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イタラジ、はい、イタラジ第4回目となってまいりまして、 今日はですね、『アレクサンドリア四重奏』とですね、 三島由紀夫の『豊饒の海』にちょっと触れられたらと思います。
アレクサンドリア四重奏、皆さん、読んだことございますかね。 アレクサンドリア四重奏っていうのは、ロレンス・ダレルというイギリスの小説家が書いた4巻の小説なんですけど、
これは総合小説的にね、それぞれ違った視点から一巻ずつ、 ジュスティーヌ、バルタザール、マウントオリーヴ、クレアっていう4巻から、視点とか語り口が違う、時間空間が違う相対性小説だみたいなことをロレンス・ダレルが書いてるんですけど、
本当かって感じですけど、とにかく面白い小説があるんですけども、 今ちょっと手に入りにくいという部分もあるんですけども、よかったらね、図書館などで読んでみていただければ、手に取っていただければと思いますけども、
この小説はですね、非常にですね、長大かつ複雑な構成なんですけども、文章はね、すごい装飾が多くて、ちょっと読みにくいかなっていう最初の方は思うかもしれないですけど、慣れると読みやすいんで、そこはね、今から説明する、
豊饒の海、これは三島由紀夫の最後の小説で、これも4巻なんですね。春の雪、奔馬、暁の寺、天人五衰、この4つなんですけども、これもね、それぞれ3人称なんですけども、これは全部ね、それぞれ視点が違うという小説なんですけども。
じゃあそうですね、アレックスサンドリア四重奏の構造をちょっと説明していきたいと思うんですけども、まず語り口がですね、違うんですね。
1巻ダーリー、ダーリーというのが主人公の名前なんですけども、ダーリー1巻、2巻ダーリー、3巻3人称、4巻ダーリーっていう、ダーリー3対3人称1っていう構成になっている語り口なんですけども。
1巻がダーリーの完全な、なんていうかな、独り語りなんですね。2巻がバルダザールっていう友達、これはゲイなんですけども、ダーリーはゲイじゃないんです。バルダザールのツッコミが入る。
バルダザールは頭のいい医者なんで、この人が凄い造作が優れたことをツッコミを入れながらダーリーとダーリーがそれを回顧して語っていくっていう小説。3巻のマウントリーヴは3人称、これは政治劇なんですね。政治恋愛劇で非常に面白いです。非常に面白いですし白眉と言われてますけども、これがありますね。
4巻目、クレア。クレアがダーリーの話なんですけど、これは1、2、3巻が大体同じ時間軸かちょっと前の時間軸なんですけど、それを超えた先にある未来の小説を書いてるんですね。
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非常にこれらのエピソードが絡み合って、非常に匂い立つような、エジプトのアレクサンドリアを舞台にした小説、アレクサンドリア四重奏っていうくらいですかね。
この小説、めちゃくちゃドロドロの愛憎劇がくりひろげられてね、情念とか理性とか思想と文学と、非常にすごい文芸大作になってますけど、これが本当に面白くて、いろんな文化、西洋、東洋問わずいろんな文化が出てきますし、アレクサンドリアの怪しさみたいな。
すごいドロドロの情念みたいなのが出てきますし、パーッと砂漠の乾いた世界観みたいな、不毛な大地みたいなのが出てきますし、不毛っていうか乾いた世界観、そして海の綺麗な海底に潜むものみたいなのがホラーめいたところがありますし、こういう小説があります。
三島由紀夫の豊饒の海何が直結してるかっていうとですね、僕の勝手な妄想なんですけど、すごく時間をかけた恋愛って言われるんですね。三島由紀夫の豊饒の海ってすごく時間をかけたロマンみたいなのがあるんですよ。
あとね、幻滅っていうモチーフがあるんですね。時間による幻滅みたいなね。時間をかけた恋愛と幻滅。美と種。すごい美しい人間も出てくれば、すごい醜い人間も出てくればいいですけど、それは見た目が美しかったり、でも心は醜かったり、その逆で見た目は醜いけど心は美しかったり、英雄的だったりっていうね。
そういう美臭、内面外面、心、体、いろんなものがグトグトになっている。豊饒の海も非常にすごい、そういう意味では優れた小説ですからね。総合的な全体的な小説なんですけど、その四冠文っていう共通点がすごくいろんなモチーフが出てきてですね、非常にこの二つを読むとね、面白い楽しめる、ロマネスクな世界が好きな方がね。
ロマンチックというかロマネスク、いろいろ絡み合って複雑なロマンスの小説を読んでいただければ楽しんでいただけると思いますけどね。
豊饒の海については個別にまた語っていきたいと思いますけど、またお祝いにそれは語っていきたいと思います。
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はい、今日はね、今回はアレクサンドリア四重奏とね、伝えるのと三島由紀夫豊饒の海のちょっとした関連と、アレクサンドリア四重奏の面白さ、これとにかくいいですから、とにかく手にとって読んでいただければと思います。
ではみなさん、今日はありがとうございました。
ちなみにですね、三島由紀夫はですね、アレクサンドリア四重奏についてね、読んでいまして、こういうコメントを出しています。
「アレクサンドリア・四重奏は今世紀最高の傑作の一つであり、優にプルースとトーマスマンに匹敵する。」
すごいですね。「国際政治の陰謀が渦巻く地中海の海の都、アレクサンドリアを舞台に恐るべき愛の虐説と悪夢のような現代人の心象風景を描く。」
「本書にはこの大作の第一部、第三部を収めている。」朝日新聞、昭和39年10月21日。全集33巻にあります。
こういうコメントを残しているとね、三島由紀夫も結構影響を受けたんだろうな、影響を受けるとライバル心を燃やしたんだろうなというエピソードが想像されますけどね。
こういう関係性もあるという。これを追伸としてお伝えしておきます。では、皆さんありがとうございました。