1. 神田大介の経験
  2. リズムとバランス
2024-12-10 10:03

リズムとバランス

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入学から3ヶ月くらいは、学校でそうやってやってて、大してやらなかったですね。
その当時、腰を壊して腰痛、なんかね、気の毒にね、ヘルニアデスカになって。
そうなんですよ、ボートってね、すごい腰痛になるんですよね。
ボート部って言われても、ボートの体の動きを知ってる人自体がまず少ないと思いますけど。
ちなみに今ローイングって言うんですけど、あれね、本当に全身を使うんですよね。
公園のボートとかだと、手だけ動かしてるでしょ。
じゃなくて、座ってる部分が前後にスライドするんですよね。
何をするかっていうと、足がスライドするから、足を折り曲げられるじゃないですか。
その足で蹴るっていう力を船に伝えるっていうのが、ボートで一番大事なことなんですよ。
腕なんていうのは、それに付け加えるんじゃないですけれども、足を蹴る動作と一体になって効率よくボートを進める。
足で蹴る力の方が強いんですよね。
足って手より太いでしょ。だからね、筋力とかもあっちの方があるんですよね。
ベンチプレスよりもスクワットの方が、そりゃ人によるか。
とにかくですね、膝を折り曲げて、バネみたいなものですよね。
キュッと足を縮めて、そこから膝を伸ばして、その反動の蹴る力で持ってボートを前に進めるんですね。
その時に同時に膝を曲げるだけじゃなくて、腰も曲げるというか、だから上体を前に倒すんですね。
つま先の方に向かって倒して、それをグッと胸を反るような感じで開くという動作と、
膝を伸ばして足を蹴るという動作と、腕をこぐという動作とを一度に連動させてやるんですよ。
本当にね、あれやってる時は自分が機械になったような気持ちでやってましたけれども。
あれはね、スポーツというか労働なんですよね。
いつも言ってましたけど、部内でね。
あれは昔だったら奴隷がやってた労働なんですよ。
船というのは今エンジン積んでますけれども、昔はエンジンなんてもちろんなかったじゃないですか。
そうすると何やってたかというと、船にタイルに奴隷を積んでですね、その人たちにずっと貝を漕がせてたわけですよね。
で、後に反戦とかできて、そういうことも。
でもそれでもやっぱり動力として奴隷とかはいたとかいなかったとか言いますけどもね。
そういう話ですよ。
単純な動きではあるんですよね。ひたすらね。
ちなみに単純と言っても、オールを返すって言うんですけど、フェザーを返すって言うんですけどね。
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オールって漕ぐときには水をつかまなきゃいけないから、水面に対して垂直に入れますよね。
言ってくるとわかりますかね。水面って真っ平らに水平にあるわけですから、まさに水平線ですよね。
その水平な水に対して直角に近い角度で入れるんですよ、オールをね。
で、水をつかんでそれを漕ぐわけなんですけれども、上空にいるとき、水中にいるときには水面に対して垂直にしているのが最もエネルギー効率が高いですけれども、
水面ではそれ立てたままにしておくと空気抵抗がかかっちゃって動作が遅くなるんですよね。
無駄が出る。だから空中にあるときにはそのブレードって言いますけれども、オールの水を使う部分を水面に対して水平にするんですよ。
それが最も空気抵抗が少なくなるので。
それをフェザーを返すって言うんですけど、本当に物理の勉強みたいな感じはありますよ。
いかにして限られた筋力で早くボートを漕ぐのかっていうことですからね。
わりかし物理学で見ても単純な方の力の動き方だと思うんですよ。
複雑な動き方はしてない。
例えばハンドボールとかでジャンプしながらシュートするみたいなのって筋肉の使い方ってめっちゃ複雑だと思うんですけど、そうじゃないんですよね。
ずっと座ってますからね。動き方も一定なので、逆にあれなんですよ。
一定にしなきゃいけない。
そこでバランスを崩しちゃったりリズムを崩しちゃったりすると船の進みが遅くなるんですよね。
まさに機械のように一定のスピードで、それもピッチっていうのがあって、それに合わせてピッチ28とか32とかですね。
そういうふうに合わせてそれまで練習するんですよ。
1分間に何回漕ぐのかっていうような数字があるんですけど、それを目処にして速さとか変えるんですけどね。
結構複雑だな。レンジっていうのもあって、要は例えば逆風、向かい風ですね。
向かい風が吹いている場合と順風、追い風が吹いている場合では漕ぎ方って変わってきて、あと風が横から吹いている場合とかもありますよね。
船を安定させようと思ったら小刻みに早く漕いだほうがいいんですよ。
一方で追い風が吹いている場合とか、もう既に船にスピードが乗っている場合、試合の中盤とかはなるべく漕ぐ範囲を大きくして一気に水をかいたほうが、もちろん進みは早くなるんですよね。
みたいな、本当物理ですよね。僕の苦手なね。
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そういうことをやるっていう、そういうスポーツなもんですから、筋力と持久力がめちゃくちゃ大切なんですよ。
全部必要です。腕の筋肉、足の筋肉、それから背筋がすごい大事。
上体の動きだけで言うと、結構ハイクリーン&ジャークとかに似てるんですよね。
グイグイグイグイ引っ張る。だから脇のところの筋肉みたいな、なんていうか知らないですけど大事だし、もちろん腹筋も必要ですよね。
筋トレ大事で、ただ腰の動きっていうのでちょっと間違った漕ぎ方をしていると、腰をすごく悪くするんですよ。
実際なんかそれでね、障害が残ってしまうみたいなケースも中にはあるわけですよね。
最初1年生として入った僕らを指導してくれた先輩はカメラ先輩って言いましたけど、
この先輩はやっぱりちょっと腰をやってしまって、それで船を漕げないから我々の指導をしてくれるっていう、そんな感じでしたよね。
途中で辞めていきましたけどね。
ただ練習自体は何だろう、3時ぐらいに授業が終わって4時半ぐらいまでやるみたいな、そんな感じで大して中身になかったですね。
何だろうこの部活って思ってましたもんね。4時半だっけ?もっと早かったかも。
中に野崎っていう瀬戸に住んでる奴がいて、私の通ってる朝日和学校って瀬戸線、名鉄の沿線でもあってですね、大曽根駅っていうのがまあまあ近いんですけど、
大曽根から瀬戸とかって結構すぐなんですよね。
あいつテレビ見るからすごい練習が終わったら速攻帰ってましたもんね。
北東の県見るとか言ってたかな。今は見なくてもいいだろうと思いますけど。
野崎くんね。ソロのキャンパスっていう漫画が好きでね、体操の漫画。
なんか本当に体操やってたんだったかな。体操選手みたいな体つきしてて、全身、背はそんなに高くないんですけど、
筋肉がすごくてゴムマリみたいな筋肉というか、あいつなんでボートも入ったんだろう。
後々3年生になった時にシングルスカルって言って、ひとりこぎのボートに乗ってインターハイに出たのは野崎でしたからね。
首相ですよね、後のね。
まあ何というか真面目な男でしたね。大学に行ってから別に会ったことないと思いますけどね。
一回ぐらいあるのかな。ほぼほぼ何の接点もありませんね。きっとたぶん律儀な親父になってると思いますけれども。
で、先輩たちの試合が一息つくとようやく、
テイコって言うんですけどね、中川雲河にボートを置いてある倉庫があって、そこで練習ができるようになるんですよね。
最初はナックルっていう、昔使っていた全然沈まない、ナックルでも沈むほどチンって言うんですけど、チン絶対ないとは言えないですけど、
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基本ないですよね。重い、ものすごい重い船で頑丈でバランスもいいっていうね。
だから船の上でちょっとやそっと動いても全然ビクともしない船なんですけど。
ただ実際に高校の段階でも試合につかれる船は、もっと軽い船なんですよ。
バランスをちょっと崩したらすぐ沈むっていうですね、恐ろしい船。最初は怖いですよ。
オールがついてるんですけど、それで抑えててもちょっとしたことで沈んじゃいますからね。
バランス取るのがめちゃくちゃ大切なんですよね。だから冒頭の顧問がいつでも言ってました、リズムとバランスだって言ってね。
これは人生訓になるかもしれないですよ。別にどうでもいいですけどね。
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