セセニア写本の概要
人々に愛された本は、世に数あれど、とりわけ有名なものの一つが、セセニア写本でしょう。
これは、中世に実在した錬金術師・ヴィドマー・マローの著書を、彼の娘・セセニアが身容見真似で書き写したもので、
後世の研究者たちを数百年にわたり悩ませた恐るべき本です。
かたぶつで知られたヴィドマーの記述はどれも複雑難解でしたが、幼いセセニアはそれらを文字の練習の手本として用いていたため、
写本には誤字・脱字や不可解な絵や文字があまりに多く、完全に解読されたのはなんと1900年代後半のことでした。
現在、この本は100カ国以上で翻訳・出版されており、世界一幼い著者による世界一難解な本として人々に愛され続けています。
