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死別の翌日 中原忠也
生き残る者はずうずうしく 死に行く者はその清純さを漂わせ
物言いたげな瞳を床に彷徨わすだけで 親を離れ兄弟を離れ
最初から一人で会った者のように死んで行く さて
今日は良いお天気です 町の片側は陰り
片側は日差しを受けて暖かい けざやかにも和々しい秋の午前です
空は昨日までの雨にぬぐわれてすがすがしく それは海の方まで続いていることがわかります
その空を見ながら また町の中を見ながら
歩いて行く私はもはやこの世のことを考えず 去りとて
死んで行った者のことも考えてはいないのです 見たばかりの死に呆然として
卑怯にも似た感情を抱いて私は歩いていたと 告白せねばなりません
