童話作家としての道
今後を童話作家に、小川美名、自由と純真な人間性と、そして空想的正義の世界に憧れていた自分は、いつしかその芸術の上でも童話の方へ惹かれていくようになってしまいました。
私の童話は、ただ子供に面白い感じを与えればいいというのではない。また一辺の偶話でたれりとするわけではない。
もっと広い世界に、ありとあらゆるものに美を求めたいという心と、またそれらがいかなる調和に置かれた時にのみ正しい存在であるかということを、死としたい願いからでありました。
この意味において、私の書いてきた童話は、すなわち従来の童話や世俗の言う童話とは、多少異なった立場にいると言えます。
むしろ大人に読んでもらった方が、かえって意の損するところがわかると思いますが、あくまで童心の上に立ち、すなわち大人の見る世界ならざる空想の世界に成長すべき童話なるがゆえに、
いわゆる小話ではなく、やはり童話といわるべきものでありましょう。他年、私は小説と童話を書いたが、今頭の中で二つを書き分ける苦しさを感じてきました。未明先週六巻の配付も、去る四月に完了したのを後期として、
世の繁盛を、先進、我が得意な死刑のために尽くしたいと考えています。たとえいかなる形式であっても、芸術は次の時代のためのものでなければならない。そしてその意味からいっても、童話の地位は今後もっと高所に置かれなければならないであろう。
童話文学の使命についてはいずれ異実に譲る。過去の体験と繁盛の作家生活において、那変に多少の点分の損するかを知った私は、後世の喜びと勇気の中に、今後童話作家として邁進を続けようと思っている。
ここにあえて声明するゆえんのものは、ただ友人諸君の平素の健康にそむかざらんことと了解を乞い、願うためとであります。
