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2024-10-18 40:25

Take28.『Englishman In New York スティングとクエンティン・クリスプの扉』-Alternate Take-

先日参加させていただいた『日本ポッドキャスト協会 ポッドキャスト20周年7DAYS配信リレー』のために録音した音源。ちょっと規定の時間よりも長すぎたために「ボツ」になった音源を、ジャズのアルバムよろしく「別テイク-Alternate Take-」としてお届けします。

UKロックアーティスト、スティングの名曲「Englishman In New York」に隠されたエピソードと、モデルとなったある人物について、多様性の時代だからこそ知っておきたい、そんなエピソードをお届けします。

🔗ユニバーサルミュージック公式Youtube「Englishman In New York」MV

https://youtu.be/s-fF5HTRvDI?si=JFYTpfrI8aRi3gwO

☆配信リレー音源はこちら♪

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『surface』『wherever』『Nighit Walking』『Subway』『Favorite Piano』『Trrafic jam』『Good Day』『OK』『Station』『Cyan』『Lamp』 

サマリー

ポッドキャストの20周年を祝う中、スティングと彼の音楽的背景について深く探ります。ロックアーティストでありながら、ジャズからキャリアを始めたスティングの音楽理論や、影響を与えたジャズミュージシャンに焦点を当て、ジャンルの壁を超えた新たな挑戦について考察します。スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」は、クエンティン・クリスプという独特な人物を歌っており、彼の生き様は当時の価値観に対する挑戦を象徴し、ニューヨークの文化的な多様性を称賛しています。このエピソードでは、スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」とクエンティン・クリスプの関係について探ります。音楽的な要素やミュージックビデオの魅力、スティングのメッセージ性に焦点を当て、ジャズとロックの融合も取り上げます。

別テイクの紹介
ジャズのCDがリマスタリングで発売されたりなんかしますと、よくあるのが別テイクの音源が収録される。
そんなことがね、よくあります。
別テイクというのは、本来収録されている演奏とは別の演奏、つまり採用されなかった没音源。
これをあえて、そのアルバムの中にボーナストラック的に入れる。そんなことがね、よくあります。
今日はね、私が先日参加しましたポッドキャスト20周年配信リレーの音源の別テイク、没テイクをあえて今日皆様にお届けしたいと思います。
配信リレーのお時間がですね、1人30分という決まりがあったものですから、ついついこういろいろ喋りたくなってしまって、気づけば40分を超えていた、なんていう音源になってしまったものですから、
なくなく改めて取り直したという音源になるんですけれども、せっかくですので、そんな別テイクを今日はお届けしたいと思います。
ジャズの入り口案内所、案内役のフランクナッパです。
この番組は毎回様々なアトビラからジャズの入り口をご案内するラジオです。
さて今回は、ポッドキャスト20周年記念配信リレーの6日目、大人な雰囲気ということでやらせていただいておりますけれども、
ジャズというとですね、皆さん大人な音楽っていうのはイメージがあるかなというふうに思うわけですけれども、
もう一方でね、このジャズって難しいとかね、ちょっと敷居が高いなぁなんてことを思う人もたくさんいるんじゃないかなということを思うわけですけれども、
このジャズの入り口案内所ではそういうところをできるだけ敷居が低くなるように、皆様がこのジャズに親しみやすくなるように、いろいろなテーマを扉という言葉で言ってますけれども、
いろんな扉を開いてですね、このジャズの魅力に触れていただいて、ちょっとね、ジャズを聴いてみようかなとかね、思っていただけるような番組を目指してやっておりますので、
今日はね、30分間聴いていただいた後にね、ちょっぴりジャズを聴きたくなっていただけたら嬉しいかなと、そんなことを思っております。
また今日ですけれども、このトークテーマというのがね、いくつか設けられております。
で、私はその中からですね、ポッドキャスト20周年の20、こちらをテーマにお話をしていきたいと思います。
ということで今日は、私が20歳の時に初めて自分でチケットを買い、初めてホールコンサートに行った、そんな思い出のアーティスト、
池尾寺UKロックアーティストのスティング、こちらのね、名曲についてお話をしていきたいと思っております。
それでは、Englishman in New York、スティングとクエンティン・クリスプの扉、開けてみましょう。
まず最初にですね、このスティングですけれども、今年73歳になるイギリス出身のロックアーティストになります。
ジャズの番組なのにロックアーティストの話かよって思った方がいましたらね、大丈夫です。
そういう番組なんですけどもね、ちゃんと最後にはね、ジャズのお話もしていきますのでね、安心してください。
ということでね、スティングの話をしていくわけですけれども、一番有名というか、私世代とかね、
私よりも少し下の世代ぐらいまではね、映画レオンっていうね、リック・ベストン監督のジャンルが出ていて、
まだね、ナタリー・ポートマンが子供の頃の作品があるわけですけれども、
そのレオンの主題歌として歌われていた、Shape of My Heartというね、名曲でご存知の方が結構いるのかな、ということは思います。
またね、私よりも少し上の世代になると、今日案内するね、Englishman in New Yorkというのが日本でもね、CMに使われていたりしてね、
私も小さい頃に聴いた記憶がありますけれども、そういったいろいろなね、ヒット曲を持っておりますし、
もっと言うとね、このスティングが昔やっていたバンド、ポリスというバンドがあるんですけれども、
このポリス時代の名曲もたくさんあってね、見つめていたりとか、
最近ね、そういった曲がサンプリングされたりとかしているのをよく見ますけれども、
サンプリングで言うとですね、先ほどのShape of My Heartっていう曲は、
歌田ヒカルさんのね、デビューアルバムだと思いましたけどね、
Never Let Goっていう歌があって、こちらのね、サンプリングに使われている曲になるわけですけれども、
歌田ヒカルさん好きな人はきっと聴いたことがあると思いますけれども、
そんなことで多数のヒット曲を持っているロックアーティストになります。
ただね、このスティングっていうのはロックアーティストなんですけれども、
キャリアのスタートは実はジャズミュージシャンなんですね。
ジャズのね、ベーシスト、ジャズベースを弾いてバンド活動をしていたところが、キャリアのスタートになります。
このスティングという名前なんですけれども、本名ではなくて、本名はゴードン・マッシュ・トーマス・サムナーという名前です。
なぜスティングという名前で呼ばれるようになったかというと、
昔やっていたバンドの中で、ある日この曲を歌えと言われたらしいんですけれども、
その曲がひどかったらしいんですよね。
だからこのひどい曲を歌えって言うから、その反抗の気持ちを表すために黒と黄色のトップスを着ていったと。
そしたらその色使いを見たバンドのメンバーが、三ツ鉢みたいだから、
このチクリとサスっていう英語のスティングという呼び名で、冗談でからかってスティングスティングと呼ぶようになったことが始まりで、
そのうちスティングのお母さんもスティングと呼ぶようになったみたいで、それからずっとスティングと呼ばれているらしいです。
音楽界における人種の問題
先ほど言ったようにこの人はもともとポリスというロックバンドで活動していて、
このポリスがめちゃめちゃ売れてたんですね。
すごい人気があったバンドで、今聴いてもとてもかっこいい、私も大好きなバンドなんですけれども、
1977年から1984年までの活動で一旦解散という形になります。
その後スティングは1985年にソロ活動を始めます。
そのソロ活動の最初に出したアルバムの名前がブルータートルの夢。
このアルバムを作るにあたってスティングはある挑戦をします。
何かというと、今までロックバンドをやっていたわけですけれど、
このソロ活動になった時に集めたバンドメンバーというのが、
全員バリバリのジャズミュージシャンだったんですね。
どんな人がいて、どんなふうにすごいのかというのをちょっと紹介をしていきたいと思うんですけれども、
まずドラムがね、オマーハキムという、当時超絶に人気のあったジャズフュージョンのバンド。
ウェザーリポートのドラムを弾き抜きます。
そしてケニー・カークランドというキーボード、
それからブランフォード・マルサリスというサックスプレイヤー。
こちらはこのブランフォードの弟であるウィントン・マルサリスという
世界的に超人気のジャズマンのバンドメンバー。
こちらを弾き抜いてきます。
さらに、通常ポリスの時にはスティングがね、ベースを弾いていたわけですけれども、
ダリル・ジョーンズというベーシストを迎えます。
このダリル・ジョーンズは、皆さんも知っている人が多いと思いますけれども、
あのジャズの帝王、マイルス・デイビスのバンドに在籍していたところを弾き抜いて、
自分のバンドメンバーとして加えます。
つまりですね、このメンバーっていうのは何もこの駆け出しのね、
今から売れてやろうっていうメンバーではなくて、
もう既に売れている、名前が売れていて、
もうね、ある程度の地位を既に固めているような、
そういったミュージシャンたちがわざわざソロの活動を始めた
ロックアーティストのスティングのバンドに加入したっていうところが、
ちょっとね、ポイントになってきます。
では何でこのジャズマンたちが、
ロックアーティストスティングのバンドに加入をしたのか、
っていうところになるんですけれども、
実はこのね、ブルータートルの夢を救って、
それからね、ライブもかな、その後のね、ツアーなんかも含めて、
ドキュメンタリーの作品が出ております。
もともとはね、ブルータートルの夢っていうそのままのタイトルだったんですけれども、
今はね、ブリング・オン・ザ・ナイトっていうこのブルータイトルの夢の後にね、
このメンバーでツアーを行った時のライブ版のCDがあるんですけれども、
そちらのタイトルをね、付けられてDVDで販売されています。
その中で、このスティングとバンドメンバーはね、
いろいろなインタビューを受けてコメントを残してますので、
そちらをね、ちょっと見ながら、
なぜこのスティングのバンドに入ったのかっていうことをね、
ちょっと紐解いていきたいと思います。
まずスティングですけれども、こんなことを言っています。
ポピュラー音楽界は反動的で人種差別的な世界。
ブラックミュージシャンの音楽は宣伝の機会さえ奪われている。
僕のバンドは人種混合だ。業界のシステムに対する挑戦さ。と言っています。
またキーボードのケニー・カークランドは、
ジャズマンがポップスを演奏することを否定するピュアなジャズファンもいる。
でも音楽家ならどんな音楽にも挑戦するべきだ。
またブランフォード・マルサリスは、
スティングの音楽は現在最高のものだ。
問題意識のあるミュージシャンはほんの一握りで、
頭にあるのは金のことばかり。
スティングは悩んでいる。このバンドを作ったことがその証拠だ。と言っています。
僕らの音楽は決してジャズじゃない。とスティングが言えば、
ドラムのオマー・ハキムはジャズ、ロックといったジャンルの壁を打ち破るんだ。
とコメントを残しております。
ここからちょっと私なりに見ていくとですね、
このスティング自身が音楽界についてはね、
この社会的な問題にとても目を向けていた、
問題意識を抱えていたということがね、一つあるのかなと。
で、その問題の一つがこの人種差別。
ということになってくるのかなと思います。
ですのでね、バンドメンバー、これ全員実は黒人なんですけれども、
白人ばかりがね、注目されてこのスターになっていく。
そういったね、一部の業界のしきたりというか風潮に対してね、
メッセージをすごく込めた人生になっているのかなと思いますし、
またこういった人種の問題とか、
社会的な規範、価値観、こちらに対する反発心、問題意識、
こういったことにこのメンバー全員が何かしらのシンパシーを感じて
参加しているんじゃないのかなということがね、
このメンバーのコメントを見ていると考えられますよね。
もっと言うと、このジャズじゃないとかね、
ジャズじゃないとか、
ジャズやロックといった壁を打ち破るっていうコメントからもわかるように、
僕らなりの音楽を作るんだ。
ロックだとか、ジャズだとか、
そういった規制の価値観にとらわれた音楽をやるんじゃないんだよっていうね、
新しい挑戦をするんだっていうね、
メッセージがすごく込められている。
そんなね、アルバムなのかなということを思います。
実際聞いてみると、
聞いてみるとよくわかるんですけれども、
ただね、すごくかっこいいことをみんな言っているんですけれども、
同じこのドキュメンタリーの中で、
このスティングのマネージャーがコメントを残していまして、
何を言っているかというと、
このバンドメンバーがね、
要求されているんですけれども、
スティングのマネージャーがコメントを残していまして、
何を言っているかというと、
このバンドメンバーがね、
要求するギャラの額が、
崩壊的に高いと。
スティングの名前で売っているのに、
スティングより高いぐらいの金を要求してきて、
どういうことなんだこいつらっていうね、
そういうマネジメント側の意見を、
怒り浸透で話しているっていうところがあるんですけれども、
まあね、そこについては、
ジャズマンもね、
理想では飯食ってきませんからね、
お金が欲しいよとかね、
一流のジャズマンですから、
その辺のプライドもあるでしょうし、
ジャズマンですからね、
かっこいいことは言いますけどね、
実際のところっていうところは、
ある人もいるでしょうから、
まあまあまあ、そういうね、
部分もあったりなかったりっていうところがね、
ちょっと面白いかなと思います。
今日話をするのは、
曲の背景とアルバム
イングリッシュマン・イン・ニューヨークっていう曲についてなんですけれども、
この曲は実はこのブルータートルの夢の中には入っておりません。
ブルータートルの夢のね、
2年後、1987年にリリースした、
スティングのソロ2枚目のアルバムである、
ナッシング・ライク・ザ・サン。
こちらに収録をされているナンバーになります。
3曲目ですかね。
この2枚目のアルバムになるとね、
メンバーも結構入れ替わりがあったりするんですけども、
大きなところで言うとね、
マイルス・デイビスのアレンジだとか、
プロデュースみたいなものを一緒にやっていた、
ギル・エバンスという人が関わって参加してきます。
それから先ほどのメンバーからですね、
ケニー・カークランドとブランフォード・マルサリスを残して、
後のメンバーが変更になってきます。
ということで、少しね、
メンバーも人形も変わった状態で、
この新しいアルバム制作に入っていくわけですけれども、
クエンティン・クリスプの紹介
このイングリッシュマン・イン・ニューヨークという曲。
このイングリッシュマン、イギリス人ですね、英国人。
イン・ニューヨークですから、
ニューヨークにいるイギリス人の曲だよっていうことはよくわかるわけです。
じゃあこのイングリッシュマンってね、誰なんだ?
これ私聞き始めたのが、中学生の頃に
スティングを聞き始めたんですけれど、
当時はね、このイングリッシュマンっていうのは
スティングのことだって思ってましたね。
ですからこのスティングがアメリカへ渡って、
で、いろいろね、知らない国で、
文化も違う国で抱える葛藤だったりとかね、
このイギリス人としての誇り、
アメリカよりもイギリスの方が、みたいなことを歌っているのかな?
っていうようなことを思ってたわけです。
ところがですね、どうもいろいろ見ていくと、
そういった面もあったのかもしれないですけれど、
イングリッシュマンっていう、
ここのイングリッシュマン、イン・ニューヨークで歌っているイングリッシュマンというのは、
どうやらね、スティングとは別の人物らしいですね。
で、その人物が今日のキーマンになってきます。
クエンティン・クリスプという人。
で、このクエンティン・クリスプって聞いたことがない人もたくさんいると思うんですけれども、
ちょっと紹介をしますと、
この1930年代にイギリスで、
まだね、同性愛やゲイというものが法律に違反するという風にされていた時代にですね、
女装をするゲイとして、
街を活歩して、
差別や偏見に対してね、堂々と意見を述べて抗議した。
堂々と態度で示して抗議をしていた。
そんな伝説的な人物。
ゲイのカリスマと言われた人。
1970年代から80年代に大きな影響力を持った活動家であり、
俳優であり作家というのがこのクエンティン・クリスプという人の概要になります。
このクエンティン・クリスプは実は1981年にニューヨークへ移り住んでおります。
移り住んでから間もなくスティングと知り合って、
その知り合った直後にできた曲がこのイングリッシュマン・インニューヨークということなんですね。
先ほどのブルータートルの夢のところでも話をしたように、
スティングという人が社会的な古い価値観だとか、
差別的な考え方に対してとても問題意識を持っていたということはお話ししたと思いますけれども、
となるとこのクエンティン・クリスプのように新しい価値観、新しい性別、
今でこそLGBTQプラスとかクイアとかいろいろな価値観が世の中に認められ始めていますけれども、
1980年代ですから今から何年前ですか?40年前の時代ですからね。
やはりそういったものの多様性という文化価値観はなかった時代ですから、
そんな時代にまさに当事者として法律に違反している、逮捕されるかもしれない、そんな状態で声を上げていたクエンティン・クリスプのことを
スティングは当然のことながら大変尊敬していたというふうに言われています。
どんなふうにクエンティン・クリスプのことを曲にしていったのかなというところなんですけれども、
ちょっと歌詞を見ていってそのあたりのことを紐解いていきたいと思います。
ただこの歌詞をそのまま朗読したりとか引用をしていくとちょっと著作権的にNGな部分が出てきてしまうので、
私は英語はとても苦手なのでですね、いろんな方の和訳を見たり聞いたりしながらですね、
いろいろ読み解いていった自分の解釈をちょっとお話しをしながらという形にはなるんですけれども、
実際に曲の歌詞をどんな曲か知りたい方のために、
ユニバーサルが公式で出しているEnglishman in New Yorkのミュージックビデオがあります。
そちらまたリンクを概要欄の方に貼っておきます。
そこには和訳も出てきますので字幕でね。
それを見ていただければ一番わかりやすいのかなとは思うわけですけれども、
まずこのイギリスからニューヨークへ移り住んだ人間の孤独だったり、文化の違いへの戸惑いだとかね、
アメリカ文化への批判や皮肉を謳ったんじゃないかという私の中学時代の読み取り。
これは一部そういうところもあったかもしれませんけれども、
いやいや違うよと。
実はその逆でここで言っているのは、
このクエンティン・クリスプを受け入れなかったこの古いイギリスの文化、社会への批判を込めているということがね、読み取れます。
反対にこのアメリカという国、特にニューヨークという街は当時から最先端の文化を持った街ですから、
それこそ外国からいろんな人が集まってきて、
アートや音楽、そういったこと、また経済的な部分でもね、
本当にたくさんの文化を持った外国人が集まってきてできた、
そんな人種のるつぼ、文化のるつぼのような場所ですから、
このニューヨークの多様性というのは批判の対象には決してならないはずなんですね。
むしろこういった価値観を受け入れてくれる自分たちにとってはね、
逆に天国とまでは言わないですけれども、
受け入れてくる、そんなね、素敵な街だという認識をきっと持っていたんだと思いますね。
このイングリッシュマン・イン・ニューヨークの歌詞の中に、
I'm an alien 外国人だ、私は外国人なんだ、という歌詞が出てきます。
合法的な外国人、よそもの。
エイリアンというのが外国人とかよそものっていう意味がありますから、
そういうふうになるんですけれども、
これエイリアンっていう単語をわざわざ使っているっていうのが僕ちょっと気になってですね、
もっと外国人とかね、よそものっていう言葉を表すのであれば、
違った単語もあったはずなんですけれども、
なんかこのエイリアンっていう、いわゆるエイリアンっていうと宇宙人とかね、
そういうイメージがついてくる単語をわざわざ使っているっていうところが、
よりなんかこう、外国人とかね、よそものっていうよりは、
もっと異質な存在っていうイメージが、僕なんかは受け取られるんですけれども、
皆さんどうですかね。
だからですね、このクエンティン・クリスプのようなゲイの人、
性的マイノリティの方っていうものを、
当時の社会や価値観の基準で言うとね、
本当に変わった異性人のような目で見ていたっていうことがね、
あるんじゃないかなって、私なんかはちょっと感じたわけですね。
だからあえてエイリアンっていう言葉を使ったのかなっていうことをね、
ちょっと思っています。
この社会の偏見だとか固定概念に対しての、
思いを綴ったところの歌詞を見ていくとですね、
途中でこのスティングが歌ってるんですけれども、
マナーというのが人を作っていくと。
だとしたら、この彼こそが、クエンティン・クリスプこそが、
今の時代のヒーローだっていうことを歌っている一節があります。
さらに言うとね、この一人前の人間であれば、
人の無知な行いだとか、無礼な行いっていうものを受け流して、
それを笑ってみせることが大事なんだっていうことをね、歌っております。
最後に、誰に何を言われてもね、自分らしくあればいいんだっていうことをね、
繰り返し歌っているっていう部分があるんですけれども、
この部分を読み解いていくと、とてもクエンティン・クリスプのことを歌っているんだなっていうことがよくわかるんですね。
なぜかというと、このクエンティン・クリスプが、
このマナーについて自分で著書を、本を残しています。
マナーズ・フロム・ヘブンという本なんですけれども、
ここでね、クエンティン・クリスプは何て書いているかというと、
いい人間関係を作るための公式っていうのは、とても簡単なもので、
歌詞の解釈とメッセージ
例えば対岸の火事、自分には関係ないと思えるようなことであっても、
その出来事を決して他人事で済ますんじゃなくて、
自分のこととして、親身になって接して考えてあげることがね、大事なんだ。
それが良い人間関係を作るためのマナーなんだっていうことを、
自分の著書の中で言っています。
このクエンティン・クリスプのこういった考え方というのは、
当時のイギリスの上流階級というか、社交界、
こういった昔ながらの伝統的なイギリスの価値観というものとは、
ちょっと変わった異質なものだったそうです。
ですから、このクエンティン・クリスプの考え方、
人間としての価値観だったり、生き様、生き方、主義、
こういったものがそのまま社会批判になっているというか、
当時の社会からすると異端だったというふうになるわけですけれども、
そういった当時の常識から外れたマナーというものが、
彼を時代のヒーローをたらしめるということをスティングが歌っています。
そういった差別や偏見、そういった人に対して本来取るべきではないような
行動を取る無知な人たちがいたとしても、
そういう人たちにでさえ笑ってみせることが大事なんだというふうに言っている。
自分自身を大事に、自分らしくあり続けることが大事なんだ。
まさにこのクエンティン・クリスプの生き様をスティングが歌っているというふうに見て取れることができます。
また、クエンティン・クリスプの言う謙虚さだとか礼儀正しさというのは
悪評を招くかもしれない、社会の批判の的になるかもしれないということも歌詞の中で言っているんですけど、
そうすることで唯一無二の人間として人生を終えることができるんだということも合わせて歌っています。
とことん社会の一般的な常識に対してアンジテーゼをクエンティン・クリスプという人を取り上げながら
メッセージとして載せている、そういう歌なんだなということをよく見ていくと感じることができます。
このイングリッシュマン・インニーヨークのとても印象的な部分が感想の部分なんですけれども、
この感想がとても素敵なんですけど、この感想に入る直前の部分の歌詞がめちゃめちゃ素敵なんですね。
どんなことを言っているかというと、夜になると昼間の太陽よりもキャンドルの、
早速の日というのが眩しく輝くんだという一説があるんですよ。
これ僕なりに見ていくと、夜というのが影になっている部分で、太陽の出ている時間というのが一般的な時間帯だとすると、
今ある社会的な価値観というものが昼間の価値観だとすると、
この夜、今認められていない価値観というものが、夜になればいつかこの時代が変わって、
太陽の昼間の時から夜に変われば、そのキャンドルの日、今は小さな明かりでしかない、
ろうそくの日でさえ太陽よりも眩しく輝くんだ。
つまり時代が変わっていけば、今認められていないような価値観だとか考えだとか、
人種、こういったものが世の中に受け入れられて、この輝いている、そういう時代がやってくるんだということを言っているんじゃないかって僕は感じるんですね。
だからここの一説がとても好きで、この後に入るブランホードマルサリスのソロパートがめちゃくちゃかっこいいんですよ。
ソプラノサックスを吹いているんですけど、ブランホードマルサリスね。めちゃめちゃかっこいいです。
一度聴いていただきたいんですけど、その後のケニー・カークランドのキーボードがバックで入っていたりとかするんですけど、
音楽のリズムと文化
こんな感想を聴いていると鳥腹立ちますよ。
通常のスティングの歌のバックの演奏もかっこいいんですけど、この感想はめちゃめちゃかっこいいですね。
さらに音楽的な部分を見ていきますと、リズムが裏打ちなんですよ。
んちゃんちゃんちゃんちゃっていうリズムがキーボードなのかな。
キーボードで裏打ちのリズム和音を弾いていると思うんですけど、まるでレゲエっぽいんですよ。
レゲエってご存知ジャマイカの音楽なんですけど、ジャマイカってもともとイギリス領だったりした関係もあって、
実はイギリスでレゲエってすごく流行るんですよ。
イギリスのミュージシャンの中にも有名なレゲエバンド、例えばUB40なんかありますけど、
UB40のボーカルは白人ですよね。
このレゲエっぽいリズム、イギリスのリズムに加えて、バックはジャズですから。
ジャズというとアメリカ。
ということでイギリスの文化とアメリカの文化をうまく曲調の中に落とし込んでミックスさせている。
まるでニューヨークの街のように、いろいろな価値観が混ざり合う、文化が混ざり合う街を表現するかのような曲の作りになっています。
ミュージックビデオの魅力
そこで力強く生きていくスティング、それからクエンティン・クリスプの力強さを表すかのように、
間奏から歌パートへの切り替えのところではバスドラムが力強く入ってくるんですけど、
この部分もまた力強くてとてもいいですよね。
この先ほどから言っているミュージックビデオなんですけど、めちゃめちゃかっこいいんです。
前編、白黒でニューヨークの街が舞台になっていて、そこを歩いているスティング、
それからいろいろなバンドメンバーやクエンティン・クリスプも途中に登場します。
一見パッと見ると素敵な淑女というかね、年配の女性に見えたりするんですけど、
よく見ると男性かなというような、日本で言うと三沢明宏さんとか、
女性じゃないですけど下高木さんっぽいような、若い人はわかんないかもしれないですけど、
下高木さんとか三沢明宏さんのような中性的な雰囲気を持ったすごく上品な方が出てくる。
これがクエンティン・クリスプです。
このミュージックビデオを撮った監督がデビッド・フィンチャー監督。
映画好きの方ならご存知だと思いますけど、代表作にセブン、エイリアン3、ベンジャビン・バトン、
ドラゴンタトゥーの女といった超有名なかっこいい作品を数々と撮っている、
そんな監督がブレイク前に仕事として撮ったミュージックビデオが、
このイングリッシュマン・イン・ニューヨークということで、
はしばしにセンスが溢れてるんですけどかっこいいですね。
バンドメンバーも演奏のところが出てきます。
よく出るのはブランホード・マルサリスとかね。
やっぱりこのソプラノサックスがとても印象的な楽曲なので、
このブランホード・マルサリスの出番というのはちょっと多いんですけど、
なんといっても曲の最後がすごくセンチメンタルなメロディーを
ブランホード・マルサリスがほぼソロで吹くんですよ。
哀愁が漂うようなね。
本当に素敵なサックスを吹いているんですけど、
音楽が流れるところを一人の男がコートの襟を直しながら歩いていく。
それがラストのカットなんですけども、
最後向こうの方に行った後にちょっとこちらを振り向くとね、
おそらくこれブランホード・マルサリスっていうね、
なんとも何ですか、粋な演出というかね、
スティングじゃないクエンティング・クリスプでもないところがまた
渋くていいなぁなんてことを私は思うわけですけれども、
ぜひ一回この白黒でとにかくかっこいいミュージックビデオを
一度このユニバーサルの公式の方で出てますので、
ジャズとロックの融合
もし今日興味が出た人については一度見ていただきたいなと。
概要欄の方にリンクも改めて貼っておきますので、
ぜひチェックしてみていただきたいなというふうに思います。
ということでね、このロック・アーティスト・スティングという一面がね、
すごくメッセージ性の部分では出ているのかなと思いますし、
このね、ジャズというものを取り込むというか、
ジャズへ帰っていった、そういった音楽を取り入れて
新しい挑戦を試みるっていうところもね、
またこの非常にメッセージ性が強い部分もあったのかなと思いますし、
そんなことを抜きにしてもね、とても素敵な曲がたくさんあります。
この曲以外にも、このシング・ライク・ザ・サンというアルバムを聞いていくと
名曲たくさんありますしね、その後の曲でも本当に有名な曲もたくさんあって、
中にはね、当時のベースの冷静に対するメッセージソングだったりだとかね、
彼自身ライブ映像だったり、いろんな社会的な活動、
チャリティーコンサートにも参加してますし、
そういった意味で政治的なメッセージも出すアーティストとなっています。
もし興味のある方はね、スティング聴いていただいてもいいですし、
またね、この曲を聴いたときに気に入った楽器を演奏しているジャズアーティスト、
例えばブラウン・フォード・マルサリスであり、ケニー・カークランド、
こういった人たちの曲をサブスクなんかでね、
ディグっていただいて聴いてみるっていうのもまた一つね、
ジャズの入り口なのかなというようなことも思います。
スティングばかり聴いていてもおそらくね、
ジャズに対する、なんていうんですかね、
神話性というか体制というかね、
ジャズに慣れてくるっていう意味では、
スティングの曲なんか聴きやすいと思いますしね、
まああのロックではありますけど、かなりジャズっぽい曲もありますのでね、
あまりジャズって苦手だなと思う人は、
こういったね、スティングみたいな人の曲から入っていくっていうのもね、
一つおすすめではあります。
ということで今日はね、ロックアーティスト、スティングの名曲、
イングリッシュマン・ニューヨークから、
ジャズの入り口をご案内しました。
さて、いかがだったでしょうか。
えー、ボツテイクと言ってもですね、
時間が長すぎてボツになっただけなので、
お話の内容はね、それなりに面白かったんじゃないかな、
というようなことを思っておりますけれども、
また感想等聞かせていただけたらね、
嬉しいかなと思っております。
また今日取り上げたイングリッシュマン・ニューヨークについては、
ジャズの入り口、プレイリスト、ランチボックスの方に追加していきますので、
こちらからも聞いていただけたらと思います。
また、本編中でお話ししておりましたね、
こちらのミュージックビデオのリンクの方をね、
概要欄に貼ってあります。
ぜひね、この素敵なミュージックビデオを見ながら
鑑賞していただくということもね、
おすすめしておりますのでね、
こちらも見た感想等を聞かせていただけたらと思います。
そんな番組への感想ですけれども、
各種SNSから、
ハッシュタグ、ジャズの入り口をつけてポスト、
またはDMを送っていただいても結構です。
Spotifyのコメント欄でコメントしていただいてもね、
見ておりますし、
概要欄の方にはメールフォーム、
あまりこのメールフォームって使われることが少ないんですけど、
一応ありますのでね、
皆さんの送りやすい形で結構ですので、
ぜひ感想を聞かせていただけたらなと、
こんなことを思っております。
ということで、ジャズの入り口は各週金曜日、
大人の時間、午後8時頃に配信予定となっております。
今日はここまで。
お会いしてありがとうございました。
案内役はフランク・ナッパでした。
40:25

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