2024-06-01 29:51

#48 クライシス・コミュニケーション・トレーニングの話(前編)

田中さんが最近行った、クライシス・コミュニケーション・トレーニングのお話。

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

外資系企業で実施されているクライシスコミュニケーショントレーニングでは、トップクラスの発想力とクライシス感度を育成するための新しい手法が取り入れられており、受講者たちは新たな実感を持つことができます。クライシス・コミュニケーショントレーニングではクライシスを感知する能力や決断する覚悟、相手を認識する能力が重要とされています。リーダーシップとクライシスマネジメントの重要性についても述べられています。

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中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさんこんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーション命と考えます。シン・田中こと田中慎一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職して、はや四半世紀、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住中川浩孝です。
クライシスコミュニケーショントレーニングの実施
田中 愼一
そうですね今日は、実際経験、この1週間、2週間で経験したことを、ベースにいろいろと議論ができるといいと思うんで、とりあえず僕の方からネタ出しっていう形で、今週はですね、ある企業の、
これ外資系企業なんですけど、クライシスコミュニケーションということで、クライシスコミュニケーショントレーニングっていうのを実施したんですね。
基本的にはこれは我々がずっと、僕がやっているトレーニングの一つなんですけど、一日かけて、
実際には起こった事象の、通常僕は映像を見せるんですけども、映像を見てもらって、
そこに参加してるのは社長以下、役員の主な人たち。いわゆるクライシスになったときに動かなきゃいけない人たちが対象になっていて、
全体で十何人いたかな、十人近くぐらいいたかな。
実際の全てのセッションはですね、一日かけてやるんですけど、全部映像にとらえてて、
とりあえず一番初めに僕がやるのは、一つの代表的な、
みんながある程度聞き知った、あるいは見たことのあるようなテレビで放映された映像なんかっていうのをリマインダーとして出して、
そのあと、いろいろなクライシスの基本的な要定とかいうところを話しながら、具体的な話を進めていって、
午後ぐらいになると、今度は一つのシミュレーションをしましょうということで、
いわゆる一つのシナリオを設定してね、クライシスになったこういうシナリオですって、御社でこうなりましたっていうのを撮って、
そこに対して具体的にどういうふうに対応していくのかっていうんで、
受講者の人たちが集まって、自分たちで考えてどう対応するか、
ホルディングステートメント、つまりクライシスが起きたときに、
公に社内外にどういうステートメントを出すのかとか、それをどう作っていくのかとか、
それからさらにはその後の記者会見をもし行うのであれば、Q&Aはどうすればいいのかとか、
それからその後記者会見のやり方とか、実際記者会見を模擬でやってみて、
田中 愼一
ワーワーワーワーやって、こちらはどんどん記者役の人間を配置して、どんどんどんどん詰めていくわけですね。
こういうのをやって、最終的にはそれを振り返って、こうこうだったねっていうことでやるわけですね。
今回やった新しいところっていうのは、どっちかというとその前までは日本マーケットに合ってるというか、
基本的には座学的な部分っていうのが結構強かった。
今回はどっちかというとグローバル的なやり方を少し取り入れてですね、より臨場感を作る感じでね。
より受講者の人たちの発想っていうものかな。
こういうものを少しでも育てるような。
クライシスって、これやってみるとわかるんですけど、よくクライシスマニュアルとか作ってやりますよね、企業で。
クライシスマニュアルっていうのは、いざクライシスになったときに何の役にも立たないんですよ。
そんな本を見てるなんて、マニュアルを読んでるなんて暇ないわけ。
しかもマニュアルの作り方を間違えるケースが多くて、みんなで細かく全部入れちゃうんですよ。
頭が混乱して、頭が真っ白なときにマニュアルなんか見せられたって何にもできない。
そうすると結局唯一頼れるのは、そのときのトップの発想というか、もっと言うのはリスク感度っていうのかな。
リスクを素早く察知し、そこに対して何をしなきゃいけないかを決め、それをやるっていう、いわゆる決断してもらう。
最後には決断したら、それがどれだけ迅速に実現されるかのために、
誰に対してどのようなメッセージをどの段階で出していくかっていうのを判断する発想って言ったほうがいいんでしょうね。
もうそこしかないんですね。
クライシス感度を身につけるための手法
田中 愼一
だから今回僕なんかが提供しているクライシストレーニングっていうのは、どっちかというと、
知識を与えるっていうよりも、基本的に発想を育ててもらいたい。
だから例えば6時間ぐらいやったときに、別にそこで知識を覚えるっていう作業じゃなくて、
基本的には発想を身につけてほしい。
もっと言うならば、クライシス感度、クライシスを察知する能力っていうのをやってほしいって狙いなんですね。
これが僕のクライシストレーニングの特徴で。
だから知識偏重じゃなくて、逆に発想、感度にもっと重きを置く。
そうなるとですね、教え方も変わってくるっていうことで、
今回はその発想をより腹落ちさせるための手法ということで、
今までは座学的な要素が強かったケーススタディをですね、
より瞬時に発想しないとやっていけないようなカラクリにしてたわけですね。
それはどういうことかというと、従来だと、今までは一つのケースシナリオがある。
それを十分考えさせて、実際今こういうことになっている。
さあどう対応するっていうことで、大体ステージを2つぐらいにしか設けてなかったんですよ。
今回はですね、それをもっと高速回転で回そうっていうことで、全部で10段階。
つまり、例えばことが起こった1日目。
1日目でこうなったら、対応考えるってみんなで考える。
そうするとその夕方にまた新たな事実があって、それがどんどんどんどんエスカレートしていく。
全部で10段階ぐらい。
それをどんどん変えていくと、だんだん受講者も顔が青くなってくるわけですよね。
あんまり関係のなさそうな事象がボンと起こって、
それが徐々になんとなく関係ありそうだっていう事象に変わってきて、
次にボーンと名前が出ちゃって、次にどんどん加速化していくわけですよ。
しかもそれに合わせて、対応力もスピードアップさせないと。
クライシスってのはクライシスの競争ですからね。
クライシスってのは本当にどんどん先走っていくんですよ。
それを逆に追いつくだけじゃなくて、一歩抜いて一歩先を行くっていうスピード感がないと、
クライシスに勝てないんですね。
だからそういう状況をどんどん可変的に、今回は10ぐらいの状況を設定したんですけど、
あれだったら15ぐらいまで持ってっちゃってね。
とにかくフル回転で頭を使わせる。
その中で、いわゆるクライシス感度っていうのをどう習得してもらう。
クライシス感度を身につけるっていうのは、すごく今の世の中重要になってきてて。
そういう特殊トレーニングっていうのは日頃あんまり受けてないんですよね。
田中 愼一
でもあのクライシストレーニングっていうのは、ある意味で言うと会社のトップの人間だけじゃなくて、
日常人生を送っている我々だって、いわゆるクライシスって起こるわけですよ。
そういう意味でも、個人ベースでもクライシス感度って身につけるべきだなって実感した次第なんですけども。
だからなかなかね、クライシスコミュニケーションを制するものはコミュニケーションを制するっていう。
自分が作った言葉ですけど。
クライシスコミュニケーションって究極のコミュニケーションに近いんですよ。
いろいろなコミュニケーションの原理原則をフル活用しながら、
知識じゃなくて、自分が持っているその時の発想や感度で勝負していく。
しかもそれを迅速に、クライシス以上の速さで乗り切っていくっていうね。
ここあたりがすごく重要なのかなっていうことで。
新たな手法によるクライシスへの対応
田中 愼一
今回そういう新たな手法を取り入れてやったらですね、
かなり受講者は疲れたって言ってたけど、身についたっていうのはみんな実感を持っていただいたんで、
非常にそれは良かったのかなと思うんですよね。
中川 浩孝
ちなみにそれってシナリオを全部最初から作り込んでいったわけですよね、もちろん。
田中 愼一
そうです。いわゆるストーリーを作っていくわけです。
そのストーリーを作った上で、どう追い込んでいくかっていうのを決めて、
その後実際に受講生が見るのは事象だけなんです。
中川 浩孝
なるほど。
田中 愼一
インシデント、イシュー、クライシスっていう三つの言葉があるんですけども、
インシデントっていうのは目の前で起きてる事象、一つのインシデントでしかないわけですよ。
だから自分たちにとってどういう意味があるかってわかんないわけです。
インシデントだとどうする?って言ったら、モニタリングしとくとか、そのレベルなんだけど。
それがだんだん進んでいくと、今度インシデントがインシデントじゃなくて、だんだんイシューになっていくんですよね。
つまりイシューっていうのは、ちょっと関係あるかなと。
うちと関係あるかなって感じるところですよ。
つまりインシデントが、より自分たちとつながりがあるんじゃないかっていうのが見えるか見えないか。
その次にクライシスが起こるんですよ。
つまりその会社の名前が出たり、その商品が出たり、それが因果関係の中でものすごく実は原因じゃないかって話が出てきたり。
だんだん上がっていくと、それがですね、より強くなってクライシスになる。
一番重要なのは、どの時点でクライシスとして認知できるかどうか。
認知しない限りはアクション取れないじゃないですか。
だからインシデントのレベルから、イシューになった瞬間に動き出すっていうのが理想なんですよ。
クライシスを感知する能力
田中 愼一
ほとんどのところがクライシスになってから動き出すんですよ。
だからいかにインシデントという事象のところから、それがなんとなくこっちにつながってくるかなって思わせるイシューかね。
イシューになるかどうかってところをどう捕まえるか、どう感度するか、どう察知するかっていうのがものすごく重要なポイントなんです。
高木 恵子
なんかそれってトレーニングでやっぱりそれって身につくものなんですか。
田中 愼一
そういうものがやっぱり価値あるだろうってことで我々ずっと開発してきてる。
だから知識は意味ないんですよね。
知識をいくら詰め込んでいただいてもクライシスには対応できないです。
高木 恵子
今までも何十年もエグゼクティブの方たちにそういうトレーニングしてると思うんですけど、
基本的にエグゼクティブになるレベル、ビジネスパーソンとしてある程度のいろんなスキルセットをお持ちの方たちだと、
もちろん知識としてはなんとなくある程度ぐらいでもトレーニングを受けることでその感度ってやっぱり詰まされたりできるんですかね。
ありますね。実際ね、受講生の感度が明確に出てきますね。現在の感度っていうか。
田中 愼一
一番優れ者はインシデントだけのときでリスクを感じ始める人っていうのは感度がめちゃくちゃ高い。
一言で言うとどういう能力を持ってるかって意味付け力が高いんですよ。
目の前で起こっているものに対して、自分にとってそれはどういう意味があるのかっていうね。
意味付け力が高い人ほど、インシデントのレベルでもすでに察知する。
で、察知できれば手を打っとくんですよ。
少しでも予兆が出てきたら即動けるように。準備までしちゃう。
これが最高度。つまりインシデントで意味付けられるっていうのが一番最高度ですね。
でもなかなかそういう人っていないですね。
そうするとどこで行くかっていうと、だいたいそれがイシュー化する直前か、イシュー化したちょっと後ぐらいでスパッと認知する人。
ここがやっぱり今は多分最高峰でしょうね。
だんだん感度が悪くなるとですね、どんどん後になる。
結局最終的にクライシスって誰もが見てもクライシスってわかるような段階で対応するってのはもう手遅れなんですね。
だから元々僕のトレーニングはそういうふうに発想重視、知識じゃなくて発想重視なんで、
あるいは感度重視なんで、そういうことをどうやってトレーニングで教えられるのかをいろんな工夫をして、
だから今週やった工夫っていうのは、より刻んでいく。
しかもよくケースタディをやるときにケースを読ませちゃうんですよ。
ケースには読んだら流れが出てくるんですよ。
だからあんまり意味がなくて、読ませずに事象だけ出していく。
だからその背後にはちゃんとしたストーリーできてなきゃいけないんですけど、シナリオが。
でもそれを相手に見せるもんじゃなくて、自分の頭の中に入ってればいいわけで。
それで相手に見せるのは事象。目の前に何が起こってるか。それだけ。
その中から受講者はそれを察知して、リスクを定義して、これがリスクだって。
自分たちの企業にとって、この今ある事象っていうのはこういうリスクをはらんでいる。
これがクライシス化する前にどう手を打てるか。こんな感じですよね。
これが一番まず大事なリスクを感知するリスク感度っていう。
これがまずこのトレーニングによって培う第一の能力ですね。
決断する覚悟
田中 愼一
あと二つの能力があってですね。
二つ目の能力は何かというと、もうすでにクライシスだって認知し動くときに、
当然ながらその事態に対してどういう対応するかっていうのを早急に検討しなきゃいけない。
対応策っていうのは実はそう難しくないんですよ。
即だいたいみんな考えられるわけですね。
こうしてこうしてあれを打ってください。
一番問題なのは、それを決断できるかどうか。
なぜかというと、一週ぐらいあるいはクライシスになったとしても、
何らかの対策を打つぞと決断できるかの覚悟があるかどうか。
クライシスのときの対応策っていうのは、実は日常のビジネスにすごい影響があるわけです。
例えば製品を回収するなんてことになった瞬間に、
回収っていう対応策は打てるけど、それやった途端に売り上げがた落ちるところが、
もうビジネスに直結支出するわけですね。
そうすると、どっちを取るのっていうね。
ビジネスのほうを取るの?それともクライシスのほうを取るの?
そこはですね、もはやトップの判断力っていうか、覚悟というかを決めてもらわなきゃいけないんですよ。
当然トップは企業のビジネス責任を全部持ってるわけですから、
そういう判断したら自分の首がやばいっていうのは当然出てくる可能性もあるし、
そこの覚悟を決められるかどうか。
ここがね二つ目の発想です。
当然これは10人いたら10人のうちの一人の社長さんに向けての話なんだけど、
その社長さんが状況に応じて不在の場合がある。
その場合にナンバー2の人がそれを確保できる。
あと特に本社が海外にある場合。本社は日本の場合は即決即断っていうことができるんですけども、
現地法人の社長でそれが決断できるのかできないのか。
あともう一つは、それを決断するときに了承を取らなきゃいけない。ヘッドクォーターってだいたい了承って遅れるんですよ。
ヘッドクォーターが海外だと。
いかに対策を練るのはできるんですよ、これはっきり言うと。
あんまりそんな大したことないんですけど、それを決断できるかどうかの能力。これが二つ目の能力。
相手を認識する能力
田中 愼一
最後の三つ目の能力は、どれだけ360度で相手を認識できるかっていう能力。
クライシスっていうのはとてつもなく広がりがあるんですね。
ボーンと起こると。そうするとあらゆる相手が目の前に出てくるわけです。
通常、みんな思っちゃうのは被害者ってなっちゃうんですね。
でもこれは正しいんですよね。被害者は間違いなく第一番目、主要な相手になるとは思うんですけども、
でもそこだけ見ちゃうっていうケースが結構出てくる。
実はクライシスは最低でも二人を相手にしなきゃいけなくて、
一人はクライシスですから被害者が出てるから、被害者に対してどういうメッセージを出すかっていうのが重要なんですけど、
もう一方で、今起こっているクライシスを一刻でも早く収束させるために動いてもらわなきゃいけない人っていうのが相手。
それは社員をはじめ、あるいは当局、警察、あるいはいろんな取引先、
あらゆる人の協力を得ないとクライシスって収束しないんですよね。
だからそうなると結局、被害者だけとかね、相手は一人に絞り込むことは絶対的に間違いになってて、
絶えず360度で相手は誰かってのを認識し、それぞれの相手にどのようなメッセージをどのような方法でいつ発信して、
それをすることによって決めた対策が迅速に、クライシスの進展以上のスピードで実現させていくっていうのが最後の3つ目の感度なんですね。
だからパッと起こったときに、見えない相手を見れる力ってことだ。
これは単に被害者だけじゃなく協力取り付ける社員、さらにはサプライチェーンにいるいろんな人たち、極端には競争相手も引っ張り出す。
そういう全方位で全員を動かしていくっていう、これはクライシスリーダーシップって呼んでるんですけどね。
みんな動かして、いかに被害を食い止めていくか、収束させていくかっていうね。
そういう姿勢を示すっていう感じ。
この3つは、いかにリスクっていうのを察知する能力、リスク感度。
2つ目は、やることを決めたらそれを本当にやると覚悟して決断できるかどうか。
最後は基本的には、それの対策っていうのが、クライシスがどんどん動いてるんで、
それを先回りして打っていくスピード確保するために、
今誰に対してどういう方法で何をいつ伝えるかっていうね、ここあたりを迅速に回していく発想が必要だ。
それに合わせてどんどん指示していかなきゃいけないんですよ。
理想はトップがそれをどんどんやっていく感じ。
日本の基本の場合はどっちかというと集団主導体制が多いから、その場合は大体役員のチームでやっていくと。
だからCEOがいてCFOがいてCOOがいて、さらにそれぞれCがつく人たちが並んでワンチームを作って、
そこでCEOがリーダーシップを取りながら動かしていく。
だからこのトレーニングはある意味でいうとトップマネジメントのワンチーム化を促進する。
日頃そんな話しないですから、皆さん。
ビジネスの話はするけど、クライシスになった時にやばいぜっていう話は案外トップマネジメント同士でやってないんで。
だから結果として、そういう3つの発想ってさっき言いましたけど、そういう発想をまず身につけていただくっていうことと同時に、
そのマネジメントがワンチームだっていう意識を醸成しておいてもらう。
こういうのをトレーニングするっていうセッションですね。
まあ1日かかるけど結構面白いんだけど、みんな結構やっぱり乗るんですよ。
こっちの一番重要なスキルはですね、こうだって言っちゃダメなんです。
あくまでファシリテーターに徹する。
受講生に考えさせて、そこにどういうコメントをポンと入れるか入れないかっていうのが実はここはミソで。
やっぱりオーナーシップを持ってもらわないとダメなんですね。
だから座学的な要素が今僕のトレーニングはどんどんなくしてって。
知識変調もどんどんなくしてって。
トップのリーダーシップ
田中 愼一
どんどんより新たな発想が腹落ちできるような仕掛けをどんどん作って。
で終わったらそういう発想が身につくだけじゃなくて、みんなとの一体感ができるんで。
その次の日にクライシスがあってもそれは一つの一体のチームになるって感じですね。
だからオススメは年に1回はやるって感じですかね。
年に1回かね、企業によっては年に2回やるとこもありますからね。
中川 浩孝
今までたくさんの会社でこういうのやられてきてると思うんですけど、
もちろん個人の資質とかによるので一概には言えないと思うんですけれど、
こういう会社はすごくいつも成績がいいというか上手くやるなとか、
こういう部署の人がそういう時に能力を発するなとか、そういうのってあったりしますか。
田中 愼一
基本はですね、やっぱりトップの意識でしょうね。
中川 浩孝
あー、結局はトップなんですね。
田中 愼一
結局はトップ。クライシスが起こると一番被害者意識を持つのはトップなんですね。
そのトップが被害者意識を、これは被害者意識を誰もが持つんですよ。どんな人でも。
人間の性なんでしょうがないんですけど。
でもその被害者意識を持った瞬間に、それはまあ出てきちゃうんでしょうがないんだけども、
いかに当事者意識のほうにギアチェンジできるかどうかっていうのが、
実はトップに果たされた最も重要な役目なんですね。
トップがずっと被害者意識を持っていると、周りが動かなくなる。
いまいったらクライシス対応できなくなるわけですよ。
要するにリーダーシップ取らないから。
で、例えば変な話、これ誰がやったんだとかね。こいつは誰だとかね。
そうやって、要するに犯人探しをするわけ。
そのまま記者会見に出た瞬間に終わりになるんですね。
つまり被害者意識を持って答弁するから、謝罪文もいい加減だし、
そんなのすぐテレビで見て取れますよね。官僚的だとか当事者意識ないとか。
質疑応答になったら人のせいにする?取引先のせいにする?
クライシスへの対応
田中 愼一
もう逃げの構えが入った瞬間に、マスコミはハイエナのごとく襲いかかる。
もう食いちぎられる。
だからまずはトップがそれだけの覚悟を持った人かどうかと、
さっき言ったリスク感度をどれぐらいお持ちなのか。
対応策を決めたらそれを決める覚悟を持っているのか。
最後に早くその対策を動かすために、自らが先頭に立って動かす。
基本的にはこれはクライシスとの競争になりますから。
いかにクライシスと競争しその一歩先を行くか、それを先頭に立ってやるかっていうのが、
本当にトップの人の専権事項ですね。
だからパッと言って、この人はすごいなと思う。
トップはやっぱり切り抜けるでしょうね。
そういうトップがすごい人っていうのは、
中川 浩孝
そういう人は単に被害者意識から当事者意識にギアチェンし、
田中 愼一
それに基づいて行動するだけじゃなく、
より先にピンチなのにチャンスを感じ取る。
だからこのピンチを利用してより強くなろうとか、より良くなろうというような意識が芽生えていくんですね。
そこまで芽生える人っていうのは、かなりの上段者ですよね。道極めた人っていう。
そういう感覚を持ったトップのいる企業っていうのは、やはりクライシス感度っていうのは全体的に高いと思いますし、
いざ鎌倉でクライシスが起きたときに、やっぱり迅速にどんどん動かしていくっていうタイプですね。
だからトップがダメだとすべてダメ。
でトップがまあまあだったらまあまあっていうか、あとはここの参謀ですね。
要するにそこをサポートする部隊が。
だから役員の人たちの部隊がワンチームになっているかどうかとか。
それから実際それをサポートする事務局部隊がそれだけしっかり能力を持っているかどうか。
つまりそういうときに対外やっぱり頼るのは我々みたいな企業で、クライシスコンサルティングっていう形で。
だから平時の時っていうのは企業によって外のね、我々みたいなところを使う使わないってあるけど、
クライシスはほぼ我々みたいな第三者が入らないと収まらないっていうのは事実ですね。
中川 浩孝
この続きはまた来週お送りします。
29:51

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