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2020-08-22 12:24

001. エジプト考古学と科学技術

大学のオンライン講義でお話出来ないようなストーリーをお伝えします.今回はエジプト考古学と科学技術の関係について,とりとめもなく話してみました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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みなさんこんにちは、いちです。 TEDx再開というボランティア団体の運営をしています。
それから、長崎大学という九州の一番西の果てにある大学の教員もしています。
今日は、大学生、特に一年生向けにメッセージを残したいと思っています。
というのも、今年2020年なんですけれども、新型コロナウイルス感染症の爆発的な流行で、
特に一年生のみなさん、全然大学に来れていないんですよね。
長崎大学でも、4月の初めに一回だけ、ほんと短時間だけ登校してもらって、しばらく休校オンライン講義と続いて、
6月にまたちょっとだけ登校してもらう機会があったんですけれども、登校禁止が続いています。
なぜかというと、例えば高校とか中学校とか、登校が解禁になっている中で、大学だけが登校禁止になっている理由は、
多分多大学でも似たような状況だとは思うんですけれども、
医学部とか医療系の学部がある大学は、どうしても付属病院があって、そこが地域医療になっていたりする関係で、
大学の中で集団感染するようなことを非常に恐れているわけですね。
大学でクラスターが発生しちゃったりすると、地域医療崩壊しかねないので、
他の教育機関に比べると厳しめの対応をとっています。
せっかく入学して、授業だけじゃなくてサークル活動とか、友達であったりとか、出会いの場でもあるんですけれども、
大学は正直いつまでかわからないですけど、ご辛抱いただきたいと思っています。
我々教員も心苦しいところがいっぱいあるんですけれども、ここは本当にお互い我慢していくしかないかなと思っています。
なかなか授業の時間内とか授業と授業の合間とか、皆さんと個別にメッセージをやり取りする機会がなかなか持てなくて、
授業以外のことも本当はお伝えしていきたいんですけども、そういう機会を持つことができないので、
こういった形で、これ今録画と録音としているんですけども、今後音声だけポッドキャストみたいな形でお伝えしていければ、
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時々録画するかもしれないです。していければと思っています。
今、長崎水辺の森公園という長崎湾に面した公園にいます。
周りは人があまりいないのでマスクを外しています。
今港に船が入ってきて、後でちょっと汽笛の音がしちゃうかもしれないです。
僕の耳には波の音とか聞こえていて、心地いい場所です。
今日何の話をしていこうかな、このシリーズ何の話をしていこうかなと思っているんですけども、
ぜひエジプトの話をしていきたいなと思っています。
僕が所属している学部は情報データ科学部といって、情報科学系、データ科学系の学部なんですけども、
ひょっとしたら入学した学生さんとか一生縁がないかなと思っているかもしれないんですけども、
高校学部であったりとか、エジプト学部とも言うんですね。
エジプトロジーとも言うんですね。
エジプト高校学部にたまたまご縁があっても関わらせてもらっているので、
その話を中心にしていければと思っています。
長崎もちょうど世界遺産の町ですから、2つ世界遺産ありますからね。
なかなかないですよ、2つ世界遺産あったりとかってね。
エジプトも世界遺産、元祖世界遺産の町なので、
そういう意味で世界遺産の町から世界遺産の話をできるのはちょっと楽しいなと僕個人は思っています。
世界遺産ね、僕自身は世界遺産の調査に大学院を卒業してから、
ごめんなさい、今船の汽笛が入っちゃいました。
マイク拾っているかどうかちょっと分からないんですけども、後で聞いてみますね。
もし聞こえてなかったら、今船の汽笛が入ったんです。
話戻して、大学院を卒業したのが28歳だったかな、そのぐらいなんですけども、
それからですからもう20年ぐらいですね、世界遺産の調査に関わっています。
僕はもともと計算機、コンピューターが専門で、その前は物理学をしてたんですけども、
コンピューターが専門で、なぜエジプトとか世界遺産の調査をやっているかという話をさせてもらいたいんですけども、
ちなみにエジプトの調査って皆さんテレビとかでご覧になったことありますかね、
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世界不思議発見とかご覧になります?
ちょっとイケメンの考古学者出てきません?
川江ゆきのり先生ですね、彼と一緒にエジプトの調査をしているんですけども、
彼ちょっとずるいんですけどね、かっこいいんでね、
僕よく言ってるんですけども、彼がシャーロック・ホームズとすれば僕はワトソンだと思っているので、
ちょっとワトソン君キャラでいきたいと思っているんですけども、
なんでこの計算機、コンピューターの研究者が、科学者がエジプトの調査とか他の世界遺産の調査とかをやっているか、
考古学ってどんな学部、大抵の大学で、日本の場合ですよ、大抵の大学で考古学って文学部の研究分野なんですね。
多分高校で進路を決める時に文学部行きたいと思ったら文系を選んでいくと思うんですけども、
実際にはね、考古学っていうのは理系、日本で言えば理系の学問、
文系、理系という区別が、少なくともアメリカやヨーロッパではないので、
ちょっとその区別はおかしいっちゃおかしいんですけども、文野で言うと理系の分野、
例えば地学とか生物学とか物理学とか化学とか、そういったものを非常に駆使するんですね。
これはもう世界共通です。
なので、日本の大学でも文学部でも考古学に進めばそういうことは勉強しないといけないんですけれども、
本来は考古学っていうのは一種の化学的な調査になります。
というのは、なぜかというと、例えばエジプトのピラミッドって約5000年ほど前に作られた人工物なんですね。
その時の作った方法であるとか、作った糸であるとか、どんな材料を使ったのかとか、
どういう方法で加工したのかとか、そういう記録がほとんど残っていない、
多少文献で残ることはあっても、現代のように設計図があってとか、
ましてオープンソースっていって設計図が公開されてとかってそういうことがないので、
あるものから遡って調べていかないといけないんですね。
調べていかないとわからないんですね。
そのための調査の方法っていうのが、化学的な調査の方法なんですよ。
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例えば、この木材が使われていたとして、
その木材、どこの地域の木材で何千年前に伐採されたものでとかっていうのを調べるのに、
化学的な調査の方法が使われたりとかしています。
また遺跡なんかも、古い遺跡、古くなくてもなんですけど、どんどん壊れていっちゃうんですよね、時間とともに。
それを壊さないように調べるであるとか、壊れちゃっても元に戻せるように記録を残しておくとか、
そういったものも最先端の技術を使っていかないと間に合わないということがあるので、
そういったところでも技術というものが使われていく、コンピューター技術というのも使われています。
そういういろんな意味で、考古学者だけじゃなくて、我々化学者も参加していますし、技術者も参加していますし、
いろんな分野からのチームで成り立っている調査です。
世界遺産の調査というのは、いろんな分野の人たちが参加している分野になります。
何のために5000年も前の遺跡を調査しているのかという質問もあるかと思います。
それもまたお話ししていければと思うんですけれども、
僕がよくお話しさせてもらっているのは、皆さん、人類が農耕を始めてどのぐらいだと思いますか。
実は地球が農耕できるようになったのは約1万年前です。
1万年前というのが氷河期の最終氷期という気温が低い時期が終わった時期です。
その後、人類は1万年かけて農耕を続けるのですが、そのうちの約5000年の歴史がエジプトにあります。
何があったかというと、人類が最初に地球温暖化を体験しているんですね、その時期。
そういう時に人々はどうやって変動する気候の中で生存のために活動していたのかということを、我々は遺跡の調査をして知ることができると期待しています。
今現在も我々は地球温暖化という大問題を抱えていますが、
ちょうど5000年前の人類がどういうふうにそれを乗り切ったのかということも、我々は知ることができるのではないかと考えています。
だから考古学というのが単に昔のことを知りたい、それはちょっとロマンがあってとかだけじゃなくて、
人間の活動そのものを知るという意味でも価値があるのではないかと我々は思っています。
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このシリーズまたエジプトのお話、それから他の世界遺産のお話、できれば計算機科学のお話とかも、
大学1年生向け、2年生向け、ひょっとしたら高校生向け、中学生向けにもしていけたらと思っています。
今日はこの辺で、それでは。
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