MUSEUMとは
こんにちは、takejuneです。この番組は デジタルプロダクトの作り手を
ゲストにお招きして、フムフムと 知識を増やしていく対談番組です。
今回のゲストも前回に引き続き、 ロールケーキ取締役CXOで、デザイナーの
伊野伸手さんです。最近リリースした MUSEUMというサービスや、それを
生み出した社内の新規事業を生み出す 仕組み、デザインをするときに気を
つけていることについて、お話を お聞きしてみたいと思います。
最近MUSEUMというサービスをリリースされた ということで、おめでとうございます。
これが本当に素晴らしいサービスだと 思って、リリース前から少し見せて
いただいたりとかしていて、そのときから いいぞって思ってはいたんですけど、
やっぱり出してみたら、すごいパーゲット ユーザーからすごい共感の嵐があった
かなというふうに思うんですけど。 MUSEUMというサービスについて、
どんなサービスなのかみたいなことを お聞きしていきたいんですけど、
MUSEUMってどういうサービスですか。 僕、3人の子供の親なんですけど、
子供っていろんなもの、いろんな場所に いろんなものにいろんな絵を描いたり、
何でも工作したり、ブロックを作ったり みたいなことって普通にするじゃないですか。
それは彼らにとっては学習だったりする 一面あると思うんですけど、すごい純粋に
そういうことをいっぱいやってきます。 でもそれを見てやっぱり僕なんか
この子天才か?って思ったりするけど、 あるじゃないですか。
あったりするじゃないですか。 完全に親ばっかりだと思うんですけど。
でも逆に分かっているのは、いつか なくなっちゃうと思ってるんですよ。
この天才感。 今だけ持っているその想像力だったり感性
みたいなもの。別にそれが移ろっていって 大人になっていくっていうのは全然構わないと思って
いるんですけど、それを
あんまり全然整理できなくて、整理できない っていう理由で捨てちゃったり、なんかすごい
ないがしろにしちゃったりとか、そういうことが できないからその絵についてちゃんと子供と
話ができなかったとか、そういうのが すっごい溜まっていたんですね。
罪悪感として僕の中で。 それをなんか少しでも緩和できないかな
と思って。 立体物でも絵でもいいんですけど、本当に
写真に撮って、この時、写真撮るだけでそれが デジタルアーカイブとして残っていきます。
そういうことすると子供とそういう会話 するじゃないですか。これ何書いたの?
そういったことの具体情報みたいなメモも できたりとか、何歳何ヶ月で書いたものだよ
みたいな自動的に登録されていて、気づいたら デジタルのアーカイブができます。
でもそれだけじゃちょっと寂しいので、
それだけでも子供への認知っていうか、私は あなたの行動を見ていたよみたいなことも
あると思うんですけど、もっと
それはすごく小さな我が家のミュージアムっていう エリアだと思うんですけど、もうちょっとそれが広がるような
例えば、しっかり作品集として子供の子供ごとの 作品を残していって、認知をもっと上げるっていう
デザインの目的と重要性
ところもあるんですけど、ティビの生活の中に そのすごい子供の絵が溢れるような世界
みたいな、例えばそれがグッズになってもいい と思いますし、本当にもっと大きな
ミュージアムっていうか、世界の中でそういう 絵が流通するような、そういう世界になっていったらいい
なと思ってるんですけど、今はまだ 各家庭の中でのミュージアムをちゃんと作っていこう
というか、子供のデジタルアーカイブとグッズとか 作品集を作っていって、
子供を見てるよ、見てたよ、見ててもらって、 こういう子供喜びますし、
さらに絵をどんどん描いていったりとか、そういう サイクルを作れるようなサービスになったらいいな
と思って、まだ全然初期が何回ですっていう サービスです。
今出ているものっていうのは構想の中の 一部で、先々にいろんな広がりを決めてる
サービスなんだなっていうことを改めて 思ったんですけど、
なんかこういう結構抽象的なお話を お聞きした一方で、いのさんの
ウェブサービスとかアプリを実際に形作っていく その狭い意味でのデザインみたいなところに対する
なんかこだわりとかなんかやり方みたいなところって、 あんまりお聞きすることないなって思って、
そこもちょっと聞きできたら嬉しいなというふうに 思うんですけど、なんかやっぱりいのさんの
作られるものを見ていて、みんなみんな表現力と、 なんかシンプルだなっていうのもやっぱそう思いますし、
伝わりやすいなっていうふうにやっぱ思う部分があって、 僕から見ると結構なんかその簡単な言葉を使ったりとか、
なんか一度に伝えることを絞っていったりとか、 なんかストレートな表現みたいなものはすごく感じるし、
その中でプラスアルファなんかグッとくるような、 なんか気持ちが動くようなものをそこに対して加えている
みたいなことを、ちょっと強火のファン目線だと、 そういうことを思いながら見ていたりとかするんですけど、
実際いのさんは作っていくとき、なんかどういうふうに考えてその表現の部分を 使われているのかなというのをちょっと知りたいなと思うんですけど。
狭い意味で言うとその表現、どっちかというとビジュアルよりの、 見えに見えるというところですよね。
こういうことを言っちゃうとちょっと嫌われちゃうかもしれないんですけど、
最初に僕デザイナーになりたいと思ったことはないって言って、今もデザイナーはすごい職業だと思いますし、憧れてもいまして、
僕もそういう機能をつけたいなと思っているんですよ。 なんですけど、今竹谷さんが言われてたようなビジュアルについて僕はどう捉えているかっていうと、
やっぱり僕の中では今はやっぱりゴールのほうが全然大きいんですよ。 そのゴールにたどり着くため、導くためのツールの一つとしか思ってないっていうのは今、
改めて感じて、 綺麗だとか、
見やすいみたいなところもそこまで重視していなくて、やっぱりどうやってゴールにたどり着くのに何が有効なのかっていうのを気にしてるっていうのが
たぶん一番近い答えなのかなとは思います。 デザインの役割がもしあるとしたら、いつも思うんですけど、
デザインとアートの比較みたいなものってよくされるじゃないですか。
アートって直接何の説明も何の行動もなく、直接心に問いかけちゃっていいものですよね。
すごいなと思うんですけど、アートはすごいなと本当に思ったんですけど、そういうものなんですけど、僕それをデザインに求めてないです。
デザインに求めているもの、デザインが仕事としても価値がありますし、デザインという機能としても価値があるんだとしたら、その後に起こる
行動の変容を問うことだと思ってるんですよ。 それがセットにならないデザイン、僕ちょっとダメなんじゃないかなって思ってます。
強めに言うと、ゴールを大事にしてそのツールとして思っていて、そのツールは行動変容できるかどうかが価値があるんじゃないかって思ってます。
デザインのチェックリスト
それのための見やすさだったり、綺麗さだったり、トーンだったりっていうのはすごい気にしてはいると思うんですけど、ベースとしてはそういうことを考えているかなって思いました。
行動変容を促すようなものづくりをしていくときに、その中にビジュアルデザインみたいなものがあって、それをしていく中でのイノさんの中での
ないと思うんですけど、チェックリストみたいなものがあるとしたら、どういうものになるのかなっていうのを、実は何か存在しているんじゃないかなみたいな。
存在してるでしょうね。 厳しいこと聞かれた感じするな。
いや、存在しているかもしれないです。
なんだろう。 ちょっと思いつかないんですけど、ある分も思いました。
逆にミュージアムをやりながら、他のサービスの共通の体験設計を横串で見てたりとかもすると思うんですけど、
その中でレビューしたりとかアドバイスしたりする、こうだと思うよりはこうした方がいいんじゃないみたいに伝えるときによく言うこととかはあったりしますか。
言葉が似通っている部分があるかっていう意味なんですね。
弊社もデザインのレビュー会とかよくやってるんですけど、その時にレビュー者が持ってくるものは目的と現状のアウトプットだけなんですけど、
目的に達成できる、目的って言うとちょっとあれなんですけど、例えばこれを見てどういう行動をしてほしいと思っているかとか、そういったぐらいのものなんですけど、
これに対して、言うやつかこれなんかみんなに聞いた方がわかるのかもしれない。僕の中で意識できてないかもしれないです。
竹取くんはあるんですか。よく言うなって。
僕は結構カタカシしちゃうのが好きなタイプなので、実はそういうチェックリストを持っていて、それに照らしながら見ていくことが多かったりしますね。
なるほど、もうリストになっているって感じですか。
実はなってます。
それで言うと、レビューもずっとやっているので、レビューの中でよく議題になるものっていうのがあるんですよ。
ロールケーキの中でも。それを社内記事にして何か、3、40個まとめているみたいなチェック、ちょっとしたチェックリストかもしれないですね。
そういうのはあります。ロールケーキのデザインの心得みたいなのが、
体験設計の部門とか情報設計の部門とかUIの部門とか言葉の部門、トーンとか
その他みたいなことで、何個ぐらい?
30から40ぐらいのリストがあったりします。
それと、井野さんの中で、自分が作っている時に意識しながら作っている部分っていうのは結構近いんですか?
近いですね。例えばなんですけど、体験設計の部分で言うと、例えば一番最初はサービスの価値について考えましょうっていうのがあるんですよ。
サービスの価値ってそもそも何だっけっていうところから始めましょうみたいな、そこを自分で考えているかどうかみたいなことを考えますし、
あと課題とゴールについての関係性はこうなっているので、こう考えましょうみたいなのもありますし、例えば体験設計だとそんなにズレはなかったりとか
あとさっき言った情報のセクションの中で言うと、複雑なものっていうのはどっちかっていうと仕組み側が
仕組みとデザインで受け取っていきましょうみたいな、その複雑さが一定であるという考え方があるじゃないですか。ユーザーに押し付けてませんかそれはっていう複雑さを。
みたいな項目があったりとか、メインストリームユーザーを邪魔しないという項目があったりとか、何が起こっているかわからない状態をなくすという項目があったりとか
みたいな、チェックリストといえばチェックリストで、僕とズレてるかというとズレてないと思う。 それって誰が作ったんですかそれは。
フラワーのナオメメっていうデザイナーと僕でこういうことよく出るよねとかここチェックした方がいいよねみたいなことを話しながら日々更新しているような
こういうリストというか記事みたいのがあるんですよね。 いやー今めちゃめちゃ興奮してます。あるんじゃんと思って。
ありますね。やっぱこうレビューをやってると結構同じような議論になるんですよ。
これ前も言ったよね、人の代わりに満開に言うんですけど、こういうのあるよっていう。
例えば言葉とかだとできないことじゃなくてできることを伝えるとかっていう項目があったりとか。
今聞いたのは全部文字に起こって。 雰囲気掴んでもらえるかなみたいな。
一個一個お聞きしてリスト化したいぐらいすごく気になるなって思いましたし、今度こっそり見せてもらえたら嬉しい。
これあれじゃないですか。御社と共同で一個ずつ毎回10個ずつ出すみたいな勉強会。
ぜひぜひあのちょっとやりたいですね。
ちょっとあのギブアンドテイクでこちらからも何か。
みんなでそういうのをやって面白そうだなって思いました。
ありがとうございます。やっぱりちょっとあの井野さんとお話しするには1回では足りないなっていうふうに思いました。
話長くなってしまいました。
いやいやいやちょっと聞きたいことがどんどん出てきちゃって収集つかなくなっちゃったんで一旦今回はここで終わろうかなと思います。
ありがとうございます。
ぜひまたもう一回改めてお話し聞かせてください。
あと勉強会もやりましょう。
はいぜひぜひやりましょう。
はい今回はちょっとあの僕はですね。
好きすぎてなんか変な感じの進行にしてしまったこともあったんですけど。
でもなんかすごく刺激受けられるいい会になったんじゃないかなと思っております。
今回のゲストはロールケーキの井野典さんでした。
井野さんありがとうございました。
ありがとうございました。
ロールケーキの新サービス「ミュージアム」の背景
ロールケーキの中で何かその他にもいろんなサービスがある中で何かタイミングでこのサービスが生まれたきっかけみたいなのは何か直接的なトリガーみたいな何かあったりしたんですか。
それっていうのは他のじゃなくてどうしてミュージアムだったかっていう話ですかねそれとも。
一個は内発的な動機としてはなんか井野さんの中にそういうなんか子供の作品が積もっていってなんかあのたまっていってる罪悪感みたいなものがかなり高まったみたいなことが一個内発的な動機としては。
プラスなんかそのそれ以外にそのロールケーキさんの状況としてなんか新しいサービスを作るべきタイミングみたいなのが重なったりとかっていうのがあったのか。
今おっしゃっていただいたように内発的な動機は本当にまさにそういった状況だったと思います。
それは僕個人だけの話で。
ロールケーキのちょっと長い歴史の中でまず最初レターっていうのが本当にこれは潰れるか生き残るかみたいな切り引きのやつがあるじゃないですか。
そういう期間を過ぎてアルバスっていうのが出たんですけどこれすごく皆さんに使っていただいてそこに結構4,5年僕らのリソースをどんどん使っていったんですよ。
それでも新しいアイデアがあったのでフラワーみたいな事業も当時並行でリリースしたりしてたんですけどやっぱり目線が今伸びているサービスにどんどんどんどんっていう感じだったんです。
ある時みんなでふと止まってあれ?うちってアルバス株式会社だっけ?みたいな感じになって。
違うんだよって僕らはいつでもこれやりたいって思ったら作れて世の中に出せるところを目指してるよねっていう話になったのがあったんですよ。
そこで会社の中にラボっていう仕組みをその話があった後にラボという仕組みを会社の中で立ち上げたんです。
それはもう既存のサービスとは全然別で、僕は2割のアリみたいな組織みたいに言ってるんですけど、アリってやっぱり2割はいつもサボっちゃうじゃないですか。
アリの列の中で。でもその2割のアリがよくわかんない探索をしてるから次の餌までを見つけられるみたいな話で、
そういった形で本来のメインのストリームとは別のところで、全然違うところでものを作ったりアイデアを探索するみたいな組織としてラボっていうのを作りました。
そこで何やってるかっていうとアイデアの創出という1軸と、そのアイデアの検証っていうもう1軸、この2軸を常に回している組織なんですけど、
ちょっと細かいのは省きますけど、アイデアの創出とアイデアの検証をずっと回してるんですけど、その中の1個です。ミュージアム。
井野さんの内発的な動機と組織内ラボの設立
その手順にのっとって出てきただけです。
それのラボの取り組みの第1弾がこれっていうことですか?
ラボの取り組みの第1弾はNUです。NUっていうスケジュール、タスク管理ツールの。
それっていうのはなんかその事業家のルールみたいなものがあるんですか?いつまでにいかないとみたいな。
事業家のルールって言うとそれって。
事業継続のルールみたいな。
あります。それが例えば経営側と事業責任者での数値の約束とかじゃないで。
何をやってるかっていうと仮資本金制度っていうのをしてます。
仮資本金制度。
アイデアがあって、いくつかの検証を通ると事業家ができます。
事業家の継続の、これずるずるやるのってよくないじゃないですか。
竹谷君はよくわかると思うんですけど、それをやめたい。
そういうのはそういう状態にはなりたくないっていうのと、あとは自立性をすごく持たせたいっていうこの2つから、
提案してきた資本金を使っていいことにします。
どういうふうに使ってもいい。
それがなくなったら終わり。
自分自身の給料も含めてということですね。
そうです。
面白いですね。なんかそういうふうになったのは、
事業家のルールと新事業への人員アサイン
ロールケーキさん、井野さんとか石田さん自身の経験みたいなところも結構入ってる。
そうですね。その会社の中での経験の中から、やっぱりこう、
経営者といえども、上話入ったりするじゃないですか。
上話入るし、強引に数値を約束してたとしても、微妙なラインとか、微妙なシグナルが出た場合どうするのか、
結構フワフワしてる部分もあると思っていて、その中でいきなり切ってしまった時に、
ハレーションが起きてしまうとか、なんかそういった経験の中から、
いやもう最初からどういうふうに使ってもいいから、はい、5000万。
すごいわかりやすくやってるって感じですね。
でもその中で自分たちでどういうふうにお金を使っていいかは、
自分たちで決めていいよっていう。
そういった経験の中からこういうルールがいいんじゃないかっていうのを試してるみたいな感じではあります。
プロダクトを作るメンバーっていうのは、サーバーサイドエンジニアとかアプリエンジニアとかデザイナーとかいると思うんですけど、
いきなりその一人月ポンと入るというよりかは、他のプロダクトやってる人のリソースの一部をもらうみたいな感じで、
その人件費分を高コストとして算出するみたいな感じなんですか。
理想は刑務なしで一人月をしっかり入れる、そっちの方が多いです。
どうしてもここ手伝ってほしいみたいな、0.1人月をちょっと算出みたいな部分もありますけど、
理想としてはやっぱりフルコミットで新事業の方に入ってもらいたいというふうにはやってますけど。
やっぱりアルバスっていう主力事業がある中で、
そういう新しい取り組みに人をスピンアウトさせてアサインしようと思うと、
結構アルバスを伸ばしたいっていうところからすると、
削ぎにくい部分とかっていうのもやっぱりあったりするのか。
既存事業から削ぐ感じはあんまりない。
どっちかっていうと採用です。
もちろん採用した人がアルバス側にいて、そこから交換みたいなことはありますけど、
頭数としては採用です。
すごいですね、それも面白い仕組みだな。