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尖閣めぐる「認知戦」 中国メディアのルポから探る
2026-07-13 11:58

尖閣めぐる「認知戦」 中国メディアのルポから探る

毎日新聞特派員や外信部長の経歴をもつ元RKB解説委員長・飯田和郎が、中国をはじめ東アジア情勢について、歴史的・文化的背景についても触れながら解説します。

田畑竜介
Groooooow Up

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サマリー

中国国営メディア「環球時報」が尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺でのパトロールをルポし、日本の海上保安庁による妨害行為を非難する記事を発表しました。この記事は、中国が日本の領有権主張に対抗し、自国の活動を「合法的な活動」と位置づけるための「認知戦」の一環とみられています。日本側は中国の主張を否定し、尖閣諸島は日本の固有の領土であると反論。これに対し、日本政府も防衛省を中心に、中国の認知戦に対抗するため、積極的な情報発信を強化する方針を示しています。専門家は、中国の意図的な情報発信に冷静に対処し、国際社会の理解を得ることが重要だと指摘しています。

尖閣諸島を巡る中国メディアのルポと「認知戦」
この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。 月曜日は、元RKB解説委員長で、福岡女子大学副理事長の飯田和郎さんです。 飯田さん、おはようございます。
おはようございます。
さて、今日の話題なんですけども、中国も主権を主張する沖縄県の尖閣諸島についてということですけども、今日は、この尖閣諸島をめぐる問題を取り上げるということですが、
中国の宣伝戦略、日本は最近その戦略を認知戦と称して警戒しているそうですね。
そうですね。中国の国営メディアの一つに、環球時報という国際情報を扱う新聞があります。
その環球時報のニュースサイトに先週載った記事なんですよね。
まず見出しを日本語に翻訳すると、こういうふうになります。
釣魚王島周辺でパトロールする我が国の艦船に同行ルポ。目撃、日本の妨害行為に立ち向かう中国会計局の合法的活動。
この釣魚王島というのは尖閣諸島の中国側の呼び方なんですよ。
尖閣諸島は主に5つの5個の島で構成されているんですが、最大の島が日本名で魚釣島と言います。
中国側はそれを釣魚王島と称してますね。
ただ先ほど橋本アナウンサーが読んだタイトルというのはちょっと日本人としては聞き出てならないタイトルですよね。
要するに尖閣諸島周辺で活動する中国の会計局というのは沿岸警備隊の船に環球時報の記者が乗ってルポを書いたということですか。
ということです。日本側で尖閣諸島を含む先島諸島海域を警備するのは海上保安庁の第11管区海上保安本部。
これは沖縄県の那覇市に本部を置いてます。
ただ日本側は日本のメディアが記事や映像を報道すると中国側を刺激するってことにはなりかねませんので、現在のところ同行取材が認めていないようです。
一方の中国当局は自分たちが管理する国営メディアに同行取材を認め大々的に報道させていると。
つまりこれが中国側が意図した宣伝。その宣伝が今日の話のポイントなんですよ。
尖閣諸島の概要と領有権問題の経緯
なるほどですね。見出しも見出しですけどどんなこと書いてるのかってやっぱ内容も気になりますね。
まず尖閣諸島のおさらいからなんですけど、総面積は5.6平方キロ。
ここで水尾ぺいぺいドームがおよそ50個分の広さなんですよね。
一番日本の南側にある米国島から北へおよそ150キロにあります。
行政区分としては石垣市に所属しますね。
そもそも日本の領土ってことですよね。
明治政府が1895年に日本の領土に編入しました。
ところが中国や台湾はこの海域で石油資源の埋蔵の可能性があるってことが分かってから
1970年代以降なんですけど領有権を主張し始めてます。
さらには日本政府が2012年に尖閣諸島を国有化しましたよね。
これでまた中国側の反発が一層激しさを増しているってことなんですよね。
中国メディアによる日本の妨害行為の主張
問題の尖閣諸島の警備をめぐる中国国営メディアのルポなんですけど、
日中間のいわば緊張の海についてこんな書き出しで始まっています。
日本の海上保安庁の船舶による必要な妨害や挑発行為を記者目撃した。
日本側は長時間にわたる追尾、急加速による接近、覚醒機を使った警告といった戦術を用い、
絶えず騒ぎを起こして意図的に緊張を煽っていた。
緊張の要因は中国による正当な権益擁護によるものではない。
日本側の一方的な挑発行為に端を発する。
中国の活動の最前線から報告し、日本側が用いる嫌がらせの手口を明らかにする。
海上保安庁の巡視活動を指しているんですかね。
海岸から12海里、およそ22キロが領海にあたりますね。
海上保安庁によるとその日本の尖閣諸島の領海に、
この中国海警局の船が今年1月から6月の半年間に延べ36隻も侵入しているんですよ。
領海侵犯ですよね。
海上保安庁の巡視船は、中国の船に対して領海から出るように、
また領海に侵入しないように警告を発し、追っ払うわけですよね。
当然ですよね。
中国がそれを日本の嫌がらせと言ってるわけですよ。
中国メディアの報道内容と日本側の反論
領海の外側に接続水域というのがあるんですけど、24海里です。
ここで繰り広げられている日中の巡視船同士の攻防、攻める、守るをこんなふうに描写していました。
中国海警局の船に対し、左言後方を追尾していた日本の巡視船が突然速度を上げた。
そして進路を妨害しようと中国側の船の船首を鋭く横切るような動きを見せた。
こうした挑発的な動きに対し、中国船は即座に加速、
進路を維持し日本の巡視船に隙を与えなかった。
この尖閣諸島の緊迫する海で起きていることは、こういう中国メディアが報じていることは事実なんですか。
日本サイドは真っ向から否定してますよね。
そもそも尖閣諸島は日本の固有の領土なんだから、
領海の中に入ろうとしたら追い返すのは当然ですよね。
今から申し上げるのは尖閣での出来事ではないんですけど、
日本周辺の海域を航行する中国海軍の空母に対して、
例えば自衛隊の航空機が妨害や挑発を繰り返したと中国が主張してます。
それに対して日本側はこれは適切な対応なんだという反論してますよね。
中国の対外戦略の一つで、
「認知戦」とは何か、日本の対抗策
とりわけ日本に対して仕掛ける手法として、
最近認知戦という言葉が頻繁に使われてます。
これは中国が国営メディアなどを通して、
一方的な主張、時には事実と異なる偽情報を幅広く伝えて、
実際に起きた出来事なんだと国の内外に知らしめることを指すんですよね。
今日紹介した中国メディアの尖閣報道も一つの例かもしれませんね。
この中国の認知戦に対して、
日本は日本で対外発信を強化しているそうですよね。
最近特に強めてきました。
これも海上保安庁ではないんですけど、
日本の防衛省のスポークスマンが、
先月6月末に個人メールのX、旧ツイッターのアカウントを開設しました。
中国からの批判に対抗して、日本語はもちろんですけど、
日本語だけじゃなくて中国語や英語でも書き込んでますよね。
そして小泉新児童防衛大臣も3日の記者会見でこんなことを言っていました。
自衛隊の活動や制度に関する誤った情報を放置し、
黙っているだけでは嘘も本当になりかねない危険性があります。
平素より認知戦が正規していることを踏まえれば、
国内のみならず国際社会に対しても、
事実や我が国としての考え方を分かりやすく示し、
伝えるべきことはしっかりと伝えるなど、
丁寧かつタイムリーな情報発信を積極的に行うことが重要だと考えています。
海上保安庁、また防衛省、小泉大臣も、
中国の認知戦を強く意識しているようなんですよね。
中国メディアのルポのまとめと今後の対応
中国メディアの尖閣諸島、道場ルポに戻りますが、
とっても長いレポータージュなんですけど、最後にはこんなふうにまとめてるんですよね。
高市政権は尖閣をめぐる緊張を絶えず煽ることで、
防衛費の増額や反撃能力の整備が正当だと主張できるようになるんだと言ってますね。
中国が最近日本に対して数多く使う表現に、
新型軍国主義という単語があるんですよね。
つまり尖閣諸島一帯こそ、
日本が新型軍国主義を推進する、それを目のぶ現場だというわけのようですね。
日本からすると、なんだこれっていう感じですけども、
ただ尖閣ルポを読んだ中国の人々の多くは、
この記事を信じて愛国心が燃えて、そしてまた反日感情を募らせるということが予想されますよね。
そうですね。
それは習近平指導部の日本への政策は正しいという、
中国国民向けのシナリオにも沿うものなんですよ。
先日の台風9号は尖閣の海を通りましたけど、
海上の実際のうねり以上に波が高いという感じですよね。
ただ我々は中国側の意図的な情報発信に行き立つことなく、
冷静に対処することが私は大切だと思います。
何よりも他の例が示すように、
中国のそんなやり方を国際社会はよくわかっています。
どっちが正しいか、このこともわかっていると思いますね。
ということで今日は尖閣諸島をめぐる認知戦について解説していただきました。
飯田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は元RKB開設委員長で、福岡女子大学副理事長の飯田和夫さんでした。
11:58

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