1. LIFE UPDATE │ YOHEI HAYAKAWA
  2. Playback:書いて生きる道を歩..
2021-11-21 21:13

Playback:書いて生きる道を歩くには|石田衣良さん(小説家)(#3:2019年1月)

▼本パートのインタビュー映像
https://youtu.be/HMC2Rsr0GU8

「1億総ライター、総クリエイター時代」と言われる現代、誰もが自由に発信できるようになったが、その対価で生計を立てられる人は、ほんの一握り。そんな世の中で、石田さんは、センスの良さと、お金を稼ぐことをトップレベルで両立させている稀有な存在だ。数々のベストセラーを生み出してきた彼の考える「魅力的な文章」や「センス」とは?

【石田衣良さんへのインタビュー】
Talk.1|センスと結果を両立できる人 https://youtu.be/df8hPqMP2X0
Talk.2|面白いと感じたことを書く https://youtu.be/1ZB3qn5Xvvc
Talk.3|書いて生きる道を歩くには https://youtu.be/HMC2Rsr0GU8
〈11月28日(日)公開〉Talk.4|書く力の鍛え方 https://youtu.be/WtnCoRS6XVw

*この対談は2019年1月に行われたものです。

▼YouTube(映像)
https://www.youtube.com/c/kiqtas
▼Spotify(音声/毎週お気に入りの楽曲も流します)
https://bit.ly/Spotify_INTERVIEW_YH
▼Apple Podcast(音声)
https://bit.ly/Apple_INTERVIEW_YH

【石田衣良】いしだ・いら/1960年東京生まれ。
84年に成蹊大学を卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。2003年「4TEEN フォーティーン」で直木賞を受賞。06年「眠れぬ真珠」で島清恋愛文学賞、 13年「北斗、ある殺人者の回心」で中央公論文芸賞を受賞。『アキハバラ@DEEP』『美丘』など著書多数。最新刊『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXⅥ』(文藝春秋)。
http://ishidaira.com/
『石田衣良 大人の放課後ラジオ』
https://www.youtube.com/channel/UCn4Pu8SUfcV3A5FrkwqyguA

▼11/29(月)「月末LIVE」開催中
Q&A、フリートークスペシャルをお届けします

▼番組への感想・早川洋平への質問募集中です。
(いただいた質問は、毎月月末のYoutube Liveでお答えいたします!)
https://bit.ly/INTERVIEW_QandA

▼「QR CAFE」(毎月開催)
「人生を変える一冊」を見つけに行こう
http://life-upd.com/cafe/qr4.html

【聞き手・早川洋平プロフィール】はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

#会う力
#石田衣良
#文章術

00:01
インタビュー
イラさんに、具体的にいつだったか思い出せないんですけど、
何か面白いものとか、普通のものを面白い視点で書くみたいな話を、
昔聞いたことがあって、
普通のことを普通に書くな、みたいに言ってもらったことがあって。
それはありますよね。
それって、どういうことだったかなって、もうちょっとまた思い出して。
だから、例えば結論が動く普通のことだとするじゃないですか。
例えば、友達を大事にしよう。
その結論だったら、最初から友達を大事にしようってずっとはいかないんですよね。
要は、いかに憎み合う同士の関係があるかみたいなことを書いたりもするし、
その友達を作る難しさみたいなことを書いて、最後に落とすことになるんで。
やっぱり入りの部分に関しては、よく新聞記者が言いますよね。
人が犬を噛まないとキジにならないと。
犬が人を噛んだのはダメだって。
だから、そこはやっぱりひねって逆から入らないといけないっていうのがあると思いますね。
それこそ普通に書かない。
普通に書かないって、今普通ってキーワードが出ましたけど、
普通っていうのも知ってないといけないってことですね。
そうですね。
なので、そこを自由に外せるぐらい、
世間の普通の常識だったり、今の社会のあり方みたいなことに関しては分かっている上で、
そこを外したり入ったりしながら書くっていうことだと思いますね。
面白いな。
小説家でずっと土俵に立ち続けている人って、
怒られちゃいそうですけど、クレイジーな人もいると思うんですけど、
どこかでそういう普通の感覚をやっぱり持ってないと。
長く続いている人は持っているよね。
でもやっぱりクレイジーな人は、クレイジーなままで、
クレイジーな客がつく小説をずっと書いている人もいるんで、
それで食べている人もいます。
でもそうすると結構大変だよ。
それこそその時、商業的にはいいかもしれないけど、苦しいですよね。
だから、そのセレクトの仕方によってはいくらでも尖がれるんですよね。
例えば恋愛小説を書く場合、主人公を男にする、
ゲイにする、ロリコンのデブ戦にする、
ドMにするみたいな、40個ぐらいのキャラにしたら、
もう運命の人との出会いは、一生を生きたって1人か2人しかいないじゃないですか。
そんなのでも別に小説を書けるわけだから、
ただでも、そうやってどんどん尖っていった時に、
あれこれ読みているのかなっていうのはふと思うよね。
尖れば尖るほど。
全体的な暴走としては減るわけですかね。
ところが、人間って怖いもの見たさがあるじゃないですか。
なので、恐ろしく恐ろしい話とか、
めちゃくちゃな殺人の仕方、
例えば地下室に監禁して、
じわじわと、例えば手足を切ったら医療行為で延命させて、
片っ端から切り刻んで、何ヶ月もかけて殺すみたいな話が好きな人たくさんいるんだよね。
今アメリカの犯罪小説ってそんなのばっかりじゃない?
連続殺人でひどい殺し方をするって。
日本じゃちょっと出せないようなね。
いや日本でも出てるけどね。
03:01
若手の作家さんなんかそういうの書いてるよ。
正直、全然面白くないんだけどさ。
でもそういうのに評価されるからね。
売れるというか、ベストセラー、ロングセラーって考えた時に、
最近僕まだ読み途中なんですけど、
イルさん、ベストセラーコード?
知らないけど。
日経から出たアメリカで、
いわゆるデータで全部ベストセラーの、
どういうものがベストセラーかっていうAIみたいな感じで、
全部分析したものがあるらしいんですよ。
それ結構言い得てるみたいなんですけど、
そういうのって今後本当に出せると思います?
いや出せないんじゃないかな。
やっぱり難しい?
うん。
それ例えて言えば音楽のあれと似てるよね。
パフフェルベルのカノン。
あのコードは、あの循環コードに関しては、
そのPOPSの中で何百回も使われてヒットするって言うけれど、
でもその同じコードを使っても、
例えばね、クリスマスイブは当たるけど、
別の誰かが書いたあのカノンコードは全然当たらないみたいなことザラにあるんで、
そこをなぞってるだけじゃやっぱりダメなんだよね。
となると。
それにAIははっきり言ってまだものすごいバカなので、
創作に関しては厳しいと思うね。
実際アメリカでもね、ネタとかそういうとこだけすでにやってもらってる人いるって言いますけど、
その作家が誰なのかっていうのも気になるけど。
でも大して上手くない人だから。
要はテーマ設定で警察、殺人、裏切りみたいなことを入れて、
でそのキーワードいくつか入れると、
あらすじを作ってくれるみたいなのもあるんですよソフトで。
でその中何百本と出る中で、
こいつは面白そうだなっていうのをさらに磨いていくみたいな言い方なんですけど、
正直言ってね、そういうの下手くそ野の人がやってるから。
しかも最終的には叩きの叩きの叩きぐらいになるかもしれないけど、
やっぱり最後は自分でやらないとっていうところがあるんですよね。
うん、もう最後は多分一部一部自分で書かないとダメでしょうね。
実際いろいろ書いていく上で、
とにかく書くしかないっていうところもあると思うんですけど、
イラさん聞きたかったのは今も昔もですけど、
自分の書いた文章を世に出す前に、出版社に出す前になんですけど、
推考というか。
あんまりしないですね。
自分ではもちろん見るわけですよね。
もちろん見ますけど、
そんな何十回も読むとか何十回も直すみたいなことは、
小説の場合はそういうのをやると文章がなんか、
要は干からびていくんだよね。
それこそこの間もう30年ぐらい前の村上春樹さんと村上隆さんの対談見たときに、
二人とも奥さんに見せててダメだし、
一番近くてダイレクトに言ってくれる人みたいな、
そういう感じでその後何回も書き直すみたいなこと言ってて、
いろんな人いると思うんですけど、
イラさんは全然違う。
別に誰かに読ませようとは思わないですね。
でも書き直しもそんなにない?
いやないですね。
めんどくさいのでほとんど直さない。
それってもう人それぞれなんでしょう。
そういうタイプも結構いるんだよね。
書法が決定項になるタイプの人は。
06:01
そういう人はちょっと感覚的、
その文章感覚とか文体特徴があって上手い人が来るときに多いんですけど、
それこそ直さないと小説にならないよみたいな、
なので第一行を出す人もたくさんいるんで。
じゃあイラさんはデビュー前というか、
デビューする時からもそんなに直されてない?
ないですね。
そっか。
さっきの自分を話すとか客観的な目線ってことだと思うんですけど、
そこがきちんとできてるかできてないかって大事かなと思う。
いやでもそれに関してはね、
それぞれの人の文体の特徴があるからわからないね。
僕は割と滑らかに繋がる文章を書くじゃないですか。
あるいは池袋みたいにものすごく人工的だけど、
その独特のリズムがある文体とか。
そういうようにリズムで書いている人は基本的にあまり直さない方がいいんだよね。
正しくするとリズムが途切れたり歌がなくなっちゃうんで。
リズムって絶対ありますよね、その人の。
要はそのリズムが読めるか読めないか、プロかアマの差なんですよ。
例えば役者の文章とか役人の文章なんかって読めないじゃないですか。
ああいうリズムのなさをちょっと読んだ上で、
自分なりのリズムをどう作るかっていうのを考えた方がいいかもね。
それも自分なりにいくつか、
例えばクラシックの作曲家も4分の3拍子だったり4分の2拍子だったり、
ワルツ3分の2とか何でもいろいろ拍子があるじゃないですか。
そういうのを文章で使い分けられると本当はいいんですよね。
ってことですよね。
例えば犯罪のハードなものであればカチッと硬くする。
それこそハードなジャズとかロックのような文章にして、
恋愛小説だったら柔らかくピアノ曲みたいにするとかっていうようなつもりで
作っていけば文体は自然とリズムが変わってくるんで、
そういう楽しみもあるので、書く上では。
それは書き手がそういうのが好きな人はやればいいんじゃないかなって思いますね。
逆に言うとイラワさんはそれができるからどっちが先か分からないですけど、
いろんなジャンルを書けるってことですね。
そうですね。
そういう作品を書くときにスイッチ入ってそういう文体になるみたいな感じですね。
なるみたいな感じですね。
それなりの文体を選んで作るっていう感じですかね、小説ごとに。
それが楽しいっていうね。
いわゆる書き手として、
エッセイとかライターとしてこれでいくみたいなのがある人は別に1個でもいいんですかね。
もちろんいいです。
楽しいと思うよ。
でも1個でいいです。
1個で一生これを言いたいみたいなことがある。
そういう人はそれでいいので、
例えば障害者差別みたいなことを一生訴えたいみたいな人はそれをやればいいので。
ただ小説でそれだとちょっとしんどいよね。
そうですね。
それを20冊30冊書くとなったらしんどいなと思うけど。
09:00
小説家もそうですし、フリーのライターなんかもそうですけど、
今こういう時代でさっきお伝えしたように、
物理的にはすぐ書いてすぐ一応世の中で発信できますけど、
1回いわゆるプロの世界というか、
会社員、新聞社でもテレビでもコピーライターの会社でもいいと思うんですけど、
やっぱりそういうのって入った方がいいですか?
どっちでもいいと思いますけどね。
特に小説の場合はコピーライターをやれば小説を書けるようになるみたいなこともないですし、
小説はそれぞれその人なりのオリジナルな形なので、
別に何も入らなくてもいいとは思うけど、
ただ学生で小説でデビューしてというよりは、
一般社会に出ていろいろ人を見てからの方がいいよね。
30歳くらいで書けばいいんじゃないですかね。
書き方としてそういうマスコミに入るというよりも、
社会に1回出るっていうことでいいと思いますね。
伊賀さんもそういう意味では会社員でどのくらいやってたんですか?
5年ぐらいかな。
でも5年だけどちょっといい加減だったからね。
好きじゃなかったし広告。
あんまり楽しくないからさ広告。
広告って言いましたけど、
今日伊賀さんに話を聞きたかったところでもあると思うんですけど、
コピーライターをやってたことが生きてると思います?
短いセンテンスで、
例えば本の帯のコピーとか書きますよね。
そういうのなんかを本当にやってて良かったですね。
それはやっぱりナミの編集者よりは僕の方が上手いので、
今回の不死鳥少年でも自分で書きましたけど。
タイトルは不死鳥少年?
もちろん考えますけど。
そこですよね。
両方できるっていう人はなかなかいないのが、
やっぱりそれは両方やってるからかなってちょっと思うんですけど。
経験だよね。
コピーライター、キャッチコピーを書くっていうのは技術なので、
そんなに難しいことじゃないから。
今その話出たんでちょうど聞きたいんですけど、
作品を書いてっていうところがメインですけど、
何らかの自分の商品サービス。
書くとは全然関係ないところ。
それを世に出すときまさにコピーというか、
宣伝って大事だと思うんですけど、
すごいシンプルですけど、
そこでヒントってありますか?
売れるコピー。
特にないと思うけどね。
でも少なくともその作品だったり、
その人物が世の中に対して持っている角度みたいなのがあるじゃないですか。
この人はこういう角度から入っていくんだ。
こういうことを言う本なんだっていう。
そこの過去の部分をシンプルに捕まえて、
短い文章でさって伝えればいいんじゃないですかね。
それぐらいのことしかないと思うんだけど。
僕らがイラさんのサロンでもやって、
クリエイティブワークでもそれに近いワーク何回かやりましたけど、
やっぱりそれができている人の読みたくなりますよね。
やっぱりちょっとみんな説明しちゃうんだよね。
これはこうで東京大空襲の話ですみたいなことを書いちゃうんだよね。
でもそれだとダメなんだよね。
もうちょっとシンボリックにしないと。
シンボリック?
うん。
何かを暗示させるとかそういうことですか?
12:01
あるいはその置かれている状況の深度差をストレートに伝えるとか。
それってイラさんみたいに自分でキャッチボールみたいな鏡のように
すぐ跳ね返してそういうものを出せる人はいいと思うんですけど、
まだまだこれからとかそういう能力を持ち合わせていない人って、
例えばマイクロですけど自分のブログでも何でもいいですけど、
そういうもので一つ一つやって確かめていくしかないのかな。
そうですね。それとあともう一つはキャッチコピーの場合は
たくさんのことは言えないんですよ。俳句みたいなものなので。
俳句だって何もかも言えないじゃないですか。
なのであるイメージだったりある考えをギュッとまとめて短く言うしかないの。
なのでそこのところじゃないかな。そこでみんな何もかも言おうとか、
この本は自分が書いた本だから可愛くて何もかもいいとこいっぱいあるんだよみたいなことを言い始めると、
だらだら文章が長くなってどんどん説明になっていくんで、
それを言ったらもうね、お見合いパーティーの下手くそな男の子みたいな問題に自己紹介の。
僕はこうでこうでこうでこうでなんてずっとはしゃばいてたらもうなんだこいつってなるじゃない、女の子は。
なのでそこで何かスパッと自分なりの何かいいところをスパッと面白おかしく伝えられれば。
エッセイもそうだし。
でも文章に関しては本当に答えないよね。みんな書いて迷ってるからね。
ひなさんの中では迷いってないわけですよね。
それって言語がちょっと難しいかもしれないですけど、シーというのはどういうことですか?
いやだからさ、要はこうやって話しているくらい分かってしまうと、
分かっているから逆に今書いているのは本当にいいのかなって疑うことになるじゃない。
川端康成もノーベル賞取った後だよ、もう大作家として世界中に名前が売れた後でも、
毎回毎回締め切りの度にもう劣に悩んでたんだよね。
だから自分でも言ってるよね。
自分はその締め切りもうギリギリになって、
崖から飛び降りるようにえいやーと思って書き始めると。
それで書いているのがあの短編なので、やっぱりそれまでは怖くて書けないし、
これで本当にいいのかなってずっと迷ってるんじゃない?
じゃあまさに身を削る感じですかね。
でもそれはもうみんな作家はそうだから。
イラさんも?
誰でもそうです。
安心してこれでOKみたいなことを言いながら書いているやつ誰もいないので。
でもそういう作家は基本的にもうダメになっちゃっている人なので厳しいよね。
その繰り返しだから、ただいずれにしても楽な職業ではない?
楽な職業ではないけど、逆に言えばまたすごく自由な仕事じゃないですか。
自分の生活を全部自分の自由にできて、
誰にも気が入らなくテーマを選んで好きなものを書けて、
しかもその本を書く上で誰かに頭を下げるとか何かお願いしないといけないことが何にもない。
これで食べていけて、これはいいよねっていう人が勝手に生きていけるってしたらやっぱり素晴らしいよね。
それは歌詞でも作家でも一緒だけど、絵描きでも。
15:04
自分でなかなか難しいかもしれないですけど、
なんでここまで22年一戦でやってこられたと思います?
基本的には一つそれなりに力があったっていうことと、
やっぱり飽きずに続けたからじゃないですかね。
やっぱり小説の世界も今、この1996年のピークでしょ?
だから18年ぐらいで、市場が4割縮んでいるんで、
その中で腐らずに続けているっていうのも大事だよね。
そうか、だから96年のピークってことはまさにデビューした時がピークみたいな感じ?
そうですね、98年なので、まだピークの頃にデビューして、
それ以降1年も前の年よりも今年の方が売上が上がった、やったみたいな年は1回もないんですよ。
皆さん自身が?
僕自身がっていうより日本の出版全体がってこと。
だからそう考えるとなかなかしんどいよね。
だからこの前も高台車の命名って話なんだけど、
ほら昔さ、まだ日本がサムソンとかアップルにやられる前、
日本の電気メーカーが調子良かった頃のソニーとか見てるじゃない。
なのでそれ以降の日本の電気メーカーの打ち込みなんかを見ると、
ずっと縮み続ける、ああいうところで働くのって大変だよねって。
それこそ98年とか2000年とかに言ってたのに、
完全に出版全体がそれになりましたよね、音楽と出版は。
想像以上に早い。
だからその打ち込みが止まらないし、まだまだ止まらないだろう。
もうみんなこれから基本的にコンテンツにあまりお金を払う意識がなくなってくるな。
音楽CD買わない、DVD買わない、本買わないで。
本が最後生き残ってるけど、これも今ずっと落ちてきてるんで。
そう考えるとね、本が生き残れるとはあんまり思えないんだよね。
今そのコンテンツっていうところの話出てきましたけど、
書くことはもちろんですけど、そういう何かを作ってそれで食べていく。
何十億も儲けなくても。
それってかなり難しいんですか?
今かなり難しいね。
個人レベルでも?
難しい。すごい難しい。
単純にその1996年ピークだった18年前から、
今で言えば専業作家の数は半分になってると思うね。
4割落ちてるってことは。
中間ぐらいに食べられていた人がみんな食べられなくなってるはずなので。
ちょっと名の知れて、僕らがよく知ってる人でも、
明かしてる人もいるでしょうけど、実は全然それだけじゃ食えない。
すごい食えない人いっぱいいる。
厳しいよね。
その中でも明るい光が欲しいんですけど。
別に明るくなくていいんじゃないかな。
でもそれでやっぱり食いたい人もいるわけじゃないですか。
だからうまくハマって当たればもちろん大きいので、
音楽がこれだけ売れないって言っても、ヨネズゲンシーだっけ?
18:00
あるいはバックナンバーとか、
ああいう系でやっぱり当たればちょっと大きいじゃないですか。
なのでそういうふうにたまに当たる人もいるよっていうぐらいのことしか言えないですね。
今だって例えば君の水像的なものもあるし、
ラヌベもあったりするんで、
当たれば大きい仕事だけど、
それを続けるのは結構大変だよって感じかな。
それとよくあるのが、
自己啓発とかAAOのビジネス系の本だったり、
そういう人だと好きな時代だから、
とにかく貫けば食ってけるよと。
そういう書くことでも。
何か見えてくるよって言う人もいるし、
僕も井田さんに言ってほしいところですけど、
そういう意味ではそこは難しい。
小説の場合はやっぱり力がないとどんなに貫いてもダメだよね。
もう次の本出してもらえないからね。
あれ全然面白くないなっていうのを何冊も出したらもうダメだから。
いわゆる出版社を介さないね。
自分で出すとか、
Kindleも物理的には出せますけど。
でも荒れてるね。
ああいうところでヒットする本って、
SFとかミステリーではたまにあるんだけど、
なんかちょっと歪んだ変な本が多いかな。
やっぱりいわゆる本できちんと出て受けられるものとは違う。
ひっかけで一発アイデアで、
最後にどんでん返しかなんかで、
ああこそ来るんだみたいなのでやる、
実は下手くそな小説とか文章が全然なってないとか、
あるいはそれこそ異世界転生モノだよね。
異世界転生モノ300冊目の異世界転生とか、
萌え系のやつとか、
そういうのみんな書いてるけど、
本当に面白くないからね。
やっぱり急がば回れじゃないですけど、
それでもやっぱり書くことで、
小説にしろ何かそういう実用書かわからないですけど、
それできちんとそれなりにやっていきたいっていう人は、
やっぱり今の既存のルート?
その中でこつこつ頑張って、
評判を高めていくしかないんじゃないかな。
でもその評判は弱くないよ。
ネットで一発当たるとか、
たまたま中高生に受けて、
曲がヒットするっていうのとは違って、
やっぱり業界人はみんな本好きだし、
ちゃんと読んでるんで、
この人いいなとか力があるなってことになれば、
だんだんと引っ張りだこになるんで、
そしたらどうなったって仕事は増えていくし、
そこそこちゃんと売れるようになるよね。
そこをきちんと一見遠いように見えても。
遠いように見えても、
遠回りの道をこつこつ行くのが本当にいいと思うけどね。
なんか変なので引っ掛けて後でやろうとか、
なんかね、わけの分かんないセミナーみたいなので、
ちょっと客だまして売ろうみたいなのは、
よくないと思うけどね。
実際、冒頭でもお聞きしたように、
やっぱり残ってる人って誤解されるよね。
普通にそこの王道をきちんとこつこつやってる人のような気がする。
自分なりの世界を広げていってる人だよね。
21:13

コメント

スクロール