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#953 自閉症の「社会的なむずかしさ」をほどいてみる
2026-05-18 16:06

#953 自閉症の「社会的なむずかしさ」をほどいてみる

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【本日の論文】
Li, S., Wang, H., Chen, G., Cheng, X., Wang, Y., Hu, W., Hamilton, A., Schilbach, L., Yi, L., Alaerts, K., Zhang, Z., Zuo, X.-N., Wang, Y., & Zang, Y. (2026). Social functioning in autism: A systematic review and meta-analysis. Nature Human Behaviour. Advance online publication. https://doi.org/10.1038/s41562-026-02457-w

【Well-being講演】
https://www.youtube.com/watch?v=bK9TROrNOPs&t=120s

【今後の対談予定】
6月7日(日) ~ 高山ゆかりさん

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おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。
この番組では心理学の研究のお話とか、研究者の生活のお話とかをしています。
今日は論文の紹介をしたいと思いますが、
特に先週までやっていた処方箋企画とは違いまして、
本当に自分の興味の赴くままに論文をいろいろ読んでいまして、紹介したい、とても面白い論文があったので、それにしたいと思います。
自閉症スペクトラムに関する研究です。
お知らせを先にさせていただきたいんですけども、先週も少し告知というかシェアしたんですが、
YouTubeの方で最近研究の話を30分くらい撮った動画を上げたので、それを概要欄に貼っております。
ぜひ見ていただけると嬉しいです。
結構、ベルビングについて話したんですけど、結構いい角度から話せたんじゃないかなと。
初めて話した話の割には意外といい感じかなと思いますので、ぜひ聞いてみてください。
あとは少し先なんですけど、6月7日に高山ゆかりさんボイシーのパーソナリティーの高山ゆかりさんと対談することになりました。
夜の9時からまた近づいてきてからたくさん告知したいと思いますけども、決まった段階で一回言っておきたいなと思います。
もし絶対聞きたいぞという方は今から押さえておいてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。
じゃあ今日の論文を紹介したいと思います。
Nature Human Behavior、心理学の中、心理学だけじゃないんですけど、神経科学の話とかもこの雑誌にはいっぱい載るんですけど、
でも心理学者が載せるとしたらおそらく一番権威のあるというかインパクトのある雑誌かなと思いますけども。
そこに載った論文です。
2026年5月の12日にオンライン公開されているので、1週間も経っていないというそういうホヤホヤ、世に出てホヤホヤの論文になります。
結構こういうインパクトのある雑誌に多いんですけど、メタ分析とかレビューの論文とか、今回もメタ分析の論文になっていて、
メタ分析、久しぶりに復習しますと、分析の分析みたいな、メタって工事の一個上の階層の分析みたいなイメージなんですけど、
分析のある論文がたくさんある、それをまとめてもう一回まとめて分析し直すよみたいな感じです。
なので、例えば100人のサンプルを取った論文が10本集まったとして、それをまとめて分析すると1000人分のデータで一応分析できる。
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そんなに単純な話ではないんですけど、数を合わせるみたいな話だけではないんですけど、イメージとしてはそんな感じです。
この論文は1990年から2025年までの論文2622本を統合しています。
その中には自閉症者約9.4万人、定型発達者17.3万人、32カ国のデータが入っているということです。
すごいですよね。2600件もまとめられるのかという驚きがあるんですけど、このNature HumanBehaviorに乗るのはこういう研究かなと思います。
もちろん2600本もあれば全部同じようなデザインで研究しているわけではないんですけど、
共通しているところとしてはテーマにもなっている自閉症者を扱っているかどうかということと、
あとは社会的な機能、社会的注意とか共感とか心の理論とか、相手の気持ちが分かるみたいな話ですけど、
簡単に言うと心の理論の専門家に怒られそうだけど、相手の気持ちが分かるみたいな、
そういう相手の気持ちというか、相手の考えていることとか、視点とかそういうのが分かるというのを心の理論と言ったりしますけど、
そういった社会的な機能に関することを測定した論文たちを集めているというのがあります。
22の社会的能力がここには含まれていたというふうに言っています。
これもメインの結果で言うんですけど、この22のこととか、社会的能力とかってまとめてしまえばまとまっちゃうんだけども、
実はそんな単純な話じゃないよみたいなことがこの論文の一つの結論かなと思います。
一番重要な発見としては、一つじゃないよというところで、5層ぐらいに分けられるんじゃないかというのがこの研究者たちの見方、まとめ方になっています。
一個ずつ簡単に言っていきたいんですけど、一つ目が運動ベースの話。
運動ベースと言っても、これは社会的機能の中の運動ベースの概念というか変数のことです。
例えば動作を知覚する、気づく、動きに気づくということ。
これも確かに社会的な能力の一つですよね。
あとは模倣するということとかがこの第一個目の階層になっていて、これが最も差が小さい。
自閉症者と定型発達者が最も差が小さいと言われている社会的機能のところです。運動ベース。
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次が感情ベース、感情認識とか共感。
その次、3つ目が推論ベース、心の理論とか社会的な推論。
4つ目が動機づけベースというので、これは社会的注意とか社会的な動機のことです。
最後5つ目が複合スキルというので、これがコミュニケーションとか人間関係構築とか。
複合的ですよね、コミュニケーションといっても、さっき言っていた相手が何を感じているか、
感情認識も大切だし、共感することも大切かと思えば推論することも大切。
確かにいろんな要素が入っていますよね、コミュニケーションとか人間関係を作っていくということ。
これが最も差が大きい、つまりは最も自閉症者、自閉スペクトラムの傾向のある方と定期アタッチの方が差が大きいと言われる要素のことだそうです。
だからどれも社会的な能力、機能みたいなふうには言えるんだけれども、
その差が大きい小さいがあるよというのが合計何万人ですか、30万人近くの人たちのデータで分かったということです。
あとはここからはいろんな観点がたくさんあるんですけど、補足的な話になってきます。
発達の順序みたいなのも結構面白いなと思っていまして、結果が出ています。
定型発達と自閉症者の方の差が現れる時期に順序みたいなのがあったと。
生後6ヶ月から差が見られている研究がいくつかあったそうです。
これは何に差が出始めるかというと、動機づけの差です。
これは動機づけと言っても分かりにくいんですけど、言い換えると人に興味を持っているかということですね。
自閉症者は人への興味が薄いというようなことだそうです。
6ヶ月でどうやって調べるねんという話なんですけど、これもいくつか面白い実験があるそうです。
そこの中身までは詳しく見れていないんですけど、引用されている論文の中で、
2001年のマエストロさんたちの研究、結構古いですね。
ここではホームビデオを使っているそうです。面白いですね。やってみたいね、こういう研究ね。
ホームビデオを使っていて、後に自閉症と診断された子どもの家族が撮影した日常のホームビデオを診断を知らない人たちが評定する。
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診断されている子だって分かると評定がブレるので、バイアスがかかるので、それを知らない人たちが評定をして分析する。
誕生日パーティーや家族の断乱の時間で、他人を見る頻度、呼ばれて振り向く反応、人より物に注意が向く傾向などを比較したそうです。
めっちゃ面白いですね。
そうすると興味が薄いと。人をより見ないとかね。呼ばれても振り向きにくいとかそういうことだと思うんですけど、生後6ヶ月ですよ、だそうです。
うちの子どもは12ヶ月を過ぎたんで、分かるんだと思ってね、興味深いなと思っていました。
ただ、視線を使って長く見るかどうかみたいな話ですね。
ネイチャーに載った2013年の論文、これも元を読んでみたいぐらい面白いですね、さっきの2001年の論文もそうだけど。
生後2〜6ヶ月の乳児に人の顔の動画を見せたと、視線追跡をすると、目を見ている時間が違う。
自閉症と診断された乳児は、後にですね、これも2〜6ヶ月後、自閉症かどうかって分からないと思うんですけど、
後に診断された乳児は、定型発達時に比べて目、人の目に対しての注視が時間とともに減っていくということが分かったそうです。
面白いですね。
あと12ヶ月では、模倣の差が出始めるというところで、実験者と乳児が同じ部屋にいて、どれくらい真似するかという話ですね。
やってみてというパターンもあれば、何も言わずに道具を渡すパターンもあるみたいなんですけど、
それどれくらい模倣するか、あとは模倣が成功しているかどうかみたいなことを見ると、
自閉症の乳児は自発的に模倣するのが特に少ないという結果があるそうで、
そういったことで社会的な機能とか、動機づけとかを調べる。
12ヶ月は模倣の差が出始める。18ヶ月は感情理解に差が出始める。
36ヶ月で、ここの理論の差が出始めるみたいな感じで、
この2千何百件みたいな論文がある中で、6ヶ月の子を対象にしている研究もあれば、3歳の子とかね。
もちろん大人の人を対象にしている実験が多分一番多いんですけど、学生とかね。
多いんだけども、こういったたくさんあるからこそ、どこで差が出始めるかみたいなのが合わせて分析できるというのもすごく面白いなと思います。
時間結構経ってきたので最後にするんですけど、いろんな結果があった中で、
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重要なインプリケーションというか示唆的なところとして、自閉症というのはつながっているんじゃないかと。
いろんな機能同士がということです。定期発達の方だと、例えば感情理解と推論というのは比較的独立している能力であると。
別に感情理解がめちゃくちゃできるからといって推論ができるかどうかわからないみたいな感じなんですけど、
自閉症の方というのはこれらの結びつきが強いかもしれないことがわかったということです。
例えば直感的な社会理解が難しいときに、感情と推論がお互いに補い合いながら一緒に発達している可能性があるというふうなことが示唆されたそうです。
こういうことがわかると、感情認識訓練と視点取得の訓練を組み合わせるということが、もしかしたら効果的かもしれないという、すごく今後につながっていきそうな示唆的なことも言われているのかなと思います。
興味深いですね。
辞めた分析の力だなと思いますし、これまで1990年から35年間の研究の一つの、ここでマイルストーンみたいな成果が打たれたと思うんですよね。
2622本の論文を書いたそれぞれの人たちの結集だと思うと、すごいことだなと思うんですよね。
辞めた分析を紹介するときとか、自分が辞めた分析を書いたことないけども、そうじゃなくても先行研究本でイントロダクションで、そういう先行研究の理論のもとに次の研究がなっていくので、別に辞めた分析に関わらずなんですけど、こういう論文を読むと先人に感謝だなという、
勢いのね、みたいなのを言いたくなというふうに思います。
どうでしょうか。
ちなみにね、たまに言っているかもしれないですけど、
辞めた分析の論文として使ってもらえるようになりたいなと。
その2600本のうちの1本になれたらすごく誇らしいなと思ったりしますね。
私の研究分野はめっちゃマニアックなんで、なかなか辞めた分析みたいなことも起こりにくい分野なんですけど。
例えば俳句の美しさを研究している研究者がいっぱいいて、研究が30本くらい集まって、俳句の美しさって結局何で決まるんだろうねみたいな話とかできたらいいんだけども。
今のところはどうでしょうね。
8割くらいが私の分になっちゃう。
なのでね、広がっていけばいいなと思うわけなんですけど。
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ちょっと余談が過ぎてしまったんですが。
そういう、今日は自閉スペクトラムの話をさせていただきました。
一つ参考になれば嬉しいですが、いつも通りですけど、あまりこう、メタ分析は確かに信頼性の高いし、
Nature of Human Behaviorみたいな雑誌としても信頼性が高いんですけど、
とはいえね、何て言うんですか、その模倣が。
何て言ったらいいんだろうな。
傾向の話ですって感じですかね。
そういう風に聞いてもらえると嬉しいです。
月曜日ですね。
今日月曜日でなんとか一本紹介できたので、フェースを作って、
またね、ほぼ平日は毎日論文紹介とかしていきたいなと思っていますので、
引き続きよろしくお願いします。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日に、そして今週もいい一週間にしていきましょう。
陳平でした。心を込めて。
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