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皆さんこんにちは、編集者・ライターの杉田麻里子と、プロジェクトディレクターの石川絵加子です。
この番組は、都市というテーマが好きで好きでしょうがない2人が、都市に関する様々なグッドニュースをザック・バランに話す場所です。
はい、ということで今日は、イラストレーターのニッパシさんをゲストにお呼びして、おしゃべりしていきたいと思います。
今日はどうぞよろしくお願いします。
ニッパシさんは今、ベルリンと日本で2拠点で活動しているということなんですが、ほぼ今はベルリンなんですか?
そうですね、1年ほとんどはベルリンで生活しています。
おそらく私とニッパシさんが会ったのは、2年前というか、
そうですね、2018年。
2018年の末頃に、ちょうど前、私が勤めていた会社で、都市のテーマのイベントをやってきて、
そこにニッパシさんがいらっしゃって、知り合って、イラスト、絵を描いてくださったんですね。
ここにいる人もその場で何か描く、やってくれて、その絵が中野さんと何ともシュールで愛らしくて、
シュールで?
すごいかわいいなと思っていました。
私が作るバックグラウンドで、空間を作ったりもしているというところで、
その後送っていただいた、人間探索、人間採集でしたっけ?
はい、はい。
街にいる人たちの絶妙な様子を全部イラストレーションで起こして、
まさに工芸学みたいな感じのゲームで、
私はすごい好きで、印象にずっと残っていて、
ちょうどベルリンにいらっしゃるというのを見て、改めてお話ししたいなと思って今回誘いました。
素晴らしい。
そうですね、あれをお送りしましたよね。
パルさんのプロフィールについて、簡単にどんな経歴でイラストを描くようになったか、
ベルリンに行くことになったか、伺いたいなと思っています。
もともと大学で建築を学んでいたんですけど、
その時も図書館とかで、1950年代の新建築とか、
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古本くさい湿ったコンクリートの空間みたいなのがいっぱい載っているじゃないですか、昔って。
短毛建造の経験の漢字。
オラーみたいな、ああいうのが好きで、
その時代はやっぱり2010年とかは、もっと軽い建築画とかブームではあったと思うんですけど、
そういう逆のものがすごく好きになっちゃって、
そしたらそういうのを見たり、散歩するようになったんですよね、それから。
なので古くさいマンションとか見て、うわーみたいな感じでやったり、
あとはバブルの時の建物も好きで、ポストモダン建築。
それのカラフルさが好きというか、哀愁というか、
なんかやっちゃったみたいな、今人あんまりいないみたいな、
ギャップが好きで、
だから筑波センタービルとか、あっちの方も行ったし、
当時の写真ではキラキラだけど、わーなんだこれはみたいな、
っていうことがすごく興味の中心になっていて、
それをどうにかこの気持ちを伝えられないかなっていう風に次になって、
それでなんかイラストで、こういう建物があったとか、
ここにすごい不思議なおばあさんが住んでたとか、
なんかそういうことをイラストで、日記みたいにSNSにアップするようになって、
それがちょっと面白いんじゃんって友達に言われて、
それが今の思えばベースだと思います。
それでイラストレーターを意識したというか、
自分の表現は建築が好きだけど、都市も好きだけど、
表現するのは結構イラストが合ってるかな、コラムとつけて。
なるほど。
建築を勉強されている方とか建築関係の人って、
絵を描いたりとか線を引いたりすることがすごい多いと思うんですけど、
すごいスタイルが独特で面白いなと思って、
インスタグラムとかも拝見させていただいていて、
建築を学んでた時からそういったスタイルを確立してたんですか?
他の絵を描く建築学生とどんなところが違かったんですか?
そうですね。
子供の時の絵とかとあんま変わってないんですよ、結構。
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下書きするとダメなんですよね、自分結構。
なので一発書きをなぞるとか、
基本は一発書きみたいな絵が多いんですけど、
それがスタイルになったのかな、ちょっとわかんないですけどね。
特に学生の時もさほど変わってないかなと思いますね。
なるほど、なるほど。
建築への愛が結局仕事になったっていうのが。
そう、建物はすごい好きでですね。
でも廃墟とかそういうのを巡るとか、
青蔵のクラブとかベルリーあるんですけど、
そういうところに潜入するとかはあんまりないんですよね。
あれと、イオンモールとか日本で好きだったんですよ。
新品が結構好きで、そこに結構面白い家族とかいるじゃないですか。
で、うわ、この家族絶対車はこうでとか、
そういう妄想はすごい好きで、
年収はこのぐらいでとか、
ユニークな役があって、
あのぐらい持ってるってことはこのぐらいの給料でとか、
そういうあれですよね、勝手な。
で、それを実際に千葉とかの団地の郊外とか見て、
船橋とかも行ったりして、何とも言えない空気出てるじゃないですか。
団地とかの壁面に虹の絵とか空の絵が描いてあったりとか。
そういう何とも言えないっていうのが、
どう面白い表現ができるのかっていうかね、
まだ開拓中ですけどね。
とにかくああいうものが好きですね。
最高ですね。
そうそう、それこそ人間採取、採取は合ってますか?
人間採取です。はい、合ってます。
さっきも言ってたけど、やっぱりイラストだけじゃなくて、
人の状況とか雰囲気みたいに伝える、
絶妙な着眼点の言葉がめっちゃ最高だなと思って。
ありがとう。
その人は、違う風に同じ状態を見ても、
違うコメントを言ってくれそうだなみたいなことが出てきて、
勝手に思って。
なので、土地を見るときに、
どんなところを意識して見ていたりとか、
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さっき言った何とも言えなさみたいなところを、
具体的に聞きたいなと思って。
新しさの中の、何なんですかね、
面白いって思っているコミュニケーションが絶対にあって、
そういう響く感覚、そういうところにセンターを立つ、
ちょっと聞きたいなと思って。
そうそう、それを考えて、
一言で言うと多分天野尺な感じだと思います。
でも、天野尺ってほどでもないんですよ。
結局、やっぱりイオンモールとかで、
いきなりステーキ食べて、ポイント貯めてとか、
そういう生活、東京でしてたんで、
なので、すごく普通さも大好きなんですよね。
なので、あとね、どこから来てるかというと、
浮いちゃってるみたいなことが好きですね、結構。
浮いちゃってる?
浮いちゃってる?
そうそう、滑ってるみたいな、会話とかも。
例えば、すごい盛り上がってる時に、
何だろう、滑ってみようかなとか思っちゃうんですよ、結構。
だから、チラーってなることちょっと言ってみたいな、
みたいなことをやろうと思うけど、なかなかできないとかあって。
それをイラストでやったりとかする時もあるんですけどね。
ちょっとね、パンク精神ではないけど、
ちょっと壊したいな、みたいな気持ちはあったりするのかな。
うん、なるほどね。
バカになってないですね。
面白いですね。
でもね、反体制とか、そこまで強いパンクじゃないんですよ。
何だろう、だからね、何とも言えないんですけど、
あもの弱すぎでもないし、
そうそう、なので、
そういう風に、
だから、おしゃれな人がたくさんいる会に、
すごいダサい服で行っちゃうとか。
はい。
滑ってみたいな感じなのかな。
足元から見られて、こいつクソダサーって初めての人に思う。
だから、そこで思いっきり滑ってみるとか。
なるほど。
いや、この人俺の服めっちゃ見てんじゃん、やっぱ、みたいな。
短い誘われなかったりとか。
メモ帳に書いておく、みたいな。
そういうのが好きなんですよ。
それが多分、視点につながってるのかなって。
なるほど。
告白みたいな。
告白。
多分みなさんも、
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ミッサイさんがやってるノードとか、
そういうところに載ってるコラボとかを見ると、
今言っていることが、なるほどって、目に感じることがあるかなって。
ありがとうございました。
その人間採取っていうチェーンは、どこで購入できるんですか?
ネットで、今はそうですね。
売ってる場所は特にないんですけど、自分が売ってるって感じで。
こんなにいっぱい探してると、ベルリンに行ったわけみたいなのを、
もうちょっと詳しく聞きたいなって気になりますね。
そう、ベルリンに行ったわけが、さほどなくてですね。
本当のことを言うと。
学生の時に、ウィンに留学したことがあって半年。
その時に、ヨーロッパって夏とか長いし、
白夜みたいな日が長いし、最高だなみたいな感じで思ってて、
もう一回ヨーロッパ住みたいなとか思ったんですよね。
その後、外国に住んでみたいと思って、
ここでもいいかなみたいな感じだったんですけど、
前の仕事がドイツに関係してたっていうのもあったり、
あとは住んで行ったことあって、楽しそうだなとか思ったりとか、
強い意志はあんまなかったですね。
商工法というか、だんだんベルリンになっていったんで、
だから大阪も好きだと思う。
大阪でも良かった。
まあでも外国が良かったのかなとかですかね。
あと東京にずっと住んでたんですよ。
生まれた時からずっと。
だから変えたい。
それが強かったですね。
なるほど。
実際に移住されてから作風がちょっと変わったりとか、
着眼点が変わったりとか、
自分ご自身が生み出されるイラストに大きな影響ってありましたか?
大きな影響は特にないかもしれない。
でも集中するようになったかなと思いますね。
時間を使うときに。
日本だと同じネット見てても気になるというか、
やっぱり読んじゃうというか、
そういう時間が多かったけど、
こっちだと別に日本のネット見れるけど、
割と外出てぼーっとしたりとか、
なので時間が増えたかなっていうのはありますね。
不思議と。
その時間にいろいろ書く時間が増えて、
作品も増えたっていう、
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良いことはあったかなと思う。
でも内容とか変わらなくて、
歌舞伎町でこういう人がいたとか、
そういうこと書いてるから、
日本帰ってきたのとか、
どこにいるのか分からないとか、
そういうこと言われたりするんで、
ただあんまり変わってないのかなって、
思ったりもします。
ベルリンでの生活みたいなのも、
あんまり日本にいた頃と、
時間の感覚以外とそんなに変わらないと思う。
そうですね。
歩いてユニクロ行って、
テールのTシャツ買ってとか、
ユニクロいっぱいあるんですよ、ベルリン。
いっぱいあるんだ。
そう、いっぱいあるんですよ。
4店舗、5店舗。
今はどんな感じになるんですか?
もうコロナとかね、
スペース的デモが結構なりましたけど。
コロナは、
今は、
やっぱマスクはちゃんとしてます、結構みんな。
マスクはちゃんとお店でも絶対着用して、
消毒はしてるけど、
結構飲食店ですごい密が起こってるなって感じありますね。
うん、なるほど。
もう全く気にしてないって感じで。
なるほど。
それは怖いから、
外でご飯食べるときはやっぱ、
昼過ぎとか、あんま人がいないときとか、
夜はすごいですよ、もう。
人いっぱい。
もう人いっぱいだし、
肩がつくぐらいの距離で10人ぐらい座って喋ってて、
そうそう。
お仕事についても話を聞きたいなと思うんですけど、
今、私他のプロジェクトで、
建築系のプロジェクトでイラストレーターさんとか、
グラフィックデザイナーとか探す機会って最近増えてるんですけど、
なかなかいなくって、
イラストレーターさんってたくさん素晴らしい作品の方いらっしゃる中で、
建築系のプロジェクトで敢えてこの人に入ってもらいたいなみたいな、
人とのコネクションを私としても作りたいなと思っていて、
建築系のプロジェクトでイラストを描いたり、
プロジェクトでリサーチで入ったりとか、
そういうこともご自身が勉強されていたこともあって多いんですか?
そうですね。建築はイラストを描けるっていう風に思ってもらってて、
だから観光とかの仕事をたまたまもらえて、
そういう時に街を描く必要があるじゃないですか。
ここに商業施設があって、居酒屋とか、
お客さんが30枚ぐらい地域の写真を送ってくるんですね。
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これをいい感じにしてくださいみたいな。
たぶん1個1個描くのかなって想定してたみたいなんですけど、
それをうまく、なんとなく吉祥寺にまとめられた時に、
おお、なんかすげえみたいな。
その時にはやっぱり練り歩いたりしたり、
パースがちょっとここがこうとか、
そういうのは役立ったりしてますよね、仕事に。
あとはこういう都市を描いてくれとか言われたり、
ざっくりでも割と描けるっていうのはあるかな。
池袋とか。
想像上の都市を描いたりとか。
想像上の都市はよく描いてます。
もうこうあったらいいなとか、
ドックランの施設とか、犬好きなんだよね。
そういう妄想はたくさんかきためてるんですけど、
建築とか興味ない人だとあんまり面白くないのかなと思って、
割とストック状態って感じで、
こういう意外なのがあったらやばいねみたいになるんですけど、
でもそういう意外だと割とどうなんだろうなみたいな感じを。
だからそれを今後まとめていきたいなとは思って。
なので学生のときにアーキグラムとかいう、
紙の上でドローイングでもう建築家みたいな、
ああいうものに憧れましたね。
絵だけで、妄想だけで建築家って言っていいんだみたいな。
うまいですね。
それじゃんみたいな感じで、
学生のときも全部プレゼンボードとか、
絵のほうにすごいイラストを頑張ってました。
なるほどね。
有名な人のドローイングとか見てると、
時代がすごい出てるじゃないですか。
本当にアーキグラムとか、
ドックランとか、
そういうドローイングとか見てると、
時代がすごい出てるじゃないですか。
本当に昔のものから、
バブリーなものから。
バブリーだとどうなんだろう。
バブリーだとどうなんだろう。
高松慎さんっていう京都の方とかのドローイングとか、
すごい哲学的なコメントが書いてあるじゃないですか。
ジャック・デリタがなんとかみたいな、
そういうのとか、
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意味わかんないですけど、
なんかやべえと思って、
そういう調で文章を書いて、
イラストを投稿したりとか、
でもそういう人がいないんで。
あまり受けないですけどね。
そういうのは好きですよ。
ちなみにベルリンとかだと、
そういうドローイングしてる人とか、
面白い萌え建築を発見したりとか、
何かあったりしますか?
そうですね。萌え建築って、
いろいろ考えてるんですけど、
普通の団地が面白いですね。
旧東ドイツエリアの普通の団地。
部屋の中が結構見えるんですよ。
部屋の中が。
そこでシャンデリアとレースのカーテンと、
ハゲハゲのぬいぐるみとかが。
ハゲハゲのぬいぐるみ。
ハゲハゲのぬいぐるみ。
ハゲハゲのぬいぐるみ。
そうそう。すごい日焼けしちゃって、
多分茶色だったんだけど、
ベージュアイボリみたいになっちゃってる。
テディベアみたいな。
私の家にもあります。
本当ですか。
そういうのを見て、
それは建築の中の話ですけど、
建物でいうと、
高松真さんの建物がたまたまあって、
ベルリンとか、
ヨーロッパは同じだと思うんですけど、
どこも似てるじゃないですか。
住宅とか、5階建てで。
どの道にいるのかな、今って。
たまにわからない感じですね。
1本2本とか。
でもその建築だけなんか、
すごい歴史が無視した建物で、
これやばいなーとか思ってて調べたら、
うわやっぱそうじゃんってことで、
そこの角曲がるとスーパーがあって、
そこ起点になるから、
やっぱそういうポストモダンの
造形が面白い建物っていうのは、
大事なんだなーって思いますね。
なんか、
造形的に面白い建物って、
あんまし予算もあるのか、
ない気がするんですけど、
意外と。
一人のこれ焼いてるんだよみたいなもので、
物事が進まなくなってるって感じがしますよね。
あ、そうですね。
だからなんか、
その昔の時代の、
昔の建築って、
俺の哲学的な、
みたいな空気が、
それをやりたいってことはなくて、
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それを、うわーって見るのが、
好きですね。
そうそう。
お話聞いていて、
すごい観察が得意で好きな人なんだなっていうのは、
ひしひしと感じました。
一緒に街歩きをしてみたいですね。
大好きで。
変わったことってさっきの話につながると、
とにかく歩く量が増えて、
足が強くなりましたね。
なんか2万歩とか、
普通に割と1日15キロとか、
歩こうとして。
へー。
それはなかなかすごいですね。
頭の中の妄想が気になりますね、私は。
歩いてるのかなとか。
ゴミもいっぱい起こってるんですよ、ベルリンは。
ベルリン汚いですもんね。
ドイツのゴミ箱って言ってました、友達が。
ドイツのゴミ箱?すごい。
ゴミ箱だから、いいんだよ、捨てて、
タバコとか色々何でも捨てていいんだよって言われて。
ゴミ箱が近くにあるのに、
横に捨てていいんだよ、これ、僕に。
って言ってて、なるほどっていうか。
そうそう。
すごいエコとかそういうイメージがあったけど、
歩いてるとね、
すぐやっぱり色々見えてきますよね。
なるほどね。
やっぱり特殊ですよね。
はい。
ちょっと時間になってきたんですけど、
最後にちょっと、これからこういうことを
やってみたいなとか、今何か新しい
ことをやろうかっていうのが
あればしたいなと思います。
そうですね。これからさっき
ネタが溜まってきてるっていう話が
あったと思うんですけど、
そういうものをまとめていきたいですね。
うん。
あとはこういう機会をいただいたので、
やっぱりそういう自分の考えてる、
ここ都市でこうしたら面白いかなとかを
共有できるようなものを
やっぱり作りたいなという風に
思いますね。
これからもファンで
いっちゃん出ていただきます。
プロジェクトやりたいですね。
ありがとうございます。そうですね。
だから学生の時はすごいインターン
たくさん行って、下っ端だから模型作りで
建築事務所の。
そこにひたすらこれ意味あんのかなって
ずっと思ってて、でも窓をちょっとずらすので
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何個も作るみたいな。
で、このなんか無情な感じを
なんか表現できないかなと思って
家に入ってくる
マンションのチラシに
その壁を、そこの事務所で得たスキルを
使って壁を建てて、ひたすら
入ってくるマンションのチラシに
というチラシマンションという作品
一回作ったことがあって
学生の時、そうそうなんか
面白いねみたいな感じになったので
立体もいいなーってまたやりたいなって思ってます。
確かに。
これはカットになっちゃうかもしれませんが
伊勢谷雄介さんに評価してもらってですね。
まだ大丈夫だと思います。
この虚しい
マンションのチラシで
企画化されて、おもちゃみたいに見せるって
面白いねーみたいな。
そういう風に思ってくれる人もいるかも。
立体もいいですね。
そういうノリになっちゃいますけどね。
やっぱ滑っちゃう。滑り芸みたいな。
はいはい。楽しみですね。
楽しみですね。
これからも引き続きよろしくお願いします。
今後もこの番組では
都市をテーマにさまざまなおしゃべりを繰り広げる予定です。
次回もお楽しみに。