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こんにちは、早川洋平です。石田衣良、恋と仕事と社会のQ&A、今日は第98回をお届けします。
伊賀さん、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、前回53歳の女性からでしたが、今日も52歳。ホットキャストネーム、ますみさんですね。
おそらく女性かと思いますが、伊賀さんのブックサロンで俳句に挑戦して以来、
あ、伊賀さん、サロンに入ってくださっている方かもしれないですね。俳句作りが楽しくなり、俳句番組などにトークなどしてみるようになりました。
いいですね。
写生句って難しいなと感じています。
はい。
伊賀さんの小説を読んでいると、風景やものの描写にハッとさせられることが多いのですが、ものの見方や描写で心がけていることはありますでしょうか。
もちろんセンスや感性の問題もあると思うのですが。そんなことを含め、創作力を磨くためのアドバイスなどいただけたら嬉しいですということで。
はい。
いただきました。
はい。俳句、いいですね。
やっていますよね、サロンでも。
はい。サロンのみんなはすごいたくさん作ってくれるので、楽しいですよ。ネジで読んでいる方も。
そうですね。
最近、TBSで芸能人が俳句を作る番組があるじゃないですか。
はい。
狛井いつきさんがいつも面白い俳句の解説をしてくれるのですが、あれを見ていていつも思うのは、基本的にあまり描写がないなという感じなのですよね。
うん。
で、その初心者で俳句を始めたばかりの芸能人を見ていると、みんな頑張るのは俳句の本を読んで、誰も知らないような小難しくて格好良さげな記号だけ使って何とか俳句を作ろうという悪い癖があるんですよね。
頭の悪い人が陥りがちな。
ドキ。
で、今回増美さんは、描写をどうしたらいいか、目の前にあるものの写生をどうすると発達させるようなことができるか。
はい。
ということなんですけど、これには何よりも、実は難しい言葉を知っているとかなんとかではなくて、何かを発見するということが大事なんですよね。
ああ。
その発見に俳句の良さってかかっているんですよ。
言葉よりも発見か。
そう。だから、物の見方だったり、物の組み合わせ方、あるいは意外性だったりで、何かその17文字の中で発見があると、この人の感性はちょっと素晴らしいんだなと。
ちょっと素晴らしいんだなっていうふうに、みんなに読んでもらえると思うので、そこを磨きましょう。
なので、普段からいろんなものと組み合わせながら、目の前にあるものを見る。
組み合わせながら、目の前にあるものを見る。
俳句の場合は、取り合わせっていうんですよね。
意外性のある2つのものを取り合わせると、すごく良いということになりますので、それをやっぱり考えてみるといいですね。
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そういう意味では何でしょうね。昔も三大話じゃないですけど、全然関係ないものじゃなくて。
うん。
自分に、あんまりノルマっぽくすると面白くないですけど、何かどういう発想で普段過ごせばいいんですか。
もうちょっと、これがあったときに全然関係ないものを組み合わせたら、どういうことができるかなみたいに考えるのか。
例えば、色とかで言うと、これ江戸の湖畔海なんですけど、まな板や青菜で拭うイカの墨っていうのがあるんですよ。
これはまな板の木のベージュですね。そこに飛び散った真っ黒なイカの墨。
この切れ端の使わないところで雑巾があるで、ざっと拭うっていうのを一瞬にして読んでる句なんだけど、この色の組み合わせは素晴らしいでしょ。
もう見えましたね。
はい。だからね、こういうことですね。
なるほど。
あるいは、例えばこんな句がありますね。いわし雲、華やぐ月のあたりかな。
うん。
これは夜のいわし雲なんですが、細かくこう鱗のようになっているいわし雲のその向こうに満月が何か。
うん。
多分あるんですね。で、その月の周りだけ鱗に光が当たっているようにキラキラ光っているっていう俳句なんですけど、こういう感じもね。
確かに見えますね。
うまいよね。
うん、うまい。この華やぐっていうのがね。なので、要はこれはね、定型があるわけじゃないんですけれど、自分の感性だったり感覚だったりを開放して、いつも周囲にあるものに気を配っておくっていうことの中から生まれてくるんですよね。
そうか。
で、その時にぜひ気を留めておいてほしいのは、よくみんなきれいなものって花がきれいだねみたいなことばっかり言うじゃないですか。なので、そんなではない。例えばうんと汚いもの、汚れているもの、いけてないなっていうものの中からきれいなものを見つける。
なるほど。
で、またきれいなものの中には、例えばどんな花にも虫とかついてますよね。そういう悪いところを見つけるっていう、その反対のことを常に見るだけの目を。
やしになってほしいですね。
それがまあでも発見するってことですよね。
はい。そういうセンスでずっと世の中を見て、目の前にある景色だったり人間を見ていけば、だんだんとその描写力だったり作家としての目が育ってくると思います。
ただこれはなかなかあの一瞬ではできないので、気にかけた上で何年も頑張ってくださいっていうしかないですね。でもそういうのを見るってことが結局才能なんですよね。
そういう意味ではそのいつでもどこでもできるってことですよね。
どこでもできます。
はい。
僕学生時代とかに、地下鉄の汚い駅の構内だったり壁だったりをじーっと見てどう描写しようかなっていうふうに考えたことありましたね。
そういうことですね。
なので例えば通勤の途中で、あるサラリーマンが壁に頭をこうつけてずっと泣いてるんですよ。大泣きしてるの。何があったかわからないけれど。
奥さんが死んだか、自分がそれこそがんの宣告を受けたかみたいな。
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はい。
そういう感じで泣いてたりするんですよね。
はい。
なのでいつも気にかけておけばそういう一瞬のイメージが流れずに切り取っておけるので、そういう目が欲しいかな。
でも具体的ですね。
そうか。
じゃあそれを日々繰り返す。楽しみながら。
そうです。でその上で理想としては、僕今句を2個あげましたけど、難しい言葉1個も入ってないじゃん。
確かに。
で誰も知らないような季語とか使ってないじゃない。
はい。
だから柔らかで優しい言葉の中で、そういう発見のある句っていうのが、いわゆる芸能人俳句のうまいねっていうのじゃなく、もう1個上の本当に詩だったり、アートとしての表現がある俳句だと思うんですけどね。
うん。確かに。
うん。
じゃあぜひね、増見さん再びそんな感じで楽しみながら挑戦してください。
そうですね。頑張ってほしいですね。
はい。
さあ、この番組では皆様からの質問を募集しています。また、イラさんと双方向で繋がれるオンラインサロン、世界はフィクションでできているのかい?も募集しています。
はい。
詳しくはイラさんのホームページをご覧ください。
はい。
今日は第98回でした。
おー。
イラさんありがとうございました。
はい。ありがとうございました。