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2021-12-21 12:59

059. テスラとスペースXに学ぶものづくり文化の違い

ハードウェアを極限まで磨き込む文化と,ハードウェアはそこそこにしておいてソフトウェアで「どうにかする」文化の違いをお話ししました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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いちです。こんばんは。 外です。
夜です。 寒いです。
今ね、動画で見てくださっている方は、後ろぼんやり何か見えているかと思うんですけれども
後ろにね、世界遺産のジャイアントカンチレバーと、それから長崎港にかかっている
女神大橋がかかっています。女神橋はね、川にかかる橋でしたね。
女神大橋というね、長崎港にかかる橋が、ぼんやり見えているかなと思います。
カメラの性能があまり良くないのと、僕がね、老眼で小さなモニターに映ってるんですけどね、よく見えてないので、映ってるかなと思いながら録音をさせていただいています。
今日ね、何のお話をしたいかというと、僕はこのポッドキャスト、それからYouTubeの中で、僕が毎週お送りしているニュースレター、スティームニュースの中から話題を取り上げてお話をさせていただいているんですけれども、
今夜はその中で、スペースXの止まらない挑戦というニュースレターの内容をお届けしたいと思います。
僕ね、タイトルつけるのが下手で、実はスペースXの話をしたかったわけではないんですよ。
本当はね、別のことをお伝えしたかったんですけど、タイトルについスペースXの止まらない挑戦みたいなことを書いてしまって、
それはね、スペースXが人類史上初めてですね、宇宙飛行士ではなくて、民間人だけでの宇宙飛行というものをね、直後だったということもあって、ちょっと引きずられた部分もあったんですけれども、
何をお伝えしたかったかというと、単純に言うと日米のものづくり文化の比較をしたかったんですね。
日米はすごい雑な括りで、例えば日本のものづくりと似たようなものっていうのは、当然ドイツにもありますし、スイスのドイツ文化圏にもありますし、
例えば腕時計とかね、非常に職人技の光る、非常に細かい作業で緻密に作り上げる。
これは日本の江戸時代から続くような職人技、ものづくりの職人技にも近いものがあると思うんですね。
もちろん平成になって、平成も半分過ぎてからぐらいですかね。
その日本のものづくり文化というのは衰えていっているような印象は受けますけれども、実際ちょっとね、現場の方とかまだまだね、そういう職人さんってやっておられるとは思うんですが、
ちょっと薄れている印象はかつてほどはないなとは思います。
まあとはいえ、アメリカと比べるとやはり日本やドイツや、ひょっとしたらイタリアなんかとはだいぶ違うんじゃないかなという気がします。
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それはね何かというと、アメリカっていうのは建国以降、ユーロアメリカですね、ヨーロッパ人がアメリカにやってきて、アメリカ合衆国という国を作って以降なんですけれども、
ものづくり、当然ね、アメリカも機械製品も作るし、電気製品も作るし、作ってきている歴史はあるんですけれども、常に悩まされているのが熟練校が足りないということなんですよ。
やはりその熟練校っていうのは教育システムが育ってないと生まれてこないわけですよね。
ちゃんとその工房があってとか学校があってとかマイスター制度があってとか、何かねそういう社会的な仕組み、社会的に認知された仕組みがないとどうしても熟練校というのは育ってこないので。
アメリカは建国400年以上経ってますけれども、まだ未だにね、もちろん熟練校いないわけではないんですけれども、十分な数いたかというと全然足りないわけですね。
そこでじゃあどういうふうに力学が働いたかというと、素人でも組み立てられるように企画化しよう、マニュアル化しようというふうに動いたわけですね。
これは有名な話でパリ万博だったと思うんですけれども、コルト社が拳銃メーカーですね。
拳銃2丁並べといて、1回バラバラにして部品にバラして、部品をぐじゃぐじゃっと混ぜて、もう一回組み立てるとまだちゃんと機能する拳銃に元に戻る。
つまり部品を入れ替えても元の形に戻るということで、企画化が上手いこと言っているんだよというお話なんですけれども、
企画化というのはぴったり同じものを作るというわけではなくて、例えばネジがぴったり同じネジを複数作るというのはそれはほとんど不可能ですし、
そんなことをしたら実は物と組み上がらなくて、要は遊びを許容するということなんですよね。
ネジってある程度隙間があって、ちょっと余裕があるからネジを入れ替えてもちゃんと締まるわけですよね。
そこらへんを上手い具合に誰でも組み立てられるように企画を作っていったというところが、アメリカのものづくりの真髄なんじゃないかなと思うんですけれども、
もちろん最近のAppleはちょっと別ですよ。
最近のAppleは遊びのものを作る部品について遊びの許容量と全然桁が違うので、それはちょっと例外なんですけれども、
何が言いたいかというと、ハードウェアはそこそこしょぼいんですよ。アメリカで作ると。
Appleは例外ですよ。Apple製品は例外として、そもそも設計段階から遊びをだいぶ許容しているというのがアメリカのものづくりなんじゃないかなと僕は思います。
それを端的に表しているのがスペースXであり、同じくイーロン・マスクが率いるテスラモーターズだと思うんですね。
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どういうことかというと、スペースXが先月、2021年の11月ですね、打ち上げていたファルコン9というロケット、名前の通り9本ロケットを束ねているんですけれども、
ロケットだって機械ですから、機械って個性があるんですよ、人間と一緒で。9本も束ねれば、それは燃焼速度早いやつもいれば、何もしなければですよ、特に製品しなければ燃焼速度早いやつもいれば、どうしてもいつも右へ行くやつとか出てくるわけですよ。
ロケットを1個で大きなロケットを作るにはどうしても無理があるので、タワーを出すためには束ねざるを得ない。
例えば、サタン5というアポロ計画に使われたロケットを5本束ねているんですけれども、あれは5本を職人技でカリカリにチューニングして、1個1個が個性を消して、全てが同一の性能を出すようにチューニングされているわけなんですね。
ところが、それでも5本が限界で、これ以上増やすと、これはアメリカはやってないんですけども、ロシア、ソ連か旧ソビエト連邦がですね、ロケットをもっと束ねるというのをやって、これはねうまくいってませんでした。
ところがそのファルコン9はどうしたかというと、ロケット単体ね、1個1個のファルコンロケットに関しては技術的にはそんなに新しいものではないんだそうです。
僕もちょっとよくわかってないんですけども、そんなに新しいものではない、割と枯れた技術だったそうなんですけれども、9本束ねて、1個1個の個性をうまく制御して全体として一つとして機能するようにソフトウェアで制御をしていると、そこがねすごいところなんだと、スペースXイーロンマスクのエンジニアリングのすごいところなんだということなんですね。
これだからアメリカ文化に、アメリカものづくり文化にね、あの通定すると思ってるんですけども、まあまあ割としょぼい、まあしょぼいと失礼ですけども十分高性能ですけども、まあそのめちゃくちゃ高性能ではない、めちゃくちゃチューニングされてるわけではないハードウェアをソフトウェアでうまく飛ばす、動かすというところがアメリカものづくり文化の真髄なんじゃないかなと思うわけです。
例えばその同じくイーロンマスクが引き入るテスラモーターズの最初の電気自動車、バッテリーが汎用品なんですね。ノートパソコンとかで使われるバッテリーを6千何百本が束ねてるんです。
具体的な数字はね僕のニュースレターの方に書かせていただいているのでそちらで読んでいただきたいんですけれども、バッテリーなんかねもうめちゃくちゃ個性ありますよ、一個一個の出力電圧も違うし、微妙に違うし、その容量だって少しずつ揺らぎがあるし、だからおそらくね日本の自動車メーカーあるいはドイツの自動車メーカーであればバッテリーの研究からね結構力を入れてやると思うんですけれども、テスラはとりあえずバッテリーなんて個性があっていいと
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そういう一個一個をソフトウェアで監視して制御するから、とりあえずありもののバッテリーでやるんだというところがねなんかこうそのイーロンマスクの思想であり、アメリカのものづくり文化なんじゃないかなということをね
感じます。でこれね、あの実はしょぼいハードウェアを
ソフトウェアの力で叩くっていうのは、実はの任天堂のファミコンなんかがそうだと思うんですよね。あれハードウェア的にはもう絶望的にしょぼいんですけども、しょぼいというのは設計者がしょぼいというわけじゃなくて、部品にねお金をかけられなかったっていう事情があって、できるだけ安くするために極限まで削ぎ落としてるんですよね。
これ以上削ったらもう何もできないよというぐらいまで削って、その代わりソフトウェアで頑張っているというところがあるんですけども、これ多分参考にしたのがアップル2で
スティーブ・ウォズニアックというね、アップルの創業者の一人なんですけれども、彼が設計したアップル2というコンピューター、これもねもうかなり部品点数削るために極限まで削ぎ落としてるんですね。
ソフトウェアもスティーブ・ウォズニアックが書いていて、これがまたね本当に天才的なソフトウェアで動いてるんですけれども、年代的にはアップル2の方が先なのでアップル2をファミコンが参考にしたと思うんですけれども、その2つは多分単に真似したんじゃなくて、多分その文化をちゃんと自分のものにしたのがファミコンだったと思うんですね。
そういう意味ではアメリカものづくり文化というのはファミコンにも受け継がれ、それがまた一周回ってアップルに行き、そしてスペースXやテスラに行きということなんだろうと思います。
だからね、一概に日米とか米独とかは言えないとは思うんですけれども、こういうものづくりにもちゃんとそういう文化があるというかカルチャーがあるということをお伝えしたくてお話をさせていただきました。
今夜も聞いてくださってありがとうございました。ではまた次の動画で、次の動画、音声。
実はですね、次回のポッドキャストとそれから動画でお知らせしようと思ってたんですけれども、一応、次回第60回で一区切りにしようと思っているんですね。
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その理由は、次回もう一回お話しするとは思っているんですけれども、コロナで授業ができなかったので、
授業オンラインでやってるんですけれども、こういった雑談みたいなことを授業に挟むことがしづらかったので、そこだけ切り出して、ポッドキャストとYouTubeでお届けしようと思ってたんですけれども、
国内一段落してきて、対面でも授業というのを行えるようになってきたので、ある程度この動画、それからポッドキャスト、一段落していいのかなと今は思っています。
また次の録音、ポッドキャスト、それから動画の方で詳しくお話をさせていただきたいと思います。
今日はひとまずここで終わりたいと思います。聞いてくださってありがとうございました。
阿一でした。
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