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明日のファクトリーオートメーションへようこそ。メインパーソナリティーの高橋です。
本日もFA Radioのほうをやっていきたいと思います。
今日は、得利さんお休みなので、私の一人しゃべりなんですけども、
ちょっとお便りをもらってて、読めなかった回とかが結構あるんですよ。
今日は、その中から一つピックアップして、答えていきたいなというふうに思います。
10月29日にいただいているお便りなんですけど、
この日お便り多くて、ちょっとこれを読めなかったんで、
今日は数あるお便りの中から、これをピックアップして読んでいこうかなと思います。
ラジオネーム、井野さんからですね。ありがとうございます。
こんばんは。いつも楽しくラジオを聞いています。
SDVをテーマにトークをお願いしたいです。
車と同様、産業機械もソフトウェアディファインド化が進むのは間違いないと思うのですが、
SDVの考え方がそのまま産業機械に当てはまるわけではないのではと思っています。
その辺りも含め、お二人の意見をお聞きしたいです。
井野さん、ありがとうございます。
私も自動車メーカーに勤めてますので、SDVっていう単語はよく聞くんですけど、
このSDVっていうのは何かっていうと、ソフトウェアディファインドビークルの略ですね。
いわゆる最近テスラとかが常にシムカードを車に積んでて、常にネットとつながっていて、
どんどんどんどん中央サーバーから新しい機能がアップデートされてきますと。
こういう技術のことを一般的なイメージではSDVという単語を皆さんイメージされているのかなというふうに思います。
実際にはそれはOTAっていう技術なんですけど、オンザタイムエアという。
常時アップデートしていきましょうっていうのはそういう技術なんですけど。
このソフトウェアディファインドっていうのは何かっていうと、
ハードウェアを中小化して、それをソフトウェアでうまく制御してやろうっていうふうなものになります。
例えばですけど、車であればモーターであったりだとか、エンジンであったりだとか、ステアリングだとか、そういうものをですね。
今まではハードウェア一品一用の仕様があって、
それをソフトウェアはハードウェアに合わせて都度書いてそれぞれ合わせて入れてたみたいなところがあるんですけど、
それをもう少し中小化して、例えばモーターステアリングっていうのはこういうもの、インターフェースはこういうものだみたいな感じで、
中小化して、それをうまくソフトウェア的に分離して、うまくアップデートできるようにしていきましょうっていうものがいわゆるソフトウェアディファインド。
中小化とかそういった技術みたいな感じでふわっと考えておけば、あんまり間違いはないのかなというふうに思います。
当然ながら昨今ソフトウェアファーストという言葉が非常に流行しているように、
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今までハードウェア先行、いわゆる機械屋さんの機械があって、それに対して後からソフトを入れていく、作っていく。
最後の長尻もソフトで合わせていくよっていうふうなのが一般的な産業機械でした。
これがいろんな製品やいろんな、クローンを始めた耐久消費剤もそんな形にどんどんなってきて、
この流れを見ていると、いずれ産業機械もそうなるんじゃないですかっていうのは当然の疑問だというふうに思います。
その中で井野さんとしては、スマホや車みたいなものがそのまま産業機械にまるっと当てはまるのかっていうと、別にそうじゃないんじゃないっていうふうな感じなんだと思うんですけど、
そこに対して私の意見を今日は少し話そうかなというふうに思います。
結論から言うと、ソフトウェアでファインド化っていうもの自体はもう既に製品がかなり出てきている状況なので、産業機械も。
この流れがここ数年、あと4,5年続いていくっていうことはおそらく間違いないかなというふうに思います。
ラジオでも何回か取り上げたような記憶があるんですけども、直近で言えば昨年のハーノファメッセ、SPSもそうですけど、仮想化PLCっていうものが登場してきたと。
これはどういうものかというと、一言で言うとコンテナ上で動くPLCですね。
今まではソフトウェアPLCっていうものはあったんですけど、それはドッカー上で動かすようにできてなくて、
ソフトウェアPLCプラスドッカー上で動いてるソフトウェア群みたいな感じで、PLCだけ乗らなかったんですよね、ドッカーという技術の中に。
このドッカーのコンテナ技術っていうものが、いわゆるソフトウェアでファインド化やいわゆるOTA技術っていうものの結構根幹になっている技術で、
中央のサーバー、いわゆる開発環境側で作ったものをそのまま配信すると。
なので、開発環境と実際の実機の環境っていうものがだいたい同じように整えることができますよと。
なので、中央で自身の環境を再現しているものをそのまま末端の産業機械なんかに適用していきますよっていうものがこの技術なんですけど、
そのためには、いわゆるIT側と同じような仕組みをOT側にも適用していかないといけないということで、
このソフトウェアPLCがいわゆるコンテナ技術に乗らなかったっていうのが非常にネックだったと。
なんで乗らないかっていうと、いわゆる産業機械特有のリアルタイム性をどうやって確保するんですか。
サーボモーターって数ミリセックでちゃんと動かなあかんし、タイムスタンプもちゃんと取らないと速度が測れないじゃないですか。
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タイミングがわからないじゃないですかっていうソフトウェアと産業機械特有のリアルタイム性を確保するっていうことが非常に課題だったわけですけど、
これをちょっと一部クリアして、今、欧州系のPLCではこのバーチャルPLCと呼ばれる、いわゆるコンテナ技術上で動くPLCというものが出てきたと。
これがソフトウェアデファインドに結構つながってくる技術なんですけど、そういうふうに整ってきましたよというところになります。
じゃあ、もう出てきたんだからそのまま入るかっていうと、これは少し話が別でですね。
産業機械を扱っている業務をしている方だと当然ながらよく理解していることだとは思いますけども、
ちょっとの変化点ですごく品質に影響を与えるわけですね、産業機械っていうのは。
自動車とか最急消費材、いわゆる民生で使っているようなものより圧倒的に試行回数が多いっていうのが、いわゆる産業機械の特徴になります。
例えばお話をしますけど、車の話ですると、例えば電動パワーシートを車の新車から捨てるまでに動かす回数で、
せいぜい100回から1000回ぐらいなんですよね。
これは産業機械になると、1日で1000回動かしますよみたいな世界観になってくるわけです。
往復動作とかそういうものに比べたらですね。
なのでですね、産業機械っていうのは非常に圧倒的に動かす回数が民生より多くて、
当然ながら1万回動かしましたってなると、0.01%の確率で出ますっていうものが出てくるので、
それが1日2日で出てくるので、本当に0.001%しか出ないんですけど、みたいなものが普通に動かしている間にパンパン出てくるっていうのが、
この産業機械の結構難しいところなわけですね。
これがですね、結構些細な変化で頻発するわけなので、
そんなにポンポンポンポンソフトウェアアップデートして、
よくなりましたわみたいなことが成立しにくいところがかなりあるということで、
今の段階で上位からバンバンソフトウェアがアップデートされてきてっていうことは、
なかなかそこまで一夜にヒュッとはいかないだろうなと。
おそらくまずは加工だとか品質に影響しないところ、
例えばIoTの部分だったりだとか、人への提示だとか、
そういう少し補助的な部分ですね。
この辺から少し入っていくんじゃないかなというふうに考えています。
このソフトウェアデファインドが進んだときに、
ソフトウェアデファインドオートメーションっていう概念が今ちょっと出てきているんですよね。
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これが株式会社グローバルインフォメーションっていうところが出してる市場調査レポートで、
世界のソフトウェアデファインドオートメーションにおける成長機会2024っていうのが出てます。
これがソフトウェアデファインドオートメーションっていう概念と、
ソロスタイルネットワークとマニファクチャリングっていうものの分析解析したデータなんですけど、
これちょっとお高くて、40万ぐらいするレポートなので、
僕もこれを読んだ人から少し話を聞いただけなんですけど、そこに少し話が書いてあると。
これ結構今読んでみたいレポートなので、もし持っている方が入れていただけたら嬉しいなと。
この中でバーチャルPLCの話だとか、それに対するAIだとか、
ビジネス的なポジショニングっていうものがどうやら目準を見る限り書かれているなというふうに思っております。
ソフトウェアデファインドオートメーションっていう、そもそも会社が今あるんですよね。
これが一昨年かな、一昨年僕がハノフアメッセに出て行ったときに、
そこであるブースを出してそれを見かけて、これは革命的だと思った会社の中の一つなんですけど、
どういう会社かっていうと、クラウドに自社のサーバーを用意していて、
それが各PLCメーカーのPLCと接続をしてオンライン上でつながっていると。
それがバックアップを引いてきたりだとか、そこの差分管理ができますよっていうものだったんですね。
工場の中のPLC全てのバックアップデータを引っ張ってきてて、
簡単に言うと引っ張ってきてて、それの差分管理、
いわゆる昨日からプログラム変更があったところを差分で見せることができますよというふうなものだったんですね。
これがやっぱりそういうふうな、いわゆるソフトウェアデファインドの先のアップデートの、
いわゆる今どうなっているかっていうものをすべて把握するような、すごくコアな部分のソフトウェアだなというふうに感じたのと、
やはりそれのすごさっていうのは、共通のプログラムがすべての工場のPLCに入っていて、
それを上位から集中的なところからアップデート、配信していくっていうことが普通は想像されるんですけど、
そこではなくて、すべてのPLCの他のソフトウェアがまず一括で全部あるサーバーに集約されるっていうことと、
そのソフトウェアの中に書かれている構造理解っていうものをできる可能性が出てきたというところが、
かなり嬉しいというか、可能性を感じるところなのかなと。
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やはり今、先ほど言ったとおり、そんなにポンポンソフトウェア書いていいものじゃないんですよ。
工場の産業機械のソフトウェアって、何をするにもそれを書いても影響ないですよねっていう当然確認であったりだとか、
インストールしてから実際のラインを流すと、いわゆる本番環境を流すっていうものが非常に当たり前の世界で、
当然ITもそうなんですけど、ITの場合はある程度シミュレーションっていうものはしやすいので、
いわゆる別の本番環境に近い環境でテストをしてから本番環境に移行しますねみたいな流れが基本的に一般的です。
ハードウェアが入ったときにやっぱりこれが難しくて、なぜならそのハードウェアの同じものを用意するってことは事実上できないからですね。
その工場をテストするためにもう一度工場を建てるんですか?そんなことはありえなくて。
なので、シミュレーションでやりましょうっていうのが今のシミュレーションマッチなんですけど、
ただですね、生産設備のシミュレーションをやるっていうのは非常に難しいことなんですよね。
やっぱり難さは何かっていうと、金がないと。
生産設備って例えばですけど、一つの製品を作るに100から500工程ぐらい多かったらあるんですけど、
100工程全部のシミュレーションを個別で作りましたみたいなことになると、
ものすごいお金がかかって製品規格が合わなくなってくるわけですよね。
この製品をこれくらいの価格で作ったら儲かりますよねっていうものに全然ヒットしないような形になっちゃうと。
やっぱりそれが難しいところで、自動車とか製品は100万円200万台売れますよっていうものに対すれば、
シミュレーションする金額も100万で割るとかいうことができますけど、
生産設備ってそうじゃないんですよね。
作るのは生産設備1台しか作らない、2台しか作らない、多くても5台しか作らない、
そういう非常に台数出ないものに対してリッチなシミュレーション割り当てていくっていうのは、
なかなか広めに難しいところがあります。
となったときにシミュレーションが用意できないってなると、
じゃあ今から配信するソフトウェアどういうふうに保証するんですか。
それやって本当に問題ないんですかっていうものをうまく判定できないというのが、
今の産業機械のアップデートの難しさっていうところになります。
これに対する回答は結構シンプルで、いわゆるシミュレーションをちゃんとやりますよと。
さっきと言ってることを全然逆やんけってなるんですけど、
要は先ほどの問題ですね。
シミュレーションはいわゆる金と時間がかかるってことが問題なわけです。
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なので金と時間のかからないシミュレーション技術やソフトウェアっていうものが進歩してくれば、
それは解決するんですよねっていう話なんですよね。
ここに対していろんなアプローチが産業機械の中では行われている形になります。
それはどんなものにも適応できるようなシミュレーション技術を作りましょうっていう方向性もあるし、
もうこれとこれとこれとこれとこれに限ってシミュレーションを完璧なやつを用意しとくから、
産業機械のハードウェア全部これに合わせるんやっていうふうなアプローチもあるし、
一応どっちがいいって言うのはないんですけど、
ある程度のパイというか、今からやりたい産業用機械を入れるラインの、
少なくとも6割から7割ぐらいをカバーできるようなシミュレーションっていうものが
発達してくれば、いわゆる先ほどの集中管理をしていく、
いわゆるハードウェアを助成化してソフトウェアのアプリケーションで利益を出していくってことは、
もうすぐできるんじゃないかなというふうに、私自身は今のところ考えています。
ただですね、私もIDそんなに詳しいわけじゃないので、
もしかしたら地味的な欠陥があるかもしれないんですけども、
今のところそういう流れが、
欧州と米国、中国はちょっと見えてないですけど、
その辺にやっぱり出始めていて、
そこに対する製品戦略っていうものが少し見られてきているのかなというふうに考えていますね。
これはですね、今皆さん、
カテナXっていう言葉であったりだとか、
日本だとウラヌスですかね。
ウラヌスっていう企業間のデータ連携とか、
製品のデータ連携をどうしていきますかっていうものが、
前は非常にホットな話題になっているので、
やはりですね、データ駆動な産業、
生産設備というか、ラインですね、生産技術か、
こういうものが今後重要になってくるんじゃないか、
そうなったときにそこと連結性が上がるような、
いわゆるIT的なインフラ技術が整ってないと、
データ駆動のそういうものはできないんじゃないですか、
っていうのが多分ヨーロッパの主張なんだと思っています。
これに対して、ヨーロッパはこういう主張ですよっていうことに対して、
我々日本勢の主張っていうものをこれから提示していかないといけないと。
ただただですね、欧州がこうやってるからそれやりましょう、
っていうわけでは多分ないと思うんですけど、
ただですね、いわゆる対戦相手が新しい主張をしてきた、
ということに対するアンサーですね。
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これはですね、一部取り入れてうまく日本流にフィットさせていくのか、
それともそういう方向じゃなくて別々の方向なんですよっていう形を提示するのか、
これはですね、何かを考えていかないといけないのかなと。
多分ですね、何もせずにこのままいって相手自滅するみたいなのはないので、
向こう側に進歩していくので、そこに対して我々どう考えていくかっていうのが、
今後の面白いところなんじゃないかなというふうに考えています。
SDVの話ですかね、産業のSAVの話っていうものは、
私は今大体これくらいの感覚で考えていますというところで、
本日のFactory Topics Radioは終了したいと思います。
改めまして井野さん、ありがとうございました。
皆さん、Factory Topics Radioをいつも聞いてくださっていてありがとうございます。
もしですね、このラジオ聞いていいなと思っていれば、
高評価のほうと番組のフォローのほうをお願いします。
それでは皆さん、本日もご安全に。