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はい、おはようございます。普段はプログラマーを入れながら、副業で地域活性化を目指す事業を行っているヒロです。
このラジオでは、明日が楽しくなるような情報をお届けしています。 今回は、【声DAO企画】バレンタイン・ストーリー朗読、というテーマです。
音声に関するコミュニティの声DAOの新しい企画、声DAOバレンタイン企画に参加するため、オリジナルのストーリーの朗読を配信します。
今回の作品は、冬の二つの物語ということで、WEB3小説家の冬キングさんが書き下ろししてくれた、オリジナルのストーリーです。
この企画は、2月の18日までやっていますので、ぜひ皆さんもご参加ください。 概要欄に企画の内容をまとめた、ボイストレーナー美香さんのポストを貼っておきます。
それではご視聴ください。
冬の二つの物語
休日だというのに、会社に忘れ物を取りに行く雨になるなんて、なんてついていない日なんだろう。
はーっと息を吐き出すと、あっ白な煙になって空に消えていく。
今日はずいぶんと冷えている。 こんな日は早く帰って、家で一人映画でも見なければ。
そう思ったのだが、なんとなく気が向いて、普段通らない川沿いの道を通ってみる。
寒空の中、水面に向かって思い切り手を伸ばす女性が視界に入った。
綺麗な人だな。てか、危ない! ぐらりと傾いた体に思わず手を伸ばす。
思ったよりも強く肩を引いてしまったのか。 彼女はバランスを崩して僕にもたれかかった。手に柔らかい髪が触れる。
僕は慌てて体を離すと、彼女の方を見ずに一気に言った。
突然すいません。川に落ちそうだと思って助けようと。
勘違いだったら申し訳ないです。
よく考えたら、突然見ず知らずの男に肩を掴まれるなんて、セクハラと言われてもおかしくない。
しかし、こちらを見上げた彼女は、「ありがとうございます。勘違いさせてしまってごめんなさい。」
なんて言ってきた。 胸がバクバクと音を立てている。
今日ここを通ったのは運命なのかもしれない。 もっと一緒にいたい。
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彼女のことを知りたい。 そんな気持ちが通じたのだろうか。
お礼にランチご馳走させていただけませんか? なんて、彼女の方から言ってくれた。
僕は思わずにやけそうになるのを必死にこらえながら、精一杯にカッコつけていった。
いや、僕の勘違いのお詫びにご馳走させてくれるならね。