が退色してしまって、
その分黄色が濃くなって、
現在ソフトあるいは配信で見れるバージョンというのは、
全体的に黄色いフィルターをかけたような、
全体に交差がかかっているような、
そんな感じの絵柄になっているんですね。
今回この4Kデジタルリマスター版を作成するにあたって、
もちろんフィルムの傷とかね、
きれいに処理してノイズを除去するというのは当然なんですけれども、
運がいいというか奇跡的に残っていたのが、
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おそらく当時のスタッフが試行錯誤の上で残してあったと思うんですけれども、
このオリジナルフィルムを、
赤、青、緑の三原色それぞれに分けた形での、
三色分解フィルムというのが残ってたんですね。
赤、青、緑色のそれぞれの色情報を、
モノクロフィルムに転換させて、
それぞれ絵が1本分ずつ残している。
単純に言えばパッと見、
モノクロのラドンのネガが3種類残っていると。
モノクロだともともと色情報がないので、
経年結果で色が合わせるということがないわけですね。
これ実際のところ、細かい技術的なところを自分も詳しくないんですけれども、
モノクロのネガフィルムをポジフィルムに焼き付けるときに、
それぞれ青色の光、赤色の光、緑色の光を当てて、
3本のフィルムを作ってそれをさらに1本に合成すると、
撮影当時の色あせない綺麗な形での色彩のラドンが復活するというね。
今のデジタル処理であればかなり色の調整というのはできるんですけれども、
それでもオリジナルのフィルムに残っている以上のデータにはなかなか修正ができない。
ただし今回のラドンは、この3色分解フィルムが残っていたおかげで、
公開当時の色彩に合わせた綺麗なマスターを作ることができたということなんですね。
この辺り、ネットで検索していただくといろいろ情報が出ているので、
ぜひ見ていただきたいんですけれども、
まあそういった話をいろいろ聞いた上で、今日映画館に行って大スクリーンでラドンを見たんですが、
まあ本当にびっくりしましたね。
解像度云々もあるんですが、こんなに綺麗な色調のラドンというのを自分も生まれて初めて見ました。
もちろん1956年公開の映画なので、その時さすがに自分生まれてないんですけれども、
今までテレビ放映、配信ソフト、いろんなバージョンで見てきたラドンとは全く違う、
66年前の映画とは思えない色鮮やかな、もちろんド派手な銀々でキラキラという感じではないんですけれども、
自然な色調の映画という形でラドンが蘇ってくれたというのはね、本当にびっくりしましたし、
今回の修復に当たったスタッフの人は相当大変だったろうなということを改めて思いました。
この午前10時の映画祭の中では、いろんな作品を4Kデジタルリマスターで読み替えらせてまして、
つい先日自分も見まして、この番組でもお話ししました黒沢明監督作品の雲の巣状とかね、
他にもたくさんあるんですけれども、きれいによみがえった映画というのを大きなスクリーンで見ることができる、
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これに勝る幸せはないですし、何より大事な文化遺産ですから、
これは今できるだけのことをして修復して次の世代に残しておくというのがやっぱり義務じゃないかなというふうに、
一観客としては勝手に考えています。
特にこのラドンはですね、物語の冒頭が熊本県の阿蘇山、この近くの炭鉱から始まって、
ラドンが出現して自由に空を飛び回りますから、舞台が佐世保、
それから福岡、今の福岡市の中心部天神辺りにラドンが降り立って大騒ぎになると。
そしてまたラストが阿蘇山に戻っていくという。
特にですね、阿蘇山にいるラドンの巣を自衛隊とかがミサイルで攻撃していくんですけれども、
このラストシーンがね、非常に物悲しくて、
多分こんなに悲哀に満ちたラストを迎える怪獣映画というのは東宝特撮映画、
それに限らず全ての怪獣映画の中でも一番悲しい、
悲哀に満ちたシーンじゃないかと思いますね。
多分この映画を見ると、ラストシーンのラドンに皆さん感情移入をしてしまうんじゃないかというふうに思います。
まあ世間的にはね、アバターウェイオブウォーターで盛り上がっているんでしょうけれども、
もちろんそちらは見に行きますけれども、特撮オタクとしてはまず今回のラドンを見たいと思いまして、
結果十分満足することができました。
午前10時の映画祭は上映できる映画館が限定されておりますけれども、
もしお近くの映画館で上映されているということでありましたら、ぜひこのラドンですね。
いずれソフト化とか配信とかそういうので見ることもできるでしょうけれども、
まず劇場の大きなスクリーンで見ていただければと思います。
はい、そういったわけで今回は午前10時の映画祭で上映されました、
空の大怪獣ラドン4Kデジタルリマスター版、こちらについてお話しさせていただきました。
それではまた。
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