野村 将揮
はい、じゃあ始めたいと思います。 じゃあご挨拶させていただきます。どうも皆さんこんにちは。
入山 章栄
ありがとうございます。 早稲田医学の入山でございます。というわけで、ちょっとプロトスターの人に何か、 菅原くん頼んだ方がいい?
なんかね、なんか結構前に席を詰めた方がいいんじゃないかっていうプロトスターの提案があったんですけど、いいよね、このままでね。
はい、すいません。じゃあちょっとこのまま始めたいと思います。 まずはですね、このセッションに来てくださってありがとうございます。
このセッション、実はもともと、本当は数十人のちっちゃな箱でサイドイベントみたいなのをやる予定だったんですよ。
ただ、どこかでですね、IVSさんのいい感じの忖度が出てましてですね、 初日の最終セッションで結構大きめのこういう会場でやってくれということで、
本当に1、2週間前に決まったんで、ちょっとびっくりしたんですけど、 なんで、若干席にもゆとりがあるんで、もし前の方に来たい方がいたら、ぜひ来ていただければというふうに思っています。
というわけで、最終セッションなんですけど、会場大きいんですけど、内容はかなり飛ばした内容ができればいいなというふうに思っております。
はい、それでちょっとですね、どういう経緯でこのセッションをやったかということを、 すみません、僕の方で最初5分か10分くらいだけ解説させてもらいますね。
まず、これ京都市のイベントなんですね、セッションなんです。 だから京都市役所としてこのセッションを持ってまして、
私がたまたまなんですけど、何年か前から京都市の経営戦略アドバイザーっていうのをやってまして、
IVSがこうやって来るようになったので、せっかくなんで京都市で出ようじゃないかということで、去年からセッションを持たせていただきまして、
今年こうやって第2回目のセッションを持たせていただくということになったわけです。
じゃあ今日のテーマが、もう一言で言うと、人文知って言ってますけど、今日のテーマはズバリ思想哲学宗教です。
何でかっていうと、僕は計画者の仕事をしてて、ちょっと知ってくださってる方もいるかもしれませんけど、いろんなところでビジネスのいろんなところに顔を突っ込んでるんですが、
明らかにこれから思想哲学宗教の時代なんですよね。
1個だけすみません、勝手に宣伝だけさせてもらうとですね、僕実は7月19日に4年ぶりに本を出すんですね。
すみません、全然これセッションと関係ないんでごめんなさい。関係ないですけど、2019年に一度世界標準の経営論って本を出して、
ありがたいことに売れてるんですけど、今年の2020年7月19日に、ちょっと良ければ今この瞬間にAmazonでポチってほしいんですが、
生雷明さんと協調で宗教の本を出すんですね。
タイトルが宗教を学べば経営がわかるっていう本なんですよ。興味あるでしょ。
ちょっとぜひ今この瞬間ポチっとしていただけるとありがたい。宗教を学べば経営がわかる。
それは僕はただの宗教素人なんですけど、僕自身が今すごい問題意識として感じていることで、明らかにこれから宗教思想哲学の時代なんですよね。
それはもうなぜかというと、今日ここにいる皆さんめちゃめちゃ感度いいんでお分かりだと思うんですけど、
例えば端的に言って、今ものすごく世の中不確実性が高いと。
何より圧倒的にAIの時代になってきていて、下手するとこれからAIにすべてを我々任せる社会になってしまうかもしれないわけです。
加えて、今日僕今51なんですけど、多分僕より若い20代ぐらいの皆さんは、おそらくなんですけど寿命が130年ぐらいになる。
皆さん今30だったら多分130歳ぐらいまで生きる可能性が、100年後に生きる可能性がある。
これはもう明らかなんですね。っていうのは人類って技術革新のたびに寿命が伸びるんですよ。
これも分かってて、産業革命の時に、産業革命まで人類の寿命大して伸びてなかったんです。
みんな同じようなもんだったんです。それが産業革命でバッて伸びたんですよ。
すごいね、非連続的に伸びるんですよ、人類の寿命って。
次、コンピューターの登場でバッて伸びて、次、インターネットの登場でバッて伸びたわけですよ。
だけど今ご存知のようにAIが出てきていて、今日のセッション終わったら、例えばぜひよければ見てほしいのが、
YouTubeでアルファフォールドって知ってる人いるかもしれませんけど、アルファフォールド見るとビビりますよ。
アルファフォールドっていうのはGoogleがディープマインドの技術を使ってやってる、
タンパク質の3次元構造の解析の予測モデルですね。
で、今まで人間がやってたのが、AIの、ディープマインドのAIのおかげで、
今異常な速度で正確にタンパク質の構造が当てられるようになってると。
人間の体って6割水ですけど、ほぼ全部は残りタンパク質なんで、人間ってタンパク質人間だから、
例えばここがですね、たぶんこれからAIで強烈に改善されるので、たぶん癌はなくなる。
と、たぶんここにいる若い皆さんは、あと100年生きるわけですよ。
暇じゃないっていう話があるわけですね。
世の中こんな不安定なのに、やたら長く生きなきゃいけない時代になってきてるという中で、
非常に不安定な時代になってきてるわけですね。
で、そういった時代だからこそ、人間ってやっぱり心の拠り所が必要だし、
何よりこれからの社会が変わってくる可能性があるんですね。
で、もう一個だけ言うと、皆さんムスタファー・シュリーマンって知ってます?
あの、ディープマインドを作った人ですね。
皆さん、ディープマインド、たぶんここにいらっしゃる皆さん知ってると思うんですけど、
入山 章栄
アルファ号を作ってね、Googleのサービスですよね。
それで、号の機種をぶっ倒して、あれでAIすげえぞって時代になったわけですけど、
去年、僕そのディープマインドの創業者のムスタファー・シュリーマンと対談したんですよ。
オンラインで、ちょっと対談しませんかって言われたんで、
で、シリコンバレーのムスタファー・シュリーマンと東京の杉並区の僕とでですね、
ズームつないでやったんですけど、喋ってると、前半はまだ彼の新しいインフレクションAIっていうAIのサービス作ってて、
めちゃめちゃすごいんですよ。
まあ、すでにちょっと失敗引っかかってるんですけど、リード・ホフマンと組んで始めて、
いきなり8000億集めてるんですよ。
ていう、まさに集めたところでムスタファーと対談して、
最初は彼PiっていうAI作ってるんですけど、Piすごいじゃんみたいな話したんですけど、
途中からずっと、資本主義はどうあるべきかとか、
民主主義はこうなるんじゃないかとか、
人類の思想、根本的な考えをこう変えていかなきゃいけないんじゃないかみたいな話だけ、
ムスタファー・シュリーマンがバンバンしてくるんですよ。
たぶんまだネットに動画残ってると思うんで、ムスタファー・イリアマンとかいったら出てくるかもしれませんけど、
で、途中でなんでこんな話するのって思って、
ちょっとシリコンバレーの頂点みたいな人だから、
普段からこういう話してんのって聞いたら、
うん、普段からこういう話をしてると。
だから向こうの世界の生成系AIのトップオブトップの一人は、
他にたぶん喋ってるのはサム・アルトマンとかイーロン・マスクなわけですけど、
ああいう人たちととにかく人類の資本主義とか民主主義が、
たぶん生成系AIとかAIの登場で、
根本から結構近いうちに変わるだろうっていうふうに彼らは考えていて、
その時に作った人間として責任があると。
なので、そういう時代になってきてるんですよね。
だからシリコンバレー、実は今世界で一番そういう思想とか資本主義のあり方を考えてるのは、
たぶんシリコンバレーの一番コアにいる人たちなんですよ。
で、そういう思いを持って、ちょっとそうなると、
我々も日本人だし、そういう思想とかを考えていかなきゃいけないなと思っていて、
僕は京都市のアドバイザーをやってるんで、
実は京都市さんと前から喋ってて、
もっと京都っていうのはまさに思想の場所であり宗教の場所であり哲学の場所なんで、
京都からもっとそういったものを考えて世界に発信するのが大事なんじゃないですかっていう問題意識を提起していたところで、
ちょうど今日この後いっぱい話していただきますけど、
まさにそれを実際にやろうとしている方がいらっしゃいまして、
ハーバード大学で今博士号を取られようとされている方なんですけど野村さんですね。
で、実際今めちゃめちゃすごいアクション起こされてます。
だからこれからたぶん野村さんと、しかもそれを松井市長がバリバリバックアップしてくださってるんで、
京都はこれから世界は思想を考えなきゃいけないんですよ。
思想が先なんですよ、世の中って。
明治維新も最初、松下尊塾とか藤田東子が尊老上位っていう思想を作ったんで、
結果的に山口の田舎の萩から人、薩摩の田舎から人が出て、日本をひっくり返しちゃったわけですね。
で、たぶん同じようなことが、どこかから思想が出てきて世界を変えていくと。
で、僕はその1個の可能性のある場所が、一番可能性のある場所が京都なんじゃないかと思っていて、
だからまさにそういう意味では今日松井さんと野村さんに来ていただいているのは、
まさに実は共和をきっかけにですね、京都を改めて世界の思想の中心の場所にしたい。
ということで、まさにお2人に来てもらって、
でも4、50人ぐらいのちっちゃなイベントやろうとしてたら、急にIVSの尊塾が入ってですね、
でかい箱になったんで困ったなと思って、
ここはついでに集客ができる人をね、ちょっと広げ出して呼ぼうということで、
とするとですね、今たぶん一番皆さん話を聞きたい1人であろう、
つい最近上場したばかりのですね、あのIoTプラットフォーマーのね、
本当に日本の今スタートアップ界の星ですけど、ソラコムの玉川さんに来ていただいて、
中村多伽
そして、僕は今日実は初めてお会いするんですけど、今日これ6回目ぐらいの登壇ですよね。
入山 章栄
今日2回目。だからトータルで今日、今回IVSで6回か7回登壇するという、
引っ張りだく中の引っ張りだくの中村貴さんに来ていただいて、
かなり異色だと思うんですけど、上場した、成功した企業家、ハーバードの哲学者、
京都市長、そしてインパクト投資の有名人というメンバーでですね、
ちょっとこれからの我々、皆さんも多分これからのスタートアップの世界って、
思想が不可欠なんですよ。思想がないスタートアップは多分、存在価値がなくなっていくので、
なので、なかなかこういうセッションってないと思うんですけど、
そういうちょっとディープ目な議論をやっていきたいなというふうに思っております。
というのが趣旨でございます。なので、ぜひいろいろ考えていただいて、
もしかしたら途中で皆さんにもちょっとご意見お伺いするかもしれないんで、
ぜひ一緒に考えていただければありがたいなと思っています。
はい、じゃあ僕の講釈はその辺にしまして、それぞれのちょっとパパッと1分ぐらいで、
自分がいっぱい喋っておいて、お前だけ、私たち1分なのって安心あると思うんですけど、
1個だけもう1個すいません、宣伝で、今日この後夜7時からで、
7時半から京都タワーで、ニデックタワーで、バーベキュー大会のサイドイベントやりますんで、
まだ結構ほぼ埋まっちゃったんですけど、若干席が余ってるっていうことなんで、
ご関心があったらぜひいらしてください。
はい、じゃあですね、この今日のテーマ、
哲学思想なきイノベーションはありえない、スタートアップはありえないと、
企業家が目指すべき、スタートアップが目指すべき思想とはというテーマで、
これから皆さんと議論していこうと思います。
僕の紹介はいいと思うんで、じゃあ次、
玉川さん、ちょっとよければ1、2分で自己紹介を、知らない人いないと思うんですけど、お願いします。
玉川 憲
はい、皆さんよろしくお願いします。
入山 章栄
はい、じゃあ今日はよろしくお願いします。
さて、次はどちらかな。
あ、タカさんですね。
じゃあタカさんお願いします。
中村多伽
はい、ありがとうございます。
タリキの中村と申します。
タリキは京都で私が7年前に始めた会社で、
社会課題を解決する企業家の育成だったり、
投資っていうことをやってます。
で、たまたまIVSに7年前ぐらいに行きまして、
ボランティアスタッフとして行ったんですけど、
そこでファンドレイズするのがきっかけで、
ファンドレイズしたのがきっかけで、
その御恩を返せと言わんばかりに、
国旗使われているので、
ロックステージ登壇するっていうだけで、
別に引っ張りたこなわけではないんですけど、
そういう意味で、
私が関われる話題が増えてきたなっていうのを感じるのは、
社会課題に対するアンテナがすごく世の中に張ってきた。
で、社会課題解決って、
ふんわり優しい、
なんかこうパッセルカラーのイメージで終わりだと思うんですけど、
強い強い思想なんですよね。
社会課題って。
入山 章栄
社会課題は思想。
中村多伽
こういう社会であるべきであるっていう、
強い思想があって、
初めてそれが授業として推進されるので、
今日の話すごく楽しみだなと思って参りました。
入山 章栄
よろしくお願いします。
西原 ありがとうございます。
最後、野村さん、ぜひですね、
野村さんに後でアイスブレイクでいろいろ喋ってもらうと思うので、
ここは自己紹介だけお願いできますか。
野村 将揮
野村 皆さんこんにちは。野村でございます。
先月半ばに、今アメリカと京都行ったり来たりしてるんですが、
日本に戻ってきて、
この1ヶ月弱で6キロ増えました。
中村多伽
よろしくお願いします。
入山 章栄
本当に短い。
野村 将揮
もうちょっとだけバックグラウンド。
今、アメリカのハーバード大学で、
日本の哲学をどうやって世界に伝えながらですね、
社会課題の解決なのか、
政策ですとか経営だとかに応用していくのかってことを研究してます。
一応5月に、こちら記載ございますけれども、
ハーバードのケネディスクール、ケネディ行政大学院ですね。
入山 章栄
行政学習士をとって一時帰国中であります。
西原 もともとあれですよね、経済産業省にいらっしゃった。
野村 将揮
市長がいらっしゃった通産省の形の経済産業省にいて、
5年間勤めた後に、
ベンチャー、アイリースという医療AIのベンチャーに入りまして、
こちらは昨年の2023年のスタートアップワールドカップで優勝するなど活躍を。
入山 章栄
そして今は、京都で言えば任天堂ですけど、
そこの山内家の山内ナンバーテンファミリーオフィスのアドバイザーもやってると。
西原 さよです。
野村 将揮
あと、山内家もそうですけれども、
京都の哲学研究所、後ほどアイスブレイクでお話しますが、そちらでも戦略担当しております。
入山 章栄
西原 なので、実はかなりもうすでに松井市長とは、
この哲学思想で京都でどうやっていくかということは話し込まれているということなんで、
ただの哲学者じゃなくて、こういう形で本当にスタートアップ的な哲学者だというふうにご理解いただければいいと思います。
じゃあ、ちょっととっかかりで野村さんにかなり気合が入った資料だったんで、
3、4分でイメージ。
ちょっと野村さんの問題意識みたいなのをまずご披露いただけますか。
はい、お願いします。
野村 将揮
野村 ありがとうございます。
松井 孝治
こちらは動かず。
入山 章栄
西原 動かない。
野村 将揮
野村 あ、いけましたね。
はい、ちょっといきなり哲学思想だとか言っても、
皆さまあまりお馴染みないかと思いますので、導入呼び水で反省ライフワークなんですが、
私の反省の話をしたいというよりは、どういったことかのイメージをつかんでいただきたくて、資料をご準備いたしました。
私自身は京都で生まれたんですが、保育園小中高等富山県で過ごしました。
まさにこういう田んぼに囲まれた生活で。
あと、剣道を7歳から今まで、ボストンでもやってまして、ハバドでも28年目になります。
ちょっとロゴ並んでますけど、東大出て計算所入って、ダバスのメンバーやって、云々関連ということで、
今、右側の3つ、ハバド大学で研究したりとか、後ほどご説明させてあげますけど、
一般社団法人京都哲学研究所で、いろいろ世界戦略だったりとかをしております。
僕自身の反省に基づく、原体験という言葉はちょっとチープなのであまり使いたくないんですけれども、
皆さま、比較的想像しやすいかと思われますところ3点ご紹介します。
田舎の遅延共同、つまりローカルなコミュニティですね、町内会とかPTAとか、
すごく特殊と言いますか、すべてのものは哲学的には特殊で、一般とか平均は語るべきではないんですけれども、
おそらく先ほどの松石町のお話も終わりだったように、初版の様々な境界が曖昧で、その間の淡いがとても大きいんじゃないかなと思います。
例えばこれは、ちょっと単純化すると、西洋の契約社会、契約において個人の所有物とか権利だとかということを、
どんどんどんどん規定して分けていくみたいな世界とは、ある種対極に近しい形で、文化圏ですとか思想圏が育まれてきた。
入山 章栄
あれですね、確か僕の理解は浅い理解ですけど、キリスト教って人間は神の所有物って考えるから、
だから結局人間が物を持って、物と人間とかを切り離してみたいな、そういう分離がすごい思想的に強いですよね。
野村 将揮
素晴らしいご指摘で、ちょっと僕もキリスト教ど真ん中の研究者じゃないんですが、
そもそも実は、絶対的な神とか何か、そういった絶対的なものがあるという規範自体が、人類史上必ずしも普遍ではないと。
例えば日本は仏教と神道と、様々な他の宗教ですとか思想がですね、混ざり合っておりますけれども、
すなわち、ある特定の何かが絶対的である、something absoluteみたいなものを想定するかどうかということが、実はかなり大きな分岐であるんじゃないかなとはまず思います。
以降は、例えばデカルト以降の、人間が自然なり神なりを虐待化していったみたいな議論はあるんですが、それはまたご紹介できればなと思います。
あとは2発目も、これは京都の方々もご理解の通り、日常に当然にあふれる自然ですので、我々がもう鴨川を散歩していると、雄大な北山が目に浮かぶわけですよね。
なるともう人間を超えた、人智を超えたものがすぐそばにあるわけで、そういった意見の根も持ちやすいかなですとか。
あとは最後、剣道ですけれども、僕、先月、ボストンで61歳の女性に剣道をボロ負けしまして、本気でやっているのに、
それは古旧マイエトセトラの、いわゆる東洋的なないし日本的な思想の真髄が体現された武道の極地を表しているだろうと。
野村 将揮
体力、筋力がどれだけ勝っているらしい30代前半の男性の僕であっても、女性にやっぱり利害とかそういったもので負けるっていうのは非常に、
これはおそらく能ですとか歌舞伎、他の伝統工業も含めて通帝する思想かと思われます。
なのでこういったところはすごくもともと関心があった、かつ異形の念があったというふうなところがございました。
東大、京大、ハーバードと、東大は学部に行って、京大は修士を取ってですね、哲学研究したんですが、
博士は中退したんですけれども、ハーバードでマスターを取って、これから博士をやる世界ですけれども、
すみません、京都哲学研究所裏が白塗り消えてますが、ちょっといきなりレベルを上げますけれども、
一発目ですね、そもそも先ほどのまさに入山先生のご指摘あったように、何かを分けるみたいな思想っていうのを、
ここですね、一発目の3行目に要素還元主義的とか二元論的と書いておりますが、
すなわち主体、客体、自己を足した自分と他人ですね、あるいは精神、身体、人間、自然などっていうことを、
人間の認識、厳密に言うと、この数百年のトレンドを踏まえると別物で、もっと分けて具体に還元していく。
水を水分子ですとか、さらには原子、さらに素粒子のレベルまで分けて理解しようっていうのが、
かなりこの数百年、数世であったと、強くて良かったと。
入山 章栄
【佐藤】僕が口を挟むと先ずなんですけど、現代の科学っていうのは、僕の理解はまさに要素還元主義で、
実は経学もそうなんですけど、要するに世の中のメカニズムは全部分解していけば、
結局、その分解して細かいところのメカニズムを理解すれば、全部分かるはずだっていう前提でできてるわけですよね。
ところが分解はして分かるんだけど、それを足し合わせると動くかっていうと動かないわけですよね。
だから素粒子のメカニズムが分かっても、素粒子を足し上げて宇宙が説明できるかっていうと、宇宙は説明できないっていう。
だからまさにその限界に今来てるっていう、そういう理解でよろしいですか。
野村 将揮
おっしゃる通りで、まさに複雑系だとかいろんな概念で説明されるところをご視聴いただいたわけです。
例えばですね、皆さん、私とか自分とか自己、セルフ、愛、いろいろ考えられると思うんですが、
今この瞬間、僕らの体内には隣の方が吸って吐いたCO2があるはずなんですね。
というのはすなわち、自分の体内の体組成には必ずしも自分が絶対的に保有している、何て言いますか、
細胞のレベルなのか原子なのか、さらに小さいレベルなのか、ということが実は、
これ動的並行という概念で福岡新知先生だとか、いろいろご案内されていますが、
僕らは自分の身体、身体のあいまいも、身体の輪郭もあいまいの中で生きていると。
じゃあ、隣の人間のCO2が吸ってもうんぬんで、それ機弁だろうってよく言われるんですが、
実はこれが顕在化したのがCOVID-19、いわゆる新型コロナウイルスの流行だったと。
隣の人の健康状態とか、隣の国、隣の文化圏の流行状況が、自分たちの日常の生活に直結してくる、
みたいなところが人類直面して、同時代的な記憶として共有されているのですが、
まだそれを乗り越えられていないというのが現状かと思われます。
なので、下に書いてあるサスティナビリティ、ダイバーシティ、ソーシャルアントレペディなどが、
さまざまなカタカナ語、もしくは英単語、他の文化圏の概念がありますが、
サスティンというのは、自然を客体化して、つまり人間とは別物として、
人間を主体に自然を対象物として維持していこうという思想なんですけれども、
かなり暴論ですが、いわゆる日本的なところでは、結構自然と共にあるみたいな思想規範もあったよねと。
日本に限らずアフリカですとか、他の地域もありますので、
こういう観点をどんどんグローバルなルールメイキングだとかに応用できるんじゃないかと思って研究しています。
入山 章栄
ちょっとここで一回止めると、他の方の意見も聞いているんだということなんですが、
要するに僕が理解したのは、野村さんがやりたいことは、いわゆる今の世界って基本西洋の思想中心で、
それは僕の理解はキリスト教とかああいうところから来ている二元論で、
天国と地獄に分かれているとか、主体と客体に分かれているとか、人と物に分かれているとか、
それがもう限界なんじゃないかと。
だからむしろ東洋、特に日本の思想がむしろこれから真逆なんで、
大事なんじゃないか、それを世界に訴えていきたいという理解でよろしいですか。
野村 将揮
おっしゃる通りです。すごく厳密に言うと、一応研究者の端っこなので、
西洋、東洋という分け方自体が二元論的だよね。
実は入山先生の御示唆の通りで、価値そのものが多層である、重層的であり、相互に連関していると。
すなわち西洋は東洋の影響を受けているし、東洋は西洋の影響を受けているという、
例えばこういう命題があるとしたら、そもそも東洋、西洋というのはあくまで便宜上の区切りであって、
我々は相互に連関して生きているよねっていうところを、いろんな次元でグローバルに打ち出していきたいと思って、
玉川 憲
これがうちの会社の三つの大事なことで、それはどんだけいろいろなこと、国によって考え方とか宗教とかいろいろ違うんだけれども、これは変えませんというのをある意味押し付けるっていうことをやってて。
もちろん、スタートアップの世界もここ15年でえらく変わってきてて、ここに書いてあるように、例えばダイバーシティなんかなかったんですよ、昔。
ほとんどのスタートアップがガレージで立ち上がって、トイレが1個しかないと。女性のこと全く考えてないんですよ。
でもそれって今スタートアップではなくなってきてたりするので、そういうふうに影響は受けていくので、どんどん変えていかなきゃいけないと思うんです。
入山 章栄
スタートアップ界の思想もバンバン変わってきてるってことですね。
玉川 憲
どんどん変わってきてますね。
入山 章栄
松井さんどうですか、ここまでの話聞いて。
松井 孝治
私の一つのテーマは公共を捉え直すっていうことで、パブリックというものを捉え直すっていうことなんですよ。
私はもう役人やって政治家やってきたんで、ザパブリックイコール官みたいな、官とか政、官ってのは官僚の官、あるいは政治の政。
それが公の世界のルールメイキングを作り、いろんな資源配分を税収を財政でどう再配分するかっていうことを決める。
それが世の中ごとっていうのはそれだっていうことで、少なくとも大学卒業するぐらいまでそういう固定観念でいたんだけど、
阪神アジア大震災とかいろんなことがショックにあって、自分自身が公私官民の役割分担というのをどう変えていくのか。
これ実はですね、政治が今一番どんどん悪くなってるんですよね。
私が政治家やってた時よりも悪くなっていて、要するにそれは民主主義というもので選んだ人に対して信頼がないんですよね。
要するに自分たちが社会の問題なんて、本当は公私官民の境目をどう取り払うかっていうことなんだけど、
それが民主主義というこの一つの制度の中で、公け事を何か政治家に片方では依存して、片方では政治家を批判しているっていう、
ここをどう繋ぎ直すかっていうことが自分のある意味ではライフワークなんです。
だから私はずっと大学では官僚とか政治家とかならなくてもいいから、社会参加をするっていうことがいいことなんだと。
それでいかに自分の利益を追求しながら、社会的な課題を解決するか。
それがまた逆に喜びであるような社会をどう作っていくかというのが、私にとってはこれ一生のミッションですね。
入山 章栄
まさによく考えると官民も二言論なんですよね。
そうなんです。
なるほど。
松井 孝治
パブリックって本当は官とか、あるいは公っていうのは地方行政のことを公と言ったりするのでちょっとややこしいんですけど、
公務員のことを官と言うとすれば、地方の公務員のことも官と言うとしたら、官民の境目を越えてパブリックっていうのは、
民とか官とか関係なくそれはグラデーションのように存在している。
入山 章栄
豊田自動車もパブリックになっているし、逆に言うと消防とか警察というものがピュアに100%官の世界かというと、僕はそうじゃないと思っています。
野村さんしゃべれたらそうなんですけど、先にタカさん、まさにごめんなさいね。
インパクトファンドってまさによく考えるとインパクトファンドだから、今までなら官がやればいいじゃんっていうところを、
民の力でやろうとしているわけですよ、ある意味ね。
今の松井さんの話聞いていかがですか。
中村多伽
ありがとうございます。得意領域の話を持ってきてくださって。
まさにおっしゃる通りで、結局、官民で役割分担したときにそれが未来英語を機能するかというと、
そうではないんですよね。
日本が人口減少して税収が減っていったときに、今までいわゆる官が担っていたものが、
誰も担えなくなると。
それだったら、今まで税金で何とか保っていたものが、突然課題として世に放たれるわけですね。
そうしたら大変じゃないですか、皆さん。
民間でというのは、要は自立型の状態で解決できる仕組みを作っていって、
それはもしかしたら半分は税収で成り立つ形かもしれないけど、
10年後は税収がゼロでも成り立つ形に持っていこうという形で、
いわゆるビジネスという仕組みに偏見を異常していくということなのかなと思っています。
入山 章栄
松井さんぜひマイク持って。
松井 孝治
ビジネスだけじゃないんですよ。
ずっと言ってるのは、ガバメントソリューションというのがあって、これはよく失敗するんですよ。
松井 孝治
マーケットソリューションというのもあって、ビジネス化すればいいということで、
80年代から90年代かけてすごくそれは進んでいったんだけど、
やっぱりマーケットもフェイラーするんですね。
ガバメントフェイラーもマーケットフェイラーあって、
やっぱりそれを補うものとして、コミュニティというものが、
場合によってはビジネスもコミュニティの一員だし、あるいは公務員もコミュニティの一員だけど、
セクター分けをしない、官民というセクター分けをしないで、
一人の構成員としての人間がどう行動するかという意味での
コミュニティソリューションというのがあるんじゃないかと、
僕はそれを新しい公表と呼んでいます。
入山 章栄
マーケット、ガバメント、その間でコミュニティソリューション。
なるほど。
野村さんに聞きたいんですけど、
長谷川さんが喋りたそうなんで先にどうぞ。
玉川 憲
そう言われるとスタートアップもコミュニティだなというふうに思って、
まさに僕がAWSに入った2010年くらいから、
大体日本の中でスタートアップコミュニティが立ち上がる前後くらいだと思うんですけど、
そこにいた人たちは自分がこれを信じているというアイデアに対して
投資家さんが投資をしてくれて、
おそらく多くの人がそうじゃないと思っていることなんだけど、
自分はこれは正しいと思っているというところにみんなベッドするんですよね。
それで成功するのは100分の1かもしれないんですけども、
それによって大きな引力を発生させてコミュニティを作って、
何かの社会問題を解決することもあるし、
皆さんに受けられるサービスを作ることもあるっていう、
そういう世界観。
入山 章栄
つまり思想を持っていて、
そこでコミュニティを作って帰っているという感覚。
そうですね。
玉川 憲
だからゼロトゥーワンという本が有名な本がピーター・ティールの本があるんですけど、
そこでゼロから1を作るときに大事なのは、
結局みんながそうじゃないと思っているんだけど、
自分はそうだと思っているということを、
もし見つけられたのならば、それに賭けるべきだという言い方をしているんですよね。
それって、いわゆる100人いたら99人がそうじゃないでしょと思っているんだけど、
自分はこっちが正しいと思っていて、
その仲間を、コミュニティを作っていって、
一点突破していくという世界。
入山 章栄
村瀬 尊能上位もそうですもんね、最初はね。
だって山口の田舎で吉田松陰だけが尊能上位だって言ってて、
総括ションジュークができて、日本をひっくり返してあげたもんね。
玉川 憲
ちなみにソラコムのことを言わせてもらうと、
僕らが思った真実は何かというと、
クラウドが、もともとAWSなので、クラウドが出てきたときに、
クラウドの上では通信系の仕組みとか、
金融系の絶対落ちちゃいけない仕組みは作れないってみんなが思っていたんだけど、
僕らのチームは作れると思ったんですよ。
これは作れるから、何らかの世界の役に立つはずだって言って、
仲間を作って始めたんですね。
それはたまたまうまくいったっていう。
入山 章栄
野村さんすみません、お待たせしました。
入山 章栄
言いたいこといっぱいあると思うんですけど、ポイントをぜひお願いします。
野村 いや、とんでもないです。
野村 将揮
ありがとうございます。
お三方のお話、本当に共感を持ちながら、うなずきながら聞いておりました。
この文脈で申し上げると、課題にですね、
ローマ字で英語でサスナビリティ、ダイバーシティ、ソーシャルアントレプレナーと書いてありますが、
決してですね、この考え方が間違っているとか、
そういう話をしたいわけではございません。
あえてカタカナ語ではなくて英語にしているのは、
いわゆるサスナビリティ的なものは、
たぶん、いわゆる日本なのか、もしくはいわゆるアジアなのか、
さまざまな文化圏でおそらく別の概念とか別の形、価値体系を作ってきたはずなんですよね。
だから、これを無理やりカタカナ語にして一般化せずに、
我々の中で、たとえば自然とか、もしくは共同体、公共同体なのかっていうことを改めて考え直したいっていうことを言いたかったと。
というので、カタカナ語を避けているつもりなんですが、
タイトルがハンセンとライフワークだったっていうので、
お恥ずかしい限りでバリバリ使ってました。
入山 章栄
僕一個野村さんにぜひお伺いしたいのが、
先ほどちょっとムスタファー・シュリーマーの話をしたんですけど、
今僕は結構、シリコンバレーの人たちがAIとかやりすぎちゃって、
やべえぞみたいな、ほんとマジでみんな結構、
人類はどうすべきなんだってことを真剣に議論しているってのが僕の理解なんですね。
今野村さんアメリカにもハーバードにもいらっしゃって、
今アメリカの最先端の人たちとかっていうのは、
思想とかこれからの人類の在り方とか、
あるいは資本主義、民主主義の在り方っていうのは、
どういう議論とか方向感になってきているのかって教えていただけますか。
野村 将揮
ありがとうございます。
これ非常に繊細で難しいんですけれども、
まず大前提がアメリカもそうですし、ヨーロッパ各国もそうなんですが、
ある種その影響力が強い思想はいくつか当然あります。
ただ、バックグラウンドがみなさん多様すぎるので、
とりあえずまずみんなの話をお互いに聞こうねっていうのが、
特にアメリカのそれこそハーバードとかスタンフォーとかが作ってきた、
ここ最近のトレンドであります。
良いか悪いか別にして。
で、実はみんな違ってみんな良いって話まではできるんですが、
じゃあどこ目指していくかっていうことの統率をしにいかないと、あえて。
入山 章栄
なるほど。
野村 将揮
なので、いろんな人がいろんなことを言っているね。
なるほど、それぞれ良いところがあるよね。
理論がかなり止まっている、スタックしちゃってるっていうのが初感一つと。
入山 章栄
ぶっちゃけ思想の定時っていうところまで行ってないっていう。
おっしゃる通りです。
松井 孝治
アメリカやばいっていう。
野村 将揮
アメリカ最高だよねっておっしゃってる方はあんまり見かけないですね。
ただ一点、このレイヤーだとあれなんですが、
かなり抽象度を上げるとまさにAIのお話ございますが、
技術そのものが人間の意図ないし、思想ですね大げさに言えば、
を超えて自律的に、つまり自分でデータを作る、データを集める、
データをどんどん使って成長していくみたいなところの危機感はかなり感じていますが、
それがどう危機なのかっていうのを揃えに行くと、
要するにレイヤーを抽象度をちょっと下げると、
人間なんたらかとか社会なんたらかの議論になるので、
そこの整合性を取るのはかなり難しいかなっていうのが今の直感地ですね。
入山 章栄
普遍的ななんかヤバそうだけど、具体にちょっとでも落としちゃうと揃わない。
野村 将揮
おっしゃる通りです。
逆に言うと、今我々が接しているグローバルなトレンド、
例えば脱炭素とかっていうのは、炭素カーボンクレジットとかでCO2排出権取引しようとか、
スコープスリーサプライチェーンでどれだけ出したの、どう管理しようみたいな話はむしろしやすい方で、
技術論とかもしくは人間なんたるかってことって文化圏によって違いすぎるので、
文化圏によっても違うので、
おっしゃる通りそれをその具体的になるといきなり揃いにくくなるっていうのを感じています。