00:00
(♪)
むがーす
あったつもな
山のながで
沼のほどりに
ちいさなみせをいとなむ
夫婦があったつもな
嫁子の腹のながには
子供がいて
ある日
どうがらともなぐ
小神家がやってきて
嫁子の腹を指さして
言ったつもな
その腹の子は
不幸の子供だ
その子供を生んだら
お目立つも不幸になるし
子供も不幸になる
そう言って
いなくなったつもな
しばらくして
とつき十日から
三月暮れ早いころに
嫁子腹いらなくなって
仕方なくなって
こらすぐにも生まねばね
生まねば嫁子の体があぶね
病院にかつぎこまれたつもな
そして腹ばさいで
生まれた子供は
カッパだったつもな
両手両足に水かきがあって
目は真っ黒ぐにごってて
足もぐにゃりど曲がってて
カッパが生まれてしまった
そう言って
嫁子は
さめざめと泣いたつ
それでも
カッパは
育ててもらって
おっきくなって
人間の通う学校に
通うようになったつもな
その頃は
ミスター・チルドレンの
ブームだったつもな
クロスロード
イノセントワールド
CDの貸し借りから
03:00
カッパと仲良くなった
女子がいらず
その女子は
学校の給食放送で
カッパと2人で
いっぺん
ミスター・チルドレンの曲を
リクエストしたり
席替えの時に
カッパの隣の席に来て
無邪気に笑いながら
カッパ君の隣
通った
オラだし
一身同体だもんね
とか言って
カッパは
体操どにまにしたらつもな
演語の時間に
筆記体を習って
ノートの隅に
カッパが
筆記体で
ラブって書いだつもな
そしたら
それを見つけた
その女子が
カッパのノートの
ちょっと離れたところに
自分の名前を
書いだつもな
それを
先生に見つかって
赤丸をつけられて
パッとって
書かれたり
したつもな
ある年上げの
冬の日
その女子は
カッパに聞いてきたつもな
カッパ君チョコ好き?
チョコ食べられる?
好きだよ
大好きだよ
カッパは
そうこだいだず
じゃあ
バレンタインに
チョコレートあげるね
トリュフチョコ
手作りするね
そう
女子は言ったず
そう
女子は言ったず
それから一月暮れたって
女子と
その女子の友達が
バレンタインについて
あれこれと
しゃべってたときに
カッパは言ったずもな
オオラにもチョコレートくれるんだよね
って
06:00
言ったず
それから一月暮れたって
俺とくれるんだよね
その時に
その
仲良かった女子が
やっからよ
って言ったずもな
その時に
人間であれば
気づいたかもしれね
あこれめぐねーなって
でもカッパは
気づけねーかったずもな
テレ隠しだと思ったかも
知れねーな
そして
バレンタインで
チョコレートもらったずもな
トリュフチョコ
手作りかどうかは
もうじきわかんねーかったずもな
カッパは
しっかりと
三倍返ししたず
えこんなのもらえるの?
女子は
大騒喜んだそうだ
学年が上がって
クラスが変わって
離れ離れになったずもな
クラスが変わってすぐ
ミスターシルドレンの
新曲が出たずもな
その頃にちょうど
女子の誕生日があって
カッパはそれをプレゼントにしたず
そしてその一週間後に
すぎだって
こぐったと
だけども
女子からの返事は
そんなふうには見れね
彼氏としては見れね
カッパ君には
私よりもっと
ふさわしい人がいるはずだ
って言ったずもな
それからすぐに
その女子は
先輩と付き合った
やっただのやらねだの
いやそこまでは言ってね
キスはしただの
いろんなことを一遍に
カッパは聞いたぞ
カッパは
友達の家に行って
ことの点末を全部喋ったぞ
そしたらその友達は
09:04
よしテーブルトークやって
って言ったぞ
カッパは
ソードワールドのキャラクターシートに
シャコージレイオンマンに
ウゲるなって書いたぞ
そして女子には
にでもにつかね
ブサイクな顔を
書いて
女子の名前を
付けて
正義奔放な
女子の母
フエルフとして
冒険に出たんだぞ
そういう形で
人知れず
支援を晴らしたんだと
どんどはれ
カッパは
ソードワールドのキャラクターシートに
ウゲるなって書いたぞ
