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この時間は、毎週火曜日、 神戸金文のCatch Upです。
私が大好きな小説、スペインの 神戸金文のCatch Upです。
神戸金文の小説なんです。 カルロス・ルイス・サフォンという、ちょっといかつい顔をした男性ですね。
1964年、バルセロナ生まれ。 残念ながら、2020年に亡くなってしまいました。55歳。
この方が残した、忘れられた本の墓場シリーズが、4冊日本語で出ているんですね。
日本では全て、終焉者文庫から出ているんですけど、 完結編の第4部の日本語訳が出たのは去年だったんです。
私、本当に楽しみに読んだんですけど、 すごいな、これって思っています。
翻訳者の木村博美さんが書いた、 第1作、風の影のあとがきに、こんな風に書いています。
1945年、もやに包まれたバルセロナ。 無数の書物が眠る、忘れられた本の墓場で、
10歳のダニエルは偶然1冊の本を手にする。 この本との出会いによって、ダニエルは知らず知らずのうちに、
幻の作家をめぐる、暗い過去の世界へと引きずり込まれていく。 こんな第1作、風の影のストーリーなんですね。
忘れられた本の墓場、全部出てくるんですけど、 どんなものなのか。
主人公のダニエルが古本屋を経営する父長屋に、 その本の墓場に連れて行かれるんですね。
その紹介する場面を、少しだけタバさんに読んでもらいましょう。
ダニエル、今日お前が見るもののことは、 誰にも喋っちゃダメだ。
友達のトマスにも、誰にもだぞ。
内部は青い闇に包まれている。
大理石の階段と天使の像や空想動物を描いた フレスコガの廊下がぼんやり浮かんで見えた。
管理人らしき男の後について宮殿並みの長い廊下を進むうちに、 父と僕は遠景の大きなホールにたどり着いた。
高みから差し込む幾筋もの光線が丸天井の闇を切り裂いている。
書物で埋もった書棚と通廊が、 蜂の巣状に床から最上部まで続き、
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広い階段、踊り場、渡り廊下やトンネルと交差しながら 不思議な幾何学模様をなしていた。
その迷宮は見る者に巨大な図書館の全貌を想像させた。
僕は口をポカンと開けて父を見た。 父は微笑んで僕にウインクした。
ダニエル、忘れられた本の墓場へようこそ。
美しいんですよ、この人の一つ一つのですね。
ダニエルはここで父親からある指示を受けるんです。
一冊だけ気に入った本を持ち帰っていい。
ただし、本が絶対にこの世から消えないように、 永遠に生きながらえるようにその本を守ってやらなきゃいけない。
これがここに初めて来た人のルールなんですね。
ダニエルが手に取ったのが、この本と同じタイトル、 風の影という本だったんです。
そしてこの本を奪おうとする人が出てきてですね、 ダニエルは守らなければいけないんですね。
10歳の少年が見たバルセロナ、冒険とか恋とかが描かれていくんですけど、
いろんなですね、過去の秘密をダニエルが調べていくと、 別の過去の秘密が出てきちゃったり。
イデコのロシア人形、マトリョーシカみたいな。
また?また?みたいな感じですね。
実はこの小説世界そのものが忘れられた本の墓場のような複雑なですね、 世界を展開していることにクラクラしてくるんですね。
この翻訳者の木村博美さんはですね、 ゴシック小説の香りが漂うミステリー、
歴史を背景にした恋愛ロマン、推理、冒険、庶民の風俗喜劇。
風の影は読ませる小説の要素を余すところなく内包していると書いています。
シリーズでですね、途中までの情報なんで最終的な数字じゃないんですけど、 全世界で2000万部以上売れている。
世界的なベストセラーなんですよ。 日本ではまだあまり知られてないんですけど。
この翻訳者の木村博美さんはマドリードに在住していまして、 たまたま日本に来られた。
昨日電話でお話を伺いました。
風の影の時には、もうそれこそその辺に出てくるおじさんとかおばさんも含めて全部数えたら、 やっぱりね100人ぐらいでしたね。
本当にちょっとだけの、1行2行出てくる人も含めて。
みんな性格を持っていて、みんななんかこれってスペイン人だよねみたいな感じで。
だからもう生き生きしてる。
この一言で、これわかるみたいなね。
本当に人物描写は素晴らしいですね。
当時のスペインを生きた無名の人々、あの時代に確かに存在した人間たちの投影と、 木村さんお書きになってましたね。
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そうですね。
出てくる人たちが、みんな日差しを浴びて影を持っているような立体感があるような気がしましたね。
そうですね。本当におっしゃる通りだと思います。
こんな感じでですね、木村さんも惚れ込んじゃってるんですよね。
この4部作があるんですけど、長い時間をかけて描いていきますが、
スペインの現代史って僕らあんまり知らないんですけど、すごく残酷な歴史があるんですね。
第二次大戦の直前に1936年から4年にわたる内戦が起きて、こっちで言えば朝鮮戦争の中で争いがずっと起こって、同国人同士の殺し合いが進むと。
内戦で勝利したのは軍人のフランコで、その後1975年に亡くなるまで40年ぐらいの独裁政権を維持していくわけですね。
つまり元老の銃ってない国だったんですよ。ミャンマーみたいな今の。
内戦前スペイン全土で1万人程度だった囚人が、内戦の終わる頃には27万人上っていたと。
無数の無実の方々が収監されて拷問されて死亡して、銃殺されて埋葬されていくと。
そういう暗い歴史が実はスペインにはあるんです。
それを背景にしているので、この小説の中にも人を簡単に殺す警察官とかですね、拷問を加える刑務所などが出てきてですね。
非常に実際にあったことなんですよね。
これがサスペンス的な要素をすごく強めている。
いろんな情報があって、それが4作にわたって展開していくんですが、過去に遡ったりいろんな形で。
今日年表を作ってきたんですよ。
すごいですよ、これ。
4部作で何年にどの話があったかっていうのを1年ずつ書いてみました。
これ1週間くらいかかったんですけど。
こうやって体系的に見ると、なるほどってわかりやすいですね。
繋がってるんですよね。
繋がってるんですよ。
こんな小説があるのかと思うような緻密な作りになっています。
私、この第1作の風の影はあまりに言葉も面白くて、世界も深いので何度も読んだんですが、第4作目の完結版を読んだときですね。
これは全体像があまりに広くて、世界史、世界文学に残るとはっきり思いましたね。
歴史に残る小説じゃないかと思います。
もう一度木村さんのお話を聞いてみてください。
忘れ合いと本の墓場っていうのはバルセロナの一角のどこかにあるんだけど、
でも実は私たちの心の中にものすごく大きな忘れ合いと本の墓場があって、
ちょっと埃をかぶって取り出して読んでみる。
つまり子供の時に読んですごく感動した本をものすごくある程度、
そうか、あの時には見えなかったけど、これはこういうことだったのかみたいな。
やっぱり本ってそういう魅力がありますよね。
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何度読み返してもそのたんびに新鮮なものがある。
そのたんびに見えるものが違ってくるっていうのがやっぱり素晴らしい本。
サフォンの本はまさにそうなんだけれども、
そういう本に出会えるっていうことの幸せっていうのもありますよね。
僕はサフォンに会ってよかったと本当に思っているんですね。
私ももう本当にそうです。もう全くその通り。
木浦さん泣かないでくださいね。
いや泣きそう。泣きそうです。
っていうぐらいの木浦さんのもののめり込みですよ。
第一作が風の影、青春ミステリー。
第二作天使のゲーム、幻想的なゴシック小説。
第三作天国の囚人は、脱獄の冒険団。
そして最終監督、精霊たちの名機は極上のサステンスだと木浦さんおっしゃっていました。
それぞれ書き方も違います。
ただ出てくる人が少しずつ重なり、
そして忘れられた本の墓場が登場し、
そこに10歳程度の子供が行って本を一冊持ち帰る。
またそこから展開をしていく。
おおよそ90年にわたるお話です。
壮大ですね。
すごいですよ、これ。
騙されたと思って、まず一冊目の風の影、終焉者文庫で出てますので、
上下官、読んでいただいたらですね、多分続きを読みたくなると思いますね。
私は死ぬまでに何度も読み返したいと思っています。
その度に別の顔が見えるんですよ、この深い小説は。
ぜひおすすめです。
カルロス・ルイス・サフォン、忘れられた本の墓場シリーズ、全4作です。
はい。
カンベ・カレムミのキャッチアップをお送りしました。
ガールズパンチ!×少女隊の×ラジオ隊!
×少女隊の春野きいなと、
アオイリルマです。
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