だけど、ちょっとその当時私が友人とやってた設計事務所がすごい忙しくて、ちょっとそれどころじゃなくて、
2019年に設計事務所辞めたタイミングで、じゃあ探そうってなって、見つけて、
すごい物件が可愛かったのと、後は歴史を調べてみたら、
もともと長崎アトリエ村っていう画家の方が住んでたエリアがあったりとか、
地理的にも日芸とか武蔵野音ライトも近いし、
ちょっと街歩きをしてみたら、街の人たちがすごい若い人たちのチャレンジを応援してくれるみたいな雰囲気が、
ずっと歴史的にもあるっていうことが分かって、
こういうとこだったらできるかもねっていうので、始めることにしました。
なんか私たち、11-1スタジオっていうところで、去年プログラムをやってるときのあそこの辺をリサーチにしに行って、
歩いてたら、ふと気づいたらメンバーが両手にオレンジ抱えて帰ってきた。
そういう感じ?
なんか、もらった?とか言って帰ってきた。
どういうこと?みたいな。
いきなりのこの下町感と言いますか、顔の見える感じがここにあるんだなって、その瞬間にすごく感じられました。
あと、マイヤマイヤの場所がかわいいっておっしゃってましたけど、本当そうで、
目の前が、目の前というか通りに面していて、すぐ横が、あれ駐車場なんですかね?
そうです。駐車場。
そこにもテーブルとか椅子がはみ出して置かれていたりとか、窓が大きかったりとか、ちょっと小上がりがあったりとか、あれもともとついてたんですか?
そう、もともとブティックの多分、展示コーナーみたいな感じだったんだと思います。
なんか50年ブティックをやってたみたいで、当時はあそこの服しか着ないみたいなマダムがいるようなブティックだったりする。
前も50年やってて、恒例になられて辞めたいって出られたとこを借りたんですけど、
だからすごい愛着を持って手を入れられた建物だなっていうのがパッと伝わってきて、いいなと思いましたね。
前の広場、広場というか駐車場と指導なんですけど、同じ親さんが持っている場所で、
なので、私たちがオープンしたのがコロナ禍だったこともあって、
指導のお店から1.8メートル以内は使ってもいいっていう使用許可みたいなものをいただいて、それでやってます。
なんとなくはみ出しているように見て、一応ルール決めをしてやっているという状態です。
マイヤマイヤに関しては、オープンしてからすぐぐらい噂をそこら辺の友達とかから聞いていたりとかして、
人が集まる場所みたいな。
私たちも行ったときに、ただのコーヒー屋さんじゃないというか、人んちのリビングに入ったみたいな、これ入っていいのかなみたいな感じがあった。
なんかちょっとプライベートな場所に入り込ませてもらっている感じがあって、すごい好きだったんですけど、
なんか設計とか、あとは施工の段階でも地域の方と関わりながら作られたみたいな、どこかでお見かけしたんですけど、
なんか作る段階でのエピソードとかこだわりとかあったら教えていただきたいです。
いっぱいあるんですけど。
作るときは、私はずっと設計事務所をやりながら、わりと新築で大きい、大きくはないんですけど、
ちっちゃめの副施設を作ったりとか、住宅も新築で作ったりっていう仕事が今までずっと多くて、
ザ・建築家として頑張ろうとしてきたというか、雑誌にちゃんと載せる建築を作るために、
腕のいい公務店さんを呼んできて、作って写真撮って帰るみたいな、そういうことをよしとして頑張ってきたんですけど、
ちょっとこう、なんだろうなっていう気持ちがあるにはあって、
いまだに20代の時に担当したお施設さんともずっと連絡取り合ってるんですけど、
なんかこういう距離感だったら、もっと違う作り方できたよなって思うことがあったんですね。
自分のお店を作るときに、建築を作ることってお金を落とすこととか、人のスキルを使うことでもあるので、
街のためになるはずなので、ちっちゃいお店を作るんだったら、街にお金を落とそうということと、
街のスキルを使おうということを考えました。
なんですけど、東長崎なんて池袋からすぐだし、そんなもう手で作れる人がいないんですよ。
こんな都心に、もっとやっぱ郊外にそういう方々ちゃんと拠点を構えて倉庫を持ってやっていて、
いろいろ公務店さんに聞いたんだけど、うち縦売りしかやってないから無理みたいな感じで断られ続けて、困ったなあと思って。
商店街にどうせご挨拶に行かないといけないからと思って、ご挨拶がてら皆さんに、
うち小比叡やりたいんですけど、誰か施工してくれる人知りませんかね?って聞きながら歩いてたんですね。
そしたらある日、横で聞いてたおばあちゃんが、知り合いいる?とか言って、
おじいちゃんを連れてきてくれて、88歳とかだったんですけど、
そのおじいちゃんがまた別のおじいちゃんを連れてきてくれて、みたいな感じで。
おじいちゃんコミュニティ。
気づいたら、一応全部の職能がそこで一回そろって、
おじいちゃんとだけ作るっていうのもなんかちょっと違うと思ったので、
普段仕事してる中でも若手の30代とかの職人さんも呼んで、ミックスチームみたいな感じで施工しました。
めっちゃいいですね。
面白かったのは、おじいちゃんたちはここで60年とか仕事してる人たちなわけですよ。
しかもセミリタイヤしてるので、バパーンってドア開けて施工してると、
あれ何やってんの?ってどんどん人が入ってきて、
大丈夫?なんか首痛かったんじゃないの?そんな作業して大丈夫なの?みたいな感じで、
どんどん人が集まってきて、工事中もすごいみんな入ってくる工事現場になったっていうのが面白かったですね。
なるほど。なんか作り方もそうですし、なんかあの空間って言ったらすごくコンパクトじゃないですか。
そうですよね。
そんなダダッピロコはないけれども、なんかいろんな人が混ざり合って、
かつなんかそれぞれがそれぞれで居心地の良さをこう見出してる感じがすごいいいなと思って、
なんか自分の時間で過ごせる感じが、あれだけの狭さなのにできてるっていうのはすごく場の作り方が上手なんだろうなっていうのと、
やっぱお二人のお人柄とかが多分染み出してるんだろうなとか感じたんですけど、
なんかあの場所を運営というか作っていく中で、まあオープンしてからですね、
なんか意識してることとか大事にしてることっていうのあるんですか?
それもいっぱいあるんですけど。
まあなんか一つは、お店のレイアウトとして外の席も含めてバリスタが真ん中にいるようなデザインにしてあるんですね。
だからバリスタが窓辺にいるっていうちょっとコーヒー屋さんで珍しいレイアウトになってる。
そのせいで席数は少なくはなってるんですけど、
なのでバリスタが基本全員顔が見えて、
街行く人、お店に入ってこない人にも挨拶するっていうのが一つはお願いしてることですね。
どのスタッフでも通りかかった人に挨拶してねっていうこと。
あとは、例えば私とボーンがコーヒー屋さんに行って、
横でオーストラリア旅行しようと思ってんだよねってお姉さんとかが話してたりして、
コーヒー屋のバリスタさんはそのお姉さんたちも私たちも知り合いなんだけど、
紹介してくれないから声かけれないみたいなもどかしい瞬間ってよくあって、
プライバシーもあるしみたいな気使ってやってくれるんですけど、
そういうのじゃない場所もあっていいよねっていうふうに思っていて、
一人になりたいときに行けるコーヒー屋さんはいっぱいあるのに、
誰かと話したいときに行けるコーヒー屋さんはあんまり街中にないから、
私たちは誰かとコミュニケーションできるような場所を作ろうっていうことで作り始めたんですね。
なのでスタッフのみんなにもそれは伝えてます。
ちゃんと人の会話を聞くとか、聞かないふりしてプロの対応しないで、
ちゃんと聞いてる、なんか面白いと思ったら素の状態で突っ込むとか、
ちゃんとプロフェッショナルに仕事人みたいな形でコーヒーを作るんじゃなくて、
素の人間として面白いコメントちゃんと聞いてくださいみたいなことをお願いしてやってます。
確かになんかおしゃべりしに行ける場所ないかも。
そうなのよ。そうなんですよ。
あとなんか結構世代もいろんな方が来てたのも面白かった。
面白かったですね。
新しい店とかってやっぱり若い人で偏っちゃうなと思ったけど、
やっぱりああいう人がちゃんと通っている感じがしたのがすごいなっていうのが思いましたね。
そうなんですよ。特にコーヒー屋さんがそれが強いと思うんですけど、日本は。
結構お店の種類で世代を分けちゃうんですよね。
喫茶店は若い人が入りにくくなってたりとか、
サードウェーブコーヒーはもう歳いっちゃうと注文の仕方すらわかんないみたいな、
そういうのもどうだかねっていつもポンと話していて、
メルボルンのコーヒー屋さんってもっと他世代のみんなが集まっているような場所だったので、
まずは世代を分断するようなデザインはしない、
世代を分断する接客もしないっていうのを心がけていることと、
最初に言ってた施工から割と年配の方に関わってもらっているので、
それもあってかなり入りやすくなっているのはあると思います。
俺が作った店だからっていう感じで。
なるほど、それめっちゃいいな確かに。
なんかおしゃれなコーヒーショップって、なんか入りづらいとこめっちゃあるし、
なんか入っても緊張するみたいなとこ、正直めっちゃたくさんある。
あとコミュニティーが強かったりね。
そうだね、なんか常連さんコミュニティーみたいなのが強かったり、
それはあの場所ではなんかなかったのがすごいいいなと思いました。
なんか常連さんはいるんだけど、すごいオープンな感じで。
そうですね。
私はその前々から行った、都道府県内で行ったアイアムがすごい私的なヒットで、
コミュニティーガーデンがちょうどわさわさしてた。
ずっとわさわさしてるけど。
思想とかがガーンみたいな感じで。
確かに。
で、その横に本が読めるスペースがあって、
石の塀のところにコーヒーのカップを置けるようなスペースが多かった。
アイアムはマイアンマイアンができてから、
あのエリアで事務所作ろうみたいな感じで始まったんですか?
そうです。マイアンマイアンオープンして半年ぐらいしたら、
うちのマイアンマイアンの公屋さんがマンション買ったんだよねとか言って、
ちょっとリノベーションしてよみたいな感じで声をかけてくれて、
やりますやりますみたいな感じでリノベーションをお願いされたのが一番感で、
やるならこのコロナ禍の実感みたいなのを形にしたいなと思って、
今まで多分みんな東長崎に住んでる人たち、東長崎どうでもいいと思ってたんですよ結構。
だってなんかやりたかったら、
なんかかっこいいものが欲しかったら渋谷にでも出ればいいし、
美味しいコーヒー、毛袋で飲めるし、
畑とかの経験したければ練馬に行けばいいし、
とにかく移動すれば好きなコンテンツが手に入るみたいな時代が突然止まって、
うちの町から出れないってなった時に、
お客さんを見ててもすごい戸惑ってたというか、
うちの町何にもないというか、何をしたらいいかわかんないみたいな。
ここに留まって。
でまたお客さんも、うちの町若い人いないんだよねっていう人ばっかりだったんですよ最初は。
若い人がいない町なんだよねみたいな。
でもコロナ禍でいざ交通が止まると、若い人いっぱいいるんですよね。
みんな住んでるんだけど、この町で仕事してないんだなと思って。
で、若い人がみんなに見える場所で仕事し始めるとちょっとなんか面白いんじゃないかと思って、
公屋さんに、アパートのリノベだけどシェアオフィス入れていいですか?
私借りるんでって言ってお願いして、一回オフィスにさせてもらって。
あとは外で活動したり、人とコラボレーションするのっていきなりできないなっていうのも前々をやりながら思って、
そういうのが練習できる場所みたいなのを町に作れると面白いんじゃないかと思って、
駐車場だった場所を畑にしたりとか、コミュニティコンポスト作ったりみたいなのを一回やってみようと思って、
公屋さんがすごい理解ある方で、それいいよって言ってくれたのでやりつつ、
じゃあ管理費をくれたら管理もやりますとか言って管理人までやってたんですけど。
管理までやられてるんですね。練習できる場所っていいですね。
人が出会って挨拶して、そこからコラボレーションが生まれて、プロジェクトが生まれるっていう状態がすごく健全な都市の姿だなと私は思っていて、
ただそこのハードルの高さもすごい感じていて、何か忙しすぎてやりたいことが見えなくなってたりとか、
もしくは自分で物を作らなすぎて自分のスキルがわかんなくなってたりとか、
道具を持たされても何していいかわからない、使えないとか、そういうのがもう私たちの世代、みんなそんな感じになっちゃってるんですけど、
ちょっとでも人が道具を使ってるのを見たりするだけで安心できたり、自分もできるかもって思えたり、
あとはあの人たちと一緒だったら何かできるかもって思えたりみたいな、
健在的なやりたいことを思い出すことがまず必要で、その次に道具を使う練習、人とコミュニケーションする練習みたいな、
私たちがよくやってるんですけど、
よく外で丸のことインパクト出してガーって切ったりしてるんですけど、
なんかやってるとこういうの作りたかったっていう瞬間が、謎ですけど。
だけど、それは見てる人たちも、
なんていうんだろう、例えば、家がちょっと不便で本棚の1個でもあればな、
でもなんかあそこで買うのもな、みたいな欲求とかっていっぱいあると思うんですけど、
でも作るのはちょっとな、みたいな。
だけど、案外簡単に自分の身体で作れるっていうのを見ると、
あ、いけるんじゃないっていうことにつながる瞬間があると思って、
そういう風景を日常に散りばめられるだけでもいいかなと思っていて、今の段階としては。
なんかみんながちょっとずつやりたいことがたまってきて、
なんかやろうってなってきたら面白い街になってくるかな、みたいな感じなんですけど。
でも私たちは実は、去年からまちのえいぜんっていう活動を始めて、
まちのえいぜん。
えいぜんさん、メンテナンスですけど、えいぜんってなんかこう、手直しみたいなイメージ。
でも営み作ろうですよね。
で、街で営みながらちょっと作ろっていくというか、
よくしていくみたいな活動をしていこうっていうのをやっていて、
デザインとか設計っていう仕事がプロジェクトに対して答えを見つけていくようなプロセスだとしたら、
計画を立ててそこに向かってデザインをしていくというやり方だとしたら、
まちのえいぜんの方はブリコラージュみたいに、その目の前にあるものを使っていい場所を組み立てていくみたいな。
目の前にあるスキルと目の前にあるものを組み合わせて、
ちょっと外でご飯食べれるベンチ作ろうとか、
ちょっとラーメン屋さんのサインかわいくしようとか、
ここのコンクリート危ないから外って植物でも植えちゃおうみたいな、
目の前でどんどん発見的に物事を組み合わせていって、
場所を良くしていくみたいなことをやり始めていて、
なんかそれはなんか面白くなるんじゃないかなっていう気はしてるんですけど、
まだ始めたばっかりであれだけ。
それはなんかチームでやってるんですか?
うちの設計事務所でやってます。
もっとみんなやってくれてもいいんだけど。
でもそのメンテナンスっていうことがどんどんこう、
もっと創造的にならないとこれからの年はすごい難しいなと思っていて、
まさに新しく建てるのではなく、
その手入れだったり、手直しみたいなことをいかに面白く、
そしてね、継続的にできるかっていうところがめっちゃ求められてるなっていうのを、
私たちもすごく日々感じてます。
あとなんか新築で作って、スクラップ&ビルドで新しいものを作るにしても、
メンテナンスっていう概念が入ってる新築だと、
面白くなると思うんですよ。