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二つの鞄、夢の旧作、小さな鞄と大きな鞄と、二つ店に並んでおりました。
大きな鞄はいつも小さな鞄をバカにして、「お前なんぞ、俺の口の中に入ってしまう。」と冷やかしました。
二つの鞄は、同じ時に同じ人に買われて、同じ家に行きました。すると、小さな鞄の中には、お金や何か尊いものが詰められて、人間に大切に抱えられていきます。
大きな鞄は、あべこべにつまらないものばかり詰められて、荷車に詰まれたり、投げ飛ばされたりしておりました。
小さな鞄は大いばりで、「大きな鞄の育児なし。」と笑っておりました。
大きな鞄はたいそう悔しがって、自分をいじめる人間を恨んでおりました。
ある日、大火事があって、この家の人が逃げ出す時、衣服と一緒に小さな鞄を大きな鞄の中に入れて逃げ出しました。
大きな鞄はここで仇を取ってやろうと思って、火事が済んだ後で人が開けようとすると、口をしっかりと閉じて、中の小さな鞄を出すまいとしました。
人間はたいそう困っていろいろやってみましたが、どうしても開きません。
この鞄はだめだよ。口が開かなきゃ鞄の役に立ちはしない。中の小さな鞄がいるようだから仕方がない。こうしてやろう。」と言いながら、横っ腹を切り破ってしまいました。