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2025-04-24 17:49

【第21回】王者インテルが見逃したGPU革命〜インテル転落の要因とは?〜(epi5)

RIVA128の大成功でNVIDIAは勢いづき、瞬く間にナスダック上場を果たします。一方、半導体の王者であるインテルはGPU市場への参入に失敗し続けます。90年代後半から00年代後半にかけての両者の盛衰の様子を解説します!


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サマリー

インテルはかつて半導体市場のトップとして存在していましたが、NVIDIAのGPU革命を見逃したために競争力を失っています。このエピソードでは、NVIDIAのGeForce 256の登場や、インテルのGPU開発における失敗の経緯を探ります。さらに、インテルのGPU市場への再参入や、その後のNVIDIAとの提携、提携崩壊の経緯についても深掘りしています。特に、インテルがCPU事業を守るためにどのような思惑を持っていたかが明らかになります。

インテルの転落の背景
ノーコールマーケット担当の佐藤と、COOの林です。
今回は、ジェンソン・フカボロの回、最終回となります。
あ、最終回なんですね。
はい。前回の4話では、初の製品の失敗と、社員を半分以上解雇しなきゃいけなかったという決断からの復活みたいなところを話したんですけど、
今回は、主にそこからの流れをサクッとした後に、
なんで半導体市場の絶対的王者だったインテルが、
ずっとこのNVIDIAの、今業界でトップだと思うんですけど、それを放っておいたのか?みたいなところをお話したいと思います。
まあ、この前回もあった、リバ128って勢いづいたNVIDIAは、
競合の2倍のペースで新型GPUを投入できる開発体制を築きます。
で、1999年にGeForce 256っていうのを発売するんですけど、
はいはい、なんか聞いたことある名前に近づいてきましたね。
これが世界初のGPUと呼ばれる製品でした。
あれ?あれ?
でもきっと、そうですね。これで言ったんだと思います。GPUだって。
あー、なるほど。何が違うんですか?これまでのと。
これまでと違うのが、従来CPUが担っていた3Dシーンの計算処理みたいなところまでもGPU単体でこなせるようになった。
ジュースネイビデモのそのグラフィック処理装置っていうのが完成したのが、このGPU、GeForce 256だったみたいですね。
この後インテルの説明もすると思うんですけど、GPUとCPUの違いについてちょっと教えてもらってもいいですか?
簡単に、小学生にも分かるようにお願いします。
CPUとGPUの違いは、CPUはパソコンの頭、頭脳の役割で、いろんな種類の仕事、例えばパソコンをクリックしたから画面が動いたみたいなのを一つ一つ処理していくチップです。
一方でGPUが絵とか映像を表示するのに大切なチップで、CPUが一個一個処理していくのに対して、
同時に全部の仕事を並列で行えることができるチップっていう違いがあります。
YouTubeで前見たんですけど、CPUだったらモナリザの絵を描くみたいな機械が描いているシーンがあって、
CPUだったら一個一個ペンキが映し出されるんですけど、GPUだったらバーンって一気にモナリザが描かれるみたいな感じですね。
それが違いです。
このGPUっていう呼び方自体をNVIDIAが作った、ここで初めて。
このGeForce 256っていうのが、3Dの描写の性能で圧倒的な性能を発揮して、高度な視覚表現をゲーム開発者がプログラム可能なプラットフォームとして注目を浴びました。
このシリーズでNVIDIAはNASDAQ上場を果たして、知名度を上げるみたいな感じです。
それ、創業してから何年くらいで上場したんですか?
1993年に創業して、1999年に上場。なので6年。
じゃあ、いいペースですね。
そうなんですか。
早いですね、まあまあ。
最短でどれくらいなんですか?
最短って言うと、2年とか3年とかあるんじゃないですか。
でも、最近の企業だと結構10年とか上場までかかるところも増えてきてますからね。
そうなんですね。AIによって早まるとかないですか?このAIの時代で。
あるかもしれないですね。
ちなみにどれくらい目指してるとか。
うちは普通にあと5年とかですかね。
それ計算してってことですか?
まあまあそうですね。
なるほど。
で、このNASDAQ上場を果たしたNVIDIAなんですけど、
結構有名な話として、社長室も持たない、CEOオフィスも持たないっていうので、
普段からこの社内の共有スペースとかで仕事して会議室とかで固定の個室にいないんですよね。
で、ジンソン自身は孤立を防ぎ、
孤立を防ぎってちょっと面白いんですけど、
知識とか経験をチームと共有するためって言ってて、
例えばジンソンが1対1の個別の会議みたいなのを極力しないらしいんですよ。
で、議論は絶対常にチームのみんなの前で行う。
で、特定の人だけが知っている情報みたいなのを絶対作らないし、
全員で問題と解決策を共有するみたいなのが、
ジンソンの中で大事にしていることらしくて。
トップの役割って何なんだろうってここですごい思って、
すごい入ってくるなっていうか、
すごくイメージだと指示してやってもらってみたいな、
決断だけするみたいなイメージも強い人が多いと思うんですけど、
結構ジンソン自身が入っていくじゃないですか。
はいはいはい。
すごいトップの役割についてどう思いますか。
すごい抽象度高い質問なんですけど。
いやーでも、私自身は逆にオペレーションしすぎてるなっていう反省を最近はしてますね。
あーハイスさんがですか?
うん。それこそ今ヒャンさんが言ってた、
決めて命令するっていうことにもっとフォーカスしないといけないなと思ってますね。
それは何だろう、命令するって言い方はあれですけど、
今持っているリソースを最適化して事業を伸ばすっていうことをやっぱり一番やらないといけないんですよね。
今持っているリソースっていうのはどこに投下して一番目指す目標に対して最短でいくかみたいなところを、
ちゃんと見極めてそれに対して全体を動かしていくっていうことが役割なので、
それに対して細かい対応とかやってるのは良くない状態だなってすごく思ってますね。
まあバランスですかね。
でも個人的には私が作業してて、ハイスさんが隣にいて、
これはこうした方がいいんじゃないですかみたいな一言めっちゃ進む時とか、確かにってなって作業がはかどるみたいなことが多くて、
それがちょっとやりすぎだなってなってるってことですか?
それは全然思ってないです。
どのなんですか?
自分自身がお客さんの細かい要望の対応とかをしているとき。
対応はお客さんに対してですか?
お客さんに対してだったり、開発に対してだったり、細かいところの確認みたいなのはするべきじゃないなって思ってますね。
なるほど。
でもその情報をハイスさんが知ってることによるメリットもあるじゃないですか。
もちろん。
すっごく細かいことも。
それを任せちゃうとどんなふうにハイスさんに情報が入ってくるかというか。
でも本当に抑えるべきKPIというか、数値観だけ抑えておけば異常値があったら見れるようになってるんで。
なるほど。でも数値で見える化するってことですか?
そうですね。
なるほど。今オフィス決めてるじゃないですか。
はいはい。
2部屋とか3部屋みんなで固まって仕事したほうがいいと思いますか?机とかを。
そうですね。
事業部関係なく。
うーん。会社によるかなそれは。
すごい開発の人たちの話とか目の前で聞けるのめっちゃ。
なるほどってなるんで、個人的には小さいほうがいいなって思いますね。
うん、そうですね。
インテルの失敗と教訓
ここまで来て、じゃあなんで半導体王者のインテルがGPUの存在気づかなかったの?ってなるじゃないですか。
現状すごい売上でも下がってる状況で、NVIDIAが圧倒的になってるので、
なんでインテルはここでGPUに気づいてGPUに参入できなかったのかって思ったんですけど、
実はインテルは3回くらいGPU参入しようとしてて。
へー。
インテルの初の本格的GPUは1998年のインテル740、通称i740っていう製品で、
めっちゃ注目されてて、発売前から。結局蓋を開けてみるとすごい期待外れで、
さっきのNVIDIAが爆発的なヒットを起こしたRIVA-128が1997年なんで、1年後くらいなんですけど、
結構同程度かややレベルが劣るくらいの製品だった。
で、NVIDIAが同年に出したRIVA-TNT、ちょっと読み方があれなんですけど、
には全然及ばなかったらしくて、
なんでじゃあこんなに性能悪かったのか?
失敗した理由が性能が古くて良かったっていう点なんですけど、
なぜそんなに良かったのかっていうと、
新しい技術を使ってますみたいなところをインテル自身アピールしたんですけど、
実際は設計は古くて処理速度も遅かった。
で、画像処理に重要なメモリー帯域、データを一度に送れる幅みたいなのもすごい狭かったので、
キャラクターも全然動かないしスムーズに。
みたいなところで負けちゃいました。
じゃあ技術力っていうことですか?
そうですね。NVIDIAはずっとゲームのグラフィックを専門でやってきてたので、
やっぱり計算能力みたいな、CPUに特化していたインテルにとってはやっぱり難しかったっていうところで、
撤退しました。そこで。
そうなんですね。
今、株価見てて、
インテルって1000億円しかないんですね。
え?
NVIDIAは2.8兆円。
すごい差ですね。
そうですよね。NVIDIAの売上がほとんどデータセンター向けのチップで売れてるんですけど、
売上構成費が。
AIが台頭してきたあたりから一気にクロスになってて売上高が。
はいはいはい。
結局GPUやってたのが強かったよねっていうところで、
今すごい落ちてる感じですね。
なるほど。
で、ちなみにこの失敗作みたいなの言われたんで、
インテルは台湾でめっちゃ低価格で売ったりとか、
あとはこの製品買うならこのi740も一緒に買ってくださいみたいなことを言って、
不当な販売みたいなのを結構やっちゃって、
訴えられちゃう。
不公正取引として訴えられてます。
でも自分も今それ話聞いてて思ったんですよ。
そのインテルのチップとマザーボードを。
はい。
CPU挿すとこですね。
マザーボードを。
インテルのGPU市場参入
で、それに挿せるのをインテルのGPUしか挿せませんっていう風にしたら勝てるんじゃない?って思っちゃったんですけど、
そういうことをしたらお客さんが離れるくらい多分NVIDIAとインテルのGPUには差があったんでしょうね。
うんうんうん。
その話とすごく繋がってくるんですけど、
はい。
私多分きっとこのCPUとGPUを同時に作るっていうのは結構難しいんじゃないかなって思ってて、
同時並行でやるのって難しいのかな、その決断って難しいのかなみたいなところを踏まえて、
第2回目の参入、インテルのGPUに行くんですけど、
これは2004年です。
はい。
で、ララビープロジェクトっていうので再びGPU市場に参入しようとします。
ララビー。
はい、ララビー。ご存知ですか?
いや、ララバイとかじゃなくてラービーなんですね。
はい。読み方間違えてるかもしれないんですけど。
はい。
なんとこの際にNVIDIAとの戦略的提携を築きます。
おお。
で、どういった提携かっていうと、NVIDIAはGPUに関する結構特許を持ってたので、
はい。
NVIDIA側はインテルに共有してあげますよっていう、その特許をあげますよっていうのと、
で、インテルはNVIDIA側にさっきも橋さんがおっしゃってた、
マザーボードのCPUと互換性のあるチップを設計して製造してもいいよっていう権利をお互いに与え合う。
おお、すごい。ちょっと読んじゃった。
本当ですか?
いやいや、当たっちゃった。
ああ、そうですよね。思いました。
はい。
なんかうおってなりました。
はい。
はい。
で、2009年。この提携が2009年に崩れるんですけど、
それなぜかというと、インテルがごちゃごちゃ言い出すっていう感じで、
その何をごちゃごちゃ言ったかっていうと、
インテルのララビの次のCPU、ネハレムっていうので、
インテルは次世代のネハレル、今期の世代のネハレルは、
こないだ提携したライセンス契約の範囲外ですよって言ったんですよね。
うんうんうん。
つまりはNVIDIAは私たちの互換性のあるGPUを作る権利とかはありませんみたいな感じで、
はい。
提携しまして、もちろんそしたらNVIDIAもじゃあ特許はあげませんみたいな感じで停滞します。
それはそうだ。
はい。
でも結果としてインテルのGPU開発は停滞するんですよ、ここで。
はいはいはい。
で、え、これインテル困ってるってなるじゃないですか。
へへへ。
なんかCMみたいな。
困ってるってなるじゃないですか。
でもこれ結局ごちゃごちゃ言ったのには、インテルにも意図があって、
何をしたかっていうと、CPU事業を防衛したかった。
防衛、つまり。
守りたい、CPUを。
CPUにまでNVIDIAが入ってくるかも。
いえ、それがどう思ったかっていうと、次にあるんですけど、
何に防衛したかったっていう気持ちが現れたかっていうと、
インテルが作っていたララビープロジェクト、GPUあったじゃないですか。
はい。
設計に現れていたらしくって。
設計に現れていた。
設計に現れていて、その設計がどういった設計だったかっていうと、
なんか純粋なGPUっていうより、CPUアーキテクチャを拡張したようなGPUだった。
つまりCPUですよみたいな、あ、GPUですよ。
つまりGPUですよって言いながらも、将来的にはCPUとGPUを一体化してしまおうみたいな狙いがあったんですよね。
なるほどね。
はい。GPUだけど実はCPUの延長線。
うん。
っていうので、CPUの存在感を守りたかった。
で、NVIDIAと提携してしまうと、純粋なGPUがインテルのマザーボードにがっつり入ってくるわけじゃないですか。
そうなると先ほどのハイスさんの回答かなと思うんですけど、
インテルのCPUがなくても、あるいはCPUが弱くても、結構NVIDIAのGPUあればパソコン動くじゃんみたいな感じになっちゃう。
うん。
思われちゃうので、CPU主役ですよっていうところから、GPUでいけるじゃんってなるのが怖かったので、ちょっと一旦もう提携やめましょうみたいな感じでやめました。
うーん。
提携崩壊とその影響
で、実際でもインテルは結構CPU技術的に限界じゃない?みたいなことを思ってたらしくて。
うんうん。
それが2005年くらいに目に見え始めるんですけど、
この当時のCEOのポール・オテリーニさんっていう人が、データセンターの市場の将来性を見据えて、この頃に。
うん。
実家総額200億ドル程度だった当時のNVIDIAの買収を提案してたんですよね、取締役会に。
おお。
この時点でインテルの幹部は、結構グラフィックスの設計とデータセンター、大事じゃないっていうのを見てたんですけど、
この取締役会は、過去に結構買収とか統合の失敗経験があったことと、インテルが。
あと金額が高すぎるってところで、否決しました。
で、ちょうど開発中だったら、プロジェクトでGPU頑張ろうってなるんですけど、結局提携も破綻したので、できないという。
2回目ですね、これが。
うんうん。
で、3回目の参入と失敗が、今のこのインテルの垂直統合型?
はい。
設計もやって製造もやってみたいなところと、NVIDIAの設計しかやらないTSMCに製造を頼むみたいな、製造モデルが関連してきて面白くなるんですけど、
ちょっと長すぎるんで。
うん。
これはもし、ちょっとやってほしいみたいなのがあれば、みたいな。
それはもうやりきりましょうよ、次で。
え、じゃあやりきります。持ってきます。
はい。だってインテルの3回目の話があるんでしょ、これから。
あります。
これがめちゃくちゃ面白いんですよ。
じゃあやるしかないでしょ。
でもあれですよね、AMDの社長っていうのがジェン・スンファンのいとこなんですよね。
え、そうですそうですそうです。
で、もうAMDってポジション的にはインテルじゃないですか、CPUやってるから。
うんうんうん。
それどう思ってんだろうみたいな、すごい気になる。ジェン・スンファンがAMDのことを。
あー、確かに。インテルは工場を持つことにこだわったんですよね。
はいはいはい。
3回目の時に。
でもAMDは、AMDも実は工場を持ってて昔。
はい。
これじゃいかんっていうことで売ったりしてるんですよね、工場を。
なんで、なんかそういうとこを踏まえて、ジェン・スンとかインテルとかちょっとまとめてきます、今後。
はい。じゃあぜひ。次回最終回ってことですか?
そうですね。終わんなかった。
はい。
じゃあ、次回まとめてきます。はい。
今日もお聞きいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。
17:49

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