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皆様、本日もスイッチオンの三角マークをポチッと押していただきまして、ありがとうございます。一途や安子でございます。
このスタイフでは、のような落語の回に入れていただきまして、本日は第二作目と二席目って言うんでしょうか、なります。
大胆にも頭に浮かんできたものを言葉にして作った創作落語でございます。
いきなりかい!という自分つっこみの声もありますが、ここはモンブランテーパークオッションの一言、楽しいのが一番ですよ、というその言葉を胸にえいやとご披露させていただくことにしました。
それでは始めさせていただきます。お題は長屋住まいのおよねさん。
昔々とは言ってもちょいと昔のことです。庶民の暮らしって言えば長屋住まいっていうのが主流でございまして。
長屋。長屋って?長屋をご存じない。長屋って言うからには長いんですけどね。
縦じゃないんです。空高くとかタワーマンションとかそっちじゃないんですよね。横です。横に長く伸びている平屋の建物のことなんですね。
そこには一軒ずつ仕切りがあって老若男女いろんな家族が暮らしています。
朝は向こう山原でおどなり薪掃除をして、暑い季節には内水をして涼しくしたり、近所にちっちゃい子供がいたら大きい子が面倒を見て、体の不自由なお年寄りがいればみんなで助け合って、
おかずが余っちゃったらご近所にお酢分けをしたり、味噌や醤油などの貸し借りは当たり前と、そんなようなお互いを助け合って暮らしている庶民の暮らし、長屋です。
そんな長屋ですが最近嫁をもらった八さんが引っ越してきました。朝5時。長屋の朝は早いですね。ガラガラガラガラ。
あら八さんおはよう。おおお嫁さん今日も元気でおはようさんです。
どうだい?そろそろこの暮らしにも慣れたかい?おかげさまで。嫁も大層可愛がってもらって本当にありがたいことです。
そうかい。それはよかった。
ああそうだ。八さん一つお使い頼まれてくれないかな。
ああいいですけど。何でしょうお使いってのは。
ああいやね。あの路地を曲がった先の煙突屋の隣の煙草屋の隣の豆腐屋の隣の八百屋の隣に笹屋っていう美味しい居場が仕上がるんだけど。
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そこで栗の入ったどら焼き一つ買ってきてくれないかな。
あの路地を曲がった先の煙突屋の隣の煙草屋の隣の豆腐屋の隣の肉屋の隣の笹屋でしたっけ。
違う違う。あの路地を曲がった先の煙突屋の隣の煙草屋の隣の豆腐屋の隣の八百屋の隣の笹屋だよ。
ああ分かりました。
まあまあとにかくその笹屋でどら焼きを一つ買ってくればいいんですね。
そうそう。大きい栗入りのね。
どのどら焼きが一番大きい栗が入ってるかなって見てきてくれると嬉しいな。
ん?そんなの分かるんですか?
まあまあいいです。分かりました。
わいはちょっと用事があるんで嫁に買ってきてもらいますね。
悪いね。
ああそうそう。その買ってきたどら焼きだけどね。
あたいが取りに行くまで発散地で預かっておいてくれないかね。
預かっておく?
いやいやいや。伺いますよ。お持ちします。
いやいや。いいないいな。いいないいな。あたしが取りに行くから。
ああそうですか。分かりました。
じゃあそれを嫁に行っておきますね。
じゃあ実はお嫁さん、週に一度のお医者の日、
自分へのご褒美としてどら焼き一つ食べるっていうのが楽しみだったんです。
ところが最近になって家族の者に
甘いものはダメってお医者様に言われてるでしょとか言っちゃって
とっておきの楽しみ取り上げられてしまったんです。
でそれはみーんな長屋の人が知っています。
そんな時に現れたのがハッサンです。
彼はまだ知らない。
お嫁さんはいいこと考えたもーんとその日はルンルンでお医者に行きました。
待合室で待ってる間、お嫁さんはこのことを誰かに言いたくて言いたくてたまらなくなりました。
そしてついに口から出てしまったんです。
今日はね、大きな栗が入ったどら焼きを食べるんだ。
それを耳にしたハス向かいのお咲さん。
寄せばいいのにお嫁さんの家族にベラベラ話しちゃって。
そんなこんなで大好物のどら焼き、お預けになってしまいました。
お嫁さんは見る見るうちに元気がなくなりとうとう寝込んでしまいました。
お医者様の待合室ではみーんなお嫁さんのことを心配しています。
最近来ないね。お嫁さんの顔見てないわ。どっか病気なのかね。
しばらくたったある日、そんなお嫁さんの様子を見かねたハッサンのお嫁さんが見舞いに行きました。
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お嫁さん、調子はどうですか?
実はあの路地を曲がった先の煙突屋の隣のタバコ屋の隣の豆腐屋の隣の八百屋の隣の笹屋の隣に、
これまたこじゃれた甘い物屋ができたみたいなんですよね。
あっちの甘い物だったらいいんじゃないですかね。
全くもってわけのわからないご提案ではございましたが、
いかんせん元気のないお嫁さんをどうにかしたいと思った家族はその話を聞いて思わず言いました。
ああ、そっちのこじゃれた甘い物のお菓子だったらいいかもね。
布団の中でその話を聞いていたお嫁さんはむくっと起き上がって一言。
え、そのこじゃれた甘い物屋に行ってみたいな。
それじゃあ一度私と一緒に行ってみましょうか。
お嫁さんが言うには、一番のおすすめはモンブランという甘い物らしいんです。
これが紐みたいなやつがくるくると渦巻いてて、その上に大きな栗が乗っていると。
もうそれを聞いただけで嫁は飛び起きました。
で、今から行くと言い出したんです。
というわけで急いで着替えて出かけました。
路地を曲がって煙突屋、煙草屋、豆腐屋、八百屋、
そしていつもの笹屋の前は通り越して、あ、こじゃれた感じの甘い物屋に着きました。
カランカラン。
これ引き戸じゃなくて押すのか。
ドアを開けるとこれまで聞いたことのない音がして開きました。
カランカラン。
なんかね、ドアのところに鐘のようなものがついていて、開けるたんびになるみたいです。
カランカラン。
お嫁さん。
洋菓子店の名前はパークって書いてありました。
嫁は中に入ってケースに並んでいるキラッキラした食べ物たちを眺めていました。
えっと、紐でくるくる巻いてあるやつは、
目をあっちにこっちに移して探していると、お店の人が嫁に声をかけました。
お客様、お決まりですか。
名前といくつか教えてくださいね。
それを聞いたお嫁さん。
それならわかると大きな声で言いました。
嫁、79歳。
お後がよろしいようで。