2024-05-06 09:24

#15 生理について 第13回(昔の生理用品について 03)

昔の生理用品、アンネナプキンについて、

引き続きアウトプットしています。


【参考書籍】

生理用品の社会史 著:田中ひかる

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男性だからわからない、を卒業する番組 FEMSTA
FEMSTAは、男性だからわからないを卒業して、女性への理解を深めるために、女性特有の現象を学び、アウトプットする番組です。
どうも、nakamasaです。今回は、生理についての第13回目、引き続き、昔の生理用品についてアウトプットしていこうと思います。
戦後から生理用ナプキンが登場するまでは、汚れが目立たないように黒い色で布製のショーツの股の部分にゴムが貼ってあり、そこに脱脂綿やカットした綿を置いて使うタイプの黒いゴム引きパンツが多く用いられていたそうです。
このタイプには、いくつか欠点があって、むれる肌触りが悪く、皮膚の弱い方は湿疹やかぶれを起こしてしまう。
ゴムの上に置いた綿が移動してしまうことがあって、軽血が漏れてしまう、などがあったようです。
アメリカではすでにCortexという商品が1920年頃に発売されていて、ナプキンに近い形状のものをつるすベルト式で、体の動きとともにずれる、との意見もあったようですが、黒いゴム引きパンツよりは遥かに快適だったようです。
日本でも一部の方たちの間で利用されていたようですが、かなり高額で知っていても手が出せなかった方たちも多かったようです。
前回でも言いましたが、日本でセイリオナプキンが誕生したのは1961年でした。
それはアンネナプキンという商品で、発明の生みの親は坂井義子さんという方でした。
当時は水泉トイレが普及し始めた頃で、セイリ用品の脱脂綿をトイレに流してしまうと詰まってしまうという問題が起こっていたそうです。
坂井さんはCortexを使用していたそうですが、脱脂綿を使った軽血処置に対して、トイレに詰まるという問題以前にその使用感に疑問を抱いていたそうです。
坂井さんは、生理は中学2年に始まったが、それ以来女の宿命的暗さということから頭がどうしても離れなかった。
その頃、電車の中で血がにじんだ女性のスカートを見た。
いたたまれない思いで電車を途中で降りた。
大学の頃、バスの中で血に汚れた脱脂綿が落ちているのを見た。
席を変わって靴で押さえ乗客の目から隠そうかと思い詰めたが、さすがに勇気がなかった。
バスが坂道にかかると脱脂綿はコロコロと車内を転がり回る。
かっと頭へ血が昇るような恥ずかしさとみじめな気持ちであった。
という記述があり、こういう経験やCortexはアメリカの女性のために作られた生理用品でサイズが合わないという欠点から
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日本人女性に合った生理用品が普及すれば、生理の時をもっと快適に過ごせ、トイレもつまらないと考えたそうです。
坂井さんは専業主婦から起業して、発明家と企業を仲介する株式会社発明サービスセンターを設立しました。
この会社は仲介を基本としていましたが、新しい生理用品の開発に関しては
当時、男性の生理用品への関心が薄かったこともあって、女性が関わった方がいいのでは、と考えて
旦那さんの秀谷さんに相談し、一緒に新たに会社を設立することになりました。
そのための出資を買うためにいくつかの会社を回ったそうですが、いずれも女の下の者で飯を食うということに抵抗があるようで、
最終的に女子を踏まれてしまっていたそうです。
その中で、以前から何度か付き合いがあった森部はじめさんという方の元を訪れた際に、
事業計画書を作るように言われ、10日かけて事業計画書を作成して、
それを森部さんに見せたところ、さらっと目を通しただけで、こう言ったそうです。
私の判断では、この生理用品の市場はあなた方が考えているよりもっともっと大きい。
私は社会に貢献できるものなら必ず売れるという確信を持っている。
私はあなた方が社会に奉仕できる、貢献できるという観点からこの事業を始めるのなら応援しましょう。
ただし、やるにしてはこんなちっぽけな計画書ではダメです。
3000万人の日本の生理人口から考えても、少なくとも100万人分は当初から作らねばダメです。
それでなくては社会貢献という意味からも遠のいてしまう。
100万人分と言っても生理人口のわずか3%です。
案を支給に練り直してもらえませんか。
資本は1億、金は2億ばかり用意しましょう。
こうして出資を受けることができて、新たな会社を設立することができたそうです。
アンネナプキンのアンネはアンネの日記から来ているそうで、
アンネは生理について、生理があるたびにめんどくさいし不愉快だし、
鬱陶しいものにもかかわらず、甘美な秘密を持っているような気がします。
ある意味では厄介なことでしかないのに、その都度うちなる秘密を味わえるのを待ち望むというのも、
たぶんそのためにほかなりませんと記述していて、
甘美な秘密と肯定的に捉えていることが、
それまでの生理は隠すものという根強いネガティブな意識に反して、
これから代々的に生理用ナプキンを社会に打ち出していこうという意識と重なったそうで、
この名前を採用したそうです。
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アンネナプキンのキャッチコピーは40年間お待たせしました。
アメリカでは40年前にコーテックスが発売されていたことから、
アメリカに送れることを40年、ようやく日本にも快適な生理用品が誕生しましたよ、
という意味が込められているそうです。
後にこのコピーは厚生省から40年間研究していたような誤解を与えるため、
買えるようにと指摘があり、アンネの日と決めましたに変更されたそうです。
発売日は当初、1961年の10月1日で、
ここで不具合が見つかって廃棄処分をしたため延期せざるを得なかったようですが、
1ヶ月の遅れにもかかわらず、発売初日で問屋入荷した分の9割が売れたそうです。
キャッチコピーに生理や月経などという言葉を使わずにインパクトのある広告を打ち出していますが、
パッケージにもとてもこだわっていたようで、
美しさや滑らかなイメージを持てる洗練されたお菓子箱のようなデザインが採用されたそうです。
こうしてアンネ社が先陣を切ったことで、後続の会社がどんどん現れ、市場が活性化して、
チャーム社、後のユニチャームですね、なども登場して、最終的にアンネ社は他社に吸収合併されてしまいます。
時代を切り開いたものが必ずしも、その後もあり続けるとは限らない。
今回の勉強で商業無常を感じてしまいましたね。
ただ、何かの異様の近くには背中を押してくれる人がいて、
古典ラジオという大ヒットポッドキャストがありますが、
それの偉人編には必ずそういう人が登場して、
僕はその偉人自体にもそうですが、
偉人を支えたり背中を押してくれる人の方に胸が熱くなってしまうんですよね。
今回のモリベさんのような人たちがいてくれたから、アンネナプキンが誕生して、
本当に人と人とが出会うことって大事なことなんだなぁと感じました。
今回、生理のことを勉強していたのに、
閉ざされていた世界を切り開いた人たちとか、
その裏で支えた人たちとの胸厚な展開があったこととか、
ちょっと違うところで心が動いた勉強でしたね。
展開に関してはだいぶコンパクトにまとめてしまっているので、
興味ある方は参考書籍で概要欄に記載している本をぜひ読んでみてください。
では今回はこんな感じで、また何か足りてない部分とか、
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これ違うよとか、情報が古いよとか、ご意見ご感想があればぜひ教えてください。
Xのアカウントも作っていますので、
ハッシュタグフェミスターでつぶやいていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
今回もお聞きいただきありがとうございました。
中政でした。
ではまた。
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