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2023-08-04 14:25

4.釣りに役立つかもしれない、メバルの生態

研究論文等をもとに、メバルの生態についてまとめてみました。メバリングに役立つかもしれません。
※内容で「メバル属」と言っている箇所は誤りで、正しくは「メバル科」です。失礼いたしました。

【参考文献】
・歌川憲一「三浦半島佐島周辺海域におけるメバルの生活史に関する研究」(1999)
・ 永沢 享「日本海におけるメバル属魚類の初期生活史」(1998)
・西 隆昭, 川村 軍蔵「メバルの磁気感覚」日本水産学会誌 / 日本水産学会 編 72(2006)
・明田 勝章, 淀 太我, 甲斐 嘉晃 他「若狭湾西部海域におけるメバル複合種群の食性比較」水産増殖 = Aquaculture science(2012)

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みなさんこんにちは、ロクです。このポッドキャストは、参院出身の釣り好き、私ロクが日々の釣りを通じて感じたことや釣り方、知識のまとめなどを話すメディアです。
いろいろとお話しする中で、みなさんの釣りのヒントや興味のきっかけになったらなと思っています。
さて今回は、釣りに役立つかもしれないメバルの生態についてお話をしたいと思います。
これは私の個人的な知識を話すというよりは、できる限り皆様にある程度裏取りがされたデータや知識を提供するために、研究者の方の学術論文から引用しております。
引用元は概要欄の方に記載しておりますので、興味のある方はまたご覧になってみてください。
では早速メバルについてなんですが、分類上はスズキモク、カサゴアモク、メバル族というカテゴリーに分類されています。
種類は白メバル、赤メバル、黒メバルの3種類に分類されています。
これは学術論文とは離れますが、一般に白メバルは泥や砂地が近くにある岩小帯や人工物の近くにいるとされていて、
赤メバルは海藻混じりの岩小帯、黒メバルは回遊性が強い、いろんなところに出現すると言われています。
ちなみにこのメバル族の仲間としては、釣り魚にも馴染み深いカサゴを筆頭にソイの仲間、黒ソイやムラソイなどのソイの仲間がカテゴライズされています。
メバルの特徴としては、こういったいわゆる寝魚の仲間なんですが、そこから海底から離れた生活をするように進化をした点が挙げられています。
水族館とかでもたまにメバルを見ることができるんですけれども、だいたい斜め上を向いて餌を待っている状態でいることが多いです。
YouTubeなんかでも検索するとこんな映像が出てくると思います。
ただ、警戒した場合は障害物に湯を込んでお腹をつけてじっとしている光景も確認がされています。
メバリングでもですね、ルアで釣っていると根に潜られる場合っていうのが結構あるので、経験とも合致するところかなと思います。
生息域ですが、九州から北海道まで、かなり日本の広い範囲で釣ることができます。
適水温としては15℃前後と言われています。
確かに経験上もこのぐらいの水温というのが釣りやすい水温なんじゃないかなとは思うんですけれども、
個人的な経験では水温27℃、もう本当に7月の後半ぐらいですかね、でも釣ったことがあります。
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割と大きめの25cmぐらいまでの個体ですけれども、こういった大型の個体は特に水温が多少高くてもですね、餌を覆う体力というのがあるのかもしれません。
そして生態ですが、5mm前後で生まれてきます。
メバルは卵体性といって、母親のお腹の中で子供がかえって、もうすでに魚になった状態で外に飛び出してくるという姿勢を持っています。
産卵場所はやや水深のあるモバで、1月から2月ぐらいに行われるとされています。
孵化後しばらくはですね、キレタモにくっついて隠れながら漂う浮遊生活というのを送ります。
特に夏が多いですかね、海藻がちぎれて浮いているものを釣りをしていると見かけることがあるかと思うんですけれども、そういったモにくっついて漂っているということみたいですね。
海藻につく小さな生き物や魚の卵などを食べて大きくなるようです。
キレモと一緒に漂いながら沿岸部にたどり着いて、岩床帯やモバでさらに大きくなっていきます。
成長を続けていって、だいたい5センチ程度の大きさになると底星、いわゆる底につくようになるということですね。
生息場所としては、亀裂が多い岩床帯やゴロタ浜、都市部であれば人工物にもつきます。
ちなみに砂や泥であっても、例えばちょっとしたゴミ、例えば漁に使う網が破れて海底に沈んでしまっているものなんかがあれば、底につく個体も確認されています。
成長スピードとしては非常に遅くてですね、ここは論文を見つけられなかったんですけれども、一般にシャクメバルになるには10年以上かかるとも言われています。
リリースが推奨されているのはこういった特性もあるということですね。
食性ですが、年間を通じてアミ類、横エビ類、貝足類などを主な餌として食べています。
アミはまだオキアミとか見たことがある方はイメージしやすいと思うんですが、貝足類となるとなかなかイメージできない方も多いと思います。
ざっくり言うと、これらはエビやカニのすごく小さいものと理解をして良いと思います。
学者さんにはいろいろと怒られそうですが、一般の釣り人という意味ではこのいった理解で良いと思います。
ちなみに今述べたアミ類、横エビ類、貝足類というのはエビ、カニ類とは明確に区別されているものなので、一応触れておきます。
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体が大きくなると、こういったものだけではなくて片口いわしとか、魚食性が強くなっていきます。
ちなみに同族であるメバルの小さい個体ですね。こういったものも食べる、いわゆる友食いが確認されています。
また浮遊物だけではなくて、例えば僕たちがイメージするカニなどの底に住む甲殻類も食べます。
実際に、これは私の過去の経験上もクロウ系のワームをズル引きしてメバルが釣れることがあるので、こういった経験とも合致するなと思っています。
サイズを問わず数匹から数十匹程度の群れでいることが多いのですが、特に大きい個体は単独でいることもあります。
以前岩手県でボートメバリングを楽しんだことがあるんですが、この時にシャクメバルを日中にサイトフィッシング、見えている個体を狙って釣ったことがあるんですけれども、シャククラスの群れでいる個体は大体10匹前後の群れでいました。
一方で、似たようなエリアなんですが、単独でいる個体というのもいて、これは岩と岩の間に浮いていることが多かったです。
やっぱり一匹釣ると、基本的にその群れというのは警戒して食ってこないことが多かったです。
反対に単独でいる個体というのは意外と警戒心が薄いのか、アプローチがしっかり決まると食ってくることが多かったなという印象を持っています。
論文の内容に戻って、これは意外と釣りとも関係が深いかなと思うんですけれども、消化についてですね。
食べ物の消化は遅いとされています。これは同じ魚という区分の中でも遅い方だとされていて、
比較的消化が良い魚肉の餌で実験をした場合にも50時間以上ですね、消化までかかるという研究結果もあって、
一度満腹状態になると、しばらくは餌を食わないということが確認をされています。
なので、消化に時間がかかる甲殻類、硬い殻を持った生き物を食べている場合は、さらに時間がかかるということが予想されるということなので、
少なくとも50時間以上消化にかかる魚だということですね。
論文の内容から離れますが、以前に粘る養殖業者さんの記事を見たことがあります。
いわく、夏は餌の食いが悪いだけではなくて、消化も悪くて、消化不良、いわゆる人間でいうと下痢気味というんですかね。
そういった状態になるようです。
そんな時に餌をやっても、もちろん食わないだけではなく、状態が悪くなるんだというようなことが書かれていました。
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なんとなく釣り人からすると、夏は釣れないので、メバルがどこかに行ってしまっているんじゃないかというふうに考えてしまいますが、
論文によると、岸に近いようなポイントでも、夏場にメバルが完全に消えるわけではない場所もあるようで、
いろんな話を踏まえると、いるのはいるんだけれども、ご飯を食べるような活性ではない、少なくともワームとかプラグルを食ってくるような活性ではない状態でいるんだということが想像できるのかなと思います。
それから、シーズンであっても、例えばあるエリアでメバルが一斉にベイトを食べて満腹状態になった場合、
仮にメバルの入れ替わりというのがそのエリアでなければ、そこにいくらルアを投げ込んでも釣れない時間というのが、そのエリアに関しては相当続くということが考えられるかなと思います。
私の経験上は、これはサインエリアに限った話と聞いていただけたらと思いますが、
メバルが釣れる日というのは、割とポイントに入ってからまっすぐ釣れるんですよね。
同じポイントで粘り倒して、例えば黒メバルがどこかのタイミングで入ってきてポロッと釣れるということはあるんですけれども、
特に白メバルと赤メバルに関しては、釣り始めで釣れなければ、その後どれだけ粘ってもなかなか良くないということが多かったです。
なので、こういった消化にすごく時間がかかるということも踏まえると、
少なくともサインエリアに関しては、一箇所で慈愛をひたすら待つというよりは、
ある程度いくつかポイントを欄眼して、お腹が空いている活性の高いメバルを探していくという方が、もしかすると効率が良いのかなというふうには思ったりします。
この辺り、ぜひ皆さんの意見もお聞かせいただけたらなと思います。
また論文の内容に戻りますが、メバルを一度捕まえてリリースをする、別の場所でリリースをすると、元の場所まで頑張って泳いで帰る個体も多いそうです。
これは論文ではありませんが、別の対談誌か雑誌かで、鈴木も同じだという話を聞いたことがあります。
論文ではその実験結果が書いてあったものと、また別の論文で、メバルは磁気を感知している。磁気というのは磁石の字に空気のキーですね。
磁気を感知していて、垂直方向と水平方向の磁気の変化というのを頼りに元の場所まで帰るんじゃないかという結果を発表していた論文がありました。
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これが正しいとすると、メバルは体の中にコンパスを持っているという見方もできるのかもしれません。
いずれにしても、これを実際の釣りで考えると、わざわざエネルギーを使って元のエリアまで頑張って泳いで帰るということを考えると、リリースをするのはできる限り元いた場所の近くが良いという話になるんじゃないかなと思います。
おかっぱりでリリースを別の場所でするというケースはあまりないかもしれませんが、例えばボートメバリングとかやっていると、釣れた魚を一回生かしておいて、
マリーナとか港に戻ってきてから、いらない場合はそこで話すということもついついやってしまうので、
こういった特性を持っている魚に関しては、できる限り釣った場所の近くで話してあげる方が良いのかなという気もしました。
では今回は、論文をもとにメバルの生態についてお話をしてみました。
この話を聞いても直接釣りの技術が磨かれるわけではないんですが、釣れた理由が分かったり、理由が分かれば次に使える引き出しとして記憶がされると思います。
そういった意味で役に立つのもそうですし、また魚への接し方も考えるきっかけにもなると思うので、また機会があれば他の漁師についても話してみたいなと思っています。
論文についてもしご興味のある方は、概要欄の引用文献を参照いただければと思います。
もし直接見たいという場合には、国立国会図書館オンラインというサイトで利用者登録をすると遠隔服舎という、輸送してその論文のコピーを送ってもらえるというサービスがあります。
もちろん有料にはなりますが、そういったものを利用されてみてはいかがでしょうか。
このポッドキャストへのご意見、ご感想、質問などありましたら、概要欄のフォームから投稿してみてください。
では、釣りがあなたの人生をもっと豊かにする遊びになることを私ろくも願っております。
ありがとうございました。
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