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いきなりですけどあの動物に対して一見すると一番残酷に見える処置が実はその 動物にとって一番優しいことだったって言われたら信じられますか
いや直感には完全に反しますよね私たちはどうしても人間の感覚というか 見た目だけで物事を判断しがちじゃないですか
そうなんですよね なので今日はまさにその思い込みを根本から吹くつようなトピックを取り上げます
えっと今回の深盛りのソース資料なんですが人と羊がつながる をテーマに活動されている羊飼い丸岡さんのある雨の日の音声日記です
雨の音を背景に事務作業をしながら語られていたあの記録ですね とても静かなトーンなんですけど語られている内容がも非常に深くて
一時産業の泥臭い現実が生々しく記録されていますよね はいで今回のミッションは私たちが普段何気なく将棋している
お肉とかウール その裏側で農家の人たちが動物のウェルフェア
つまり動物福祉ですねそれと消費者のニーズ あとは現場の安全性の間でどんな葛藤や思考錯誤を繰り返しているのかを解き明かすことです
いいですね この資料の素晴らしいところって単なる飼育ノウハウの解析じゃないってことなんですよね
命を管理するという明確な正解のない問いに対して現場の人間がどう向き合って結論を 出していくのか
その思考プロセスそのものが提示されているのが面白いんです えー
知識よく旺盛なリスナーの皆さんに一時産業のリアルと常識がひっくり返るような発見をお届けできる と思います
では早速この内容を紐解いていきましょう
はいよろしくお願いします
まず丸岡さんの日記のメインテーマなんですけど 羊の巨生についてなんですよね
そもそもなぜ羊界はオスの羊を巨生しなければいけないのか ここには大きく分けて2つの現実的な理由があります
一つ目は品質の確保です
そうですねこれを理解するには少し生物学的なメカニズムに触れる必要があります
あのオス羊を巨生せずにそのまま育てるとテストステロンなどの男性ホルモンや
アンドロステノンと呼ばれる特有のフェロモン物質が体内で分泌され続けるんです
えーっとそれはつまりずっとオスのホルモンが出っ放しになるってことですよね
その通りです
でこれらの物質は使用性つまり脂肪に蓄積しやすい性質を持っていまして
あ脂肪に溜まるってことはお肉になった時にモロに影響が出るってことですか
そうなんですお肉を調理するために熱を加えると脂肪が溶けて蓄積されていたホルモン由来の強烈な臭い物質が一気に揮発するんですよ
うわーそれが口いっぱいに広がるわけですね
ええこれがいわゆるマトンティントと呼ばれる羊肉特有の毛頭臭の正体です
さらに驚くべきことにこのフェロモンは分泌物として皮膚の表面にも出るので
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お肉だけじゃなくてようもうつまりウールにまで強烈な臭いが染み付いてしまうんですよね
えーとお肉だけじゃなくてウールにまでこの生たなんかオス羊のホルモンの臭いがするなぁなんて普段ショッピングしてて絶対に考えないですよね
考えないですよねでもそうならないように現場で事前に防いでくれているわけです
なるほどまあ一部の熱狂的なマトンスキにはたまらない臭いかもしれないですけど
一般の消費者がスーパーやレストランに求めているのは臭みがなくて食べやすいお肉とか清潔なウールですもんね
はいプロの生産者として市場のニーズに応えてより多くの人に喜ばれるものを届けるための不可欠な品質管理という側面です
そして2つ目の理由が安全管理と本能の問題です
えーとオス羊の遺伝子には自分の強さを示したいとか縄張りを作って子孫を残したいという強烈な本能が組み込まれているんですよね
そうです丸岡さんの観察によるとオス同士はただ目を合わせただけでどっちが強いかという喧嘩が始まってしまうそうです
ただ目を合わせただけで
ええしかも羊の喧嘩って単なるこげり合いじゃないんですよ
彼らの頭蓋骨は非常に分厚く進化していて少し離れたところから猛スピードで助走をつけて頭と頭を激しくぶつけ合います
うわ痛そう
体重数十キロから100キロ近いオスが持続数十キロで突進してくるわけですからね相当の衝撃です
それがもし人間に向かってきたらと想像するとちょっとそっとしますよね
大人の膝の関節なんて一発で砕けちゃうでしょうし小さな子供だったら本当に命に関わります
間違いないですね特に丸岡さんの牧場は単に肉や毛を取るだけじゃなくて動物との触れ合いを目的としていますから
お客さんやスタッフの安全を確保するために虚勢が絶対に必要になるんです
オスの攻撃的な穂先を物理的に取り除くための安全上の必須要件なんですね
そういうことです
いやでもですよここでどうしても立ち止まって考えてしまうのが倫理的な側面なんです
品質や安全のためとはいえ人間の都合に合わせて動物の体の一部を切り取るなんてあまりに人間本位じゃないか
ありのままで育てるべきだっていう感情的な意見も絶対あると思うんですよ
柵を高くするとかオスだけ隔離するとか
はいその疑問は非常にまっとうです
でここで非常に興味深いのはマルオッカさん自身がその視点から目をそけていないという点なんですよ
どういうことですか
日記の中で彼はオスの尊厳を奪っているのではないかとか
人間の都合の押し付けではないかっていう批判的な視点を完全に理解して受け入れているんです
自然本来の姿で向き合うべきだという絶対的な信念があるなら
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虚勢せずにやる道もあるだろうとまで語っていますし
でも最終的にマルオッカさんは虚勢するという道を選んでいるわけですよね
ええ彼がその道を選ぶのはより多くの人に羊の魅力を身近に楽しんでもらいたい
そして求められるものを安全に提供したいという明確な信念があるからです
なるほど無自覚に人間の都合を押し付けているわけじゃないんですね
そうなんです
動物の尊厳というジレンマに悩み痛みを自覚した上で
命を預かる責任者としてあえてその業を背負うという決断をしています
キレイごとを言って逃げるんじゃなくて
自分の牧場が社会に対して果たす役割を明確にして
その責任をしっかり引き受けているプロフェッショナルですね
全くその通りだと思います
さて虚勢をすると決断したとして次に立ちはだかるのが
では具体的にどうやって虚勢するのかという巨大な壁です
日記によるとこれ本当にいろいろな方法があるんですよね
はい代表的なものでは3つあります
1つ目は麻酔をしてメスで切開し口管を取り出す外科的手法
2つ目はバルダックと呼ばれる専用の器具を使う方法
そして3つ目は強力なゴムリングで縛る方法です
そのバルダックって名前からしてすごく強そうな機械なんですけど
どういう仕組みなんですか
バルダックは巨大な金属製のペンチのような形をしています
最大の特徴は皮膚を切らないという点ですね
皮膚を切らないどうやって虚勢するんですか
皮膚の外側から血管と整管の束を強く挟み込んで
内部の血管だけを押しつびして切断するんです
外側から血管だけを潰すんですかそれ痛くないんですか
まあ痛みはあると思いますが血流を完全に遮断することで
抗がんは栄養を失って徐々に萎縮し体内に吸収されていく仕組みです
皮膚に傷口ができないので肺が卵を産みつけたり
泥からばい菌が入って可能したりするリスクを
劇的に減らせるという大きなメリットがあります
なるほど理にかなってはいるけど
想像するだけでちょっと鬱となりますね
で丸岡さんがここ数年20年来の付き合いになる
獣医さんと試行錯誤の末にたどり着いていた最適解は
このバルダックではなくて一つ目の外科的手法だったんですよね
はい麻酔をしてメスで皮膚を切り血管を糸で結んで止血し
可能止めの薬を入れて縫う
人間で言えば本格的な手術ですね
獣医さんの専門技術をフル活用して
そうです麻酔が効いている間は痛みを感じさせず
確実に処置を完了できる動物福祉の観点からも
これまで彼らが一番羊に優しいと信じてきた方法でした
でも今年になってその最適解が通用しなくなってしまった
えっとつまりこれは何を意味しているんでしょうか
麻酔を使った確実な手術があるならそれで完璧じゃないですか
なぜわざわざ別の方法を探す必要があったんですか
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これをより大きな視点と結びつけてみると非常にわかりやすいんです
問題は数なんですよ
あ数日記に今年はオスが5匹生まれたってありましたね
はいもし今後牧場の規模が大きくなって
来年は10匹再来年は50匹と増えていったらどうなるか
1匹ずつ野外で麻酔を打ってメスで切って包合して
なんてやっていたら獣医さんが過労で倒れてしまいます
確かに時間もコストも跳ね上がりますしね
ええここはあらゆる産業がぶつかる規模拡大と持続可能性のジレンマです
1匹や2匹のペットなら最高水準の医療の提供できても
牧場というシステム全体を維持していくためには
リソースの限界という冷酷な現実と向き合わなければなりません
つまり個体への最大限の手厚い配慮と
群れ全体を管理するための現実的なリソース
このバランスが崩れると牧場自体が破綻してしまうと
その通りです
理想的な手法であってもそれが持続可能でなければ
結果的に誰も羊を守れなくなってしまいますからね
そこで丸岡さんたちが目を向けたのが
これまでずっと避けてきた3つ目の方法
ゴムリングによる巨成だったわけですね
はい専用の器具を使って強力な小さな輪ゴムを
陰脳の根本にパチンと装着し
血流を止めて固執させ
数週間後に自然にポロリッと落ちるのを待つという手法です
でもこれ丸岡さんがこれまで避けてきたのには
明確な理由があったんですよね
一つは技術的なリスク
子羊の体が小さいうちは
口岩が体の中に逃げやすいらしくて
ええいわゆる停留口岩という状態ですね
もし口岩がお腹の中に入った状態で
空のふくらの部分だけをゴムで縛ってしまうと
袋は漕いして落ちるのに
お腹の中の口岩は生き残ったままになるんですよね
それはもう最悪の事態です
巨成の目的が果たせないだけでなく
不自然に体内に残った口岩が
炎症を引き起こしたり
継続的な痛みの原因になったりする
非常に危険な状態です
しかも丸岡さん自身の中に
感覚的にとにかく残酷で痛そうに見えるっていう
強い抵抗感があったんですよね
確かに体の一部をきついゴムで縛り上げて暮らせるなんて
人間の感覚からしたらちょっとした拷問にしか思えません
見た目のインパクトが強すぎますよね
でも今回獣医さんへの負担を降らす
新しい選択肢を探るために
獣医さん立会の下
麻酔をかけた上で慎重にこのゴムリンゴを試してみた
そしてそこから得られた結果が
この資料の中で最も確信をつく部分だったんです
そうなんですよ
皆さんここからが本当に面白いところなんですが
結果は丸岡さんの直感
そして私たち人間の直感を完全に裏切るものでした
麻酔をしてメスで切開した子羊たちは
翌日になっても痛そうに歩いて走ることもできなかったそうです
一方痛そうで残酷に見えたゴムリンゴをした子羊はどうだったか
なんとわずか半日もには普通にご飯を食べ
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いつも通りに行動して走り回っていたんです
これは一つの重要な疑問を投げかけていますね
見た目の残酷さと動物の実際の身体的ダメージが
完全に逆転していたんですから
これどうしてそんなことが起きるのか
身近な例えで考えてみたんですよ
あの指にきつい輪ゴムを巻いたままにすると
最初は圧迫感があっても
次第に血が変わらなくなって
完全に感覚が麻痺してなくなっちゃう
あの状態と同じですよね
まさにそれです
神経への血流が立たれることで
痛みの信号自体が脳に送られなくなる状態ですね
外科手術の傷が麻酔が切れた後も
何日もズキズキ痛むよりも
輪ゴムによって数時間で神経が完全に麻痺してしまう方が
回復が圧倒的に早くて
動物にとって痛みを感じる期間が短いってことですよね
そういうことです
羊は捕食される側の動物ですから
痛くても本能的にそれを隠そうとします
その羊が痛そうに歩くというのは
相当な苦痛を感じている証拠です
逆に半日ぐに走っているというのは
本当に痛みを引きずっていない証拠なんですよ
いやー本当に目から鱗です
人間はどうしても血が出ない方が優しそうとか
見た目が痛そうっていう自分の感情で判断しがちですよね
白い白衣を着た獣医さんの手術の方が思いやりがあって
野外でゴムをパチンとはめるのは冷酷に見える
ええでも対象となる動物自身の視点に立った時
人間のその感傷的な判断が
かえって動物の苦痛を長引かせていたかもしれない
これは非常に深いパラドックスです
倫理っていうのは人間の自己満足のためにあるんじゃなくて
現場の対象者のためにあるべきだっていう教訓ですね
ええ客観的なデータや観察に基づいて
判断しなければならないということです
ただじゃあ明日から全部ゴムリングで解決だ
まあバンザイというほど単純な話でもないんですよね
日記の最後の方で丸岡さんはタイミングの難しさという
次の課題に直面しています
はい巨生のタイミングは生後1ヶ月頃が目安らしいですが
個体差という壁がありますからね
そうなんです
一匹だけで生まれた子羊はお母さんの母乳を独占できるから
成長がものすごく早い
でも双子として生まれた子羊は母乳を分け合うから
成長スピードが遅い
だから生後30日経ったから今日一斉に全員ゴムリングをつけよう
みたいなマニュアル管理はできないんですよね
ええ日々変化する子羊の体格とか抗がんの下がり具合を
ひとピリひとピリつぶさに観察して
その子にとって最適なタイミングを人間の目で見極めなければならない
非常に泥臭い毎日の細やかな観察が不可欠です
観察の積み重ねですね
そしてゴムリングの有効性が確認できた今
丸岡さんが目指している究極のゴールがまたすごいんですよ
彼は今後麻酔なしで手早くパッと一瞬でゴムリングをつけられる技術の習得を目指すそうです
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えっと麻酔マシですか
先ほどの話の文脈だと麻酔を併用した方がより痛みが少なくて済むように思いますが
なぜあえて麻酔を外すのでしょうか
そこがまさに現場のリアルなんですけど
実は麻酔をかけるという行為自体にも
動物への大きなリスクとストレスが伴うんです
針を刺す痛みとか薬物によるアナフィラキーショックのリスク
さらに麻酔を打つために獣医さんが来て
羊を長く抑えつけなければならない恐怖の時間
ああなるほど治療のためのプロセス自体がプレッシャーと恐怖を与えてしまうと
ええだから丸岡さんが出した結論はこうです
一瞬の痛みは伴うかもしれないけど
牧場主自身の熟練した技術で
数秒でさっと捕まえて一瞬でゴムをつけすぐに解放する
そうすればすぐに麻痺状態に入って
いつもの群れの中での行動に戻れる
この形こそがトータルで見たときに
最も子羊への負担が少ない究極の形だと
医療介入というある種の過保護すらも排除して
人間の技術を極限まで高めることで
最小限のストレスでプロセスを完了させるわけですね
これこそが命と日々向き合っているプロが行き着いた
次なるレベルの動物福祉と言えますね
温泉日記の中で雨の日に一日中
事務作業をして牧場のシステム作りに励む
丸岡さんの姿が浮かんでくるんですよ
一見冷酷に見える化精というプロセスの中にも
動物への負担を少しでも減らしたいという
凄まじい熱量と愛情が隠れているんだなって
すごく感動しました
本当にそうですね
あらゆる専門職における最善というのは
綺麗に整えられた器状の空論から生まれるものじゃなくて
現場の泥臭い試行錯誤と
データ収集からしか生まれないんだ
と改めて思い知らされます
はい
今回の探求を通して
スーパーに並ぶお肉やウール製品の背景にある
農家と獣医による見えない技術革新と
動物福祉に対する終わりのない探求の旅を
リスナーの皆さんと共有できたことを嬉しく思います
私たちが日々享受している快適さの裏には
常に誰かの見えない配慮と試行錯誤が
存在しているということですね
ええ
さて最後にリスナーのあなたに
少し考えてみてほしいことがあります
あなたが次に温かいウールのセーターに袖を通すとき
あるいはレストランで羊肉を味わうとき
ぜひこう考えてみてください
今私の目の前にあるこの製品がここに至るまで
名もなき生産者たちは
一体どれほどの倫理的な葛藤と
痛みを減らすための小さな発明を
繰り返してきたのだろうかと
深い問いですね
はい
私たちの日常のすぐ隣には
まだまだ気づいていない
無数の見えない配慮が織り込まれているはずです
ということで今回の深掘りはこのあたりで
お聞きいただきありがとうございました
次回もまた新たな探究の世界でお会いしましょう