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前と同じようには働けなくなった日 / 先生の人生ノート
2026-10-13 13:49

前と同じようには働けなくなった日 / 先生の人生ノート

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前と同じようには働けなくなった日。保育士花さんの人生ノート。 退院したらまた仕事に戻る。花さんは最初そう思っていました。
保育士として働いて10年目。それまで毎日のように子どもたちと関わり、保育をすることが花さんにとって当たり前の日常でした。
そんなある日、花さんは大きく体調を崩し、入院します。 少しずつ体は回復していきました。でも、職場に戻ることができませんでした。
それまで毎日のように関わっていた子どもたちと関わること自体が辛くなっていたからです。 花さんはそのまま給食することになりました。
朝起きても仕事に行かなくていい。保育の準備もしなくていい。書類もない。 明日のことを考えなくてもいい。時間はたくさんあるはずでした。
なのに、1日がとても長い。 仕事と生活のバランスを考えることになった花さんの給食。
その時間を経て、花さんはどんなふうにもう一度働くことを選んだのでしょうか。
給食する前の花さんは、仕事を家に持ち帰ることも少なくありませんでした。 家に帰ってから書類を進めることもある。
次の保育で使えそうなものを探したり、もっとできるようになりたくて、自分の時間を使ってスキルを磨いたりすることもありました。
気づけば、仕事以外の時間にも保育のことを考えていることが多くなっていました。
体調が悪い日も、まだいける。そう思って働いていました。
少し暗いなら大丈夫。今日1日なら大丈夫。
そして、本当に無理だと感じるところまで働いてしまうこともありました。
そんな毎日から一転して、給食が始まりました。
朝、目が覚めるのは9時ごろ。
布団の中でぼーっとしながら、保育園ではもうみんな登園している頃だな、そんなことを考えていました。
自分は家にいる。でも、園ではいつも通り1日が始まっている。
そう考えると、罪悪感を感じることもありました。
食事を取らない日もありました。
外の空気を吸ったり、軽く体を動かしたりした方がいい。
そう勧められて、近所を歩いてみたこともあります。
でも、目的もなく歩いていることが、だんだん怖くなってくる。
結局、コンビニでコーヒーを買って、そのまま家に帰りました。
時間があると、いろいろなことを考えました。
自分は必要とされているんだろうか。
これからどうしたらいいんだろう。
03:01
考える時間が増えるほど、気持ちが沈んでしまうこともありました。
だから、何か没頭できるものを探しました。
色鉛筆を買って、塗り絵をしてみる。
家で映画を見る。
もともと好きだったピアノを弾いてみる。
いろいろ試しました。
休んでいる間も、仲のいい先生とは連絡を取っていました。
少しだけ外に出て、一緒にお茶をしたこともあります。
何を話したのかは、あまり覚えていないそうです。
ただ、「縁では今何をしているの?」
そんなことを聞いていた記憶は残っています。
休んでいても、縁のことが完全に自分から離れたわけではありませんでした。
園長も、週に一度電話をくれました。
心配して、家まで差し入れを持ってきてくれたこともありました。
ある時、園長からこんな話をされました。
その日は、園で運動会があったそうです。
細かいところに気がついて動いてくれるのは、いつも先生だったから。
先生の力が必要だったんだなって、改めて感じたよ。
その言葉を聞いたからといって、すぐに
じゃあ明日から戻ります、と思ったわけではありません。
まだ、職場に戻ることへの怖さは残っていました。
給食が続く中で、別の問題も出てきました。収入です。
仕事をしていない以上、それまでと同じ生活を続けていくことは難しい。
そろそろ働かないと。
最初に復職を考えた理由は、とても現実的なものでした。
お金がない。生活していくためには働かなければならない。
あなさんは一度、復職しようと考えました。
けれど、働いている自分を想像しただけで、心臓が激しくなります。
冷や汗も止まらない。やっぱり無理だ。
一度は復職を見送ることにしました。
働かなければ生活は苦しくなる。
でも、働こうとすると体がついてこない。
休んでいれば全てが解決するわけでもない。
かといって、以前と同じように働くこともできない。
そんな時間が続きました。
ずっと家の中で過ごしていた花さんに、
自然のある場所へ行ってみたらどうか、という提案がありました。
そこで、少し遠くまで出かけてみることにしました。
久しぶりの遠出。
その時間の中で花さんは、
自分がもともと旅行が好きだったことを思い出しました。
また旅行したいな。
そう思いました。
そのためにも、やっぱりお金は必要でした。
今の生活も決して余裕があるわけではない。
06:02
少し働いてみようかな。
保育士として以前の自分を取り戻したからではありません。
子どもたちのために今すぐ戻らなければと思ったわけでもありません。
自分の生活のため、
そしてまた自分の好きなことをしたいという気持ちのため、
花さんはもう一度働いてみることを決めました。
復職したいことを園長に相談しました。
ただ、働くことを考えるとまだ動機がすることもある。
そのことも正直に話しました。
すると園長から、
最初は短い時間から始めてみたら?と提案されました。
いきなり以前と同じ働き方に戻るのではなく、
短時間から戻ってみる。
花さんはその働き方を選びました。
そして、復職当日の朝、
花さんの心臓は朝からバクバクしていました。
保護者に会ったらどうしよう。
先生たちには何て話せばいいんだろう。
どんな顔をしていけばいいんだろう。
園に近づくほど不安は大きくなりました。
園の近くまで来て、やっぱり帰ろうかな。
そう思ったこともありました。
それでも園の中に入りました。
迎えてくれたのは園長や仲のいい先生たちの笑顔でした。
花さんは各クラスを回りました。
お休みありがとうございました。
そう伝えて回りました。
先生たちは優しく迎えてくれました。
そして、休んでいた理由を詳しく聞いてくる先生はいませんでした。
そのことに花さんは少し安心しました。
短時間勤務だったため、
最初は保護者と顔を合わせることもほとんどありませんでした。
そして、久しぶりに子どもたちと関わります。
給食する前に担任していた1歳児クラスの子どもたちです。
毎日のように一緒に過ごしていた子どもたち。
でも、休んでいる間に花さんのことを少し忘れてしまったのか、
人見知りをする子もいました。
それでも久しぶりに見る子どもたちは、
休む前より少し大きくなっていました。
大きくなったなあ。
その姿を見ながら花さんは自分が休んでいた時間の長さを感じました。
こうして花さんの仕事が再び始まりました。
でも、戻ってみたら意外と大丈夫だったとはなりませんでした。
やっぱりしんどい。体力も落ちていました。
そして何より、以前のように仕事ができない自分に花さんは落ち込みました。
その場を見て臨機応変に動く。
09:01
次に必要なことを考えて動く。
以前なら自然にできていたようなことがうまくできない。
私ってこんなに仕事ができない人だったのかなあ。
そう思いました。
正直、保育をしている時よりも掃除をしている時の方が楽だと感じることもありました。
毎日の帰り道には、私ってここに必要なのかなあ、そんなことを考えていました。
短時間勤務を始めておよそ1ヶ月、その後花さんはフルタイム勤務に戻ることになります。
そこには有給や収入の問題もありました。
もう完全に大丈夫と思えたからフルタイムに戻ったわけではありません。
生活を考えるとそうせざるを得ない部分もありました。
フルタイムになると保護者と顔を合わせるようにもなりました。
久しぶりに会った保護者から、
先生会いたかったよ、戻ってきてくれてよかった、そんな言葉をかけてもらいました。
その言葉を聞きながら、花さんの中にも少しずつ、戻ってきてよかったのかもしれない、という気持ちが生まれていきました。
もちろん、そこからすぐに以前のように働けたわけではありません。
うまく動けない自分にイライラする日もありました。
余裕がなくて周りに優しくできないこともありました。
気持ちに左右されて、自分でも不安定だと感じる日もありました。
それでも、毎日少しずつ働く中で、保育士としての感覚も少しずつ戻っていきました。
そして今も、花さんは同じ縁でフルタイムの保育士として働いています。
今、花さんは給食前と同じ縁でフルタイムの保育士として働いています。
働く場所も、働く時間も、給食前とほとんど変わりません。
でも、一つ大きく変わったことがあります。
無理をしない。
以前の花さんだったら、体調が悪くてもまだいける、そう思っていました。
でも今は、疲れてないかな、ちょっと頑張りすぎてないかな、
以前よりも自分の気持ちを聞くようになったそうです。
そして、自分がリラックスできる方法もいくつか持つようになりました。
それは、仕事を大切にしなくなったからではありません。むしろ逆でした。
大好きな仕事を少しでも長く続けたいから。
仕事を続けるために、仕事以外の自分の時間も大切にする。
給食を経験して、花さんの仕事との向き合い方は少し変わったのかもしれません。
保育士として働いていると、もうちょっと頑張れるって思うことがあります。
12:04
今日だけ、今週だけ、この行事が終わるまで。
そうやっているうちに、気づけば自分のことがずっと後回しになっていることもあります。
でも人生には、今までと同じようには働けなくなる時があるのかもしれません。
体調が変わることもある。家族との生活が変わることもある。
自分自身の気持ちが変わることだってある。
そんな時、今までと同じように働けない自分を責めなくてもいいのかもしれません。
休む。働く時間を変える。一度戻ってみて、まだ難しいと立ち止まる。
そしてまた、その時の自分に合う形を探してみる。
花さんも、一度は復職を見送りました。
戻ってからも、私ってこんなに仕事ができない人だったのかな。
ここに私って必要なのかな。そう思っていました。
それでも今、同じ縁で働いています。
前と全く同じ自分に戻ったからではありません。
前とは少し違う自分のまま、働き続ける方法を見つけてきたから。
今、あなたが続けている働き方は、今のあなたにもちゃんと合っていますか?
これからの生活の中で、あなたはどんなふうに働いていきたいですか?
先生の人生ノート。今回は、保育士花さんの前と同じようには働けなくなった日。
あなたのノートには、今、どんな働き方が書かれていますか?
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